Feb 08, 2025
またホテルに戻る
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アイスとエレナは、
鏡の扉を使ってフラハの家に戻ってきた。
やあフラハ。
おやまた初めてみるお連れさんだね。
宇宙から来たエレナさんっていうんだ。
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エレナさん、今日はこれからどうします?
ここには小さな集落があるのよね。
先住民の民芸品があるかしら。
美術品にはなんでも興味があるの。
集落の長のマークに聞いてみるといいかもしれないな。
あとはクラウド博士たちの家に行けば、
蒐集品がいくつかあるだろう。
クラウド博士もリンも、彼女の父親のハンスも
アフリカの遺跡の研究者で探検家だからね。
フラハ、じゃあエレナさんの案内を頼める?
私はもう一人の訪問者のノヴァっていう人のことが
ちょっと気になってるの。
いいよ、どうせ暇だし。
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美術品の鑑賞が済んだら、
エレナさんをホテルまで送ってきてね。
外泊は禁止になってるみたいなのよ。
ややこしいんだな。
変な取り決めでしょう。
でもそれがレプテュリアンたちの建前なの。
宇宙連合からの訪問客それぞれの
本当の来訪の意図までわからない。
だからなるべく行動を把握しておきたいのよ。
言い分はわかるけどね。
実際には宇宙からお構いなくやってくる者もいる。
私みたいに。と言ってエレナは笑った。
移動手段は、どうやって来るの?
レプテュリアンたちは、
ふつうは円盤で空中から地球観光をさせてくれるけど、
同乗した時に途中で乗り降りさせてもらう。
上に見つかれば規約違反で問題になるけど、
そこは、じゃの道に蛇よ。
自分たちの宇宙船を使ってる惑星人もいるけど、
それは流石にレアケースね。
結構ずさんなんだなー。
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アイスは、フラハたちと別れて、
ホテルに戻ってきた。
良いお天気で。
と言われている。
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ホテルの前では、
ピピがひっくり返っていた。
ど、どうしたの?
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やあ、アイス。
マリアさんに、
黒猫に変身してもらってたんだ。
変身するのみるの面白いねー。
ひっくり返って笑うほど
面白いかしら。
とマリアが言った。
ところでノヴァさん知らない?
今朝二人連れでホテルに来た人の一人。
さっき裏の広場の方にいたよ。
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アイスが広場に行くと、
ノヴァとカーミラが連れ立って歩いていた。
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散歩してたら、
こちらの方と知り合って。
とカーミラが言った。
宇宙から観光にいらっしゃっていて、
色々な惑星の精神文明に興味がおありとか。
朝方お目にかかりましたね。
僕はノヴァ。
カーミラさんは魔族の方なんですってね。
僕は、この星の魔族に以前から興味があって、
これまでも何度かこの星に来ているんですよ。
そーなの。
私はアイス。普通の人間です。
これからお茶でも飲みに行こうと思ってたところです。
よかったらご一緒しませんか。
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あれ、行き先はホテルの食堂じゃないのね。
宇宙ステーションへの転送装置が使えるって
リザードから聞いたので。
そこのエデンのドリンクが美味しいんですよ。
あの転送装置、ノヴァにも使わせているんだ。
結構管理がゆるゆるなのね。
というか、ノヴァは何度か地球に来たことがあるって
言っていた。
彼らの力関係が今ひとつよくわからないけど、
カーミラのガードのためにも一緒に行かなくちゃ。
とアイスは思っている。
解説)
続きます。
Jan 08, 2025
ちょっと動き始める そのに
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サラは大道芸人たちの歌を聴いている。
倖せ~ それは~ああ~
そこにいたこと~🎵
なんか懐かしい歌だわ。
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あ、サラ。リズの記念写真撮るんで、
悪いけどそこちょっと移動してくれない。
とボニーに声をかけられた。
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初七日すぎたし、そろそろ、
門松片付けちゃうそうなので。
急いで撮らないと。
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はいチーズ。
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サラはアイスに声をかけてみた。
ホテルねー。
ちょうど本部の少佐に呼ばれてるの。
残念だけど、また今度にするわ。
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サラは、いつもバー・デジャの
ガードマンをしているヨシフに
声をかけている。
あ、サラさん。
おめでとうございます。
どうぞお通りください。
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サラはデジャの常連客のアンジーや
バーテンのジョニーと
年始の挨拶を交わしている。
確か店の奥に
魔術劇場へ通じる鏡の扉があるはず。
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あらサラ。今年もよろしくね。
とヴィヴィアンが言った。
その格好、ホテル・ナジャに行くんでしょ。
私たちにも招待券という名前の割引券が送られてきて、
両親が泊まりに行ってるわ。
私はパス。どうも親子一緒だと、
気を使っちゃうから。
ドアはそこの隅よ。
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サラが鏡の扉を抜けると、
魔術劇場の室内だった。
尼僧姿のデュアンが切り花の手入れをしていた。
あ、サラさん。ハリーご夫妻は
アフリカのホテルに行ってらしてお留守なんです。
もしサラさんも、ホテルに行かれるのでしたら、
そこの扉です。フラハさんの家の裏庭に通じていますよ。
解説)
続きます。