Aug 03, 2024
扉を抜けて
たまきがフミコを最初に案内したのは、
サラたちの部屋だった。
フミコは冷やし中華を
ご馳走してもらっている。
このところ連日作ってるの。
お味はどう?
冷たくて甘酸っぱいタレが、
とても美味しいわ。
たまきの分も
今できるよ。
その片手ザル新しいのね。
気がついた?
とジェットが言っている。
フミコさん、
お箸の使い方上手なのね。
昨日の晩、
ざる蕎麦ご馳走になったとき、
覚えたばかりなんです。
マークの集落のフラハの家では、
鏡の扉が出現してアイスが姿を現した。
コーヒーを飲んでいたフラハは、
おお、また現れたか。
と言っている。
アイスの後から、
ゾロゾロと人がついてきた。
アイスとフラハは
冗談のような挨拶を交わしている。
実はね。鏡の扉をあそこに固定して、
ハリーさんの魔術劇場との通路にしたいんだけど。
え。なんということを。
どこに作るのがベストか色々考えたのよ。
昔の魔族は不思議な扉を使って遠方と行き来していた。
まだそんな伝承が残っているから、
魔族の魔術師のフラハさんの家だったら、
みんな受け入れやすいでしょう。
それはみんなに魔族や魔法のことを
再認識してもらうきっかけにもなるの。
ふむ、お前の考えはわかった。
まるで魔族の身内の話を聞いているようだな。
静かに暮らしていたかったんだが、
まあこれも何かの縁で成り行きなんだろう。
協力してやろう。
アイスは、ジョー軍曹とエルザを
フラハに紹介している。
ふむ。どうやらお二人は人間ではなく、
マークのお仲間のようですな。
やはりわかりますか。
とジョーが言った。
私も魔術師の端くれなので、
人と精霊を見分ける力は備えているのだよ。
それで早速観光に来られたのかな。
探検隊なんです。
マークさんが見つけたという巨大な鳥の羽根。
4人でその鳥の本体を探しに行くの。
とエルザが言った。
そうかそうか。
まあそんな探索も今時のロマンなのだろうな。
ここも充分人里離れた僻地だが、
さらにジャングルの奥地に行くのは大変だぞ。
せいぜい気をつけて頑張りたまえ。
4人はフラハの家を出た。
ここがアフリカとはね。
空気が違うなあ。
とりあえず僕の家に。
とマークが言っている。
ハリーさん呼んできましょうか?
いや、こっちから出向くよ。
鏡の扉を抜けるのは久しぶりだし、
ご家族にも会ってみたいからな。
解説)
続きます。
ジェットの持っている片手ザルは、
セリアで見つけた
線香やお香用の燃えかすとりを、
そのまま使っています。
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