Feb 06, 2025
町に帰る
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アイスとエレナは
フラハの家に向かっていた。
鏡の扉っていうのは、
レプテュリアンたちの転送装置みたいなものなのよ。
そう言われるとわかる気がするわ。
原理はワープ航法みたいなものね。
それはどうなんだか。
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フラハは留守のようだ。
不用心のようだけど、ここではいつものこと。
家には何もないから、猿が悪戯しに来るくらいね。
それにあの扉は呪文を唱えないと使えないの。
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二人は扉を抜けて、
魔術劇場にあらわれた。
アイスさん、今日は忙しそうですね。
と言われている。
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さらに扉を抜けて、二人はデジャの店内に。
アイスはヴィヴィアンに
リザードたちがホテルにやってきたことを
報告している。
私も泊まりに行ってみようかな。
シベールが相変わらず
あなたに会いたがっていたみたいだけど、
もし出会ったら気をつけてね。
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二人は店の階段を降りて、
一階のドアから広場に出てきた。
この景色と音楽、懐かしいわ。
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それになんだかいい匂い。
春節の期間中なので、
ラーメン屋台が出ているのよ。
食べていこうか。
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うーん。美味しい。
あなたは嗅覚や味覚も人間と同じなのね。
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今井舞がエレナの姿を見つけて
声をかけてきた。
エレナさんですよね。
また観光にいらっしゃったんですか。
舞さんね。そうなの。
前にお世話になったたまきに
また会いたくなって。
たまきなら、
ちょうどコンテストの参加賞の
チョコの掴み取りに来てますよ。
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ベーカリーの外の席で
チョコの掴み取りをしている
たまきとナオミの後ろ姿が見えた。
ぐわっし。というたまきの声が聞こえる。
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エレナはたまきたちと再会した。
あなたが去年のコンテストで優勝したのは
6月の初めだったから、8ヶ月ぶりくらいね。
チョコ食べる?
などと話している。
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アイス、今朝ホテルに出かけたばかりでしょう、
もう戻ってきたの?
ホテルの宿泊客を案内してるのよ。
宿泊客って、一緒にきたのはエレナじゃない?
去年コンテストで優勝した観光客。
そうみたいだけど、彼女は実は人間じゃなくて、
宇宙からの訪問者だったというわけ。
なんだかよくあるSF小説みたいな話ね。
解説)
続きます。
Jan 06, 2025
ちょっと昔を振り返る そのよん
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ジェニーたちの部屋は、
今日も夕暮れ時。
最近、毎日似ているような。
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しかし似ているようで、
今日は雨が降っている。
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これ美味しいわ。
たまきとナオミは
お土産の大きなレーズンを食べている。
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今日はパソコンのモニターを見ながら
文学青年がマウスを操作していた。
何みてるの?
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去年の出来事の記録を見ていたんだ。
それまでの年と一番違うのは、
生成AIで作った画像との合成が多いことじゃないかな。
すごくメタっぽいレベルの真面目な指摘をするのね。
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私が去年の1月に生成AIサイトで作った画像を載せて
口火を切ったのよ。とたまきが言った。
今年もその延長っていうこと?
随分遊んだみたいだから揺り戻しがあるかもね。
もう飽きちゃったっていうこと?
私まだそういう世界に行ってないから、
やめるのは私が行ってからにしてほしい。
行き詰まるときっとまた始めるよ。
などと、みんなで適当に今年の予測をしている。
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その頃、サラたちの部屋では、
メアリーの思い浮かべた雪国の宿の幻影が、
フミコの魔法で窓の外に広がっていた。
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雪国の露天温泉にはお猿さんたちも
入浴しにくるの。
ふーん。
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私ホテル・ナジャに泊まりに行くことにしたわ。
とサラが言った。
そろそろこの繰り返しパターンを
変えないと。
解説)
続きます。