May 31, 2024
遺跡調査への旅立ち
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a1.jpg)
広場にリュックを背負った男性がやってきた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a2.jpg)
やあ、マヤじゃないか。
僕だよ。ブラッドだよ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a3.jpg)
え。ああ人違いです。
マヤは私のお姉さん。
私たち双子の姉妹なの。
マヤに双子の姉妹がいるなんて
聞いたことなかったなあ。
色々事情があってね。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a4.jpg)
その時、マンゴー亭にいた
ラッセルがブラッドに声をかけた。
おーい、こっちだよ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a5.jpg)
これで全員集合だ。
出発前に、とりあえず紹介しておこう。
こちらが友人のブラッド。
左から、佳奈、ルビー、麻生久美子、
それにアイス。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a6.jpg)
どうぞよろしく。
お会いできるのを楽しみにしていました。
調査に参加されるのは
二名と聞いてましたが。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a7.jpg)
佳奈とアイスの二人だよ。
ここだけの話だが、
この4人はCGのメンバーでもあるんだ。
もちろん遺跡調査への参加はCGとは関係なく、
プライヴェートな話なんだが。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a8.jpg)
私は今アフリカで仕事してるので、
ちょうど現地に戻るところ。
一緒にCGの輸送機で行けるように
手配したわ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a9.jpg)
ということで久美子は
ドルフィンからジープを
レンタルしてきた。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a91.jpg)
これアフリカで使うの?
ジャングルの中までは入れないけど、
足があると便利でしょう。
空港からジャングルの入り口までね。
CGのバギーは私が仕事で使うから。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a92.jpg)
やがてジープは排気音を上げて発進した。
アイス。仕事じゃないんだから
あんまり無茶しないでね。
とルビーが言っている。
![a93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240531202429.files/a93.jpg)
ナディアは、
ジープを見送りながら、
さっき声をかけてきた男性のことを
思い返していた。
マヤの知り合いか。
写真は一枚も残っていないけど、
父は探検家だったってマヤから聞いたことがある。
あの人が私のお父さん?
まさかね。
解説)
ようやく出発。
明日はコンテストの発表日なので
すぐには続きません。
May 30, 2024
天気のことなど
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a1.jpg)
高台の休憩所に
エレナがやってきた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a2.jpg)
こんにちわ。
私エレナって言います。
たまきっていう人のいる家を探してるんです。
この辺に住んでるって聞いたんですけど。
たまきの家ならすぐ隣よ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a3.jpg)
ちょうど
コーラを買いにたまきがやってきた。
あ、エレナ。
町に来たんだね。
ええ。広場を見てきたけれど、
言ってた通り、
賑やかで面白かったわ。
そうでしょう。
もうコスプレコンテストに参加登録した?
毎月やってて、月初めが発表だから、
登録すると明後日にはチョコがもらえるよ。
まだだったらこれから行こうよ。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a4.jpg)
カエル王女は
水盤に水を入れてもらって喜んでいる。
(よく見えませんが、
よく見ると水が入ってるのが見えます)
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a5.jpg)
サラたちの部屋では、
サラがメルティを連れて帰ってきていた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a6.jpg)
随分長い外出だったけど、
二人ですごい冒険してたんだね。
と、サラから話を聞いたジェットが言っている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a7.jpg)
ケイはてるてる坊主に顔を描き入れている。
洪水で水浸しの世界か。
もうすぐ梅雨だからなあ。
と訳のわからないことを言っている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a8.jpg)
てるてる坊主にお願いしても、
雨は降る時は降るのよ。
明日の天気は、
カエル王子にもらった
このハスの葉っぱが教えてくれるの。
私の夢の世界では
強く願わないと雨は降らないのよ。
とメルティが言った。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240530202848.files/a9.jpg)
この町にもあんまり降らないわね。
大体郊外の方だけ降ることが多いみたい。
とメアリー=ケイトが言った。
きっと雨って降らすの大変なんだよ。
とジェイソンが呟いている。
解説)
今回はとりとめのない
微妙な時の流れです。
May 29, 2024
探検の予感
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a1.jpg)
広場はそこそこの賑わい。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a2.jpg)
大道芸人たちは、
流石に暑いのでポンチョを脱いだようだ。
観光客に私と同じアロハですね。
と言われている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a3.jpg)
あなたこの町は初めて?
ええ。
ドールショーで知り合ったたまきっていう人に
この町のこと聞いてきたんです。
ロボットやドラゴンの子供がみられて、
いつも大道芸人たちが演奏しているから、
楽しい所だよって。
たまきなら高台の方に住んでるわよ。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a4.jpg)
マンゴー亭では、
ベーカリーでチキンラーメンを食べてから
ベランダでアイスクリームを食べ終えたルビーたちが、
肉まんを食べていた。
ルビーはスマホを手にしている。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a5.jpg)
それで、そのラッセルっていう人に
連絡ついたの?
と久美子が言っている。
ええ、
砂漠の遺跡のこと話したら、
すぐ来るってさ。
そういう話になると興味津々なのよ。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a6.jpg)
アイスは佳奈が研修の終了記念にもらった
サバイバルナイフを見せてもらっている。
佳奈はアイスの愛用のナイフを見せてもらっている。
このナイフもCGの支給品なんですか?
いいえ。もとは暗殺教団の刺客が使ってたの。
どうやって手に入れたんですか?
詳しく聞きたい?
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a7.jpg)
アンナとレイは、
新しいお茶の試飲をしているようだ。
これ香りいいわねと言っている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a8.jpg)
やがてラッセルがやってきた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a9.jpg)
早かったのね。
改めて紹介するわ。
とルビーが言った。
隣にいるのが麻生久美子。私のCGの同僚よ。
アイスのことは知ってたわね。
それからあなたの隣にいるのが
ドルフィンのスタッフの中野佳奈。
彼女もCGの新メンバーなの。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a91.jpg)
みなさん。どうぞよろしく、
とラッセルはいった。
ラッセルは有名な探検家なのよ。
とアイスが言った。
そーなんですか。
と佳奈が言った。
ところで、早速だけど、
とラッセルが言った。
砂漠の嵐で出現するピラミッドの話は、
現地の人から噂で聞いたことがある。
現地の人って?
今アフリカのジャングルの奥地の
秘境の遺跡を調査してるんだ。
そのわりと近くに小さな集落があってね。
そこをベースキャンプにしてるんだけど、
その集落のリーダーが聞かせてくれた、
奇妙な話なんだ。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a92.jpg)
奇妙な話って?
なんでも彼は、嵐に遭遇して
そのピラミッドのある遺跡に辿り着き、
また嵐を潜り抜けて
なんとか戻ることができたんだけど。
戻ってみると、別世界だったというんだ。
その人にとって、この世界が別世界だったっていうと、
その人は別の世界から来たっていうことになるのね。
そうなんだよ。なんでも彼が元いた世界では、
第二次世界大戦のさなかだったらしい。
兵士だった彼は砂漠を横断中に隊から逸れて
その嵐に遭遇したというんだ。
結局、彼は変わり果てたこの世界に来てから、
ジャングルの奥地に移り住んで、
自分たちだけの集落を作ったんだ。
![a93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a93.jpg)
ふーん、ファンタジックなお話ね。
それはともかく、ラッセル。
今はそのジャングルの遺跡を調査中なんでしょ。
その調査に同行させてもらえないかな。
最近運動不足というか、冒険不足で。
とアイスが言った。
私も行ってみたいです。
とすかさず佳奈が言った。
![a94](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240529202227.files/a94.jpg)
それは歓迎するよ。
特殊技能を持つCGのメンバーが来てくれるなら、
調査も捗りそうだ。
ただね。そういう訳ありの場所だから、
公にはしたくない。国家や国連やCGにもね。
了解。プライヴェートの休暇ということで、
本部には内密に。それでいつ出発するの?
僕の友人で調査に同行する
ブラッドっていう探検家の相棒がいるんだ。
彼と打ち合わせて、
この店に集合することにしよう。
出発の日程が決まったら連絡するから
準備しといて。
解説)
やがてまたAIの生成画像との合成中心の
エピソードが始まりそうな感じです。
探検家ラッセルは久しぶりの登場。
古いルビーの友人で、
2022年6月30日に町にやってきて、
2022年7月21日までドラコのエピソードに
絡んで登場しています。
May 28, 2024
ドールショーとデ・キリコ展 そのに
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b1.jpg)
ドールショーを見て、
買い物も済ませたたまきは、
ソフトクリーム売り場で、
エレナという女性と知り合った。
いま上野でデ・キリコ展やってるの知ってた?
そうなんだ。上野なら山手線で割と近いね。
これから行くから一緒に行かない?
行く行く。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b2.jpg)
随分買い込んだのね。
頼まれてたのはサングラスだけなんだけど、
いつも、ついついなの。
などと話している。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b3.jpg)
やがて二人は上野の都美術館に到着した。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b4.jpg)
おっきなポスターだね。
などと言っている。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b5.jpg)
やがて時は省略するかのように流れて、
たまきはエレナと別れて帰宅して、
戦利品を広げている。
可愛いワンピースね。
これは革装のアリス本じゃないか。
などと言っている。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b6.jpg)
カラーの挿絵も載ってるよ。
革装の豆本って凄いなあ。
それ豆本なの?
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b7.jpg)
ワンピースをナオミが試着している。
これ「まほろば」っていう
出展者のブースで買ったんだよ。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b8.jpg)
ジェニーは、春用カーディガンを着ている。
それはアゾンの製品なの。
ブックバンドの本は「CHUBEAR」、
革装の本は「みすとわん」っていう
ブースで買ったの。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240528202825.files/b9.jpg)
デ・キリコ展では、何点か気に入っ作品が
絵葉書になっていたので買いました。
室内にジオラマのような建物があるのが、
「緑の雨戸のある家」。
男性の体が訳のわからないものに包まれているのが、
「瞑想する人」です。
解説)
あれこれ掛け持ちで
充実の一日でした。
May 27, 2024
ドールショーとデ・キリコ展
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a1.jpg)
たまきが高台の自販機で
コーラを買っている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a2.jpg)
カエル王女は、
水盤を設置してもらったようだ。
お水入れてください。
と言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a3.jpg)
そんな格好して
どこかにお出かけ?
今日は5月26日でしょう。
浜町町でやってるドールショーに行くの。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a4.jpg)
ということで、
たまきはドールショー72夏の開催会場の
産業貿易センタービルまで出かけた。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a5.jpg)
大きなポスターだなあ。
と思っている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a6.jpg)
会場内は基本的に撮影禁止で、
撮影には出展者の許可が必要。
でもOKになっている場所もある。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a7.jpg)
ドールショー事務局前の展示。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a8.jpg)
ジオラマ展示をしている
ブースがあった。
これはドーナツ屋さん。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240527202152.files/a9.jpg)
左奥の人は、ドーナツを揚げている。
とてもリアルなので、
たまきは思わず自分が小さくなって
注文している場面を空想したのだった。
揚げたてのあんドーナツ
一つください。
解説)
続きます。
May 26, 2024
梅雨入りまで そのさん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a1.jpg)
広場では、
佳奈たちの立ち話が続いていた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a2.jpg)
農家の直販店で
ロベリアが買い物を済ませたようだ。
随分買い込んだのね。
とアベルに言われている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a3.jpg)
その買い物カゴ素敵ですね。
と今井舞が言った。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a4.jpg)
そうでしょ。
手作りなのよ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a5.jpg)
ベランダでは
チキンラーメンを食べ終えた
アイスとルビーが、
アイスクリームを食べながら
麻生久美子と話していた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a6.jpg)
それで本部に帰って調査部で
調べてもらったんだけれど、
そんな場所に遺跡はないって言うことだったの。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a7.jpg)
砂漠の砂嵐で出現して
また砂に埋もれてしまったんじゃないの。
でも嵐の向こう側に遺跡があって、
また嵐を抜けて戻ってこられたんでしょう?
その嵐がカーテンのようになっていて、
異世界への扉だったのかも。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a8.jpg)
遺跡の空は晴れ渡っていたし、
別世界と言われればそんな気もするわね。
如月はなんて言ってたの?
報告してもどうせ本部は動かないから、
この件は伏せておくことにしましょうって。
彼女らしいわね。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240526201958.files/a9.jpg)
異世界との通路があるという噂の
迷いの森だって、境界警備するだけで、
ずっと調査隊も派遣していないからね。
CGは国際的な陰謀やテロ活動に対処する組織だから、
本部の連中は頭が硬いのよ。
好みのジャンルが違うというか。
解説)
買い物カゴは、
手作りですが単品売りの市販品です。
秋葉原のアゾンで購入。
May 25, 2024
梅雨入りまで そのに
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a1.jpg)
ペンギンをでたサラとメルティは
高台の休憩所に立ち寄った。
もう紫陽花の季節なのね。
と言っている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a2.jpg)
あら、さっきまで蕾だったのに。
とルルが言った。
二人はサラの頭の上のカエル王女に
注目している。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a3.jpg)
紫陽花の花々が
豪勢に咲いている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a4.jpg)
局長からいただいた
フローラの草冠の効き目ね。
とサラは言った。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a5.jpg)
その時、サラの頭の上に乗っていた
カエル王女がテーブルに
ぴょこんと飛び降りた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a6.jpg)
さらにカエル王女は紫陽花の花の上に
飛び乗った。
私ここが気に入りました。
と言っている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a7.jpg)
その頃広場には、
コフィが佳奈を訪ねて来ていた。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a8.jpg)
コフィさん。
研修ではお世話になりました。
あれから私たち砂漠で嵐にあって
大変だったんですけど、
コフィさんは大丈夫でしたか?
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a9.jpg)
帰り道はサバンナ見物して快適だったわ。
また境界警備隊の任務に戻って
仕事続けてるけど、大抵暇だから、
たまには遊びに来てね。
そうそう、サバンナには、佳奈が言ってた
人懐っこくて負けず嫌いのライオンがいて、
記念写真を撮ったので見せにきたの。
![a91jpg](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a91jpg.jpg)
ほんとだ。
あの時のライオンだ。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240525202132.files/a92.jpg)
これ誰が撮影したんですか。
セルフタイマーよ。
人懐っこいので撮影慣れしてたみたい。
そうか。
解説)
それぞれが
それぞれの思い出を。
May 24, 2024
梅雨入りまで
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a1.jpg)
サラたちは
相変わらずペンギンで
コーヒーを飲んでいた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a2.jpg)
メルティさん
お昼寝してるみたい。
珍しいわね。
とカエル王女を頭に乗せた
サラが言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a3.jpg)
肘がガクッと外れた拍子に、
ハッとした顔をあげて、
メルティが目覚めたようだ。
ああ、私夢を見てたみたい。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a4.jpg)
夢の中で居眠りして夢を見るなんて、
珍しいわね。
とミラが言った。
滅多にないけど、前にも一度、
三匹のウサギに出会う夢を見たことがあるんですよ。
夢の中で見る夢は、
心のさらに深層に向かうことだから、
あなたの夢が迷いの森の泉と繋がったことに
関係しているかもしれない。
それで、どんな夢だったの?
そこはいつも風ばかりが吹いているような、
一面の砂漠の世界でした。ピラミッドの前で、
なぜか自分がスフィンクスになっていて、
訪れた旅人の乗った車を追いかける夢だったの。
興味深いわね。
夢の世界の訪問者になってたわけじゃなくて、
むしろその世界を守る側だったわけね。
それはもしかすると、
あなたが夢食いになっていたって言うことよ。
そ、そうなんですか。
でもそうだとしたら、私は誰の夢を守っていたの?
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a5.jpg)
あなたその砂漠の世界に心当たりはない?
とミラは言った。
メルティは考え込んでいる。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a6.jpg)
その頃広場のベーカリーでは、
佳奈が研修から戻ってきたところだった。
麻生久美子も一緒のようだ。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a7.jpg)
なんだかちょっとだけ逞しくなった見たいね。
と佳奈はルビーに言われている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a8.jpg)
研修の終了記念に
サバイバルナイフをもらっちゃいました。
久美子久しぶり。
その袋はなあに?
これはお土産のチキンラーメンよ。
と麻生久美子が言った。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a9.jpg)
おお、懐かしい。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a91.jpg)
これ、熱湯をかけて、
蓋をして3分待つんでしたよね。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a92.jpg)
これ好きだったのよ。
よく丼鉢に入れて蓋して食べたものだわ。
それっていつ頃の話?
![a93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240524202058.files/a93.jpg)
0秒チキンラーメンって知ってた?
なにそれ。
お湯をかけないで、
そのまま食べるおつまみなんだ。
解説)
チキンラーメンのアイテムは、ガチャで。
「日清チキンラーメン ミニチュアチャーム」(全5種)
昨年8月に発売され、今月再販されたBANDAIの製品です。
チキンラーメンのパッケージ入りが欲しくて
2回挑戦しましたがゲットできませんでした。
May 23, 2024
佳奈の研修 そのはち
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a1.jpg)
3人の乗ったバギーは急発進した。
嵐に向かって、って言ってたわね。
あ、向こうの空の雲行きが怪しいよ。
そっちに行こう。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a2.jpg)
逃がさないわよ。
と言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a3.jpg)
まさかあそこに向かっていくの?
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a4.jpg)
後ろから竜巻が追ってくるよ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a5.jpg)
竜巻に追われながら
嵐に向かうって。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a6.jpg)
バギーは嵐の中に突入した。
嵐の中は意外に静かだった。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a7.jpg)
しばらく走ると
竜巻が遠ざかっているのが見えた。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a8.jpg)
もう大丈夫。
虹が出てるよ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240523202644.files/a9.jpg)
空はすっかり晴れている。
奇妙な遺跡だったね。
いろんな異常気象が見られて
楽しかったなあ。
などと言っている。
解説)
佳奈の研修でのエピソードは
とりあえず今回で終了です。
May 22, 2024
佳奈の研修 そのなな
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a1.jpg)
なんとか嵐を抜けたようだ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a2.jpg)
しかし、
こんなに砂漠が続いていたかしら。
何か変だわ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a3.jpg)
あんなところにピラミッドが。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a4.jpg)
こんな場所に遺跡なんてあったかしら。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a5.jpg)
さっきの砂嵐で出現したのかもしれない。
せっかくだから調べてみましょう。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a6.jpg)
メルティと久美子は
スフィンクスを眺めている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a7.jpg)
どこかでみたような顔ね。
とメルティが言っている。
突然、スフィンクスが言った。
これは珍しい旅の人。
私の謎謎に答えられるかしら。
朝は4本足、昼は2本足。夜は3本足。
この生き物はなあんだ。
それは人間です。
有名な謎謎だから誰でも知ってますよ。
と佳奈が言った。
スフィンクスは黙り込んでしまった。
気分を害したようだ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a8.jpg)
お姉さんを怒らせたら怖いのよ。
今のうちに嵐に向かって逃げなさい。
と妹らしきスフィンクスが言った。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240522202601.files/a9.jpg)
どうも危険が迫っているみたい。
忠告に従って出発しよう。
解説)
続きます。
May 21, 2024
佳奈の研修 そのろく
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a1.jpg)
砂丘の稜線を越えていく。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a2.jpg)
雄大な景色が続く。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a3.jpg)
スロープを下って。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a4.jpg)
低地に降りてきた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a6.jpg)
サバンナを疾走する。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a7.jpg)
あれは。
すごい雲が発達して
こっちにきますね。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a8.jpg)
雷も発生してます。
嵐に巻き込まれないように急ごう。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240521203144.files/a9.jpg)
これはやばい。
解説)
続きます。
May 20, 2024
佳奈の研修 そのご
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a1.jpg)
私服に着替えた佳奈たちは
オアシスを散歩して、
記念撮影してもらっている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a2.jpg)
たしかコフィさんは、
境界警備隊でパトロールを。
コフィでいいのよ。
警備隊はいつも暇だから、
今回の新人研修にヘルパーとして参加したの。
あら、ラクダがいるのね。
ちょっと見に行こうよ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a3.jpg)
ラクダって案外大きいのね。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a5.jpg)
ちょっと大きすぎる感じも。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a6.jpg)
コフィはラクダに
水を飲ませている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a7.jpg)
お迎えが来たみたいだから、
そろそろ撤収するわよ。
と如月が言った。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a8.jpg)
砂塵をあげてバギーが到着した。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a9.jpg)
あなたが噂の新人ね。
私は麻生久美子。
ルビーの推薦だって言うんで、
会えるのを楽しみにしてたのよ。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a91.jpg)
コフィは乗らないの?
私は野生動物が見たいから、
あのバイクでサバンナに行くつもり。
人懐っこくて負けず嫌いの
ライオンがいますよ。
などと話している。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240520203431.files/a92.jpg)
と言うことでコフィと別れ、
3人はオアシスを後にした。
解説)
続きます。
このところ生成AIで作った
風景画像に切りはり合成しています。
アンバランスながらそこそこリアルで、
実はどこにもない情景なのが面白いところ。
CGの麻生久美子は、3年ぶり。
2021年3月30日「クールガールたちがやってきた」
に登場しています。
May 19, 2024
佳奈の研修 そのよん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a1.jpg)
佳奈はバイクを飛ばしている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a2.jpg)
サバンナに出ると
さっそく縞馬の群れに出会った。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a3.jpg)
ライオンもいる。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a4.jpg)
ちょっと伴走してみる。
人懐っこくて、
負けず嫌いのライオンのようだ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a5.jpg)
サバンナが途切れ
砂漠地帯に入った。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a6.jpg)
これはかなり本格的な砂漠。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a7.jpg)
雄大な景色も楽しみたいけど、
制限時間までにつかないと。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a8.jpg)
スロットル全開。
ようやく植物相が見えてきた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a9.jpg)
オアシスだ。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a91.jpg)
オアシスには如月が待っていた。
時間ぴったりね。
と言っている。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240519212248.files/a92.jpg)
これで今回の研修は終了よ。
お疲れ様。
解説)
続きます。
May 18, 2024
佳奈の研修 そのさん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a1.jpg)
佳奈は休憩して
ヘルメットを外している。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a2.jpg)
沼に有毒ガスが出るって
脅かされてたけど、
この暗視装置付きのガスマスクも
必要なかったなんてね。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a3.jpg)
佳奈が水筒の水を飲んでいると、
研修のリーダーの如月がやってきた。
次のミッションで最後よ。
え、まだあるんですか。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a4.jpg)
この先にサバンナと砂漠があるの。
砂漠の中のオアシスが終着点。
例によって時間制限があるから気をつけて。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a5.jpg)
着替えが済んだようね。
これもつけてね。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a6.jpg)
ヘルメット、と言うことは。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a7.jpg)
コフィがバイクを曳いてきた。
私このオートバイの基本操作、
技能訓練で覚えたてなんですけど。
と佳奈が言った。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a8.jpg)
最初はみんなそうよ。
野生動物も見られるから、
軽く砂漠見物するつもりで、
楽しんできて。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a9.jpg)
佳奈はバイクに乗って
エンジンを始動させている。
砂漠でエンストしたら歩いてね。
骨は拾ってあげるから。
と脅かされている。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240518202143.files/a91.jpg)
いざ発進。
解説)
続きます。
May 17, 2024
佳奈の研修 そのに
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a1.jpg)
佳奈は両手を上げながら
相手が近づくのを待っていた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a2.jpg)
素早く身を逸らせて
振り返りざま右手で
機銃の銃身をそらす。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a3.jpg)
そのまま体を捻って
ハイキック。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a4.jpg)
後頭部にキックが炸裂した。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a5.jpg)
さらに倒れた相手に馬乗りになって、
油断大敵よ。
と言っている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a6.jpg)
そこまで。
という声の主に向けて、
佳奈はホルスターから引き抜いた
拳銃の銃口を振り向けた。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a7.jpg)
ミッションは完了よ。
制限時間内にクリアしたわ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a8.jpg)
倒れていた女性も立ち上がって、
マスクをとった。
あ、コフィさんだったんですね。
と佳奈が言った。
名前覚えていてくれたのね。
今の、結構効いたわよ。
と言っている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a9.jpg)
ジャングルや沼地では
敵を全く見かけなかったんですけど。
緊張状態を保ってもらうのが狙いなのよ。
よくそのケンベロスの旧式装備で頑張ったわね。
といわれている。
解説)
続きます。
May 16, 2024
佳奈の研修
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a1.jpg)
佳奈はジャングルの中の小径を
重装備で歩いていた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a2.jpg)
制限時間までに踏破しないと。
敵はどこに潜んでいるのか
わからない。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a3.jpg)
しかも行手には
沼地が広がっている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a4.jpg)
銃を濡らさないようにしないと。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a5.jpg)
ようやく岸辺だ。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a6.jpg)
佳奈は小さな広場にたどり着いた。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a7.jpg)
確かこの先がゴールのはずだけど。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a8.jpg)
その時背後の茂みの中から。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240516202315.files/a9.jpg)
ホールドアップ!
油断は大敵よ。
と言われている。
解説)
続きます。
May 15, 2024
晩春の日々 そのに
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a1.jpg)
サラとメルティは
ペンギンにやってきた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a2.jpg)
お店の中は
あいにく満席なんです。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a3.jpg)
二人は屋外で
コーヒーを飲むことにした。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a4.jpg)
居合わせたミラに
メルティの夢の部屋の話をしている。
迷いの森の夢見の水の泉と
繋がってしまって洪水になったんだけど。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a5.jpg)
洪水はヘクトンっていう
カエルの姿をした夢食いの仕業だったのよ。
ヘクトンなら知っているわ。
古代の神の遠い親戚だっていう噂がある。
そうだ、ヘクトンといえば。
とミラが言った。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a6.jpg)
その時カエルが
ベンチに飛び乗ってきた。
ああ、今言いかけたのは、この子のこと。
地下通路で見つけたの。
この世界に来たいっていうから、
連れて来ちゃった。
言葉が話せるし、たぶんヘクトンの娘よ。
連れてきたことは局の仲間には内緒でね。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a7.jpg)
カエルはさらに
テーブルの上に飛び上がって、
サラの前に進んできた。
そのちょんまげ、
お兄ちゃんのでしょ。
とカエルは言った。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a8.jpg)
ああ、これはカエル王子から
助けたお礼にってもらったのよ。
そうなんだ。
お兄ちゃん元気なのね。
元気は元気だけどね。
ここにはいないの。
あなたのお名前は?
カエル王女って呼んでください。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a9.jpg)
その頃、広場では、
鈴木すずがスイカをもらっていた。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a91.jpg)
すずは機嫌を直している。
いいなあ。
僕も泣き真似しようかなあ。
と池谷圭が言っている。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a92.jpg)
ルビー。
最近佳奈を見かけないけど、
どうかしたの?
とリタが訊いている。
![a93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240515202447.files/a93.jpg)
佳奈はCGの研修で出張中なの。
今頃アフリカのジャングルで、
特訓を受けてるよ。
とルビーが言った。
解説)
また思いつきで
エピソードが始まるようです。
May 14, 2024
晩春の日々
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a1.jpg)
メルティが絵画を見ていると、
ハリーがやってきた。
ほう、これは新しい絵画だね。
と言っている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a2.jpg)
マンスフィールドさんがお土産に
下さったのよ。
メルティも気に入ってるみたいね。
とヴィヴィアンが言った。
それはもう。
この絵、私の夢の中の部屋によく似てるの。
ハリーさん。こういう幻想的な絵画には、
別世界との通路があるんですか?
去年、私の夢の中で、
クノップフの「スフィンクスの愛撫」の中に
シュレディンガーが飛ばされたことがあったけど、
この絵にもさっき、カエル王子が飛び込んで行ったの。
ふむ。
そういう特別な絵画というものもあるが、
絵画のせいとばかりは言えないかもしれない。
この魔術劇場の室内も夢の世界のようなものだからね。
この建物は魔法陣の上に建てられているから、
屋内で魔法を使って、沢山の別室や、
別世界に通じる扉を生み出すことができるんだ。
そのカエル王子というのが夢食いの子供なら、
そんな力を持っていても不思議はないな。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a3.jpg)
何してるんですか。
この葉っぱを髪飾りに。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a4.jpg)
これからまた昼寝をするというバルと別れて、
サラとメルティは魔術劇場を後にして
広場に出て来た。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a5.jpg)
サラさんそのちょんまげ
かっこいいですねえ。
と言われている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a6.jpg)
広場では、アベルと子どもたちが
走り回って遊んでいた。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a7.jpg)
よそ見してると危ないよ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a8.jpg)
鈴木すずはバランスを崩して
こけてしまった。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a9.jpg)
怪我はないようだが、
すずは泣いている。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240514202518.files/a91.jpg)
ほぼ半月ぶりだけど、
広場は変わらないわね。
久しぶりに熱々の
美味しいコーヒーでも飲みたい。
ペンギンに行こうよ。
解説)
今回はいつもの
思いつきの進行です。
May 13, 2024
その後の池で そのさん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a1.jpg)
一行は扉のある休憩場所まで
帰って来た。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a2.jpg)
舟に乗ったり泳いだり楽しかった。
バルさんも戻って来られて良かったわ。
随分ここで過ごしちゃった。
そろそろ帰らないと。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a3.jpg)
君はやがて一人前の夢食いになるんだろう。
メルティのこの夢は私たちが守っているんだ。
残念だけど共存はできないな。
とシュレディンガーが言っている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a4.jpg)
これからどうするの?
迷いの森のお父さんのところに
戻ればいいのに。
とメルティが言った。
僕は自立するんです。
これからはカエル王子と呼んでください。
とりあえず旅立とうと思います。
ヴィヴィアンならきっと
魔法で人間の姿にしてくれるよ。
たぶんカエル人間みたいになるけど。
それは避けたいなあ。
僕はいろんな池を訪れて、
安住の池を生み出すことのできる、
立派な夢食いカエルになるまで
修行をするつもりです。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a5.jpg)
サラさん。
あなたは命の恩人です。
僕の大事な雨傘を差し上げましょう。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a6.jpg)
いただいちゃって
いいのかしら。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a7.jpg)
やがてメルティたちは、
魔術劇場に戻ってきた。
おや、おかえりなさい。
バルも戻ったのね。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a8.jpg)
早速大きくしてあげる。
と言ってヴィヴィアンは
呪文を唱え始めた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a9.jpg)
薄い煙が立ち上り始めた時、
カエル王子は素早く
テーブルの上に飛び移って、
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a91.jpg)
絵画に描かれた
水の中に吸い込まれていった。
さようならみなさん。
また会う日まで。
と言っている。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a92.jpg)
今のはなんだったの?
ま、いいか。
とヴィヴィアンが言った。
3人の姿は大きくなっている。
![a93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240513202338.files/a93.jpg)
サラ、
その手に持っているのはなあに?
これね。
カエル王子にもらったの。
持ってると明日の天気がわかるんだって。
解説)
今月初めから始まった
メルティの世界の冒険エピソードは
ひとまず完結です。
エピソードに出てきた
背景のジャングルや滝や廃屋、
水中の風景などは、
生成AIで制作した画像を
合成しました。
May 12, 2024
その後の池で そのに
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a1.jpg)
サラが飛び込んだきり
浮かんでこないよ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a2.jpg)
サラは潜水していた。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a3.jpg)
幻想的な世界ね。
水深は案外浅いんだ。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a4.jpg)
カラフルな水生植物も見える。
あら、
あんなところに。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a5.jpg)
サラは、岩の隙間に足を取られていた
カエルを引っ張り出した。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a6.jpg)
あ、サラが昇ってくるのが見えるよ。
なんか抱えてる。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a7.jpg)
サラとカエルは、
ぷふーと言っている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a8.jpg)
カエルは桟橋に飛び移った。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240512202635.files/a9.jpg)
あなたは昨日の。
おおメルティさんも。
また助けていただき
ありがとうございます。
お礼に良いことを教えましょう。
もうその手には乗らないわよ。
君はヘクトンの息子だろう。
ヘクトンは迷いの森に追い返したはずだが。
とバルが言った。
そうなんですが、
僕だけ岩の隙間に引っかかってしまいまして。
それは気が付かなかったな。
また渦を起こして
お父さんのところに返してあげよう。
とバルが言った。
いえいえ。いいんです。
僕も自立する年頃なので。
良いことってなあに?
とピノコが言った。
それは豆知識です。
水や池の夢に棲みつく夢食いには、
僕らの他にも、蛇とか鯉とか水龍とか、
いろいろな姿のものがいます。
勉強になったでしょう。
あんまり面白くないわ。
解説)
続きます。
May 11, 2024
その後の池で
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b1.jpg)
翌日、メルティとサラを囲んで、
住人や猫たちが集まっている。
散乱していた家具類も集められ、
元の位置に戻されたようだ。
みなさんお疲れ様でした。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b2.jpg)
この世界が乗っ取られずに済んだのは
バルという水の精霊のおかげだった。
バルは身を挺して
増え続ける池の水を収めてくれたんだ。
とシュレディンガーが言った。
お礼を言いたいけど、
私会ったことないのよね。
とメルティが言った。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b3.jpg)
水の精霊か。
ねえ、池の様子を見に行かない?
随分落ち着いたみたいだし、
その人、戻ってくる頃かもしれないよ。
それに今日はむし暑いし
なんだか水浴びしたくなっちゃった。
とサラが言った。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b4.jpg)
池の面は穏やかに凪いでいた。
ピノコたちは舟に乗り、
メルティは桟橋でくつろぎ、
サラは岩の上まで泳いで行った。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b5.jpg)
サラ、その水着どうしたの?
泳ぎたいなあと思っていたら、
なぜか服の下に着込んでいたの。
夢だからなんでもありなのね。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b6.jpg)
飛び込みまーす。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b7.jpg)
池は随分小さくなってるけど、
深さ大丈夫なのかなあ。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b8.jpg)
サラは岩の上から
ダイビングした。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b9.jpg)
水しぶきとともに
サラの体は水中に。
![b91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b91.jpg)
その時、
飛び散った水しぶきが集まり、
なんとメルティの横に置いてあった
ピノコの工事用ヘルメットの中に飛び込んだ。
![b92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240511201937.files/b92.jpg)
ヘルメットに溜まった水は
みるみる変形して
人間の姿になった。
初めまして。
私が夢見の水の精霊バルです。
あ、あなたが私たちの恩人なのね。
すごく大きくて背が高い方だって、
みんなが言ってたけど。
これは元のサイズなんです。
解説)
続きます。
May 10, 2024
メルティの世界で そのきゅう
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a1.jpg)
ピノコたちは
水が引いた後の世界にやってきた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a2.jpg)
ジョン、帽子を見つけたよ。
と猫が言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a3.jpg)
二手に分かれて、
壁に沿って探索してみよう。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a4.jpg)
ジョンとピノコたちは、
トンネル工事現場近くの
池があったところにたどり着いた。
水は随分引いたみたいだけど、
池は残っているんだね。
あ、あっちから舟が。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a5.jpg)
メルティたちを乗せた舟は
ゆっくりと桟橋に近づいてきた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a6.jpg)
無事だったんだね。
心配してたんだよ。
水がどんどん増えて、
壁も霞んで見えなくなったの。
渦に飲みまれそうになったけど、
なんとか無事だった。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a7.jpg)
こっちでも洪水状態で
大変だったんだ。
みんなで魔術劇場に避難したら、
ヴィヴィアンが呼び出してくれた
バルっていう水の精霊が
増水を止めてくれたんだよ。
とジョンが言った。
そんなことがあったの。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a8.jpg)
ごめんなさい。
私が滝を見たいって願ったせいで、
沢山の滝の水が池に降り注いだの。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a9.jpg)
その時、桟橋で水を飲んでいた子猫が言った。
池に何か映ってるよ!
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a91.jpg)
池の面に巨大なメルティの顔が
現れて、話し始めた。
メルティ、よく聞いて。
この池は、異世界の泉と繋がっているの。
それを望んだのはあなたであって、
あなたの夢を見ている私でもある。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a92.jpg)
でも池の水が急に増え続けたのは、
あなたのせいじゃないのよ。
すごく悔やんでいるみたいだから、
それを伝えたくて出てきたの。
あれは、
カエルの姿をした夢食いヘクトンの仕業。
ヘクトンは、あなたに夢見の水を飲ませて、
沢山の滝を想像するように仕向けたの。
ずっと家にいてもいいって言ってた、
親切なカエルだと思ったのに。
それはあなたが消えちゃうとまずいからよ。
ヘクトンは迷いの森から
新しくできた水の通路を通ってやってきて、
この夢の世界を水で満たして、
カエルの楽園にするつもりだったみたい。
でもそのためには夢の主人公である
あなたの同意を得る必要があった。
それであんなに綺麗な滝のイメージを。
ヘクトンは泉の水の精霊の力で、
迷いの森に追い返されたわ。
この池の水はこれからは増えることも
減ることもない。
長い間目覚めることのない私たちの夢は、
夢食いたちの理想郷なの。
これからも気をつけてね。
![a93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240510202732.files/a93.jpg)
そう言い終えると
池の面の顔はうっすらと消えていった。
私も迷いの森から来たみたいですけど、
ここに住んでもいいですか?
とカタツムリが言った。
夢くいじゃなければいいわよ。
解説)
続きます。
May 09, 2024
メルティの世界で そのはち
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a1.jpg)
薄い煙が立ち上って、
水差しの中からバルが現れた。
ピノコや猫たちが驚いている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a2.jpg)
昼寝してたところでした。
なんの御用でしょう。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a3.jpg)
ヴィヴィアンから事情を聞いたバルは、
口を開いた。
わかりました。
たぶんヴィヴィアンさんの想像の通りですね。
メルティさんの異世界と繋がりたい
という願いが通じたのか、
メルティさんが夢見の水を飲んで
その影響を受けたのか、
とにかくメルティさんの夢の世界が、
私の泉と繋がっているのは確かなようです。
さっそく、水をひかせましょう。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a4.jpg)
ジョンが扉を開けると
透明だったはずの境界の向こう側が
水に満たされているのが見えた。
ヴィヴィアンは呪文を唱えて、
水の侵入を押しとどめているようだ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a5.jpg)
バルも手をかざして呪文を唱えている。
水は自分たちの精霊のバルがいるのを知って
喜んで乱流を起こしているが、
一向に水嵩が減る気配がない。
ちょっと水量が多すぎるようです。
かくなるうえは。
とバルがいった。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a6.jpg)
そんなことするとあなたが。
と言うヴィヴィアンの言葉が、
終わらぬうちに、
バルの半身は水に変化して、
扉の中に吸い込まれていった。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a7.jpg)
ああ、あの人、
全身水になって行ってしまいましたよ。
とジョンが言った。
水になれるなんてすごい。
みずから水になるとは。
などと猫たちも驚いている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a8.jpg)
あの人、水の精霊だったんですか。
ええ、それも夢見の水って呼ばれている、
迷いの森に湧く特別な泉の水の精霊だったのよ。
もう元に戻らないんですか。
私が人間の姿になれる魔法の呪文を
教えてあげておいたから、大丈夫よ。
ただ、あれだけ大量の水の中に溶け込んで、
迷いの森の泉に導くつもりでしょうから、
どうなることか。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a9.jpg)
その頃、
メルティたちの乗った舟は
巨大な渦に遭遇していたが、
不思議に舟は引き込まれなかった。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a91.jpg)
だんだん水が引いていくよ。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240509202635.files/a92.jpg)
やがて扉の境界の向こうが透けて見え、
池の水はすっかり引いたようで、
猫たちはぞろぞろと帰りはじめている。
すごいもの見せてもらっちゃった。
とマンスフィールドさんが言っている。
メルティたち元気でいるかなあ。
ジョンさんの帽子探さなくちゃ。
掃除が大変そうだなあ。
あの池の水また飲みたい。
などと猫たちが話している。
解説)
続きます。
May 08, 2024
メルティの世界で そのなな
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a1.jpg)
魔術劇場の応接室では、
絵画と人形のコレクターの
マンスフィールドさんが、
ヴィヴィアンと話していた。
お土産にお持ちした作品、
気に入っていただけたかしら。
素晴らしいです。
ちょうど最近住人が増えて、
新しい応接間に飾る作品が欲しかった
ところだったんです。
シュール好きの父もきっと喜びますわ。
それはよかったわ。
実はこの前メルティから
そのお話を聞いていたのよ。
この絵も私の保管倉庫のコレクションから
メルティが選んだの。
デ・キリコの「オデュッセウスの帰還」の
レプリカなんですよ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a2.jpg)
そうだったの。
あの子、この絵を自分の夢の部屋に
飾りたかったのね。
でもこういう美術作品のレプリカを
夢の世界に持ち込むと危険だから。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a3.jpg)
そういうことみたいですね。
去年メルティにあげた
クノップフの「スフィンクスの愛撫」が、
大変な騒動を引き起こしたらしいですから。
ところで、あの絵は今どこに?
家族のリビングに飾っています。
部屋を管理してくれているメルティたちも
時々やってきて眺めていますよ。
とヴィヴィアンが言った。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a4.jpg)
そのとき、扉が開いて
猫たちが部屋に飛び込んできた。
続いてジョンも現れた。
お話中申し訳ない。
ちょっと大変なことになりまして。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a5.jpg)
ピノコとシュレディンガーも
扉からでてきて、ヴィヴィアンに
話している。
トンネル工事をしていたら
湧き出してきた水が溜まって池になり、
池でメルティとサラが舟遊びに出かけた後、
池の水がどんどん増水して、洪水状態になって、
やむなく、みんなで避難してきたんです。
メルティとサラがまだ帰ってきていないんですが、
もう陸地が無くなり始めて。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a6.jpg)
初めて聞く話ね。
その池の水は地下から湧いてきたのね?
壁の向こうの世界に行くために、
メルティがずっと昔から掘っていたトンネルなんです。
掘っても透明な土が掘り出されるばかりでしたが、
掘るのをやめるとメルティが悲しむので。
ところがある日水が噴き上げて。
ついに外の世界と繋がったのかもしれません。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a7.jpg)
池のお水は、肉まんの隠し味と
同じ味がしたよ。と一匹の猫が言った。
あの勢いだと、向こうの世界はもう
ほとんど水没しているはず。
と言いながら、ジョンは扉を押さえている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a8.jpg)
ちょっと考えさせて。
とヴィヴィアンは言って、
しばらく経ってから言った。
肉まんの隠し味っていうと夢見の水。
ということは、池の水は、迷いの森の泉から
流れてきていて、メルティの夢の世界は、
たぶん迷いの森と繋がったのよ。
デュアン、悪いけどバルを呼んで来て。
起きてるかな?
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240508202441.files/a9.jpg)
デュアンは銀の水差しを持ってきた。
バルさんは、この中で寝てるはずです。
わかった。私が起こすわ。
ヴィヴィアンは手をかざして呪文を唱えた。
解説)
続きます。
マンスフィールドさんが、
去年の「大変な騒動」と言っているのは、
2023年4月19日「メルティの夢の部屋」
から、4月28日「絵画を返す」
までのエピソードのことのようです。
May 07, 2024
メルティの世界で そのろく
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a1.jpg)
家の中に入ると屋内はぼろぼろだった。
あ、さっきのカエルがいるよ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a2.jpg)
大きなカエルが口を開いた。
ようこそ。
私はヘケトンと言います。
あなたがこの夢の世界のご主人ですね。
先ほどは息子たちを助けていただいて
ありがとうございます。
その上、たくさんの大きな滝を
思い描いていただいたおかげで、
池のお水が一気に増え続けています。
なんですって!
とメルティが言った。
もうすぐこの世界は一面の池水に
覆われることでしょう。
もっとも、この家は安全ですので、
いつまでもいてくださって構いませんよ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a3.jpg)
こちらにどうぞ。
メルティたちは客間に案内された。
まあ随分素敵なお部屋だこと。
風通しも良さそうね。
と、冗談はさておき、
ああ、私ったら。
こんなことになるなんて。
どうしようサラ。
とメルティはいった。
なんとか止めてもらえないかしら。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a4.jpg)
二人は先ほどの部屋に戻ってみたが、
もうヘケトンの姿はなかった。
大丈夫。
全てが水とジャングルの世界になっても、
あなたの見ている夢なんだから、
きっとなんとかなるわよ。
でも、ジョンもピノコも、
シュレディンガーも猫たちも、
みんな外の世界からやってきた、
私のお友達でしょう。
溺れて死んじゃったりしたら、
私の夢の力では変えられないのよ。
とりあえず、この家を出て、
みんなのところに戻りましょう。
ヘクトンさんはいい人みたいだけど、
ここにいたら、掃除したくなって、
部屋が綺麗になったら
ずっと暮らしていたくなる気がする。
そうだね。
そばで聞いていたカエルが、
帰るの?
と尋ねた。
うんカエル。
もう帰れる場所はないよ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a5.jpg)
その頃、ピノコたちは困っていた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a6.jpg)
池の水がどんどん増水して、
とうとう、ここまで寄せてきましたね。
メルティたちは無事でしょうか。
舟に乗っているから、
池には浮かんでるはずだけど。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a7.jpg)
ドア近くまで灌木が出現して
その縁まで池の水が増えているのだった。
うまいうまいと言いながら、
ごぶごぶと水を飲んでいる猫もいる。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a8.jpg)
舟が見えない。
早く帰ってこないかなあ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a9.jpg)
このままじゃ溺れちゃうよ。
私泳げないのよ。
肉まんもうないの?
ひたすら眠い。
などと
猫たちは言っている。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a91.jpg)
百猫の王シュレディンガー様。
お助けください。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a92.jpg)
こうなったら、やむを得ないな。
メルティからは、
猫たちを通すなって言われてたけど、
みんなで扉から脱出しよう。
![a93](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240507202220.files/a93.jpg)
その頃、
ジャングルの廃屋を後にした
メルティたちが目にしたのは、
茫洋とした一面のウォーターワールドだった。
解説)
続きます。
May 06, 2024
メルティの世界で そのご
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a1.jpg)
舟は水路から戻っていく。
全く何が何だか。
ねえ、願い事が叶うって言ってたけど。
何がいいかなあ。
せっかくの舟遊びなんだから、
私はきれいな滝が見たいな。
いいわね。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a2.jpg)
すると、やがて前方の岸壁に
滝が現れた。
おお、すごい。
右側に回り込めそうだよ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a3.jpg)
これはまた、
素晴らしい景観だね。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a4.jpg)
滝巡りの旅だね。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a5.jpg)
舟は滝の落ちる岸壁に囲まれた
狭い水路を抜け出た。
満喫したなあ。
と言っている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a6.jpg)
またジャングルみたいな
岸辺が続いているよ。
どこに向かってるのかな。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a7.jpg)
あ、あんなところに
建物が見えるわ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a8.jpg)
舟はデッキのような場所に
横付け状態になって停止した。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240506202156.files/a9.jpg)
こんにちわ。
誰かいませんか。
解説)
続きます。
May 05, 2024
メルティの世界で そのよん
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b1.jpg)
さらに舟は進んでいく。
桟橋も灌木も見えないわね。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b2.jpg)
今度はハスの葉に乗った
カエルを見かけた。
お兄ちゃんはあっち、と言っている。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b3.jpg)
ハスの茂みのようなものが見える。
岩の上にもカエルがいるようだ。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b4.jpg)
ああ、これは良いところに。
ところで、どこも切り立った岸壁ばかりで、
上陸できないのです。
ほとほと泳ぎ疲れてしまいました。
平坦な岸辺まで乗せていってもらえませんか。
とカエルは言った。
いいわよ。
平坦な岸辺って私たちも
探しているところなの。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b5.jpg)
これは水上タクシーですか。
そう見える?
私たちは舟遊びをしているだけ。
料金なんていらないのよ。
それはご親切に。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b6.jpg)
やがて池に靄がかかり
幻影のような湿地帯が現れた。
カエルたちは、そこで一句。
と言いながら水音高く
池に飛び込んで行った。
やがて一匹のカエルが池面に
顔を出した。
ありがとうございました。
お礼に良いことを教えましょう。
この池に注ぐ清水を飲めば、
願い事が叶いますよ。
ではボン・ボヤージュ。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b7.jpg)
清水なんて見なかったわ。
それにここはどうなってるのかしら。
あっちに水路があるよ。
小舟は不思議に勝手に進んでいく。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b8.jpg)
小舟は水路の行き止まりで停止した。
あれが池に注ぐ清水らしいね。
喉も乾いてるし、
言われた通り飲んでみましょう。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240505203246.files/b9.jpg)
お、美味しい。
顔も洗うと気持ちいいわ。
この味は、夢見の水と同じよ。
解説)
続きます。
May 04, 2024
メルティの世界で そのさん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a1.jpg)
メルティとサラは
小舟に乗り込んだ。
気をつけてねー。
と言われている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a2.jpg)
小舟はゆっくりと出発した。
何もしていないのに動いていくよ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a3.jpg)
二人を見送ったピノコたちは、
池の岸辺の近くで、
肉まんを食べながら、
二人の帰りを待っていることにした。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a4.jpg)
実は池の水かさが少しずつ
増えているのが気になるんだ。
とジョンが言っている。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a5.jpg)
やがては大洪水になるっていうこと?
地球温暖化の影響なの?
それは絶対ないと思いますよ。
え、今誰が言ったの?
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a6.jpg)
猫たちが話してるわ。
とピノコが言った。
よく聞くと、猫たちの声がする。
この池の水美味しいね。
肉まんに隠し味で入ってるのと同じ味。
もひとつ食べようかなあ。
などと言っている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a7.jpg)
あなたたち人の言葉で話ができるの?
あ、わかります?
池のお水を飲んだら、
猫語が通じるようになったんですね。
私とはこれまで通りだね。
とシュレディンガーが言った。
猫族は以心伝心ですからね。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a8.jpg)
その頃メルティたちを乗せた舟は
ゆっくりと池を進んでいた。
岸に沿って進んでいるから、
そろそろ一周する頃なのに。
大きさがわからないからねえ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a9.jpg)
あれは何?
岩の上に乗っているのは
カタツムリみたいよ。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a91.jpg)
昼寝していたら池の水が増水して、
ここに取り残されてしまったんです。
とカタツムリが言った。
あなたカタツムリなのに
人の言葉が話せるの?
これは夢ですから。
それはともかく助けてあげましょう。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240504202246.files/a92.jpg)
ありがとうございます。
泉に落ちて渦に巻き込まれて、
やっと岸に辿り着いたと思ったら。
とカタツムリは言っている。
このカタツムリ
どこかでみたような気がする。
とサラは思ったが思い出せなかった。
解説)
薄緑色のカタツムリは、
「チョコエッグ 日本の動物コレクション 第4弾
107 アオミオカタニシ」(2000年販売)を使用しています。
実際には南西諸島や、台湾、パプアニューギニア
などに分布するものの準絶滅危惧種とか(wikによる)。
この世界では、
2021年5月13日「帰りついて」に登場しています。
迷いの森の探検に行ったモモコの
ナップザックの中に潜んで、
迷いの森から町に引っ越してきていました。
それ以降、ごくたまに背景に登場していたことがあります。
サラに見覚えがあったのは、
町中で見かけた記憶のようです。
May 03, 2024
メルティの世界で そのに
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サラは歓待を受けている。
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相変わらず大勢の猫たちで
賑やかね。
あら、ジョンは?
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ジョンなら、
泉の様子を見に行っているよ。
実はね。
私、ずっと壁の向こう側の世界に行きたくて、
トンネルを掘っていたでしょう。
そこから地下水が湧いて、泉になったのよ。
泉の水はどんどん広がって、
今では大きな池になってるの。
そこに舟を浮かべてサラと一緒に遊べたら、
楽しいなって思ってたのよ。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240503202500.files/a4.jpg)
やがて、ジョンが戻ってきた。
やあ、サラ。
と言っている。
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泉の様子はどう?
小さな桟橋みたいなのができて、
小舟が停泊していたよ。
なんと!
ここは私の夢の世界だからね。
願い事が時々叶うのよ。
きっとサラが来てくれたからだわ。
とメルティが言った。
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一行は散歩を兼ねて、
泉の様子を見に行くことにした。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240503202500.files/a7.jpg)
サラが草むらを眺めながら歩いていくと、
草むらは次々と花の蕾をつけ始めた。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240503202500.files/a8.jpg)
どうしたのかしら?
これはきっと、
このフローラの草冠のせいよ。
とサラは言っている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240503202500.files/a9.jpg)
もうすぐだよ。
この先から、
床が草地になってるわ。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240503202500.files/a91.jpg)
やがて一行は
トンネル工事の現場だった
付近までやってきた。
灌木が生い茂っている。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240503202500.files/a92.jpg)
あれが桟橋と小舟だよ。
とジョンが言った。
なんだかお風呂で遊ぶための
幼児用の玩具みたい。
夢だからね。
などと言っている。
解説)
どうなるのかわかりませんが、
続きます。
May 02, 2024
メルティの世界で
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a1.jpg)
メルティとサラは
魔術劇場の応接間で、
肉まんを食べている
ヴィヴィアンとハリーに出会った。
やあサラ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a2.jpg)
ヴィヴィアンさん。
サラを私の夢の世界に
お連れしたいんですけど。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a3.jpg)
断らなくても
好きにしていいのよ。
あ、魔法が必要だったわね。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a4.jpg)
その包みはお土産の肉まんかい。
肉まんは美味しいからね。
とハリーが言った。
魔術劇場の部屋の管理は
私が見てますから、
どうぞごゆっくり。
とデュアンが言った。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a5.jpg)
ヴィヴィアンは
二人に向かって呪文を唱えている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a6.jpg)
すると薄い煙が立ち上って。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a7.jpg)
二人の体は小さくなった。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a8.jpg)
サラの服、ちょっと違う気がする。
気にしないで。
夢っていうのは、そういうものよ。
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扉の鍵はかけないでおくけど、
猫たちには来ないように言ってね。
とヴィヴィアンが言った。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240502202629.files/a91.jpg)
二人が扉を抜けると、
そこはメルティの夢の世界だった。
さっそくサラは、
ピノコやシュレディンガーや猫たちに
歓迎されている。
解説)
続きます。
May 01, 2024
4月のコンテストの発表
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a1.jpg)
今日は高台の方では雨が降っている。
曇天の広場はそこそこの賑わいだった。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a2.jpg)
鈴木すずはドルフィンのリタから
新しいスケートボードをもらっていた。
倉庫に入荷してたのよ。
これで交代せずに遊べるね。
ずっと毎日遊んでたせいかなー。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a3.jpg)
ベーカリーのテーブルでは
コンテストの審査が長引いていた。
4月は新規の応募者がいないのよ。
ジェニーフレンドたちも住み続けていて、
応募した住民の数は多いんだけど。
私が推すのはユニークな服装の局長。
でも、あの人はお忍びの休暇だったから、
知らせても絶対辞退するね。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a4.jpg)
そういえば、気分転換って言って、
髪型変えて登録した人たちが何人かいたわね。
一番印象に残るのは、
なんと言っても。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a5.jpg)
ルビーがマイクを片手にアナウンスしている。
みなさん、
4月のコスプレコンテストの優勝者の発表をします。
厳正な審査の結果、
優勝したのはジェニーさんです。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a6.jpg)
ジェニーだって。
今日が発表の日だったんだ。
またチョコもらえるのね。
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ジェニーたちの部屋にも
拡声器のアナウンスが流れていた。
やったね。
やっぱりその奇抜なヘアースタイルが。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a8.jpg)
やがて広場で、
万雷の拍手と歓声に迎えられて
ジェニーはトロフィを授与された。
エクセレンテ、ヴラーヴォ、
トレビヤン!などと声が飛び交っている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240501202429.files/a9.jpg)
おめでとうジェニー、
その髪型初めてみるわ。
これね、実は初めてじゃないのよ。
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広場はジェニーのフレンドたちで
溢れている。
しかしよくみると群衆は
長蛇の列を作っているようだ。
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やがて程なく
参加賞のチョコの掴み取りが
始まったのだった。
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このトロフィ飾る場所ないんだけど。
ドルフィンで預かってもらえるよ。
私もそうしてるの。
と優勝経験者のアンナが言っている。
解説)
毎月恒例のコンテストは
ほぼ順当な結果だったようです。
ジェニーの稚児髷(ちごまげ)ヘッドは、
2006年6月29日「夏野菜とフィギアショップ そのいち」に
その回だけ登場しています。