Aug 31, 2024

駆け込みの登録

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翌日の雨上がりの広場。


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台風は熱帯性低気圧に変わったのかしら。
動きが相当遅いみたいね。


a3

ダリオはモモコに勧められて
コスプレコンテストの参加登録に来たのだった。

8月の結果は明日発表なので、
ギリギリの参加になる。


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ダリオさんですね。
観光でお見えなんですか?


a5

そうなんです。
アフリカから来ました。

普通の格好だけど、
私も参加しますから。
とモモコも言っている。


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フラハもヴィヴィアンに勧められて、
コンテストの参加登録に来ていた。

登録すると参加賞に
手掴みでチョコレートがもらえるなんて、
大盤振る舞いですなあ。
と言っている。


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フミコもたまきに勧められて
参加登録にやって来ていた。

最近、新規の参加者が
ほとんどいなかったけど、
今月は選ぶのが楽しみだなあ。

私もこの格好で参加するからね。
とたまきが言っている。


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広場では、初対面の人や
顔馴染み同士で会話が盛り上がっている。

どこかでお会いしましたか?
忘れちゃったなあ。
最近物忘れがひどくて、
昨日の晩御飯なんだったか思い出せないんですよ。
それはいけませんね。
私はコロッケとポテトサラダとワカメの味噌汁です。


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ジェニーとナオミも
コンテストの参加登録にやってきた。


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みんな駆け込み登録してるのね。
誰が優勝するのかしら。
ほとんどコスプレコンテストっていう
感じじゃなくなってるけど。
などとアンナとレイが話している。



解説)
続きます。
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Aug 30, 2024

2階での会話 そのに

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舞が加わって、
おやつタイムの会話は続いていた。


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小人たちの話かー。
小人の登場する西欧のお話って沢山あるわね。
白雪姫とか親指姫とか親指トムとか。

小説だったら「ガリバー旅行記」とか
「床下の小人たち」とか。
とニッキーが言った。


a3

この国にも沢山あるのよ。
そもそも神話には神様として登場するし、
コロボックルや一寸法師も有名ね。
でもみんな空想の産物だと思っている。


a4

いろんなものや動物たちに宿る
精霊みたいなものは、
いるかもしれないと思うけど、
人と関わりなく生きている
小人たちの存在は思いつかないっていうことかしら。


a5

そういう風に言えるのかどうか。
でも私がそういう狐の精霊だからわかるの。
人は自分たちの都合のいいものに
小人たちのお話も作り替えてきた。



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たしかに昔話の最後には
小人が人間の大きさになって
実は魔法にかけられていただけでしたとか、
打ち出の小槌で体が大きくなって、
めでたしめでたしというお話が多いわね。

それは当然と言えば当然のことなんだけどね。
子供がいない夫婦が神さまや魔法使いに願って
小人を授かるという話みたいに、
昔話はどこまでも人間の世界の事情の話だから。
それとは別に小人たちはいるんだけど、
モモコさんのお友達のジェーンや、
かってのダリオさんみたいに
巨人たちの世界でひっそりと暮らしている。
同じことがこの世界にも言えるんだけど、
見つけても、そっとしておいてあげるのが一番ね。
と魔子が言った。


a7

ベランダに通じるドアから、
ペギーが駆け込んできた。
洗濯物干してたら雨が降り始めちゃって。


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これは大変。
急いで取り入れなくちゃ。


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雨台風が接近してるんだって。
こういうところはリアルタイムなんだね。
などと話している。



解説)
続きます。
Posted at 20:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 29, 2024

2階での会話

a1

ドルフィンの二階で
おやつタイムの会話は続いていた。


a2

お年の差が200年とは随分ですな。

変身して人の姿をしているけれど、
私たちは実は狐の姉妹なの。
お姉さんはとても長生きなのよ。
と今子が言った。

これはこれは。
お二人は狐の精霊でしたか。
私はこれでも元いた世界では、
魔法使いだったんですが、
とても見抜けなかったなあ。
とダリオが言った。

狐であることは、
一応内緒にしているんですが、
この子がおしゃべりなので、
この界隈では公然の秘密になっています。
私たちは何百年も近所のお稲荷さんの
裏手に住んでいましたが、
環境がすっかり様変わりしてしまい、
とある成り行きで、一昨年の2月から、
この部屋に同居させていただいています。
と魔子が言った。


a4

あれからもうそんなになるのね。


a5

お話をお聞きしていると、ダリオさんは、
全てが6倍の巨人たちの世界からいらっしゃったとか。
その世界ではいわば小人族だったということですね。
私の記憶や経験では、
この世界にも小人族って呼べるような
人たちもいるんですよ。

ほーそれは、興味深いですな。

それって人形やフィギアの精霊のことでしょう。
と今子が言った。

紛らわしいけど、そういう人たちとは
別種族なの。


a6

その時、広場の水撒きを終えた
今井舞が部屋に戻ってきた。

水羊羹、水羊羹と言っている。


a7

舞の分、
ちゃんと取り分けておいたわよ。
と魔子が言っている。


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部屋の隅のテーブル付近で。


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ぬいぐるみや人形に紛れて、
小人たちが話を聞いていた。


あれ私たちのこと言ってるの?
バレてたのかなあ。



解説)
続きます。

駒井魔子が登場したのは、
2022年2月15日で、
稲荷神社のボランティア巫女をしていた魔子は、
文学青年と知り合い、紆余曲折を経て、
2月25日からドルフィンの2階で
暮らすことになります。
小狐だった今子が人間に変身して
一緒に暮らし始めるのは4月5日以降のこと。
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Aug 28, 2024

ゴミ箱と水羊羹

a1

今日も暑くて
広場は割りに閑散としていた。


a2

リタがドルフィンの倉庫から
出してきたゴミ箱を抱えている。

すごい力持ち。
とすずが言っている。


a3

それどうするんですか。
高台の休憩所に、
これから設置しに行くのよ。


a4

ベーカリーのテーブル席では
アイスとルビーが話していた。

高台の休憩所にゴミ箱を置くっていう話。
ついさっき思いつきで決まったのよ。
暑いけど何かしようって。
何かしないとね。


a5

ドルフィンの二階に同居している
魔子と舞が話している。

もうおやつの時間じゃない?
私これから水撒きするから後で行くわ。
水羊羹一つとっておいてね。


a6

魔子がドルフィンの二階に戻ると、
おやつタイムは始まっていた。
モモコと広場で見かけた男性が来ているようだ。


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テーブルには
おやつの水羊羹が並んでいる。

これは涼しげですなあ。
日本の夏はこれでしょう。
などと話しているのが聞こえる。


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今子は魔子をダリオに紹介している。

こちら私の姉の魔子です。
すごく年が離れてるんですけど。

ほーこれはどうも。
私はダリオといいます。
今子さんとあまり変わらないようにお見受けしますが。
失礼ですがどのくらい年の差が。

200年くらいかしら。


a9

その頃高台の休憩所では、
リタがゴミ箱の設置を終えていた。


a91

江本友恵は
さっそくコーラを飲み干している。


a94

これがやりたかったの。
と言っている。


解説)
続きます。
思いつきで進んでいますが、
今回は話の流れとしては
8月25日からの続きです。

ゴミ箱は、
ぷちサンプルの
「本日開店コンビニ専用ディスプレイ」の
「9.ごみ箱(ビン・カン)」を使用。
水羊羹のアイテムは、
ぷちサンプルの「和*sweets」の
「4.ひんやり*羊羹」を使っています。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 27, 2024

防災の備え そのに

a1

防災グッズはバッグに収納されている。


a2

毛布もあると便利だね。


a3

それはなに?
防災頭巾よ。
サラに作ってもらったの。


a4

シングルバーナーも
あると便利だよ。


a5

二人は防災頭巾を
試着している。


a6

なにしてるの?
バーナーの性能を試しているんだ。


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試すのは大事ね。


a8

ラーメンまた買っておかないと。



解説)
続きます。
Posted at 20:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 26, 2024

防災の備え

a1

ジェニーたちの部屋。
今日も暑いね。


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でも台風が北上中だって。


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地震の注意報が出たりして
最近騒がしいわね。
毎日暑いだけだけど。


a4

備えは大切だよ。
うちでも防災グッズを整えようよ。


a5

ということで
ジェニーたちは、ネットのサイトを参考に
防災グッズを集めてみた。


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なんと言っても食料品。
インスタント食品や保存食や缶詰。
ライターや鋏などの日用品も。


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飲料水や、医薬品、
懐中電灯も役に立ちそうだ。


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ラジオと
作業用の手袋も。


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これもバッグに入れとく?
なにそれ。


a91

役に立つのかなあ。



解説)
続きます。
Posted at 20:24 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 25, 2024

サラたちの部屋とベランダ

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サラたちの部屋では、
レモンジュースを飲んでいた。


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それってかなりの器用さだね。
ここまでは軽く剥けるのよ。


a3

ケイはハンドジューサーを使っている。


a4

暑いと手軽なことをやりがちなのね。
と言っている。


a5

ベランダでの会話は続いていた。


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トマソンさんは、
茶運び人形を作ってから
最近、作品発表してないでしょう。

そうですね。最近は6倍世界の夢を見ることも無くなって、
あの世界のこともだんだん忘れかけているんです。


a7

茶運び人形を模した作品を作って、
自分でやりたいことを見つけた気がして、
次はまた大きな人形を作ろうと考えているんですが、
なかなかイメージが固まらなくて。


a8

それは楽しみですな。
もし作品のヒントを探したくなったら、
いつでもご案内しますよ。
とダリオが言った。


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ちょっとお話中すみません。
洗濯物干していいですか。
と言いながら、
ペギーがドアから顔を出した。

あ、どうぞどうぞ。

外は暑いし、よかったら部屋の中に。
ちょうどおやつの準備をしていますよ。

僕は魔術劇場に戻ります。
なんか創作意欲が湧いてきた。
とトマソンが言った。

私もベーカリーに戻るわ。
このところ随分お店を空けたから、
ルビーと交代しないと。
とアイスが言った。


a91

モモコとダリオは、
ペギーの言葉に甘えて、
ドアからベーカリーの二階に移動し、
アイスはベーカリーに帰っていった。

ペギーはさっそく
洗濯物を干している。



解説)
続きます。
暑いので今回も手軽に。

レモンや、レモンピールの入った瓶は、
ぷちサンプルの
「ヨーロッパのおばあちゃん自慢の料理」の
「6.レモンピールたっぷりハニーレモン」
のアイテムを使っています。
Posted at 20:30 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 24, 2024

ベランダとデジャで

a1

ベランダに行ったモモコは、
ダリオに紹介された。


a2

ダリオさんは、巨人たちの住む、
全てが6倍の世界から来たそうよ。

ということは。

モモコのお友達のジェーンのお仲間らしい。

ふーん。
ジェーンから、過去のいきさつは
聞いたことがなかったけど。


a3

私たちの種族はみんな少人数で散らばって生きている。
大きなグループだと巨人に発見されやすいからね。
そのジェーンという人も、そんな一つの家族の
生き残りじゃないかなあ。


a4

両親がいなければ生まれてこないものね。
でもね。ジャンさんのジオラマの村には
ジェーンそっくりのフィギアの精霊もいるのよ。
ジェーンも向こうの世界で生まれた
フィギアの精霊かもしれないでしょ。

ふむ。
確かに向こうの世界にも精霊はいるけど、
借り物暮らしはしてないと思うよ。


a5

広場では、たまきとフミコが話していた。

暑くなってきたわね。魔術劇場に戻る?
デジャに行ってみようよ。
あそこも冷房効いてるから。


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たまきはデジャの入り口で、
ヨシフに、ここは会員制なんです。
と言われている。

ヴィヴィアンに会いにきたの。
とたまきは言った。

あ、そうでしたか。
どうぞお通りください。


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二人は店内に入った。

おや、珍しいわね。
フミコを案内してるんだって?

そうなの。
フミコ、この店は初めてだから。


a8

こちらはフラハ。
フミコの故郷のジャングルの集落から
遊びに来てるのよ。
よろしく。

そのソフトクリームは?
ああ、ベーカリーで無料配布してたの。
もう品切れみたい。
う。


a9

フミコ、
この町は気に入った?


a91

ええ、とても。
郊外は緑豊かなのね。



解説)
暑さのせいで
進行も遅くなっています。
Posted at 20:31 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 23, 2024

かき氷と広場

a1

ジェニーたちの部屋では、
かき氷を作っていた。


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マンゴー亭でもかき氷を
始めたみたいだけど、
やっぱり家でゆっくり食べたいわね。


a3

これってほのかに
大人の味が。


a4

苺のリキュールを使ってるのよ。


a5

その頃、広場では。


a6

前回好評だったので、
今日もベーカリーでソフトクリームの
無料サービスが提供されていた。


a7

郊外の散歩から、
たまきとフミコが帰ってきた。


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今日も暑くなりそうね。
郊外から歩いてきたの?
ええ、朝のうちに堤防を散歩してたのよ。
向日葵はもう終わってた。
それ美味しそうね。

これ、ベーカリーの無料サービスなの。
まだ間に合うよ。


a9

モモコも無料サービスの噂を聞いて、
ソフトクリームをもらいにきていた。


a91

あ、モモコ。
ちょうど呼びに行こうって思ってたんだ。
アイスが紹介したい人がいるから
ベランダに来て欲しいって。
と佳奈が言った。


a92

紹介したい人って誰だろう。
と思いながら、
モモコはベランダを見上げている。



解説)
続きます。

ジェニーたちの部屋の、
かき氷は森永乳業の「みぞれ(いちご)」
を使いました。
苺ラベルの瓶は、リーメントのぷちサンプル、
「Bar Tiny~おいしいカクテルを作ろう」の
「アプリコットとストロベリーリキュール」から。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 22, 2024

堤防の散歩

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たまきとフミコは、
アルのビストロで夕食を食べ、
その夜はジャンの家に泊まって、
翌朝になった。

暑くならないうちに、
堤防のあたりを散歩しましょう。



a2

ここは桜並木が綺麗で、
春にはお花見に来るのよ。


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河川敷は公園になっているの。


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ここは人工の小さな池。


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向日葵は種の重みで、
みんな頭を垂れている。


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この小川は迷いの森から流れてくるの。

あそこに誰か。
ああ、あれはグリーンマンと言って、
私を見守ってくれてるの。
気にしなくていいのよ。


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草原に出ると、
オートバイが走っていた。

あ、あれは、トムだ。


a8

トムはたまきたちに気がついて、
大きく旋回して近寄ってきた。

トム久しぶりね。
そうだね。広場には滅多に出かけないから。

こちらはフミコ。
町に来たばかりで郊外を案内してるの。
そうなんだ。
ここは住みやすいところですよ。
僕も去年この町に遊びに来て、
住み着いちゃったんです。


a9

変わった乗り物に乗ってるのね。
それ空も飛べるの?
とフミコが尋ねた。

え。

あ、フミコはオートバイ見るの
初めてなのよ。


a91

二人はトムと別れて、
堤防の道に戻ってきた。

彼、結構ハンサムだったでしょう。
有名な映画俳優の若い頃に似てるって噂なの。
去年のコスプレコンテストでは、
そっくりさん特別賞を受賞したのよ。

映画俳優って?
あ、それも通じないか。



解説)
続きます。

今回は近所の堤防まで出かけて、
撮影した実写画像との合成です。
トムは2023年の5月25日に初登場。
6月1日にコンテストで受賞したり、
6月17日にエリスやボニーと
一緒にツーリングしている姿が見られますが、
それ以来、ほぼ1年ぶり。
思いつきの登場になりました。
Posted at 20:50 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 21, 2024

広場の打ち水

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広場ではドルフィン工房のマスターが
工作をしていた。


a2

倉庫にあった古い竹の節の部分が
切り出されている。


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それ水撒くのに必要なんですか。
雰囲気が大事だからね。


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取手をつけると、
柄杓の完成だ。


a5

今井舞がさっそく
広場に打ち水をしている。


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ひととき、広場に
涼風が吹き抜ける。


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鈴木すずと池谷圭が
はしゃいでいる。

わー涼しいね。
私もやっていい?


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ベランダでは、
ダリオとアイスとトマソンが
話していた。


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その部屋には、
ジェーンっていう人が
住んでいたんですよ。
ターザンみたいに俊敏で。
借り暮らしをしてるって言ってました。


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それは間違いなく私の同胞だね。
その世界で、私たちの種族は
随分昔にみんな散り散りになってしまった。
みんな独立心が強いこともあって、
大抵家族単位で、巨人たちの住む家の
床下などで、ひっそり暮らしているんだ。

見つかると捕らえられたり
殺されちゃったりするんでしょう。
巨人の来ない場所に住めばいいのに。

そういう連中も稀にはいるけど、
そうなると毎日が過酷な自然との戦いになる。
想像してごらん。
襲ってくる鳥も獣も昆虫も、みんな巨大なんだよ。
巨人の住む家に間借りする方がまだ安全なんだ。
食べ物を借りられるのもそうだけど、
中には人形やフィギアが好きな巨人もいてね。
サイズがぴったりの衣料品も借りられる。
私の着ているこの軍服も、
1/6サイズのフィギアからの借り物なんだよ。

借りもの暮らしも奥が深いのね。
とアイスが言った。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 20, 2024

郊外巡り

a1

たまきとフミコは
マンゴー亭を出て、
広場の外れまで来た。

行きたい場所を思い浮かべて。
じゃあ、郊外の森林公園に。

たまきが森林公園のイメージを
思い浮かべると、
フミコは呪文を唱えて、
鏡の扉を出現させた。


a2

二人が扉を抜けると、
そこは森林公園前の道端だった。

これって超便利。
あ、ソローさんだ。


a3

毎日暑いですねー。
お散歩ですか。
気をつけないと熱中症になりますよ。
と公園管理人のソローに言われている。


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公園の日陰のベンチでは
やはり管理人のエドワードがうたたねしていた。


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変わったオブジェね。
路上アーティストのトマソンさんの作品で、
ネジを巻くと動いてお茶を運ぶのよ。
ここから歩いて近いから、
次はジャンの家に行きましょう。


a6

二人はジャンの住むバービーハウスに到着した。
あ、たまき、こんにちわ。
ジャンならその辺にいるわよ。
と、トマトを収穫していたナタリーが言っている。


a7

ジャンは庭のジオラマで
フィギアの撮影をしていたようだ。

こちら、フミコさん。
町に来たばかりで、今日は郊外を案内してるの。

ほう。噂の人だね。どうぞよろしく。
この前、アイスがマークという人を連れてきて、
二人で一晩泊まって行ったんだが、
その時に、お話をいろいろ伺ってます。

アイスたち、
ジオラマの村にも行ったんでしょう。
フミコは初めてだし、私たちも行こうよ。
とたまきが言った。


a8

3人がジャンの倉庫の扉を抜けると、
ジオラマの村のリリスの酒場の二階に出た。
さっそく一階に降りて、
酒場を見て回っている。


a9

こちらは、ジョー軍曹とギルダよ。
こちらはフミコ。
これはどうも。実は僕アフリカのジャングルに
佳奈とエルザの3人で、
行ってきたばかりなんですよ。

いいなあ。
とたまきが言った。


a91

二人はざっと村を見て回ることにした。
やあ、たまき。
ビール飲む?
と兵士たちが陽気に声をかけてくる。


a92

たっぷりジオラマの村を見物して、
ジャンの家に戻った一行は、
夕暮れ時になったので、夕食を食べに、
近くのアルのビストロに行くことにした。


a93

たまきはビストロでアルバイトをしている、
キサラとシオンにフミコを紹介している。

夏なので特別メニューの
冷やソーメンもあるわよ。
と言われている。



解説)
続きます。
Posted at 20:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 19, 2024

マンゴー亭での会話

a1

たまきとフミコは
アイスたちと同席して、
朝食を食べることにした。


a2

今、佳奈から、鳥探しの探検の話を
聞いていたところなんだ。


a3

その鳥の正体は巨大な九官鳥だったの。
ダリオさんの話によると、
マークみたいに砂漠の嵐の中から出現したんだけど、
元はダリオさんが住んでいた世界に
いたんだって。


a4

そうなんですよ。
私が住んでいた世界では、
私たちの6倍の背丈がある
巨人たちが支配していて、
全て自分たちの都合に合わせて、
勝手に自然を改変するものだから、
他の生き物には被害甚大なんです。


a5

私たちの6倍のサイズって言えば、
あの世界とそっくりね。
私、モモコと二人で迷いの森に探検に行った時、
みたことがあるの。その時は、
透明な壁があって入り込めなかったけど。
モモコは何度か行ってる筈よ。

モモコはね。もう随分前(14年前、2010年9月2日)から、
6倍サイズの世界の夢を見て、
そこに暮らすジェーンっていう女性と
友達になったって言ってたの。
最初は面白い夢が見られていいなって、
思っていたけど、
モモコはその世界の実在を確かめたくて、
アイスと二人で迷いの森に探検に行ったのね(2021年5月6日)。
でもその続きがある。
魔術師のハリーさんがこの町にやってきてから、
ハリーさんに作ってもらった鏡の扉で、
モモコはその世界に遊びに行けるようになったのよ(2022年5月14日)。
それから、
路上アーティストのトマソンさんも、
夢の中で全てが6倍のサイズの世界に行って、
作品のヒントにしてたんだけど、
トマソンさんが眠り込んで戻って来れなくなった時、
モモコが助けに行ったの(2024年4月17日)。
とたまきが言った。

詳しいのね。
とフミコが言った。

ふむ。この世界の魔族にも、
私のいた世界との通路が作れる者がいたのですな。
そんな交流があったとは知らなかった。
モモコさんという人にも会ってみたいが、
トマソン氏の作った作品というのは、
見ることができますか。
とダリオが言った。

捨てちゃってなければ、
ドルフィンの倉庫に保管してある筈だけど。
見に行きますか?


a6

アイスと佳奈とダリオは
ドルフィンのある広場に
出かけて行った。
残ったたまきとフミコが朝食を続けている。


a7

肉まんを食べた後は、
さっぱりしたデザートにかき氷は最高ね。
さて、これからどうしようか。
あと案内してないのは郊外だけだけど、
散歩するのは暑すぎるし。


a8

移動するにはいろんな方法があるのよ。
広場であまり魔法は使いたくないから、
店を出てちょっと歩いてから、
扉を使いましょう。


a9

アイスはドルフィンでリタに声をかけて、
トマソンの作った作品を
倉庫から運んできてもらった。


a91

これ缶類のゴミ回収に出し忘れて
残ってたの。
と行っている。


a92

ふむ。よくできてるなあ。
あちらの世界ではありふれた缶ですが、
ここで見ると巨大でインパクトがある。
視覚の効果ですかな。


a93

僕の作品を褒めてくれる
人がいるとは嬉しいなあ。
と言いながらトマソンが現れた。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 18, 2024

夏の便りなど そのに

a1

サラたちの部屋。
今日も暑さがぶり返している。

Smmertime, time, time,
Child, the living’s easy🎵


a2

室内には、
ジャニス・ジョプリンの歌う、
「サマータイム」が流れていた。


a3

何みてるの?
ジェニーからの写真葉書。


a4

早速のお返事よ。
この写真、
葉書をもらった喜びが伝わってくるね。
そうな風に見える?


a5

たまきとフミコは
マンゴー亭に朝食を食べに、
広場にやってきた。


a6

あら、先客がいるみたい。


a7

アイスと佳奈とダリオが、
テーブル席で話している。

それがそんなに。
いやそんなふうには。
などという会話が聞こえる。

a8

おはよ。
もうお昼だよ。
やあ。
あ、こちらはダリオさん。
こちらはたまきと。


a9

フミコと言います。
どうぞよろしく。


a91

こちらこそ。
驚いたな。
すごい人に出会えたようだ。
とダリオは言った。



解説)
続きます。
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Aug 17, 2024

夏の便りなど

a1

ジェニーたちの部屋。
昨日の台風はそれて、
ほぼ影響はなかったようだ。


a2

何見てるの?
サラからの写真葉書。


a3

すぐ近くに住んでるのにね。
暑くて暇だと、
こういうの出したくなるのよ。


a4

昨夜深夜に帰ってきた
たまきとフミコが起きてきた。

昨晩は探偵事務所で、
酒盛りになっちゃって。
と言っている。


a5

サラたちの部屋や、
喫茶店ペンギンや探偵事務所、
この界隈は紹介したから、
今日はどうしようか。

もうお昼近いけど、朝ごはん食べに、
広場のお店に行きましょうか。

そうだね、
とりあえずマンゴー亭で肉まんでも。



a6

マークの集落では。

豹変亭で飲んでいた一行は、
マークの家まで佳奈のリュックを取りに戻って、
そのままマークの家に泊まり、翌日、
ずっと留守にしていたから、
庭の草むしりをするというマークと別れて出発した。


a7

佳奈たちは、
鏡の扉のあるフラハの家にやってきた。

フラハさんいないね。
町に出かけたままみたい。


a8

鏡の扉を抜けて、
魔術劇場へ。

花を生けていたデュアンに
挨拶している。


a9

佳奈たちは広場に戻ってきた。

あ、アイスだ。

鳥探しの冒険どうだった?
と聞かれている。


a91

こちらは、ダリオさん。
ジャングルの奥地で一人で暮らしてるの。
雷雨に遭って一晩泊めてもらったのよ。



解説)
続きます。
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Aug 16, 2024

向日葵など

a1

高台の休憩所では、
ルルが向日葵に水をやっていた。


a2

これから風が強くなりそうよ。
台風が近づいているんだって。
と粉川和歌子が言っている。


a3

この向日葵どうしたの?
倉庫の隅に咲いてたの。
随分貫禄だね。
毎年咲いてるみたいだからね。
そうなのか。


a4

その頃、滝を見物したマークたちは
集落の中心部に戻っていた。

ここは豹変亭。
一緒に遺跡探検に行った
アンドレアたちがやっている、
集落で唯一の食堂兼飲み屋なんだ。

アンドレアにも会いたいし、
フラハの家の扉から町に帰る前に、
休憩して行こうよ。


a5

今日はビール三昧ね。
暑いから必然だねー。


a6

あれ、あそこにいるのは、
ダリオさん?


a7

佳奈が声をかけると、
やあやあ。
と言いながら、ダリオが
テーブルにやってきた。

あれから、
君たちが僕と同じように
魔法の扉で、遠い世界から
移動してきたという話が気になってね。
この集落に来てマークの家を
訪ねたんだが、アマンダという娘さんが
みんな滝の見物に行って留守だというので、
教えてもらったこの食堂で
油を売っていたというわけだよ。


a8

そうだったんですか。
それはちょうどよかった。
私たちそろそろ町に戻ろうと、
思っていたところだったんです。
とりあえず、
こっちのテーブルで
一緒に軽く飲みましょう。
あとで町にご案内しますよ。

それはありがたいな。


a9

ローズとアンドレアが
話している。

ねえ、あのグループ、
佳奈とマークの友達らしいけど、
魔法の扉を使って移動したとか
移動するとか言ってたわ。
誰か魔族なのかしら。

どうなんでしょうね。
さっき佳奈に紹介されたけど、
二人はフィギアの精霊らしい。
精霊でも魔族でも、
お客さんが増えればいいんじゃない?

あなた変わったわね。



解説)
続きます。
Posted at 20:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 15, 2024

海辺へ そのに

a1

両側から波が打ち寄せている。
砂州のような地形の道が続いている。

歩いて向こうの島にいけるんですか。
もちろんよ。


a2

ここ面白すぎる。


a3

モモコたちは
寄せる波と戯れている。

みんな子供の頃に帰った気分ね。
大人になっても、
心ってそんなに変わらないのよ。


a4

これって、
事務所の窓から見えた風景じゃない?
あの入道雲の形覚えてる。
とモモコが言っている。


a5

なんの建物だろう。
あれはきっと休憩所よ。
ちょっと歩いて疲れたでしょう。


a6

誰もいないみたいだけど。
見晴らし良さそう。


a7

これがたまきの心の中の世界だって、
信じられないなあ。
本当は心の外に世界なんてないのよ。
また世界観が壊れるようなことを。


a8

たまきとモモコは
海辺で遊び続けていたが、
やがて夕暮れが。


a9

たまきは夕陽を眺めていた。


a91

暗くなるから
そろそろ戻りましょう。
今、扉を作りますから。
と言ってフミコは手をかざした。


a92

扉を抜けて一行が探偵事務所に戻ると、
日が暮れて夜になっていた。

あー楽しかった。
とたまきが言っている。


a93

私も楽しかったけど、
あんな異世界体験は初めてで驚きだった。
これは飲まずにはいられないわ。
とエリスが言っている。

日本酒だね。
もちろん。

リアルな夢を見ただけだと思えば、
世界観壊れないわよ。



解説)
続きます。
Posted at 20:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 14, 2024

海辺へ

a1

飲み会と化した
探偵事務所での懇談は続いていた。


a2

今日もいい天気。
今年の夏はひときわ暑いわね。
海にでも行きたいなあ。


a3

フミコ、
海って見たことあるの?
あるわよ。鏡の扉でどこにでも行けたから。
でもそれは遥か昔のこと。
ちょっと海辺の風景を思い浮かべてみて。


a4

たまきが海辺の風景を
思い浮かべると、窓の外に
海が見えた。

あらら。


a5

そうそう、
あんな感じだった。

これって魔法なんですか。
そうね。幻影。

白雲が湧き、気持ちよさそうに
椰子の葉がそよいでる。


a6

行ってみますか。
と言ってフミコが席を立ち、
部屋の隅に行って呪文を唱えると、
鏡の扉が現れた。

わーすごい。
行けちゃうの?


a7

たまきとモモコが鏡の扉を抜けると、
そこは海辺の波打ち際だった。


a8

探偵と鷲尾翠とエリスも
後に続いた。

ここはどこだろう。
この海は太平洋?


a9

ここはたまきの心から生まれた、
海辺のイメージの世界。
鏡の扉で別の場所に移動したわけじゃないのよ。



解説)
続きます。
Posted at 20:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 13, 2024

探偵事務所での会話

a1

探偵事務所では
飲み物がコーヒーから
ビールに変わっていた。


a2

テーブルには
各種ソーセージと、
チーズが並んでいる。


a3

フミコさんは魔族の方だとか。
私は仕事柄現実路線で、
魔法とかそういうのは
苦手だったんだけど、
この町に来てからは驚くことばかり。

確かに精霊とか、
別世界から来てる人とか、
色々いるみたいだからね。
見かけではわからないけど。
と探偵が言った。


a4

魔族にも住みやすい所みたいですね。
大昔に私たちが魔族だけで都を作ったのは、
普通の人たちからの迫害があったからなんですよ。

でも魔族や精霊や人間の区別って、
生命の営みっていうことから言えば、
それほど厳密なものじゃない。
例えば、そこにおいでのモモコさんっていう方、
すごく呪力をお持ちなのを感じます。


a5

え。私のことですか?
呪力って。
私、魔族じゃないし。

魔族じゃなくても
呪力を持つ人はいるのよ。
そんなにパワーをお持ちなら、
これまでに色々不思議な体験をされてるはず。


a6

あら、この大きなヤモリ。懐かしいわ。
爬虫類好きのレプティリアンたちがよく飼っていた。
ソーセージが食べたいって言ってるわ。


a7

ダルメの言葉がわかるんですか。
いいなあ。モモコやミューみたい。
と鷲尾翠が言った。

それクレステッドゲッコーというヤモリの、
ダルメシアンという品種にそっくりだそうです。
知能も高くて、サイズもずっと大きいですが。
ダルメって呼んでいます。
そのレプテュリアン、
トカゲ人間からもらったんですよ。


a8

そうそう。
去年の初めだったか、トカゲの顔をした人物に、
広場で失くした「カメ新聞」を探して欲しいという
依頼を受けたことがあってね。
見つけたお礼にと言って、カプセルをもらったんだ。
なんでも月世界でガチャをやって、
その景品だとか言ってたな。
そのカプセルから出てきたのが、そのヤモリなんですよ。

そうだったのね。
そのトカゲ顔の人物の容姿、
思い出せますか。


a9

探偵は昨年の2月9日に、
トカゲ顔の人物が事務所に来た時の情景を
思い浮かべてみた。


a91

やっぱり。
リザードだったのね。

お知り合いだったんですか。
あのトカゲ人間、時々ここに来るんですよ。
私が最初に知り合ったのは、
一昨年のハロウィーンの時でした。
私がサラに作ってもらったトカゲ頭の
被り物を被って広場にいたら、
お仲間と勘違いしたみたいで、
「人類のコスプレ文化を見るのは楽しいですな。」
って声をかけられたの。
と鷲尾翠が言った。

なるほどね。
早とちりしたのもリザードらしいわ。
そのトカゲ人間は私の恩人。
彼が伝承の呪文をアイスに教えてくれたおかげで
私は蘇生できたんです。



解説)
続きます。
Posted at 20:28 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 12, 2024

滝を見に行く

a1

4人はアーネストの診療所を目指している。
集落の家々はかなり広範囲に点在しているので、
診療所に行くにも、ジャングルに
分け入らなくてはならないのだった。


a2

アーネストの自宅兼診療所に到着した。
玄関先で葉巻を燻らせていたアーネストに、
佳奈とマークが声をかけている。


a3

あれから、お変わりなく?
うん。あの古代遺跡の探検以来、
グリーンマンに噛まれたという来院者が
いなくなってね。暇で、いたって平穏な毎日だよ。
お連れの方たちは、
新しい探検隊かな?

私の友人のジョーとエルザです。
沼地の方の探検を終えて、
ここには観光気分で滝を見に来たの。
と佳奈が言った。

なるほど。
滝はそこの渓流を遡ればすぐ先にあるよ。
すぐ近くだけど川沿いのルートは
結構険しいから気をつけて。
もし滑って怪我でもしたら
帰りにここに来るといい。
ははは。


a4

4人はアーネストと別れて
川沿いに歩いて行った。
確かに滑りやすそうな石が
ゴロゴロとしている。


a5

涼しそうな、いい景色。
もうこのあたりでいいんじゃない。

まだまだ。
と佳奈が言って、
岩を登ろうとしている。


a6

滝ってここのことね。


a7

みんな思い思いに
くつろいでいる。

佳奈、いつの間に。
用意がいいなあ。


a8

気持ちいい。


a9

やっぱりこれが一番ね。
そのベルトのホルダーもビールなの?
もちろんよ。

私にもー。
と佳奈が言っている。



解説)
続きます。

Posted at 20:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 11, 2024

探検を終えて

a1

沼地とジャングルを越えて、
無事にマークの家に帰り着いた4人は、
一息ついて居間で話し合っている。


さてと、探検は無事終了したわね。
目的地についてすぐ鳥を撮影できたから、
現地で泊まり込んだりせず、
予想してたより短い日程で済んだ。
これからどうしようか。

せっかくアフリカに来たんだし、
この近辺を見物したいなあ。
どこかおすすめの場所ありませんか。
とジョーが言った。

僕らが探検した古代遺跡はあるけど、
気軽に観光で行くには遠くて危険だね。
これまで住民たちも近寄らなかった場所なんだ。
基本この集落は深いジャングルの中にあって、
滅多に訪れる人もない僻地なんだよ。

あそこなら気軽に観光気分が味わえるかも。
と横で聞いていたアマンダが言った。

心当たりがあるのかい。

アーネストの診療所の前に
渓流が流れているでしょう。
そこを上流に辿っていけば滝があるのよ。

アーネストさんの診療所なら、
シーザーの怪我を治療してもらいに、
リンと行ったことがあるから場所わかるよ。
と佳奈が言った。


a2

また留守番頼んじゃって悪いね。
とマークがアマンダに言っている。

いえいえ。
みなさん。近場なので、
リュック背負っていくほどの
場所じゃないですけど。
あれって主に食料が入ってるの。
などと話していいる。


a3

ペンギンの前で。

たまきたちがコーヒーを飲んでいると、
ペンギンの二階の探偵事務所から、
ペンギンにコーヒーの配達を頼みに、
エリスが降りてきた。


a4

いつものコーヒーお願いね。
あら、たまきじゃない?
久しぶりね。
と言っている。


a5

ハロー、エリス。
あ、あなたにも、
この人を紹介しようと思ってたところ。
町に来たばかりで、
フミコっていうのよ。

そーなの。
初めまして、私はエリス。
この喫茶店の二階の探偵事務所で、
心理カウンセラーをやってるの。
そうだ。
暑いし、私たちの部屋で
コーヒー飲んだら?
部屋のみんなに紹介できるし、
冷房効いてるわよ。


a6

たまきとフミコは
探偵事務所でコーヒーを飲むことにした。
私立探偵の志津川和志と、探偵助手の鷲尾翠に
紹介されている。


a7

浴衣姿お似合いですね。
こー暑いと流石にこたえますなあ。
などと探偵が言っている。


a8

そうね。
赤道直下のジャングル程じゃないですけど。


a9

そこにモモコが
やってきた。
エリスいる?
と言っている。


a91

モモコはさっそくフミコに紹介されている。

こちらはモモコ。
モモコは時々、ここに遊びに来るお友達なのよ。

カウンセリング受けてるわけじゃないけど、
いつもエリスに見た夢の話を聞いてもらってるの。
私は普段ジェニーたちの部屋で暮らしてるけど、
外泊も多いから、フミコさんとは初対面ね。
ジェニーやナオミから聞いたけど、
昨夜の花火あなたの仕業だったって?
綺麗だったね。
とモモコは言った。



解説)
続きます。
Posted at 20:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 10, 2024

鳥を探しに そのよん

a1

一行は屋内に招かれた。

このあたりは天候が変わりやすくて、
雷雨が多いんだ。
何もないジャングルで危険だし、
滅多に人は来ないんだよ。

私たち、大きな鳥の羽根を拾って、
その本体である鳥の存在を
確認しに来たんです。


a2

それで、見つけたのかな。

はい。見つけました。
正体は大きな九官鳥でした。

ふむ。
それはラッキーだったな。
ともあれ、この風雨はやみそうもない。
今夜はここに泊まっていくといいだろう。


a3

翌朝になった。
空はすっかり晴れている。

すごくいい天気よ。
あーよく寝た。
昨日は体力消耗したからね。


a4

おはよう。
エルザたち、
もう起きてコーヒー飲んでますよ。


a5

佳奈は深呼吸している。

おはよ。
ダリオさんが、朝食済ませたら、
帰る前にお話ししましょうって。

あの人、ダリオっていうんだ。
そう言ってたわ。


a6

ここに一人でお住まいなんですか?

そうなんだ。
人里離れていても、自給自足、
食べ物には事欠かないからね。
気楽なものだよ。

私も沼地をこえたジャングルの向こう、
半日ほど行ったところに居を定め、
開墾して、今では小さな集落になった場所に
住んでいるんです。
とマークが言った。

地元の原住民とも多少の付き合いはあるんですが、
沼地の近くに人が住んでいるという話は
聞いたことがなかったなあ。
それはともかく、
一人で人里離れたジャングルの中に
暮らしたいという気持ちはわかります。
初めは私もそうでしたから。

でもすごく立派で快適そうなお家ですね。
建築資材や家具なんてどうやって運んだんですか。
とエルザが聞いた。

ふむ。どこまで話していいものか。
君たちは魔族というものを知っているかね。

ええ。
と4人は頷いた。
親しい友人に魔族の人がいます。
彼は私たちの集落に住んでいるんですよ。
とマークが言った。

実は私は別の世界から来たんだ。
その世界は実に生きにくくてね。
私はその世界で、いわばこの世界でいわれる、
変わり種の魔族だった。
そういえばわかってもらえるかな。
魔法で作った特別な扉を通って来たのさ。

わかるわかる。
と4人は頷いた。
私たちもその手の魔法の扉の恩恵に
預かって、遠いところを移動して来たんです。
とエルザが言った。
でもそんな力をお持ちなら、どんな世界でも、
生きにくい、なんてことないように思えますけど。
と佳奈が言った。


a7

そうでもないんだよ。
私のいた世界には、私たちとは別の種族がいた。
昔は共存していた時もあったんだが、
やがて彼らが全てを支配するようになったんだ。
体がずっと小さかった私たちの種族は、
片隅に追いやられて隠れて生きるしかなかった。

巨人の支配する世界だったのね。

この世界に魔族がいるように、
私もたまたま特殊な能力を持って生まれてきた。
だから巨人たちの住む家に潜んで
彼らのものを借りて住む生活が嫌になって、
魔法の扉を作って、この世界に逃れて来たというわけさ。
巨人たちと共存するサバイバル生活が好きな仲間もいるが、
今や絶滅危惧種状態だ。

巨人たちって、どのくらいの大きさなんですか?

ふむ。
君たちは昨日、
巨大な九官鳥を見たと言っただろう。

はい。

あれがその世界では普通のサイズの九官鳥なんだ。
あの九官鳥は、私のいたその世界から、
そのままの大きさでこの世界に現れたんだよ。

お話を聞いていて、もしかしたら、
ダリオさんが魔法で大きくしたんじゃないかと思ってた。
と佳奈が言った。

そうじゃない。
あれは砂漠の嵐の中から現れた。
砂漠を越えてジャングルに飛んできたんだ。
大きな樹木があっただろう。
あれは昔は原住民に生命の木と呼ばれていた
神聖な樹木らしい。
そこが気に入ったらしくてずっと
住み着いているんだ。

九官鳥は別世界に転生したんですね。
まるで私の身の上とそっくりだ。
とマークが言った。

転生したのが私が来た世界と同じだったのに驚いたが、
あれはものまね鳥で、
意味のあることを話しているんじゃない。
前に生きていた世界で、
巨人たちに教え込まれた言葉を
繰り返しているだけなんだ。

別世界に転生しても、
昔習った言葉を忘れないなんて、
なんだか切ないですね。

ふむ。
さて、随分長話をして、足止めしてしまったようだね。
これから沼地とジャングルを越えるんだろう。
玄関先まで見送ろう。


a8

ダリオは、裏庭にある
小さな小屋を見せてくれた。
その中に魔法の扉が設置してあると言ったが、
遠目から屋内は暗くてよく見えなかった。


a9

お世話になりました。
私たちの集落にもぜひ遊びに来てください。
とマークが挨拶して、
4人はダリオの家を出たのだった。

巨人たちの住む世界か。
すごい話だったね。
その世界からすれば、
私たちの世界は小人たちの住む世界なのね。
ジャンのジオラマの村みたい。
などと話している。



解説)
続きます。
Posted at 21:49 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 09, 2024

鳥を探しに そのさん

a1

4人は木陰で休憩している。

佳奈はさっそく近くを探索して
バナナを調達してきた。

あの鳥は九官鳥でしょう。
九官鳥はアフリカには
生息していないはずだよ。

あの大きさですから、
インドの中東部あたりから
渡ってきたのかも知れません。

それはどうかなあ。


a2

何か話しかけていたんでしょうか。
フランス語で挨拶してたわね。
あれが言葉だとすれば。

撮影には成功したんですか。
なんとかね。

飛んでいっちゃたし、
捕まえることはできそうもないから、
これで目的は達成ね。

なんだか雲行きが
怪しくなってきましたね。

とりあえず、この斜面を下って、
沼地の近くの平地まで戻って、
そこで野営することにしよう。
一晩かけてあのジャングルを移動するのは、
危険だからね。


a3

一行は山の中腹から下山を始めた。

なんかすごい雲が湧いてますよ。
これは急いだほうがいいね。


a4

一行が斜面を下り切らないうちに
激しい雨が降り始めた。


a5

雷鳴が轟いている。


a6

至近の樹木に落雷が。
佳奈は思わず滑って転んでしまった。

大丈夫?
ええ。なぜか私よく転ぶの。
と言っている。


a7

急いで斜面を下っているうちに
沼地に出るルートをそれてしまったようだ。
一行がジャングルを踏み分けていくと、
一軒の小屋に灯りが点っているのが見えた。

こんなところに。


a8

こんばんは。
どなたかいらっしゃいますか。
とマークが声をかけている。


a9

やがてドアが開き、
家の中から一人の男が現れた。


その格好は探検家かい。
こんなところまで人が来るとは、
珍しいな。
と言っている。



解説)
続きます。

今日は現実にも
雷雨で落雷があり、
今年2度目の停電状態に。
Posted at 20:24 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 08, 2024

鳥を探しに そのに

a1

一行はようやく沼地を抜けた。
地面が少し傾斜して上りになっている。


a2

見晴らしのいいところまでやってきた。

あの山の中腹で
羽根を拾ったんだ。


a3

登りだけど、
空が見えると気分がいいなあ。


a4

ねえ聞こえない?
ハヨー、ハヨー。
っていう鳥の鳴き声。
本当だ。


a5

ハヨー、ハヨー。

頭上に巨大な鳥が舞っている。
マークは
急いでカメラを構えている。


a6

鳥は少し離れた場所に立つ
巨木の方に飛び去って行った。


a7

一行は後を追いかけて
巨木の根元に辿り着いた。


a8

見上げていると、
先ほどの鳥がマークたちに気がついたようで、
枝分かれした梢の間から顔を出した。
じっと眺めている。


a9

驚いたことに巨大な鳥は
草むらに舞い降りて、
トントンと両脚を揃えて
跳ねるように近づいてきて、
一声、ボンジョールノ。
と鳴いた。


a91

ボンジョールノ。ボンジュー、ボンジュー。
鳥はそれだけ鳴くと、
一度首を傾げるような仕草をしたが、
やがて羽根を広げて羽ばたき、
再び、空高く飛翔して、
飛び去って行った。

今のはなんだったの。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 07, 2024

鳥を探しに

a1

マークの家で。

一夜が明けて、
4人はいよいよ鳥探しの探検に
出発することにした。

よく眠れたねー。
液体ムヒ持ってきた?

マークはアマンダに、
また留守番を頼んでいる。


a2

今日もいい天気ね。


a3

4人は早速
ジャングルに分け入った。


a4

このあたりは滅多に人が
入らないんだ。


a5

樹海のようなジャングルは。


a6

延々と続くように思えた。


a7

しかし
やがて行手に沼地が。


a8

やっと風景が変わったわ。
この沼地を越えると
羽根を見つけた場所まで、
もうすぐだよ。


a9

ワニに気をつけて。
ヒルは防ぎようがないけど。
と言われている。



解説)
続きます。
Posted at 20:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 06, 2024

案内されるフミコとフラハ

a1

コーヒー飲みにきたんだけど。


a2

あいにく、店内は満席です。
毎日すごく暑くて、
冷房がんがん効かせてるので、
人気なんですよ。


a3

たまきとフミコは、
屋外の席でコーヒーを飲むことにした。

さっそくバグに話しかけられている。

こんにちわ、たまきさん。
毎日あっついですね。
おやそちらの涼しげな方は?

フミコと言います。

フミコは昨日この町にきたばかり。
今案内してる最中なの。


a4

そうでしたか。
僕はバグでこちらはミラ、
この裏手の元倉庫に住んでいるんで、
この店の常連なんですよ。

昨日といえば、
昨夜の花火綺麗でしたね。
あれは音がしなくて
本物じゃなかったみたいだけど。


a5

綺麗だったでしょ。
私が心の中で思い浮かべた通りだったの。
フミコが夜空に映し出してくれたのよ。

ほー。
あんなことができるのは魔族だけ。
ハリー一家の誰かの仕業かと思ってました。

私、打ち上げ花火って見たことなかったので。
つい、とフミコは言った。


a6

魔術劇場でハリーに再会したフラハは、
話を終えてヴィヴィアンやアイスと共に、
広場に出てきた。
フラハは大道芸人たちの演奏に聞き入っている。


a7

狐の精霊の化身である駒井魔子は、
フラハの視線を感じて、ちょっと緊張している。
あの人も魔族だわ。


a8:jpg

アイスはルビーに、
魔術劇場の中に設置した鏡の扉のことなどを
報告している。

これで誰でもアフリカに行けるようになったわ。
もちろん魔術劇場に入るには、扉の番人のエヴァに
入り口を出現させてもらわなきゃならないから、
一応セキュリティも万全。
ルビーなら顔パスでしょ。

面白そうね。そのうち行ってみる。

ところで、フミコは?


a9

コンテストの参加賞をもらいにきて、
横で話を聞いていたナオミが言った。

昨晩はうちに泊まったの。
今頃ペンギンにいるんじゃないかしら。
たまきがフミコをサラに紹介してから、
二人でペンギンに行くって言ってたから。


a91

ヴィヴィアンは
暑いから冷房の効いているデジャに行きましょう。
と言って、フラハをデジャに案内している。
通路の途中のマンゴー亭にさしかかった。

レイがかき氷始めました。
と言っている。


a92

スイカのフルーツポンチも
ありますよ。
とアンナが言っている。


a93

二人は誘惑に負けて
肉まんとかき氷を注文している。

この広場には、人間ばかりじゃなく、
ドラゴンの子供やロボットや
動物の精霊までいて随分賑やかなんだな。

そうでしょう。
魔族にも住みやすいわよ。



解説)
続きます。




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Aug 05, 2024

スリッパとマークたち

a1

サラたちの部屋


a2

サラはシューズボックスを
運んできた。

フミコはずっと裸足だったのね。
これはスリッパだけど。


a3

最近、ドルフィンの倉庫に
入荷してたの。


a4

色合いもちょうどいいんじゃない。


a5

フミコの装身具は
バッグに収納して部屋で保管することになった。

肩飾りとか、
身につけなくていいんですか。
とジェイソンが言っている。

つけていると呪力が増大するけど、
私にはほとんど気持ちの問題なのよ。


a6

たまきはフミコを
喫茶ペンギンに案内している。


a7

浴衣って夏らしくていいですね。
とはるなが言っている。


a8

その頃、フラハの家を出た
4人はマークの家に向かっていた。

僕の家までは、
ちょっとだけ距離があるんだ。


a9

あの蔦のゲートをくぐると、
クラウドの家ね。
みんな元気かしら。
と佳奈が言っている。


a91

マークの家に到着した。
庭にいたアマンダが
お帰りなさいと言っている。


a92

マークは大きな鳥の羽根を
ジョーたちに見せて話している。

大きいとは聞いてtけど、
これほどとは。
形状はカラスの風切り羽根みたいですね。

とても捕獲できそうもないわね。

姿を確認できて、
撮影できればいいんじゃない?

何食べるんだろう。
雑食かな。
人も襲うのかしら。



解説)
続きます。

登場したスリッパはガチャで。
J・ドリームの「room’s MINIATURE SLIPPERS」
色違い全五種のうちのネイビーです。
サイズは1/6アクションフィギアの男性素体の足には、
やや小さめですが、女性素体の足にはほぼぴったり。
バービーやジェニーたち(オビツやボークスの素体なども)
には大きすぎます。
靴箱付き。
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Aug 04, 2024

浴衣とフラハとの会話など

a1

サラたちの部屋。


a2

たまきが冷やし中華を
食べている間に。


a3

サラは、フミコに浴衣の着付けをしていた。


a4

よくお似合いよ。
ありがとう
この図柄も気に入ったわ。


a5

なんだかすごく懐かしい人がいるなあ。
と頭蓋骨のお父さんが言った。
誰だったか忘れてしまったが。
メメもメーメーと言っている。


a6

お面被ってるけれど、
あなたは頭蓋骨なのね。
とフミコは言った。

どなただったかしら。
私も思い出せないけど、
あなたたち、なぜかとても懐かしいわ。


a7

アイスとフラハは
鏡の扉を使って魔術劇場に移動してきた。

この鏡の扉は誰でも使えるように
固定式にしたの。
ハリーは魔術劇場の中に、
扉のための専用の部屋を作ってくれた。

いくらでも魔法で部屋を増設できるなんて
便利だなあ。
この館には何人くらい住んでいるんだい。

数えたことないけど、
ハリーとカーミラと娘のヴィヴィアン。
ハリーの妹のジャンヌと娘のマリア、
劇場のショーに出演する操り人形のパペや、
人の身代わりになるセリア、
出入り口を管理しているピエロのエヴァ、
他は訳ありの同居人や客人たちね。

デジャの従業員になってるイリヤ、ヨシフ、ジョニー、
農家の手伝いをしてるヘルミーネや
部屋を管理してるデュアンとメルティ、
カーミラの知り合いの怪盗ゼロや
幽霊船船長のクックドゥー、路上アーティストのトマソン。
それに新しくフミコが加わった。
ざっとそんなところかしら。


a8

夢見の水の精霊のバルも忘れないで。
と言いながらヴィヴィアンが現れた。

あ、私はハリーの娘のヴィヴィアン。
フラハさんね。お噂はかねがね。
父は魔術書を探してるけどすぐ来るわ。
椅子が足りなから、
その前にちょっと模様替えを。


a9

椅子とテーブルと
食べ物、飲み物がセットされると
ハリー夫妻もやってきた。
面々の紹介が終わるとハリーが切り出した。

フラハ久しぶりだね。
100年ぶりくらいか。

もっとじゃないかな。


a91

若い頃は
カエル王子ごっこなどをやって
よく遊んだな。
いつから姿をくらましたんだ。


a92

ふむ。今でも、手に水かきがついている
夢を見ることがあるぞ。

私は魔法や魔族に対する風当たりが
強い西欧の某国にいてさ。色々あって、
すっかり人間の世界が煩わしくなったんだ。
それで、まだまだ魔術に理解のある
アフリカの部族社会に溶け込んだんだが、
その一つの村には長老がいてね。
彼に気に入られてある土地を譲られた。
土地と言っても境界線など誰にも見えない領域で、
見かけは一面のジャングルだったんだがね。
とにかくそこにいて、やがて訪れる
精霊の出現を待っていて欲しいと言われて
暮らしていたところ、
マークという放浪者のような男と出会った。
ひとめ見て、彼は人間じゃなくて
フィギアの精霊だとわかったよ。
彼に土地に住む許可を与えると、
マークは頑張って土地を開墾して、
そこは今では小さな集落になっている。
私はその集落の外れに住んでいるのさ。


a93

なるほどなあ。
それが巡り巡って古代の魔族の復活に繋がるわけか。
その長老というのは未来が見える
魔族の預言者だったのかな。

それはそうと、これは
私とマーリンが苦労して手に入れた魔術書だ。
中世に散逸して幻の書と言われていたものだよ。
この手引書のおかげでマーリンは異世界を作れるし、
私も魔術劇場やら鏡の扉を作れるようになった。
君が読むなら喜んでお貸しするがどうかね。

ふむ。君がその本を持っていることはアイスから聞いたよ。
私も若い頃からずっと読みたいと思っていたが、
今思えば、君やマーリンへの対抗心があってのことかな。
呪文は覚えられても、持って生まれた
呪力だけはどうにもならない。
フミコの頭蓋骨の蘇生を試みて思い知ったよ。
だがもちろん魔術や呪文への関心を失ったわけではない。
貴重な本なのだろう。
これからは、ちょくちょくここに来て、
読ませてもらうことにするよ。
とフラハが言った。



解説)
続きます。
Posted at 20:27 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 03, 2024

扉を抜けて

a1

たまきがフミコを最初に案内したのは、
サラたちの部屋だった。

フミコは冷やし中華を
ご馳走してもらっている。


a2

このところ連日作ってるの。
お味はどう?

冷たくて甘酸っぱいタレが、
とても美味しいわ。


a3

たまきの分も
今できるよ。

その片手ザル新しいのね。
気がついた?
とジェットが言っている。


a4

フミコさん、
お箸の使い方上手なのね。

昨日の晩、
ざる蕎麦ご馳走になったとき、
覚えたばかりなんです。


a5

マークの集落のフラハの家では、
鏡の扉が出現してアイスが姿を現した。

コーヒーを飲んでいたフラハは、
おお、また現れたか。
と言っている。


a6

アイスの後から、
ゾロゾロと人がついてきた。
アイスとフラハは
冗談のような挨拶を交わしている。


a7

実はね。鏡の扉をあそこに固定して、
ハリーさんの魔術劇場との通路にしたいんだけど。

え。なんということを。

どこに作るのがベストか色々考えたのよ。
昔の魔族は不思議な扉を使って遠方と行き来していた。
まだそんな伝承が残っているから、
魔族の魔術師のフラハさんの家だったら、
みんな受け入れやすいでしょう。
それはみんなに魔族や魔法のことを
再認識してもらうきっかけにもなるの。

ふむ、お前の考えはわかった。
まるで魔族の身内の話を聞いているようだな。
静かに暮らしていたかったんだが、
まあこれも何かの縁で成り行きなんだろう。
協力してやろう。


a8

アイスは、ジョー軍曹とエルザを
フラハに紹介している。

ふむ。どうやらお二人は人間ではなく、
マークのお仲間のようですな。

やはりわかりますか。
とジョーが言った。

私も魔術師の端くれなので、
人と精霊を見分ける力は備えているのだよ。
それで早速観光に来られたのかな。

探検隊なんです。
マークさんが見つけたという巨大な鳥の羽根。
4人でその鳥の本体を探しに行くの。
とエルザが言った。

そうかそうか。
まあそんな探索も今時のロマンなのだろうな。
ここも充分人里離れた僻地だが、
さらにジャングルの奥地に行くのは大変だぞ。
せいぜい気をつけて頑張りたまえ。


a9

4人はフラハの家を出た。

ここがアフリカとはね。
空気が違うなあ。
とりあえず僕の家に。
とマークが言っている。


a91

ハリーさん呼んできましょうか?
いや、こっちから出向くよ。
鏡の扉を抜けるのは久しぶりだし、
ご家族にも会ってみたいからな。



解説)
続きます。

ジェットの持っている片手ザルは、
セリアで見つけた
線香やお香用の燃えかすとりを、
そのまま使っています。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 02, 2024

夏の夜の夢

b1

ねえ、マーク。
あの大きな鳥の羽根のことだけど、
ラッセルやブラッドは、
あまり乗り気じゃなかったみたいだから、
私たちで鳥を探しに行かない?
と佳奈が言った。

それは嬉しいな。
でも二人だけだと危険だよ。
結構奥深いジャングルなんだ。

リンやクラウドやハンスさん。
集落にはプロの探検家が揃ってるから、
声をかけてみたらどうかな。

うーん、彼らは遺跡調査が専門だからね。
鳥を探しに行くって言っても。


b2

よかったら僕らが。
とジョーが言った。

ご一緒しますよ。
エルザも行きたがると思います。
アフリカのジャングルは初めてですが、
サバイバル生活は戦地で慣れてますから。


b3

いいんじゃない。
とアイスが言った。
佳奈もCGとしての訓練になるし、
ジョーたちが行ってくれれば、
交流の第一歩になるわ。

お話が続きそうで、
よかったわね。
とアンナたちが言っている。


b4

夜になって
夕食にざる蕎麦をご馳走になったフミコは
ジェニーたちの部屋に
泊まることになった。


b5

フミコ。
打ち上げ花火って見たことある?
この季節、
夜空を彩る夏の風物詩なのよ。

それは見たことがないわ。
どんなものなのかしら。
ちょっと心の中で思い浮かべてみて。


b6

たまきが花火のイメージを
思い描くと、障子の外に。

ふーん、随分綺麗なものなのね。


b7

欅の木が茂って
遠くの空まで見えないはずなのに。

あれは幻影なのよ。
ひとときの夢。


b8

あらら。
花火大会なんてやってたっけ。


b9

すごい迫力。夕涼みに最高ね。


b91

音が聞こえないけど、
どこで打ち上げてるのかしら。



解説)
続きます。
Posted at 20:26 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Aug 01, 2024

コンテストの結果発表など

a1

あっという間に8月。
月初めは月替わりのコスプレコンテストの
優勝者の発表の日。

暑さでわりと閑散とした広場では
マイクを手にしたルビーが
アナウンスを始めていた。


a2

みなさん。
7月のコンテストの
優勝者を発表します。
厳正中立な審査の結果、
優勝したのは今井舞さんです。


a3

あら、私なの。
と舞は驚いている。


a4

舞は広場に居合わせた人々の
拍手と喝采を浴びながら、
トロフィを授与されている。


a5

私が選ばれた理由が
よくわからないんですけど。

毎日暑いし、深く考えなくていいのよ。
涼しそうな浴衣姿が
よく似合っているということで。


a6

マンゴー亭では
ジョーと佳奈、マークとアイスが
肉まんを食べていた。


a7

アルバイトのアンナとレイが話している。

今月のコンテストは意外な結果ね。
私てっきりフミコっていう人が選ばれるかと。
私はそこにいるマークさん推しだった。
でも二人ともコンテストに、
参加登録しなかったみたいなのよね。
舞ちゃんでよかったんじゃない。
いつも広場でジャージ着て
薬缶持ってたし。


a8

残念だなあ。
ラッセルやブラッドとは
行き違いだったのか。
とマークが言っている。

二人とも自分の住まいに帰ったの。
まさかこんなにすぐに、
マークがこの町に来るとは
思っていなかったでしょうからね。

マークはこれからどうするの?
アイスが通路になる扉を
作ってくれるというんで一旦家に帰るよ。
アマンダに留守番頼んでいるし。


a9

いつでもすぐ戻って来られるしね。
と佳奈が言った。

その扉を使って
僕らが遊びに行ってもいいんですか。
とジョー軍曹が尋ねた。

もちろん、大歓迎だよ。
とマークが応えた。


a91

聞いていたアイスが言った。
交流するために通路を作るんだからね。
ただね。鏡の扉は、あくまでも魔法の力。
マークの集落の側の扉は、フラハの家に作ることにしたの。
マーク、それでいい?

もちろん。でもどうして。

みんなが魔族や魔法のことを忘れないためよ。
とアイスは言った。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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