Oct 23, 2025
舞のコスプレなど

ドルフィンの2階の部屋では、
駒井魔子が、舞にかつらをつけていた。

どうしてまた舞ちゃんが、
花魁のコスプレを?
突然の思いつきなの。

舞ちゃんの顔立ちは平べったいから、
日本髪がよく似合ってるわ。
とペギーに言われている。
それ褒めてるの?

魔子の妹の今子も
和装姿でコスプレ登録するようだ。
お姉ちゃんはカツラをつけないの?
私は巫女姿だからいらないのよ。

その頃、サラたちの部屋には、
アフリカのホテル・ナジャに逗留していた
ハリー夫妻が戻ってきた。
やあサラ。
ハリーさん、コンテストに
参加されるですか?

うん。今年は吸血鬼の
ドラキュラ風にしてみた。
毎年そうじゃない?
とカーミラに言われている。

カーミラさんは
いつもお美しいですね。
そうでしょう。
なぜ優勝できないのか謎なのよ。
それは美人コンテストでは
ないせいでしょう。

何だかうまそうなものを食べているね。
かぼちゃの煮物です。
召し上がりますか。

ドルフィンの2階では、
今井舞の着付けが完成したようだ。
舞は長いキセルでタバコを吹かしている。
これがやってみたかったの。
と言っている。
解説)
続きます。
Oct 22, 2025
シベールとの会話

広場は賑わっていた。

アイスはシベールを案内して、
バー・デジャに向かった。

今、店に入ったトカゲ頭の人、
どうも変です。
生体反応はあるんですが、
体は金属製のようで。
とフェルミが言っている。
ちょっと訳を聞いてみるか。
シティポリスたちがバー・デジャに入ろうとして、
ヨシフに制止されている。
ポリスは入店お断りなんです。
そんな君。
我々はシティポリスだぞ。
決まりですから。
そばで見ていた翠が声をかけた。

シベールさんは私の友人で、
レプティリアンオタクの仲間なんですよ。
怪しいものじゃありません。
トカゲの被り物と、
体はロボットの扮装をしているんです。
しかし、なぜそんな
ややこしいことを。
そこが趣味なんですよ。

店に入ったシベールたちは、
早速ヴィヴィアンと話している。
君がヴィヴィアンか。
随分探したんだ。
ずっと忘れられた夢の世界に行ってたからね。
あなたが私に会いたがってるという話は、
聞いていたわ。
それで何のご用?

ふむ。
君が頭蓋骨から魔法でフミコを蘇生させた
という話を聞いていてね。
その呪力の秘密を教えてほしいと思ったのさ。
君は元魔族で、今は悪魔だそうだが、
どうやってそんな能力を身につけたんだい。

私はアイスから聞いた呪文を唱えただけよ。
自分の能力がどれだけあるのかは知らない。
ただ、悪魔になったと言われた時から、
いろんな呪文が使えるようになったの。
悪魔になったと誰に言われたんだい。
管理局の局長よ。

ふむ。
管理局が絡んでいるのか。
これは迂闊なことはできないな。
私が解説すると。
とアイスが言った。
シベールたちレプティリアンは、
古代から地球に来ていて、
かっては魔族と交流があったの。
シベールはその頃からずっと生きている。
レプティリアンはもともと長寿な種族だけど、
何千年も寿命がある訳じゃない。
彼は自分の体のほとんどを機械に変えることで、
これまで生きながらえてきたのよ。
それで彼の関心は不老不死の方法。
もし魔族に伝わる蘇生の呪法がわかれば、
永遠の命を手に入れられる。
そう考えてヴィヴィアンに会いたかったんでしょ。
よくあるSFのような話だが、
まあそんなところだな。
しかし、ヴィヴィアン。
君の呪力の源泉が、君を悪魔と名付けた
管理局の意向と関係するなら、
話はちょっと別になる。
あいつらは別の宇宙から来た連中だ。
不老不死の呪力の秘密も別の宇宙から
もたらされたことになる。

私は管理局のことはよく知らないけど、
確かに局長に悪魔になったと告知されてから、
魔力が増大したのは確かなこと。
管理局が蘇生の呪力を私に授けたというなら、
局長に会って、直接その方法を
聞いたらいいんじゃない?
とヴィヴィアンが言った。
局長なら毎年春になると
この町に遊びに来るわよ。
とアンジーが言った。
管理局の職員は、局長も含め、
銀河系宇宙の様々な惑星から集められた者たちだ。
たぶん彼らに聞いても何も知らないだろう。
その上の連中は、進化の途上にある生物に
神話を与えたりする。
そういうことを教えてくれるような
関係じゃないんだよ。
とシベールは言った。
それは残念ね。
解説)
続きます。
Oct 21, 2025
リザードたちの訪問

探偵事務所で探偵たちが話していると、
突然レプティリアンのリザードと
シベールが現れた。

驚かせてすまないね。
今日は人間たちのハロウィーン祭りを
見物に来たんだ。

広場は、すごく混んでいるっていう噂よ。
でもその透明マントがあれば便利でしょうね。

それがそうでもないんだよ。
広場は混みすぎてて、透明だと通行人に
どんどんぶつかられてしまうんだ。
それで、今年はこの姿のまま、
広場に行くことにしたんだが、
トラブルになった時、
人間の仲間がいてくれると助かる。
それで私を誘いに来たというわけね。
と鷲尾翠が言った。
そうなんだ。
君は以前トカゲ頭のコスプレをしていただろう。
あのトカゲ頭の被り物は、
3年前のハロウィーンの時に、
サラが作ってくれたもの。
大事にとってあるの。

翠は部屋の奥からトカゲの被り物を
取り出して来て、装着した。
あとはポンチョを着るだけよ。

三人は広場に出かけ、
思い思いに見物している。

やあルース。
ここのハロウィーンは面白いだろう。
うん、動物顔の魔法生物もいるので、
僕も安心できるね。
ところで君はこの祭りの常連だそうだね。
常連といっても2年前からだよ。
あのー、リザードさんも、
鳥獣同盟に入りませんか。
とボビーに言われている。

鷲尾翠は佳奈に声をかけられた。
もしもし。
あなたもトカゲ人間のお仲間なの?
え。

これはコスプレ。
私は鷲尾翠よ。
あ、CGの先輩だったか。
佳奈はここのハロウィーンは2度目でしょう。
去年のハロウィーンでは、
この扮装しなかったから
わからなかったのね。

シベールはアイスと話している。
シベールさんは
この広場のハロウィーン祭りは初めてでしょう。
うん。
リザードは常連みたいだが、
私は実は人間たちの喧騒は苦手でね。
今日は、もしかしたら
ヴィヴィアンに会えるんじゃないかと思って、
ついてきたんだ。
やっぱりそうでしたか。
あなたがヴィヴィアンに会いたがっていることは、
本人にも伝えてありますよ。
ただ会っても誘拐なんてしないでしょうね。
そんなことしないさ。
呪法についての話を聞きたいだけだ。
じゃあ案内します。
多分バー・デジャにいると思うので。
リリスはシベールの形相に驚いている。
解説)
続きます。
Oct 20, 2025
フミコの帰還など

仮面を被せてもらったダリオは、
大蛇を肩に巻き付けて立ち上がった。
これはなかなかいい感じです。

頭の上に飾り物はないんですか?
それで完成よ。
シンプルな方がいいかと思って。
けして手抜きした訳じゃないのよ。
はい。

その時、鏡の扉が開いて、
忘れられた夢の世界から、
フミコたちがやってきた。
千客万来ね。

みすず、しばらくぶりね。
6月以来よ。
またお世話になります。

初対面のマークは、
ディアナと挨拶している。
僕はアフリカの奥地から来たんです。
すごいのね。
そこに鹿はいる?
サバンナに鹿によく似たレイヨウがいるけど、
鹿はいませんね。

やがて、ダリオやみすずたちは、
登録をしに広場に出かけて行った。
このカボチャの煮物
いつもあるけど美味しいですね。
ローラっていう人が、
わざわざ作って運んでくれるの。
それでなかなか減らないのよ。

広場に着いた三人は
人波を分けてドルフィンに向かった。

美しい人だなあ。
私のことかしら。

ドルフィンの登録所にたどり着いたディアナは
記帳係のマンスフィールドさんに挨拶している。
人出がすごいことになってますね。
それも知らない人ばかり。
毎年広場に縁のある人が増えてるからね。
あなたたちもその一人。
アフリカから来たっていう人にも会いましたよ。
なんか総集編みたいですね。
いつでも今が総集編なのよ。
解説)
続きます。
Oct 19, 2025
賑わいは続く そのに

広場の連日の賑わいは続いていた。

マークが干支の蛇の像に巻きついていた大蛇を
持ち去ろうとしている。
あ、君その蛇をどうするの?
コスプレに使うんです。
盗むわけじゃないんだね。
使うのは、この蛇の持ち主なんですよ。
そうだったですか。

フラハとマイケルも登録にきていた。
あなた相変わらずゾンビ顔ね。
グリーンマンに噛まれた後遺症で、
顔だけなかなか治らないんです。

犬猫猿鳥同盟っていう名称を、
鳥獣同盟に変えるのはどうかしら。
とマリアが提案している。
全然かまいませんよ。
そのほうが威厳があって
鳥獣戯画みたいで、
かっこいいですね。

その頃、ペンギン前のテーブル席には、
ローラとサルバドールたちが、
休憩用の席を求めてきていた。
観光客はさっそくバグにカメラを褒められて
喜んでいる。

サルバドールさん。
あなたのそのコスプレは、
グルーチョ・マルクスの扮装でしょ。

おお、初めて当ててくれた人がいました。
そうなんです。
苦労した甲斐があった。

その頃、サラたちの部屋では、
サラが、ダリオのコスプレの着付けをしていた。

これで仮面を被れば
アフリカの部族の扮装の出来上がりよ。
去年と同じ仮面ですか?
色だけ塗り替えたの。
それは楽しみです。

マークが広場から戻ってきた。
大蛇を運んできたよ。
シティポリスに質問されたけど、
持ち主だって言ったら理解してくれた。
ありがとう。
ほぼ1年ぶりの再会だ。
元気なようでよかったなあ。
解説)
続きます。
Oct 18, 2025
賑わいは続く

広場の賑わいは続いている。

たまきたちは、和装コスプレグループの
集まっているマンゴー亭の
テーブル席に合流して話している。
鉄腕アトムっていう漫画、
お爺ちゃんの家で見たことがある。
ナオミはどうして?
とレイが言った。
私の顔がちょっと似てるから
アトムにしようってサラが決めたのよ。

広場の様子を見に来たシティポリスの男性が、
フェルミに話しかけている。
どんな感じです?
特に異常はありませんが、
武器を携帯している人が多いですね。
CGのメンバーがいますからね。
彼女たちは護身用に持ってるんです。
取り締まれないんですか。
それは無理です。

アイスとルビーが話している。
宇宙人ステーションに行ってきたの?
近未来に起きるかもしれない戦争の兆候について、
艦長のメイズに相談したんだけど、
地球で起きることに介入はできない、
って言われちゃった。
生暖かく見守っているわけね。
なるようにしかならないか。
それで、サニーは元気だった?
二日酔いで寝ていたわ。

どこか空いてる席ないかな。
ペンギンまで行けば多分空いてるわ。
一緒に休憩にいきましょうか。
あ、僕もいきます。

ルースとボギーが話している。
ルースさんもコスプレコンテストに参加しませんか。
観光するだけにします。
優勝しちゃうとまずいので。
大丈夫ですよ。
着ぐるみを脱いで素顔を見せろなんて
言われないですから。

その頃サラたちの部屋には、
アフリカからマークの村の住人たちが、
鏡の扉を使って到着していた。

みんなは雑談している。
町に来るのは昨年の11月の音楽イベント以来だな。
とフラハが言った。
僕は去年の8月以来だ。
ジオラマの村を見せてくれたジャンさんは元気かな。
とマークが言った。

去年のハロウィーンは、サラさんに
アフリカの原住民の装束の着付けをしていただいた。
今年はどうしますかな。
とダリオが言った。
僕も去年のハロウィーンのコンテストに参加したけど、
この姿のままでゾンビでした。
今年もゾンビで参加します。
とマイケルが言った。
解説)
続きます。
Oct 17, 2025
たまきたちの参加

ジェニーたちの部屋で、
たまきとモモコが話している。
この服、倉庫で借りてきたの。
私はまたフェアリーの服にした。

それは何のコスプレなの?
セーラー何とかだって、リタが言ってたわ。
この服、これまで誰も着たことがなかったんだって。
ナオミはサラに
着付けしてもらってるのね。
そろそろ終わる頃よ。
誘って広場に行きましょう。

ナオミのコスプレの着付けが終わっていた。
結構冒険かも。

これで完成よ。
さらしキツくない?

たまきとモモコが迎えにやってきた。
なにそれ?
知らないの?
アストロボーイのコスプレよ。

三人は、賑わう広場に
登録にやってきた。

登録に来たんですけど。
あ、そのコスプレすごいですね。

たまきさんは、
セーラームーンのコスプレね。
マンスフィールドさん、
ご存じなんですか。

大道芸人たちの演奏に、
飛び入りで参加していたローレンスに、
ドミノが曲のリクエストをしている。
ぜひ「ウキクサ」を。

うとましい うきよでも🎵
うつくしい うたひめの~お🎵
解説)
続きます。
Oct 16, 2025
広場であれこれ

ベランダには、
「スターウォーズ」オタクの
グループが集まっていた。

席が取れて安心したわ。
安心したらお腹が空いたわ。

広場に戻るついでに、
肉まんを注文してきてあげる。
とリタが言っている。

さっきから考え込んじゃって
大丈夫ですか?
はい。大丈夫。

アイスがルースと一緒に
宇宙ステーションから戻ってきた。

アイスがルースを紹介している。
こちらはルースさん。
ルースさんは、
ヴィヴィアンが魔法で変身させた
魔法生物じゃなくて、
もともとこういう姿の宇宙人なのよ。
犬猫猿鳥同盟に参加していて、
ハロウィーンの観光にいらっしゃったの。

広場の店はどこも満席ね。
ちょっと歩くけど、
喫茶ペンギンの外の席なら
たぶん座れますよ。
ローラさん観光でみえたのに
詳しいのね。
私、ペンギンのご近所のお宅に
御厄介になってるんです。

アイスとルースが
バー・デジャから広場に出てきた。
ルースを見たフェルミが声をかけている。

私は警護ロボットのフェルミと言います。
精密な着ぐるみですね。
熱反応装置で観察させていただいたところ、
体温がかなり高熱のようですが、大丈夫ですか。
ああ、私はこういう体質なんです。
ご心配には及びませんよ。
解説)
続きます。
Oct 15, 2025
賑わう広場

広場はますます賑わっていた。

レイア姫の扮装をしたレイアが、
ストームトルーパーの扮装をした男性と
話している。
今年は早くから混んでますね。

映画「スターウォーズ」オタクのグループで、
待ち合わせてきたんだけど、
まだ来てないみたい。
席もないのね。

休憩に来る観光客が
すぐ入れ替わるから、ベランダに行けば?
とルビーに言われている。

ホテル・ナジャから
シーザーとトラと交代してやってきた
リンリンとボギーがマリアと話している。

今日あたりルースさんも
来る予定なんですが、見かけなかったですか?
ルースさんって鶏顔をした宇宙人でしょ。
みてないわ。

やってきたのはシーサンとアルニだった。

一年ぶりですね。
会えて嬉しいなあ。
ベランダで席が空くのを
待ちましょう。

フェルミさん、どうかされましたか?
今通ったのは二体ともロボットです。
生体反応がなかった。
着ぐるみの扮装じゃないの?
あの二人毎年見かけますよ。
私の装置が故障していなければ確かです。
ロボットだと問題があるの?
いえ。
ただあんな映画に出てくるような
ロボットが製造されていたなんて
予想外だったので。
さっき通ったストームトルーパーは?
あれは着ぐるみの人でした。
解説)
続きます。
Oct 14, 2025
アイスの行動

アイスは鏡の扉を抜けて、
アフリカのマークの村の外れにある
フラハの家の裏庭に出た。
アイスじゃないか。
マーク元気?
広場でハロウィーン祭りやってて
ケントさんもスーパーマンの
コスプレ姿で来てるわよ。
マークたちと誘い合わせて
見物に行く予定なんだ。
兄にも会ってみたいな。

ホテル・ナジャの前では、
リンリンに出会った。
アイスさん!
これからシーザーたちと交代で、
広場に出かけるんですよ。
と言われている。

アイスはホテルの裏の広場に向かった。

転送装置を使って、
一路、宇宙ステーションへ。

船内ではリザードとルースに出会った。
今年のハロウィーンは
賑やかそうじゃないか。
見物に行こうと思っていたところだよ。
ところで、君がくるなんて珍しいな。
何かあったのかい。
事件があったわけじゃないけど、
ちょっと気掛かりがね。
メイズ艦長に相談にきたのよ。

アイスは司令室にいるメイズを訪ねて、
近未来に起きるかもしれない
最終戦争のことを話した。

ふーん。そんな兆候があるのね。
残念だけど、そういう問題については、
私たち宇宙連合は介入できない。
観察している惑星の生物の間で何が起きても、
見守るだけという規約があるの。
機械と人類が戦争状態になるきっかけって、
なんなんでしょう。
生物が作り上げた機械文明が、
文明を支配するというケースは珍しいわけじゃない。
きっかけはそれこそケースバイケースだけど、
生命観や自然観の違いが根底にあるのよ。

アイスは帰りがけに酒場エデンに寄ってみた。
アイスさん、お帰りですか。
私もこれからハロウィーンに行くんですよ。
犬猫猿鳥同盟のメンバーになってるので、
広場で待ち合わせしているんです。
よろしければご一緒に。
そうね。ここのみんなは元気にしてるの。
シーサンとアルニはもう広場に出かけたんですよ。
え、
彼らはロボットじゃなかったっけ。
そうです。「スターウォーズ」オタクによって、
作られたロボットです。
サニーはどこかしら。
まだ寝てますよ。
解説)
続きます。
Oct 13, 2025
フェルミの話題など そのさん

バー・デジャでは、
アイスたちの会話が続いていた。

ジムとアンジー、ジルも聴き入っている。

フェルミって、
知能は高いの?
初期型の知能はわからないけど、
普通の人並の知能はあるんじゃないかしら。
さてどんな対策をしましょう。

ロボットを破壊して、
ついでにロボット研究所も消滅させれば、
時間が稼げるんじゃないかしら。

ヴィヴィアンは相変わらず過激ね。
フェルミにも研究所自体にも罪はないのよ。
警備ロボットの量産システムが
機械軍に利用されて
最終戦争に使われるのを防ぎたいの。
機械軍というのが、
どんな理由で人類に敵対するようになるのか、
そのきっかけはわからないの?
それは謎なのよ。
とツナが言った。
彼女なら何かヒントをくれるかな。

私ちょっとアフリカに行ってくる。
と言って、アイスは鏡の扉を出現させて
店を出て行った。

一方、広場は相変わらず賑わっていた。

パントマイムの演台から休憩に降りてきた
エヴァとローラが話している。
私の名前はエヴァ。
KIRIQQというのは私とは別人なの。
あのサイトの私の顔写真は、
頼まれて載せているだけなのよ。
動画も私が作ってるわけじゃないし。
ふーん。

もう帰っちゃうんですか?
ホテルの従業員仲間と交代するんです。
ハロウィーンの当日には
ホテルを臨時休業にして
また戻ってきますよ。
解説)
続きます。
Oct 12, 2025
フェルミの話題など そのに

賑わう広場に
サラたちの部屋から、
アイスがやってきた。

まだ10月前半なのに
今年は賑やかだなあ。

アイスは広場の隅の
観光客向けのテーブル席で、
話し込んでいるルビーとアンジーを見つけた。
あ、アイス。
あなた、あっちの世界の
ロボットのことに詳しいでしょ?
知り合いはいるけど、
詳しいってほどじゃないわ。

アンジーは広場の警護ロボットのことや、
ツナの話など、これまでの経緯を説明した。
ふーん。
私も直接ツナに会ってみるわ。

アイスとアンジーは
バー・デジャに向かった。
こちらはフェルミさんよ。
こちらはアイス。
とアンナが紹介している。

ルビーから情報は聞けたの?
警備ロボットの開発は
ロボット研究所と
一部の軍やCGのグループとの連携で
秘密裏に行われていたらしい。
お披露目の会合に参加した、
軍の将軍やCGの少佐も知らなかったみたいで、
目下調査中ですって。

アイスは早速、
ツナから話を聞いている。
店の入り口にいる警備ロボットが、
近未来の戦争で使われていたって?
同じタイプのロボットよ。
その時点では、フェルミ13だったから、
今の警備ロボットの改良型ね。
大量生産されて機械軍の主力だったわ。

今は試運転の段階ね。
やがて量産されるようになって、
そのシステムがそっくり機械軍に利用されて、
人類との戦争に利用されるようになる。
よくあるSFみたいなストーリーね。
そんな未来を阻止するには、
あの警備ロボットを
今のうちに破壊しちゃえばいいのよ。
私が壊してあげようか?
とヴィヴィアンが言った。

壊しても設計図は残るでしょ。
それにロボット研究所が軍事用ロボットを
開発しているのは今に始まったわけじゃない。
アンの頃から続いている。
アンは上手く逃げ出せたけど。
とアイスが言った。
私があのロボットのことを思い出したって
言い始めたから、随分の騒ぎになってるのね。
でも、たぶんフェミニのタイプ13が作られる未来まで、
まだかなり時間があるわよ。
とツナが言った。
どのくらいあるの?
あなたがこれから子供を産んだとして、
その子が成人になった頃に最終戦争は起こるはず。
あなたたちCGの仲間にマヤ・ラパスっているでしょう。
その娘のナディアが最終戦争で活躍するの。
でもね。
私が体験したのはアンという人工知能が生んだ
仮想現実世界での出来事。
よく似ていても、この現実世界がそうなるとは限らない。
いくつもの未来があって、
私たちは偶然「戦争があった未来」という想定の世界で
生み出されたNPCだったのも事実なのよ。
いつもながらややこしいのね。
解説)
続きます。
Oct 11, 2025
フェルミの話題など

ツナはマンゴー亭で肉まんの注文をして、
バー・デジャに戻ってきた。
どうしたの?
そんな顔して。
肉まんが品切れだったの?
そうじゃなくて、
あの入り口の前に立っている
警備ロボット。

あれは、ロボット研究所で
開発された最新鋭の警備ロボットらしいよ。
この前、研究所のバトラー博士が来て、
シェリー博士や軍やCGの幹部と、
マンゴー亭でお披露目の会合をやっていた。
ただの警備用ロボットじゃないね。
とゼロが言った。

あのね。
私たちの生きていた
仮想現実の近未来世界では、
人類と機械軍の間に最終戦争が起きたの。
その戦争の初期に、機械軍が投入したのが、
あのタイプのロボット兵士なのよ。
フェルミ13って呼ばれていた。
何体もやっつけたからよく覚えている。
この現実世界でも、
その最終戦争が起きるというわけ?
と興味深そうにヴィヴィアンが尋ねた。
それはわからないけど、
そっちの方向に向かってるのは確かみたいね。

話を聞いていたMI6のジムとアンジーが
顔を見合わせている。
この国の軍とCGがロボット研究所と協力して
警備ロボットを開発していたって聞いたことある?
全然ないわ。
すぐに本部に確認してみる。
それにルビーにも聞いてみるわ。

その頃、バー・デジャの入り口では、
ヨシフとフェルミ01が話していた。
ずっと広場を観察していて、いかがですか?
武器を所持している人もいますが、
仮装コンテストですからね。
挙動不審者はいないので、
今のところ問題ないですよ。

ただ生体の熱反応はあっても、
微妙に体温がぶれる人がいるんです。
特異体質なのかなあ。
そんなことまでわかるなんて、
便利ですね。
私ちょっと風邪気味なんで
熱測ってくれますか。
とアンナが言っている。

シーザーは、すずを抱いている。
子供達に人気のようだ。
本物のゴリラみたい。
と言われている。

エヴァの彫像のパントマイムを見に来たローラは、
思わず声をかけた。
あのー。
あなた、ユーチューバーのKIRIQQさんでしょ。
顔写真が載ってる。
私あのサイトのファンなのよ。

今、彫像なので喋れません。あとでね。
とエヴァが言った。
あ、彫像が何か話したよ。
と観客が言っている。
解説)
続きます。
Oct 10, 2025
広場であれこれ

賑わう広場には、
マリアたちの一行も到着した。

昔はこの界隈で、
野良猫グループのボスをしていたトラは、
感慨に浸っている。
懐かしいなあ。

マリア、すっかり見かけなかったけど、
アフリカでホテルの支配人を
任されてるんですって?
実際のオーナーはヴィヴィアンだけどね。
私、時々は黒猫に変身して
町に帰ってきてるのよ。

キャットウーマンを見かけたトラは、
思わず声をかけている。
あのー、サインしてもらえますか。
僕、大ファンなんです。
いいわよ。
猫の扮装をした人に
声かけられるなんて光栄ね。

嬉しいなあ。
あなたは市街地にお住まいでしょう。
あなたのこと、
僕よく知ってるんですよ。
とトラは言った。

バー・デジャでは、
ヴィヴィアンがコーラを飲んでいた。

人心地ついたら、
肉まんが食べたくなったわ。
マンゴー亭のテーブル席は満席よ。
和物コスプレのグループが
貸切で使ってるの。

私も食べたいから、
届けてくれるように注文してくるわ。
とツナが言った。

階下に降りていったツナは、
入り口のドアを開けて外に出た。
あ、ツナさん。こんにちわ。
とヨシフが挨拶している。

ツナは警備ロボットを見て、
驚いた表情をしている。
こちらはフェルミさんです。
シティポリスと協力して、
ハロウィーン月間の間、
広場の警護をしてくれているんですよ。
とヨシフが言った。
どうぞよろしく。
とフェルミが言った。
解説)
続きます。
Oct 09, 2025
ヴィヴィアンの帰還など

バー・デジャで常連客が話している。
ジムはタキシード姿で
そのまま007のコスプレね。
普段着なんだけどね。
君もその服装のままで登録できるだろ。

その時、店の奥の鏡の扉を抜けて
ヴィヴィアンが現れた、
後にツナとセリーヌが続いている。
おや、オーナーのご帰還だ。
と言われている。

怪獣ローゴス退治の助っ人を頼まれて、
忘れられた夢の世界に旅立ってから、
戻ってきたのは4ヶ月ぶり。
みんな元気にしてた?
怪獣は倒したんですか?
私が行った時には、
もう撃退されていたわ。
でもそれからあちこちの辺境を
探検していたの。
私にはこの人間の世界よりずっと住みやすい。
自由に空を飛べるし本当の姿でいられるからね。
こちらでこの悪魔の姿で怪しまれないのは、
ハロウィーンの間だけ。

ツナはガラス戸から広場を見下ろしている。
随分賑やかね。
ハロウィーン月間で、
コスプレコンテストの参加者が、
毎日増えているんですよ。
とゼロが言った。

広場からは人々の喧騒に混じって、
大道芸人たちの歌声や、
奈々子の弾くヴァイオリンの旋律が流れてくる。

登録を済ませたケイとシノのところに、
ジェットもやってきた。

ジェットは忍者の扮装か。顔が見えないね。
そこがあれなんだけど。
とりあえず、和物のコスプレ仲間は、
マンゴー亭に集まっているらしい。
僕らも合流しよう。

マンゴー亭に行くと、
テーブル席が拡張されて、
和物コスプレグループの
貸切になっていた。
三人は歓迎されて
さっそく肉まんを食べている。

今年は人数が多くて嬉しいなあ。
それって鉄球のついた鎖鎌なんですね。
当たるとかなり痛いですよ。
などと話している。
解説)
続きます。