Aug 29, 2024
2階での会話
ドルフィンの二階で
おやつタイムの会話は続いていた。
お年の差が200年とは随分ですな。
変身して人の姿をしているけれど、
私たちは実は狐の姉妹なの。
お姉さんはとても長生きなのよ。
と今子が言った。
これはこれは。
お二人は狐の精霊でしたか。
私はこれでも元いた世界では、
魔法使いだったんですが、
とても見抜けなかったなあ。
とダリオが言った。
狐であることは、
一応内緒にしているんですが、
この子がおしゃべりなので、
この界隈では公然の秘密になっています。
私たちは何百年も近所のお稲荷さんの
裏手に住んでいましたが、
環境がすっかり様変わりしてしまい、
とある成り行きで、一昨年の2月から、
この部屋に同居させていただいています。
と魔子が言った。
あれからもうそんなになるのね。
お話をお聞きしていると、ダリオさんは、
全てが6倍の巨人たちの世界からいらっしゃったとか。
その世界ではいわば小人族だったということですね。
私の記憶や経験では、
この世界にも小人族って呼べるような
人たちもいるんですよ。
ほーそれは、興味深いですな。
それって人形やフィギアの精霊のことでしょう。
と今子が言った。
紛らわしいけど、そういう人たちとは
別種族なの。
その時、広場の水撒きを終えた
今井舞が部屋に戻ってきた。
水羊羹、水羊羹と言っている。
舞の分、
ちゃんと取り分けておいたわよ。
と魔子が言っている。
部屋の隅のテーブル付近で。
ぬいぐるみや人形に紛れて、
小人たちが話を聞いていた。
あれ私たちのこと言ってるの?
バレてたのかなあ。
解説)
続きます。
駒井魔子が登場したのは、
2022年2月15日で、
稲荷神社のボランティア巫女をしていた魔子は、
文学青年と知り合い、紆余曲折を経て、
2月25日からドルフィンの2階で
暮らすことになります。
小狐だった今子が人間に変身して
一緒に暮らし始めるのは4月5日以降のこと。
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