Oct 04, 2024

ハロウィーンの飾り付け

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アイスとフンボルトは
魔術劇場に戻ってきた。


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アイスはハリーに報告している。

ジャングルのマークの集落に、
宿泊施設を作ることになったの。
マリアたちがさっそく建設工事を
はじめているわ。
ほー、それは楽しみだな。


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フンボルトは?
私はどうにも暑いのが苦手なんです。
ペンギンの仕事もあるので、
マンゴー亭でお土産に肉まんを買って
ペンギンに戻ります。

施設ができたら、
クーラーも入れなくちゃね。


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二人が魔術劇場を出ると、
広場ではハロウィーンの飾り付けの
準備が始まっていた。


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もうそんな季節なんですね。

毎年のことだけど、
お祭りがあるのはいいことだよ。
みんなの出番もあるし。
とドルフィンのマスターは言った。


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楽しそうなお祭りね。

ハロウィーンっていうんですよ。
とリタが言った。
ネットの情報によると、
発祥はイギリスやアイルランドとされ、
元々は古代ヨーロッパの
ケルト民族の収穫祭だったらしいです。
古代の暦で大晦日にあたる10月31日には、
祖先の霊や悪霊がこの世界に戻ってきて、
魔女や悪霊が災いをもたらすとされ、
それを防ぐために人は仮装したんですって。

人間って面白いこと考えるのね。


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これどこに飾りますか?
それはベーカリーよ。


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これはどこに飾るの?
それはみんなの家に貸し出したり、
屋外の適当なところに置くのよ。


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フンボルトはペンギンに戻ってきた。

お帰りなさい。
お土産の肉まんありがとう。
これ、飾ってくださいって。
ドルフィンから借りてきました。



解説)
続きます。
Posted at 20:24 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Oct 03, 2024

マリアたちの集い そのさん

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マリアたちの集いは続いていた。


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フンボルトさん用に
お魚のお料理をお持ちしました。
これは嬉しいなあ。


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秋刀魚は私たちも好物ね。
野良猫時代を思い出すなあ。


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僕は肉まんが癖になりそうです。
と言っている。


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ジャングルに行くには
どうすればいいんでしょう。

魔術劇場の中に、
フラハっていう人の家の裏庭にでられる
鏡の扉が常設してあるのよ。
食べ終わったら行ってみましょう。


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その頃、高台の遺跡で
九官鳥の羽根を回収したアイスは、
羽根を預かってもらうために
マークの家を訪問していた。

これにまたがって飛んできたの?


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ところで、相談なんだけど。
とアイスが言った。

マークの集落に、
宿泊施設が作れないかなあ。
フミコが魔族の人たちを
遺跡に案内したんだけど、
みんな結構気に入ってたみたいなのよ。
最近はジオラマ村の連中も
観光に来ているみたいだし。

それはいいね。
どこに建てる?


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どうせなら鏡の扉のある、
フラハの家の近くがいいね。
フラハに相談してみよう。


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フラハは家の前で草取りをしていた。
アイスとフラハは
思わず挨拶をしている。


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アイスたちは家を建てる相談をしている。

ジャングルを切り開けば、
土地はいくらでもあるが、
宿泊施設ともなれば管理人が必要だろう。
いつも手入れしていないと
すぐに雑草が伸び放題だぞ。

そうねえ。


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3人が話していると、
なんとタイミングよく、鏡の扉が開いて、
魔術劇場での会合を終えたマリアたちがやってきた。

あら、お話中だったのね。
とマリアが言った。


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アイスがマークの集落に宿泊施設を建築する話を
していたことを説明すると、
一同は大いに盛り上がった。

私たちも犬猫猿鳥同盟の支部を
作ろうと思っていたところなんです。
私たち、その下見に来たのよ。
その宿泊施設を支部と兼用にすればいいのでは。
みんなで協力して建築しますよ。
施設の管理も私たちが請け負いますよ。

それって、宿泊施設の話に便乗して、
あなたたちがそこに住みたいっていうことでしょう。
とアイスが言った。

そうとも言えますが。

まあいいわ。というか、
宿泊施設の話は思いつきのアイデアだけで、
その実現には人手が欲しかったところ。
フラハもマークもそれでいいかしら。

全然問題ないよ。とマークが言った。
この辺りは集落の外れであまり人もこない。
賑やかになるのは歓迎だよ。とフラハが言った。

じゃあマリア、
あなたたちにお任せするからよろしくね。
とアイスが言った。

私たち、こんな姿ですけど、
いじめられないですか?
とクロが言った。

それは大丈夫。
現地の人は魔法の影響で生まれる
変わった形の生き物を見慣れているからね。
シーザーもみんなに馴染んでいるくらいだし。

じゃあさっそく近くのジャングルを
見てまわりましょう。
とマリアが言った。



解説)
続きます。
Posted at 20:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Oct 02, 2024

マリアたちの集い そのに

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魔術劇場の一室では
マリアたちの集いが始まっていた。


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それでは犬猫猿鳥同盟の
臨時のお茶会を始めます。
今日集まってもらったのは、
新メンバーのお二人をご紹介するためです。
とマリアが言った。


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新しく加入してくれたのは、
チンパンジーのリンリンと、
ゴリラのシーザー。
二人ともアフリカのジャングル生まれの
ジャングル育ちです。
見かけはお猿さんそのものですが、
その知能は人間に勝るとも劣らないと言われています。
では自己紹介をどうぞ。

えーっと、僕たちは
アフリカのジャングルで暮らしています。
僕たちが生まれたのはフミコという魔族の女性が、
一帯にかけた魔法のせいだと言われています。
とリンリンが言った。
そこには大昔に魔族の都があって、
フミコは、その都を外敵から守るために
周辺のジャングルに魔法をかけたのです。
その結果僕たちのような知能を持つ動物が
時々生まれるようになったのです。
都はとうの昔に滅び、今では遺跡だけが残っています。
しかし、最近のこと、フミコが蘇生して、
僕たちを自由にしてくれました。
それからアフリカに来たマリアさんたちと知り合い、
この会に招かれたということです。
僕は基本は野蛮な人間が嫌いなんですが、
友人も何人かいます。

僕もリンリンと同じ身の上ですが、
リンリンよりずっと年下で、
人間が大好きで、人間の集落の近くに
家を建てて暮らしています。
あ、ところで、あなた方は人間なんですか。
とシーザーが言った。


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その区別は難しいわね。
とクロが言った。

うまく言えないが、僕たちはみんな
そこにいる悪魔ヴィヴィアンの魔法で、
変身して生まれた魔法生物なんだ。
とドビーが言った。
あ、僕の名はドビー。
工房ドルフィンで飼われている
ベスという犬のイメージが影響して
この体になったんだけど、
ベスは今でも普通に飼われている。
僕とは全く別にね。
だからなぜ僕が生まれたのか、
ベスとどういう関係なのかもよくわからない。
ベスだった時の記憶も全くないんだよ。

あれは事故だったのよ。
と側で聞いていたヴィヴィアンが言った。
人間の脳のニューロンの動きを、
プラネタリウムで会場の壁に投影するっていう、
とんでもない実験をミューっていう
ロボットたちがやっていたの。
その会場に飼い犬のベスが紛れ込んでいて、
私がその犬に注意を集中したために起きたのね。
まだ私が悪魔になる前で、
魔法をうまく制御できなかったのよ。

私の場合は。
とクロが言った。
私は前はメルティっていう女の子に
飼われていた子猫だった。
でもメルティが小さい頃に死んでしまったのよ。
それからメルティも病弱で寝たきりになって、
ずっと長い夢を見続けていた。
私の魂は死んでから幽冥界をさまよっていたんだけど、
メルティのことが忘れられなくて、
夢食いの百猫の王シュレディンガーに、
メルティの夢の世界に連れて行ってほしいって頼んだの。
そこでメルティと再会できたんだけど、
鏡の扉でメルティの夢と、この世界の間が
行き来できるようになって、
ヴィヴィアンが魔法でこの姿にしてくれたのよ。
体が人間で顔だけが猫っていうこの姿、
私が望んだわけじゃないの。

それはそういうものなのよ。
とヴィヴィアンが言った。


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僕の名前はトラ。トラ猫だったからそう呼ばれてるんだ。
前はこの町を徘徊する野良猫グループのリーダーだった。
ジェニーたちの家から盗んだ
ウサギのぬいぐるみと交換して手に入れた
この目出し帽のバラクラバが被りたくて仕方がなかったとき、
ヴィヴィアンが帽子を被れるように、
魔法でこの姿にしてくれたんだ。
今ではもう盗みや悪戯はしてないよ。

私の名前はフンボルト。
元は喫茶ペンギンの木製のマスコット人形に
宿った精霊だったんです。
古くなって店の人がドルフィンに私を洗浄してもらいに行ったとき、
ヴィヴィアンさんが人形に精霊の私が宿っているのを知って、
魔法でこの姿にしてくれたんです。
今でも喫茶ペンギンでマスコット役の仕事をしています。


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なんだかみんなの自己紹介を聞いていると、
みんな私のせいで変身したって言ってるのね。
確かにそれは事実だけど、
みんなの望みを叶えてあげただけなのよ。
あ、ドビーのケースだけは別ね。
あれだけは私にも原因はよくわからないの。
とヴィヴィアンが言った。

事故や手違いで私が無から生まれたんだとしても、
こうして生きているんだから感謝してますよ。
とドビーが言った。


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僕たちは、こんな魔法生物みたいな姿をしてるから、
人間の町には住みにくい。
この界隈の人はほとんど気にしないけど、
広場には観光客が大勢くるからね。
それでジャンのジオラマの村という別世界に
小屋を建ててそこに移住して暮らしているんだ。
周りはフィギアの精霊がほとんどだから、
住み心地はいいよ。
それにみんなが仮装するハロウィーンの時期になると、
広場に出てきても変な風に思われない。
今年もいよいよそんな時期になったんだ。
とトラが言った。


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アフリカのジャングルだったら、
人間は滅多に来ないから、
遊びにおいでよ。
僕の家の近くに小屋を作ってもいい。
とリンリンが言った。

リンリンの家は遺跡の近くにあるから、
きっとジャングルの動物たちや
グリーンマンが嫌がるよ。
僕の家の近くなら、マークの集落の外れで、
鏡の扉のあるフラハの家の近くだし、
交通の便もいいですよ。
とシーザーが言った。


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お言葉に甘えて、アフリカに、
犬猫猿鳥同盟の支部を作りましょうか。
とドビーが言った。

みんなやることなくて
いつも暇そうだから、それもいいわね。
作ってもどうせお茶会を開くだけだけど。

ジャングルって危険じゃないんですか。
とクロが言った。

動物にとっては体が人間みたいに見えるし、
人間にとっては顔つきが動物のように見える。
奇妙すぎて警戒して近づかないんじゃないの。
そうなのかなあ。


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話がまとまったようね。

ヴィヴィアンさんは、
この会の発案者なんでしょう。
参加されないんですか。
とデュアンが言った。

私は悪魔だからね。
会のことはマリアに任せてるの。
でもアフリカはいいところよ。
あなたも人間嫌いで
この魔術劇場に引きこもっているんでしょう。
たまには遊びに行ってみたら。

そうですね。
あ、追加の肉まん持ってきます。



解説)
続きます。

それぞれの自己紹介でのエピソードは、
ドビー、2022年9月11日「ミューと探偵の思いつき」。
トラ、2022年11月28日「対策会議そのに」から。
クロ、2023年2月27日「メルティの世界 そのに」。
フンボルト、2023年3月21日「衣替えとマスコット」。
に掲載されてます。飛び飛びですが。
犬猫猿鳥同盟(旧名 犬猫同盟)の結成のエピソードは、
2022年12月6日「犬猫同盟」に。
Posted at 20:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Oct 01, 2024

コンテストの結果発表

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今日は月初めで、
月例のコスプレコンテストの結果発表日。


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優勝者は決まったの?
それがまだ。

休暇とってアフリカに行ってたからね。
私の留守中に誰か新しい登録者来てた?


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いつもの近隣住民だけだよ。
ジェニーたちがお月見モードの
浴衣姿で登録してたのが目立ったくらい。

先月の有力候補だった人たちから
選べばいいじゃないですか。
フラハやフミコやダリオさん。
と佳奈が言った。


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みんなアフリカに帰っちゃって、
今この町にいるのは。


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ルビーはマイクを手に取って、
アナウンスを始めている。

みなさん。
9月のコスプレコンテストの優勝者の発表です。
厳正な審査の結果、
優勝したのは古代アフリカの
魔族の民族衣装を着たフミコさんです。


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農家の直販店の前で
ブドウの味見をしていたフミコは、
アナウンスに驚いている。

おめでとうございます。


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周りに住民たちが集まってきた。
フミコは万雷の拍手と歓声に包まれて、
トロフィを授与されている。


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私もああいう服着てみたいわ。
あれはコスプレじゃなくて本物でしょう。
その辺はどうでもいいみたいなのよね。
早くチョコレートを。
などと言っている。


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昔はこういうイベントはなかったの。
優勝もそうだけど、
みなさんに歓迎されて嬉しいわ。
と言っている。


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授賞式が終わり、
早くも参加賞の
チョコレートの掴み取りのための
行列ができている。

お馴染みの光景だけど、
コンテストが終わるとほっとするね。
毎月やってると癖になるのよ。
などとアイスとルビーが話している。


a92

あれ、チョコもう残りわずかよ。

すぐ追加しますから。
と佳奈が言っている。



解説)
続きます。
Posted at 20:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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