Feb 12, 2025
地球に戻る
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アイスとノヴァとカーミラは
転送装置を使って地球に戻ってきた。
メイズ艦長って、
いつもあの福助みたいな格好してるの?
ええ。彼女は天使族出身なので、
あれで背中の羽根を保護してるっていう噂です。
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やっぱりこの空気がいい感じ。
不純な成分が混じっていますからね。
私は濾過装置を使っています。
などと話している。
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一行がホテルに向かっていると、
木陰にダックの姿が見えた。
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ダックさん、ジャングル観光楽しんでる?
ええ、ちょっとみんなで工作してたんです。
工作?面白そうね。
私も見にってもいいかしら?
どうぞどうぞ。
あ、私たちはホテルに戻るわ。
ハリーに顔見せてあげないと。
とカーミラが言った。
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一行はその場で別れて、
ダックとアイスはジャングルに分け入った。
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ダックはどんどん進んでいく。
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この星のジャングルは
見るものみんな珍しくてシュールですねえ。
そうなの?
まあ私にとっても似たようなものだけど。
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こんなところにも小川が流れてるのね。
すぐこの先ですよ。
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川沿いに円形の浴槽のような
仕切りが作られていた。
シーザーとピピと黒猫のマリアの姿が見える。
これを作っていたんですよ。
いかにも自然な雰囲気でしょう。
これは何?
露天温泉ですよ。
やあアイス。
この長方形の黒っぽい石の形をしているのが、
変換装置で、渓流を濾過して温水にしているんだ。
とピピが言った。
浄水器を兼ねたボイラーみたいなものらしいです。
とシーザーが言った。
解説)
続きます。
Jan 12, 2025
滝へ行く
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ダリオさんはどこにお住まいなの?
僕の家はここから、かなり離れた山の麓にあります。
徒歩だと半日くらいかかりますよ。
でも、アイスが家に鏡の扉を作ってくれたおかげで、
今では魔術劇場経由で簡単に行き来できるんです。
ふーん。アイスともお知り合いなのね。
みんなとどうやって知り合ったのかしら。
話せば長いんですがお話しましょう。
元々私は別世界に住む魔術師で、
魔法の扉を使ってこの世界に移り住んできたんですが、
人里離れたジャングルの奥地に家を建てて
一人で暮らしていたんです。
それが去年の夏の嵐の夜に、
マークと佳奈とジョーとエルザが、
私の家に避難してきたのが出会いのきっかけでした。
話を聞くと佳奈たちも魔法の扉を使って
マークの住む村に来たという。
この世界にも魔族がいるらしいことを知って、
興味を持った私がマークの住むこの村を訪ねて、
さらにあなたたちの暮らす町まで案内され、
アイスやモモコや魔子さんはじめ、
ハリー一家や魔族の方達を紹介されたというわけです。
もちろんサラさんのお宅にも伺って、
お世話になったのはご存知の通り。
なるほどね。
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その時、店にマークがやってきた。
やあダリオ。そちらはもしかしてサラさん?
そうだよ。こちらはマーク。
二人は初対面だったの?
多分ね。さっきフラハの家に寄ったら、
サラっていう人がホテルに来てるって言ってたから。
とマークは言った。
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マークさんって、この集落を開拓した方ね。
お噂はアイスや佳奈から沢山聞いてましたけど。
僕もお噂はかねがね。観光ですか。
ええ。
何もない村ですけど、
近場であまり危険じゃない場所なら、
滝が見どころかな。
これから行ってみますか。
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3人は滝を目指すことにした。
僕は元々この村の住民じゃないし、
その滝に行くのは初めてだよ。
とダリオが言った。
これまで観光で来る人なんて
ほとんどいなかったからね。
これから行く滝はね、
前に佳奈たちも案内したんだ。
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ここは渓流沿いのお宅なのね。
アーネストっていうお医者さんの
自宅兼診療所なんだよ。
この渓流に沿っていくんだ。
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マークが先導していく。
滑りやすいから気をつけて。
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なぜか初めて見る景色という気がしないわ。
使い回しじゃないの?
え。何か言った?
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もうこの先だよ。
とマークが言っている。
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サラたちが段差を登り切ると、
一筋の白い水流が音を立てて
滝壺に流れ落ちている様子が見えた。
解説)
続きます。