Aug 30, 2024

2階での会話 そのに

a1

舞が加わって、
おやつタイムの会話は続いていた。


a2

小人たちの話かー。
小人の登場する西欧のお話って沢山あるわね。
白雪姫とか親指姫とか親指トムとか。

小説だったら「ガリバー旅行記」とか
「床下の小人たち」とか。
とニッキーが言った。


a3

この国にも沢山あるのよ。
そもそも神話には神様として登場するし、
コロボックルや一寸法師も有名ね。
でもみんな空想の産物だと思っている。


a4

いろんなものや動物たちに宿る
精霊みたいなものは、
いるかもしれないと思うけど、
人と関わりなく生きている
小人たちの存在は思いつかないっていうことかしら。


a5

そういう風に言えるのかどうか。
でも私がそういう狐の精霊だからわかるの。
人は自分たちの都合のいいものに
小人たちのお話も作り替えてきた。



a6

たしかに昔話の最後には
小人が人間の大きさになって
実は魔法にかけられていただけでしたとか、
打ち出の小槌で体が大きくなって、
めでたしめでたしというお話が多いわね。

それは当然と言えば当然のことなんだけどね。
子供がいない夫婦が神さまや魔法使いに願って
小人を授かるという話みたいに、
昔話はどこまでも人間の世界の事情の話だから。
それとは別に小人たちはいるんだけど、
モモコさんのお友達のジェーンや、
かってのダリオさんみたいに
巨人たちの世界でひっそりと暮らしている。
同じことがこの世界にも言えるんだけど、
見つけても、そっとしておいてあげるのが一番ね。
と魔子が言った。


a7

ベランダに通じるドアから、
ペギーが駆け込んできた。
洗濯物干してたら雨が降り始めちゃって。


a8

これは大変。
急いで取り入れなくちゃ。


a9

雨台風が接近してるんだって。
こういうところはリアルタイムなんだね。
などと話している。



解説)
続きます。
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