Apr 22, 2025

アイスたちの探索

a1

ナディアたちと二手に分かれたアイスたちは
急斜面の崖を登っていた。

私は必死で蔓草を伝って登ったけど、
あなたは吸盤がついてるし、
手足が伸びて楽そうね。
とレイチェルが言っている。


a2

ヤビーは崖を登り切った。

何か見えますか。
見渡す限りジャングルよ。


a3

南のジャングルと
あんまり変わらないなあ。
本当に別世界なんでしょうか。


a4

私、ちょっと高く上がって、
周りの様子や
透明なバリアの存在を確かめてくる。
とアイスがいった。

私たちを見失わないでね。

ヤビーの赤い色を目印にするから、
もし川があったら、
川筋にでもいてちょうだい。
上から見つけやすいから。
そういうと
アイスは上昇していった。


a5

二人はジャングルを進んでいく。

南のジャングルとは、
やっぱり違いますね。


a6

小川がこの先で、
本流に注いでいるみたいだから、
そこでアイスさんの戻るのを待ちましょう。


a7

あ、あそこに誰か。


a8

二人の姿に驚いたようで、
女性と鹿は走り去っていった。


a9

追っていくと、
さっきの鹿が振り向いている。

レイチェルさん、そこに。
水辺の草むらからワニが這い出してきた。


a91

ワニは素早い動きで
ヤビーに襲いかかった。



解説)
続きます。
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Apr 21, 2025

サバンナを越えて

a1

ここが夢の中なんて信じられないなあ。
その彼女ってどこにいるんですか。
サバンナに来ることもあるけど、
みすずなら大抵西の森の家にいるわ。
西の森っていうと、
多分アイスたちが探検に行った方角だよ。
私たちも行ってみよう。

暇だから案内してあげる。
とシノが言った。


a2

あれやばくないですか。
近くに行かなければ大丈夫よ。


a3

一同は、足早に立ち去っている。
ジェラシックパークみたいだなあ。


a4

ナディアはちょっと興味を惹かれて
恐竜同士の戦いを見ていくことにした。

これは結構な迫力だわ。


a5

ナディアは戦いに見とれている。

あの尻尾のぶんまわしは、
なかなかのものね。


a6

不意に背後から暖かな鼻息が。


a7

空気をつんざくような咆吼と共に
恐竜は歯を剥いて口を開けている。
ナディアは、全速でジャンプした。


a8

恐竜は辺りを眺めまわしている。
危ないところだったわ。


a9

ナディアはみんなのいるところまで
飛んで行った。

どこで油を売っていたの?
ようやく森林地帯に到着したみたいよ。
と言われている。



解説)
続きます。
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Apr 20, 2025

洞窟を抜けて

b1

ナディアたちは洞窟の探検に向かった。

私が先導するから、
後からついてきて。
とナディアが言っている。


b2

ナーガラの死骸も
卵の殻も無くなっている。


b3

三人は洞窟内をしばらく進んで行った。

ナディアさんて勇敢なんですね。
本人は話したがらないけど、
彼女は戦時中、英雄視されていたのよ。
機械軍からは逆にとても恐れられていた。
あなたも戦場で出会わなくてよかったわね。
あ、薄明かりが見えるわ。


b4

やっと出口が見えた。


b5

やっぱり外は明るくていいなあ。


b6

あ、あそこに誰かいますよ。
ナディアは浮上して身構えている。


b7

あの洞窟を抜けてきたのね。
あなたたちも観光に来たの?

観光って、私たちは
南のジャングルから探検に来たんですよ。
ここはどうなっているんです。


b8

ご覧の通り、起伏のある草原に
まばらに樹木のあるサバンナ地域ね。
もっと西に行けば森林があるし、
東には砂漠が広がっているわ。
あ、まだ名乗ってなかったわね。
私の名前はシノ。
ナディアとツナとラルゴです。


b9

ここは観光地なんですか?
夢食いの仲間たちの間ではかなり有名ね。
じゃああなたは夢食いで、
ここは誰かの夢の中っていうこと?
そういうこと。
でも詳しいことは知らないの。
彼女に聞けばわかるかな。



解説)
続きます。
Posted at 21:01 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 19, 2025

さらなる探検へ

a1

トリコ成長が早すぎない?
一回り大きくなった気がするわ。
ああやって
ずっと食べ続けですからね。


a2

ツナとレイチェルはシェルター型ロボットを
検分していた。

正面のカバーが開いたわ。
仮想現実世界で見つけたシェルと同じタイプね。
壊れてなければ操作は簡単。ここのレバーを引けば。


a3

低い起動音がして、正面カバーが閉じ、
背面カバーが開くと、
折りたたまれていた両足が伸びて、
シェルター型ロボットは立ち上がった。

やったわ。
認識機能はどうかしら。


a4

側面のカバーが開いて、
中から両腕が伸びてきた。

燃料が減衰しています。
至急燃料を補給してください。
と言っている。

燃料って、お水だったわね。
今貰ってくるわ。
あ、前にあなたと同じタイプのロボットに、
シェルっていう名前をつけたことがあるの。
あなたの名前は、
シェルニにするから、よろしくね。

シェルニですか。なんと安易な。
あ、了解しました。燃料をお願いします。


a5

やがて、探索に出発するメンバーが
庭に集まっていた。

留守番はフミコとサラと、
シェルニって名付けたロボットと、
ヤミーとヤッピーに任せるわ。
みんな準備はいいかな。

いいけど、あの門のある場所まで
川をさかのぼって徒歩で行くのには、
かなりの距離があるわよ。
とナディアが言った。

もちろん魔法を使っていくのよ。
ナディア、その岩の門があった風景を
思い浮かべてみて。
とアイスが言った。


a6

アイスが呪文を唱えると、
背景に川の上流にあった岩の門のイメージが見えた。
みんな驚いている。

私がこの情景を思い描いて、
心に浮かぶ呪文を唱えるのよ。


a7

位置はあの辺がいいかな。
庭の隅に鏡の扉が現れた。

超便利な魔法ね。
なんでもありすぎじゃない?
とツナが言っている。


a8

一行は鏡の扉を抜けて、
岩の門の前に移動してきた。

この向こうが別世界なんですか。
どうもそうらしい。でも、
未知の世界なのはこっちと同じようなものよ。


a9

一行はトンネルを潜り抜けた。

空気が微妙に違う気がするなあ。
けっこう急斜面ですね。

ナディア。ここでふたてに別れましょう。
私とレイチェルとヤビーは
この崖を登ってみる。
あなたとツナとラルゴは
洞窟の奥を探検してみて。
とアイスが言った。

アイス。危険だから、
あまり上空は飛ばない方がいいわよ。
とナディアが言った。
了解。



解説)
続きます。
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Apr 18, 2025

新たな計画

a1

これ、恐竜の子供って確か?
いつか図鑑で見たトリケラトプスの
幼体によく似てるのよ。形だけだけど。

それって成長すると、
どのくらいの大きさになるの?
確か全長9メートル、体重12トンくらいだって。
名前つけてないんでしょ。
トリコにしたら?

まだ飼うと決めたわけじゃないのよ。
勝手について来たんだから。
植物食だから放し飼いにしてればいいのよ。

あちらにテーブルが用意できました。
とヤミーが言った。


a2

ラルゴはミミコと再会していた。

ラルゴさん。あなたが第一発見者だったのね。
ミミコがヤビーさんに頼んで
探してもらっていた人はあなただったって、
言っているわ。
戻って来てくれて、とても嬉しいって。

僕の確信は外れちゃったみたいですね。
てっきりフミコさんのことだと思ったんですが。
とヤビーが言った。

でも変ですね。
私はご覧の通り通り人間ではありません。
とラルゴが言った。

ミミコは、心が人間だって言ってるわ。


a3

探索の結果の報告の会合が開かれている。

アイスは、ラルゴの住む家を見つけて、
ラルゴに事情を聞いたこと、
二人で戻ってくる途中で
シェルター型ロボットを見つけたことや、
ブラッキーを退治したことなどを話した。

ナディアは、北に向かって飛行している途中、
透明なバリアに阻まれ、
その先に進めなかったこと、
突然怪鳥に襲われて地上に落ちてしまったこと、
不思議な岩の門を見つけて、
その先の洞窟で、卵を狙うナーガラを退治したら、
卵からかえったトリコがついて来たことなどを話した。

いろいろ成果があったわね。
これからやってみたいことは、二つ。
とアイスが言った。
一つはなんと言っても北方の調査ね。
私は、以前迷いの森っていう所に探検に行って、
そこで、透明なバリアに対面したことがある。
バリアの向こうに世界があるのに入り込めないの。
でもナディアの潜った岩の門は、
その向こうに通じているんだと思うわ。
魔法が使えるようになって、
そういう異世界との間を繋ぐ、
扉のようなものがあるのはわかるのよ。
その場所に調査に行きましょう。

もう一つは?

それはシェルター型ロボットの回収ね。
これはラルゴさんと、
作業用ロボットの皆さんにお願いするわ。
動くかどうか試してみたいの。
もしロボットが使えるなら、何かの時に、
ミミコをシェルターに避難させることができる。

私はまず飛行装置の修理をしなくちゃ。
とナディアが言った。

シチューあんまり減ってないわね。
味付けの問題でしょうか。
などとサラとヤミーが話している。


a4

会合ののち、ロボットたちはさっそく、
シェルター型ロボットの回収に出かけて行った。

フミコにさっき聞いたんだけど、
ラルゴさんが、人間の心を持っているって、
ミミコが言ったんですってね。
とサラが言った。


a5

あまり思い出したくないことだけど、
その意味はわかるわ。
とナディアが言った。

あのラルゴ4型は機械軍によって戦争末期に開発された。
純粋な戦闘用ロボットじゃなくて、
機械軍に捕虜となった優秀な人間の兵士の
脳を組み込んだサイボーグだって噂があったの。
その人の個人的な記憶を一切消し去って、
兵士の身体の運動能力だけを利用しているっていう。
そういうサイボーグ化は人類の側もやっていたけど、
改造前の人格も消しちゃうなんて彼ららしい発想だわ。


a6

人間だった頃の人格の記憶は消し去られていたけど、
深層にある人間的な感情や心の動き方が、
ミミコの泣き声で蘇ったという訳ね。
それでラルゴは、生理的な感情にかられて、
ミミコを抱いて戦場を逃れて森に隠れ住んでいた。
感情を取り戻したせいで、
ロボットの仲間たちを裏切った罪悪感に
ずっと苦しめられていたなんて。


a7

その時、ジャングルの中から
なんとツナとレイチェルが現れた。

サラの部屋の鏡の扉から来ちゃった。
ここは仮想現実世界とよく似たジャングルで、
ロボットたちが暮らして居るんでしょう。
サバイバルのプロとロボット学者のお出ましよ。
と言っている。


a8

呼ばれてないけど、
しばらく戻れそうもないとなると、
仮想現実の世界が恋しくなっちゃってね。
中毒なのよ。
機材を持ってきたわ。
何かのお役に立つでしょう。
などと二人は押しかけた言い訳をしている。


a9

そこにタイミングよく、
ロボットたちが戻ってきた。

シェルター型ロボットを運んできましたよ。
と言っている。



解説)
続きます。
Posted at 20:24 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 17, 2025

アイスの帰還

a1

アイスはラルゴ4型を説得して、
二人でヤビーたちの家に向かった。

しかしあなたは
冷酷非情な戦闘用ロボットのはず。
どうしてミミコの命を助けて、
戦場から離脱することにしたの?
それに、戦争を忌避して恥ずかしいなんて、
繊細な感情も持ってるみたいだし。

瓦礫の山の側でミミコの泣き声を聞いた時、
何かが解除されたような気がしたんです。
別の何かに促されるような感じで、
自分でもよくわからないんですが。


a2

ミミコがテレパシーで働きかけたのかなあ。
あ、ヤビーたちの家に向かうルートは
覚えているのね。
はいほぼ一直線で向かっていますよ。


a3

あら、こんなところに何か。

金属製の球体が
半ば草に埋もれている。


a4

これは戦争末期に人類の側が作った
シェルター型ロボットのようですね。
内部が空洞になっていて、
人を収納できるはずですが、
中には誰もいないようです。


a5

その時、茂みに潜んでいた巨大な蜘蛛が現れ、
ひょんと球体の上に飛び乗った。


a6

アイスの銃弾に、蜘蛛は地上に
落ちて動かなくなった。

すごい早打ちですね。
これはブラッキーと言って、
ネット状に細かな群体を張り巡らして
獲物を身動きできないようにしてから
捕食する生き物です。
多分シェルターを巣にしたかったんでしょうが、
入り込むのは無理ですね。


a7

川音が聞こえるわ。
もうすぐそこです。

割と近かったのね。
さっきのシェルター型ロボット、
回収することはできないかな?
作業用ロボットたちに手伝って貰えば、
なんとかなるでしょう。
動くかどうかわかりませんが。


a8

二人はヤビーたちの家に帰り着いた。
ちょっと懐かしいなあ。


a9

アイスたちが正面の庭にいくと、
すでにナディアが戻ってきていた。

おや、変わった生き物がいるのね。

サラが恐竜の子供じゃないかって。
北の方の洞窟で生まれて私について来たのよ。
あなたも変わったお連れがいるのね。

南の方の廃屋で暮らしていた
ロボットよ。

そのスタイルは知ってるわ。
戦争末期に機械軍が投入したラルゴ4型。
全部破壊されたと聞いてたけど
生き残っていたのね。

え、そうなの?

私は戦線を離脱して森に隠れていたんです。
それで生き残ってしまったんです。
とラルゴ4型が言った。

ラルゴ4型か。言いにくいから、
ラルゴでいいわね。
どうぞよろしくラルゴさん。私はサラよ。
そちらはナディアと後ろにいるのはヤビー。
アイス、シチューができたから食べましょう。



解説)
続きます。
Posted at 20:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 16, 2025

ナディアの探索

a1

ナディアは茂みの中から身を起こした。

下の森ばかり見ててすっかり油断してた。
木の枝がクッションになって助かったわ。


a2

装置が損傷したせいで、
羽ばたく速度が落ちている。
もう上空を飛ぶのは無理ね。
近くに渓流があれば、
川筋を辿って帰れるんだけど。


a3

ナディアは川を見つけた。
ついでだから、
もう少し上流に行ってみるか。


a4

ゆっくりと低空飛行していくと
岩壁を抜ける門のような地形があった。

この辺りはバリアのあった空域の筈だけど、
この門の向こうからは風が吹き込んでくる。


a5

門を抜けると、
大気の密度が微妙に変わった感じがする。
正面の斜面に洞窟がある。


a6

ナディアが洞窟を覗き込むと、
二匹のナーガラが大きな卵に
群がっているのが見えた。


a7

ナディアは銃を抜くと
素早い動作で二匹の蛇の頭を吹き飛ばした。


a8

ひびの入っていた卵の殻が割れて
なんと牙を持った生き物が顔を出した。

ナーガラは君が出て来るのを、
待っていたのね。
危ないところだったわ。


a9

門のこちら側の大気は明らかに違う。
洞窟の奥や崖の上も調べたいけど、
この状態じゃ深入りは危険ね。

一旦報告に戻ることにしたナディアが、
洞窟を出て、門に向かうと、
生き物が後から追ってきた。


a91

ツノのある生き物は、
ゆっくり低空飛行してヤビーたちの家に戻る
ナディアの後をついて来る。

ま、いいか。



解説)
続きます。
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Apr 15, 2025

アイスの探索

a1

アイスは家の中を
調べてみることにした。


a2

誰かいますか?


a3

室内はがらんとしている。


a4

なんと奥の部屋に、変わったスタイルの
ロボットが立っていた。
アイスはヤビーの追憶の情景イメージで、
このロボットを見たことを思い出した。
ロケットランチャーを手にしているようだ。

えっと君は?
私は元機械軍兵士です。
あなたはさっき空を飛んでいた人ですね。

怪鳥かと思って狙い撃ちするところでしたよ。
よく見ると人間が鳥の羽根に跨っているので、
撃つのをやめましたが、
ここに降りて来るとは思わなかったな。


a5

どこから来たんです?

北のジャングルにここと同じような廃屋があって、
作業用ロボット三体と人間の赤ん坊が暮らしているの。
私はそこから来たのよ。生存者を探しているの。

みんな元気でしたか。その家なら知ってますよ。
元々私が赤ん坊と一緒に住んでいたんです。
あの赤ん坊は、実は最終戦争の時、
空爆された地域の瓦礫の陰で
泣いていたのを見つけたんです。
私は赤ん坊を抱いて軍を逃亡して
森に逃れてあの家に隠れて暮らしていたんです。
しかし戦争が終わり、
ある時、作業用ロボットたちが近くに来たので、
赤ん坊を置いたまま、あの家を出たんです。
私より彼らが育てる方がいいですから。

作業用ロボットも同じ機械軍だったんでしょう。
もう戦争は終わったし元は味方同士じゃないの。
私は逃亡者ですから。顔を合わせるのが気まずくて。
繊細なのね。
あの赤ん坊は、ミミコという名前ね。
あなたがつけたの?
自分で言ってましたよ。
あの子はテレパシーが使えるんです。

ミミコはね。南の方に人間がいるから、
探してきて欲しいって、作業用ロボットの一人に頼んだの。
それで探しに出たロボットが、途中で記憶を失って、
異世界に迷い込んで私たちの世界に来たの。
私たちはそのロボットと一緒に
この世界に来たっていうわけ。
複雑そうな話ですね。

南の方の人間ってあなたのことじゃない?
ミミコはあなたに戻ってきて欲しいんじゃないかしら?
私は戦闘用ロボット、ラルゴ4型ですよ。
この姿を見てください。ありえないですよ。


a6

二人の話は続いていた。

あなたはこれまで生存者の姿は見なかった?
巨大化した昆虫やトカゲは見かけましたが、
ロボットや人間は見たことないですね。

さっき怪鳥って言ってたわよね。
ええ、けっこう大きな鳥が飛んでくるんです。
一度襲われたことがあるんで、
見かけたらランチャーで脅かすことにしているんですよ。
武器があると心強いわね。
あなた、やっぱりミミコのところに戻るべきよ。
その方がミミコも安全でしょう。
そうでしょうか。


a7

その頃ナディアはどうするか迷っていた。

透明なバリアでこれ以上進めそうもないし、
建物らしきものも見あたらない。
一旦戻った方がいいかなあ。


a8

その時、ナディアは突然頭上から
急降下してきた怪鳥に不意をつかれた。


a9

鋭い爪が飛行装置のスイッチに引っかかり、
翼の停止したナディアは
応戦するすべもなく森林に落ちて行った。



解説)
続きます。
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Apr 14, 2025

空からの探索

a1

それバットマンみたいね。
と言われている。


a2

アイスはひらりと、
ナディアはパタパタと空に舞い上がった。


a3

私は北に。
私は南を見て来るわ。
ここの地形を忘れないように。
了解。


a4

ナディアは飛んでいく。


a5

この川沿いにいってみよう。


a6

ずいぶん森が広いなあ。
あら、ここから先は
なぜか押し戻されて、進めないわ。


a7

アイスは南に向かっていた。


a8

はるかに山並みが続いているのね。
あ、あそこに屋根が見える。


a9

アイスは家の近くに舞い降りた。



解説)
続きます。

人形日記の「目次」を更新しました。
今年の3月分まで日付やタイトルで検索できます。
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Apr 13, 2025

ヤビーたちの世界 そのさん

a1

話し合いは続いていた。

僕たちは、ここに残されてもいいんです。
できればミミコと一緒にいたいですが、
みなさんにご迷惑をおかけしたくないです。
戦争だけはもう懲り懲りなので。
とヤビーが言った。

じゃあみんなで引っ越す案は一応置いといて、
ここでできることを考えましょう。
もしここが最終戦争後の未来世界なら、
かりにバーボンハウスが存在していなくても、
他に生存者がいる可能性はある。
探索する価値はあると思うわ。
とナディアが言った。

ジャングルの探索ねー。そうだ。
九官鳥の羽根があれば空が飛べる。
上空から見れば何かわかるかも。
とアイスが言った。

研究所に戻れば、ミューが作った飛行装置がある。
あれがあれば、私も飛べるわ。
とナディアが言った。

じゃあとりあえずやることは決まりね。


a2

アイスとナディアは、
ジャングルに固定してある鏡の扉に向かった。

私はアフリカのマークっていう人に
九官鳥の羽根を預かってもらっているの。
こちらに戻る時、サラたちの部屋で落ち合いましょう。
了解。


a3

二人とも戻っちゃったわね。
私たちはどうしましょうか。
ジャングルをうろつくのは危険ですよ。
そうねえ。


a4

フミコはミミコを寝室に戻した。

ずいぶんご機嫌ね。
ドラゴニアベリーがあると安心みたいです。


a5

あれはなんでしょう。

やっぱりきたか。
あれはグリーンマンって言って、
私を守ってくれる追っかけなの。
覗いているだけだから無視していいのよ。
これで家の周辺が安全になるわ。


a6

ヤミーさん、面白い。
そうでしょうか。


a7

その頃アイスは、羽根を手に入れて、
ドルフィンで支度を整えていた。

武装して行くなんておおごとね。
念の為よ。


a8

アイスはナディアと待ち合わせていた
サラたちの部屋に到着した。

お待たせ。研究所の様子はどうだった?
まだまだ計算に時間がかかりそうだって。
ツナも来たがっていたけど、
装置は一つしかないから。


a9

二人はヤビーたちの家に到着した。

お帰りなさい。
何か作るの?
ナーラガとドラゴニアベリーの
ごった煮のシチューよ。
それ美味しいの?
たぶんね。食べたことないけど。



解説)
続きます。

ミューの作った空飛ぶ装置が出て来るのは、
2024年10月16日「賑やかな日々 そのよん」などです。
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Apr 12, 2025

ヤビーたちの世界 そのに

a1

やっぱりアフリカのジャングルに似てるわ。
せせらぎが聞こえる。
近くに小川があるのね。

はい。


a2

サラは小川を見つけた。


a3

その時、岩陰から蛇が。


a4

みじかで銃声がした。
サラの背後にナディアが立っている。

サラ。これはナーガラって言って、
食べると美味しいけど、危険な毒蛇なのよ。
人間を狙うから気をつけて。

ありがとう。
やっぱりここはアフリカとは違うわね。


a5

フミコとアイスが話している。

さっきの銃声は?
ナディアが毒蛇を退治したらしいわ。
あの音で、ミミコが目覚めて話しかけてきたの。
このペンダント、私に持っていて欲しいって。
やはり同じものだったのね。


a6

どうしてこの廃屋にいたのか聞いてみた?
赤ちゃんだからよくわからないって。


a7

ナディアとヤビーが話していた。

ナディアさん、すごいですね。
機械軍の兵器にも詳しかったみたいだし。
戦争経験者だったからね。
CGで生き残ったのは私だけみたい。
なんとCGだったんですか。

ところで、この辺りにナーガラはかなりいるの?
はい。僕たちロボットは襲わないんですが、
時々ミミコを狙ってくるんです。
危険地帯なのね。


a8

私たちのバーボンハウスに行ければ、
安全なんだけど。
方角も距離もさっぱりわからないからね。


a9

四人はこの先のことを相談している。

どうしたものかなあ。
ここは人間が住むには危険よ。
ナーガラが出没するみたい。

私が結界を張るわ。
とフミコが言った。
アフリカの遺跡の周辺のように、
森や生き物に守ってもらうのは無理でも、
建物への侵入は食い止めることはできる。

フミコはまさかここで暮らすつもりなの?
先のことはわからないけど、
ミミコをほっとくわけにいかないでしょう。

バーボンハウスに行ければ、
人もロボットも大勢いるしずっと安全よ。
私の記憶を辿って、鏡の扉を作っていけないかな。
とナディアが言った。
残念だけど、それはたぶん無理よ。
転送装置が計算中で停止してるんでしょう。
仮想現実世界はAIが作ってるものだから。
それに、この世界と似てはいるけど、
地続きなのかどうか、それもよくわからない。

ヤビーの記憶と私の記憶は重なるし、
ナーガラがいたりドラゴニアベリーもあるし、
同じ世界のように思えるんだけど。
とナディアが言った。

あなたの記憶もAIの生んだ仮想現実、
ヤビーもロボットなのよ。
そう言われると返す言葉もないわね。

ミミコを連れて帰ると言う選択肢は?
魔族のハリーたちなら喜んで受け入れてくれるわよ。
ロボットたちもシェリーの研究所で開発したことにすれば、
なんとか言い訳ができそうじゃない?
アフリカに行けば人目を気にする必要もなさそうだし。
とサラが言った。

それも一案ね。
問題は、地球を宇宙人たちが観察しているって言うこと。
異世界からロボットたちが来たことが知られると、
宇宙連合がどう考えるか。
彼らは機械文明が勝利した諸惑星連合と
対立してるって言う話だから。
侵略者だと見做されかねないって言うことか。
来るのは作業用ロボットだから考えすぎじゃない?
だといいけどね。レプティリアンもいるのよ。
ロボットたちにも意見を聞いてみないと。

ヤビーは心配そうに聞いている。



解説)
続きます。
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Apr 11, 2025

ヤビーたちの世界

a1

ヤビーとアイスに続いて、
フミコも鏡の扉に入ろうとしている。
ナディアが私も行くわ。
と言っている。


a2

アイスたちは扉の向こうの世界に
抜け出ていた。

僕たち、今もここに住んでいるんです。
正面に回りましょう。


a3

ロボットたちが家の中から出てきた。

おお、ヤビーじゃないか。
おかえり。
無事に人間を見つけてきたようだね。


a4

ヤビーは屋内の2階の部屋に
アイスたちを招き入れた。

ミミコはすやすや眠っているようだ。


a5

この世界に入ったら、
胸のペンダントが消えてしまったわ。
ミミコが抱いてる頭蓋骨の方が
実在することになってるみたい。


a6

君たち区別つかないなあ。
青いのがヤミー。赤いのがヤッピー。
バッグと水筒を持ってるのが僕です。
ヤビーですよ。


a7

その頃、サラたちの部屋に、
局長を見送ったサラが戻ってきた。

これは鏡の扉ね。
アイスさんたちが別世界に行ったんです。

ノヴァさんは一緒に行かなかったの?
僕は観光で来ている宇宙人なので、
何かあったら大問題になるので、
待っているようにとアイスさんに言われまして。


a8

じゃあ、私が代わりに
行ってみるわ。


a9

何も事情を知らないサラは、
赤ん坊を見て驚いている。

サラも来ちゃったか。
ここはどこ?
アフリカのジャングルみたいね。

アフリカじゃなくて、未来世界なんだよ。
その赤ちゃんは?
ミミコって言うのよ。
事情はこれから話すから。


解説)
続きます。
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Apr 10, 2025

ヤビーの記憶

a1

サラたちの部屋で、
みんなが話し合いをしている時、
研究所からナディアがやってきた。

ヤビーさん、バッグと水筒忘れたでしょう。
届けにきたわよ。

あ、どうもありがとうございます。
とヤビーが言っている。


a2

じゃあこれから、
あなたの記憶のイメージを
魔法で再現できるか試してみるわ。
昔のことを思い出してみて。

はい。


a3

ヤビーが昔のことを思い浮かべ、
アイスが呪文を唱えると、
みんなの背後にそのイメージが現出した。

これは。
あれは機械軍の戦闘爆撃機よ。
とナディアが言った。


a4

あれは、ラルゴ4型ね。
緑の火炎を吹いて、かなり興奮してるみたい。

なんなんです。
機械軍の戦闘用ロボットよ。


a5

見渡す限り瓦礫の山ね。
これ最終戦争の頃でしょう。
ヤビーさん記憶が古すぎるわ。


a6

私にはすごく懐かしいけど。
とナディアが言った。


a7

すごい記憶の情景だけど、
戻りたいのは、
あなたがミミコに言われて旅に出た頃よ。

はい、昔のことを思い出そうとすると、
戦時中のことが浮かんでしまうんです。
何か手がかりが。
とヤビーが言った。

手がかりならあるはずよ。赤ちゃんや、
この山羊の頭蓋骨のことを思い出して。
とフミコが言った。


a8

ヤビーは言われた通りに記憶の中の
山羊の頭蓋骨のことを思い浮かべた。

カゴの中で赤ん坊は
すやすや眠っているようだ。


a9

ここです。これが森の中で見つけた廃屋です。
この中でミミコが泣いていたんです。

やったわね。
では、この世界に鏡の扉で行ってみましょう。
アイス、あなたがやってみて。


a91

アイスが家のイメージを念頭に、
思いついた呪文を唱えると、
幻影は消え、部屋の壁に鏡の扉が出現した。



解説)
続きます。
Posted at 20:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 09, 2025

局長の帰還など

a1

肉まんを買い込んだ局長たちは、
管理局への通路のあるミラたちの家に向かい、
ペンギン前にたどり着いていた。

お戻りですか。
とバグが声をかけている。

先月の20日に来たから、
3週間近くの長期休暇になっちゃった。
ハリーやヴィヴィアンには会えなかったけれど、
フリーマーケットやお花見を存分に楽しめたわ。
あら、あなたはミラの妹のカコさんだったわね。


a2

覚えていてくれたんですね。
あれから私は宇宙連合にスカウトされて、
レプティリアン文明に派遣され、
彼らが保護しているって主張している、
この惑星を観察する宇宙ステーションにいるんです。
他にも親善大使みたいな異星人が大勢いますよ。
ところで、宇宙ステーションの艦長は、
天使族出身だと言うことですが、
もしかしてお知り合いなんですか。


a3

ええ。彼女は幼友達。
彼女が宇宙ステーションの艦長になる前には、
一緒にこの町を訪れたこともあるのよ。
一昨年に休暇をとった時のことね。それがきっかけで、
彼女地球オタクになったんじゃないかしら。


a4

なるほど。それで納得しました。
宇宙ステーションの中に美術館まで作って、
オタクぶりがすごいんですよ。
この星には管理局もあるし、縁があるんですね。

あれから連絡取ってないんだけど、
会ったらよろしく伝えておいてね。


a5

サラと別れの挨拶を済ませ、
局長は肉まん入り手提げ袋を持ったミラと一緒に
地下通路に向かっていった。

サラは、また来年ね。
と呟いて見送っている。


a6

サラたちの部屋では、フミコと、
訪問したアイスたちとの会話が始まっていた。

アイスはこれまでの経緯を
話している。


a7

ロボットのヤビーさんは、
未来の世界から来たと言うことになるのね。
あら、何をそんなに見つめているの?


a8

そのヤギの頭のようなペンダント、
ミミコが持ってるのとそっくりなんです。
ミミコを見つけた時、カゴの中にあったものです。


a9

これは、去年の暮れに、
ダリオっていう人から着付けのお礼に頂いたもの。
アフリカの先住民から貰ったって言ってたけど、
彼のいうように静かな魔族の波動が感じられる。
とても気にってるの。
でも、これがもし同じものだとすると。


a91

ミミコはフミコの子供か子孫か、
少なくとも関係する魔族の可能性があるっていうこと?

僕にはよくわかりませんが、
ミミコが連れてきて欲しい人が、
フミコさんなんだって、なぜか確信しました。

確信は良くないわよ。
あなたロボットなんでしょう。
と言われている。



解説)
続きます。

宇宙ステーションの艦長は、
2023年3月25日「局長の休暇」
などに登場しています。
局長が連れてきた二人の友人のうち、
赤っぽい服を着ているのが後の艦長です。

ヤギの頭蓋骨のペンダントのエピソードは、
11月6日「サラとバービーたちの衣替え」
に出てきます。

Posted at 20:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 08, 2025

研究所で そのよん

a1

マヤの提案を受けて、
転送装置が運ばれてきた。
ミューはシステムにアクセスして、
装置の起動を始めている。


a2

するとモニターに、
人工知能アンがミューの姿で現れた。

ごめんなさい。
今、転送機能は使えないの。
ヤビーの記憶の修復中にちょっと問題が起きちゃって。
膨大な計算が必要でミューにも手伝ってもらうから、
ミューの機能もしばらく停止するわ。
ツナとナディアは消えちゃうわけじゃないから、
そのまま現実世界にいてね。
回復したらお知らせします。


a3

ミューが静止しちゃったわよ。


a4

ミューと人工知能アンは元は同じもの。
今では人工知能アンが巨大なシステムを作っていて、
研究所の施設や転送装置などもコントロールしている。
ミューは独立した人格を持つロボットだけど、
人工知能アンとは手足のように繋がってもいるの。
ミューの力まで借りたいなんて、よっぽどのことね。
とシェリー博士が言った。


a5

私たちが消えちゃたりもするんですか。
とツナとナディアが言った。

あなたたちは元は仮想現実世界のNPCだから、
装置が停止すれば消えてしまうはず。
でも転送されたこちらの世界で
すでに実体化してるから消えないのかな。
時空の歪みが関係しているみたいだけど、
人工知能アンが言うんだから大丈夫なんでしょう。
私にはよくわからないの。


a6

でもね。色々考えてたんだけど、
ヤビーさん。あなたの住んでいた世界と、
ツナやナディアの暮らしていた
仮想現実の未来世界が似ていることはわかった。
でも同じ時空だとしても、
もっと過去かも未来かもしれない。

ずれてたらどうなるんでしょう。

それもわからないわ。人工知能アンは
辻褄を合わせるために、
そう言う計算をしてるのかもしれないわね。
ヤビーさんは、これからどうされるおつもり?

生き残っている人を見つけて
ミミコのところに連れて戻るのが僕の使命です。
ミミコは人間に育てられる方が幸せだと思うし。
でもこんな別世界に来てしまい
誰に声をかけていいのか。
どうやって戻ったらいいのか。
とりあえず、アイスさんたちに相談してみます。


a7

ヤビーは、自分の記憶が戻ったことや、
現状の一部始終をアイスとノヴァに報告している。

じっくり話を聞いていたアイスは言った。
そのミミコって言う赤ん坊、
テレパシーや魔法が使える魔族なのね。
そんな能力を持っている魔族の人を知ってるわ。
それに魔法で生み出せる鏡の扉を使えば、
あなたの世界に戻れるかもしれないわよ。


a8

その頃サラたちの部屋では、
みんなが賑やかに歓談していた。


a9

そのお揃いのペンダント素敵ですね。
とメアリーが訊いている。

フミコが二つに分けてくれたのよ。
直近にあんな魔法を見るのは久しぶりだったわ。
局長でもそうなんですか?
お花を咲かせたりするじゃないですか。
あれはお花が自分で咲くのを手伝うだけ。


a91

おかげで楽しく過ごせたわ。
流石にそろそろ帰らないと。

ペンギン前まで送りますよ。
ありがとう。
その前に広場で肉まん買っていきましょう。


a92

サラたちが出かけた後に、
入れ違いに、アイスとヤビーとノヴァが訪ねてきた。

こんにちわ。
フミコいるかな?



解説)
続きます。
Posted at 20:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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