Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

鳥を探しに　そのに

一行はようやく沼地を抜けた。
地面が少し傾斜して上りになっている。




見晴らしのいいところまでやってきた。

あの山の中腹で
羽根を拾ったんだ。




登りだけど、
空が見えると気分がいいなあ。




ねえ聞こえない？
ハヨー、ハヨー。
っていう鳥の鳴き声。
本当だ。




ハヨー、ハヨー。

頭上に巨大な鳥が舞っている。
マークは
急いでカメラを構えている。




鳥は少し離れた場所に立つ
巨木の方に飛び去って行った。




一行は後を追いかけて
巨木の根元に辿り着いた。




見上げていると、
先ほどの鳥がマークたちに気がついたようで、
枝分かれした梢の間から顔を出した。
じっと眺めている。




驚いたことに巨大な鳥は
草むらに舞い降りて、
トントンと両脚を揃えて
跳ねるように近づいてきて、
一声、ボンジョールノ。
と鳴いた。




ボンジョールノ。ボンジュー、ボンジュー。
鳥はそれだけ鳴くと、
一度首を傾げるような仕草をしたが、
やがて羽根を広げて羽ばたき、
再び、空高く飛翔して、
飛び去って行った。

今のはなんだったの。



解説）
続きます。