Feb 11, 2025

メイズとの会話など

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二人は回廊を歩いていた。

急な提案を受けてくれてありがとう。
あなたにはこの船にも
専用の個室を用意させてもらうから、
自由に使ってね。


a2

ここは会議室の一つ。
みんな酒場エデンに行っちゃうので、
ここを使うことは滅多にないけど。


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これは。
この船には地球オタクが多いから、
美術館や博物館のようなエリアもあるの。
もちろん地球から盗んできたものではなく、
全て精巧なレプリカよ。


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酒場エデンで映画を上映してたのは見た?
通りすがりにちらっと見ましたが。
地球人の映画の登場人物のコスプレをする連中もいる。
ふーん。


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文明の進化で平和と長寿を手に入れて、
平穏な日々をどう過ごすかという
テーマを抱えている惑星もある。
趣味や芸術の創作に没頭したり
仮想世界を構築して冒険したり
転生を楽しんだり。

もちろん彼らにしてもこの宇宙の謎を
全て解き明かしたわけじゃないから、
フロンティアとして宇宙を旅するものもいる。

そんな彼らにとって
異質な惑星文明との出会いは
色んな意味で刺激になるの。
あなたたちの星の観光に
人気があるのにもそれなりの理由がある。


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なるほどねー。
子供が積み木遊びでもしてるみたいに
見えるんでしょうか。

それはそれぞれでしょうね。
科学文明の進展の様子を見てるのも楽しいけど、
エレナみたいに芸術文化に興味を持つものもいる。
ルースのように自分たちの起源を
探索する目的で来るものもいれば、
シベールやノヴァのように
魔族の持つ精神的な力に興味を持つものもいる。

そういえば同じ地球人とは言っても、
人間と魔族は別種と言えるかもしれないわね。
数千年前に死んで魔法で蘇生した
フミコという魔族の女性が、
あなたに呪力を授けたって聞いたけど。

ええ。確かに。
ヴィヴィアンに蘇生の呪文を伝えた
お礼だって言ってましたけど、
なぜそこまでしてくれたのか謎なんです。

それは普通の人間だったあなたに、やはり
人間と魔族の調停者になって欲しかったんじゃ
ないかしら。

そうなんでしょうか?

なんとなくそんな気がするだけだけど。
あ、随分引き留めちゃったわね。
カーミラさんも一緒なんでしょう。
そろそろ地球に戻ったほうがいいかも。
きっと彼女の旦那様が心配してるわよ。


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アイスがバー・エデンに戻ると
入り口のカウンター席で飲んでいた
鶏そっくりの頭をした男が振り向いた。

お戻りですか。
先ほどはどうも。私はルース。
今あなたの話題で盛り上がってました。

そうなの?
私はアイス、どうぞよろしく。
情報が回るのが早いのね。

この船は地球オタクの巣窟みたいな
所ですからね。
あ、みなさんはまだ奥の席にいらっしゃいますよ。


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アイスは奥の席に向かう途中、
映画を上映している一画にさしかかり、
二人組のロボットに挨拶された。

アイスさんですね。
シーサンとアルニです。どうぞよろしく。

こちらこそ。
あなたたち、映画に出てくるロボットにそっくりね。
この宇宙に実在してたの?

地球オタクの映画ファンに作られたんですよ。
似てるのは外見だけです。
と二体のロボットは言った。
結構気に入ってます。
僕らは以前、地球にも行ったことあります。
事故で円盤が墜落して地球人に助けられたんです。
もう17年も前のことなんですけど。

ふーん。
その話、聞いたことがあるような気がする。
とアイスは言った。


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アイスはみんなのいる奥の席に戻ってきた。

艦長と話していて遅くなっちゃったわ。
そのようね。
こっちではもっぱら魔法の話で盛り上がってた。
カニの卵のような料理がとても美味しいの。
食べすぎると悪夢を見るわよ。

そろそろホテルに戻りますか。
ハリーが心配してるかも。
たぶんアイスが一緒だっていうことは、
ピピが知ってるし、そうでもないと思うけど、
やっぱりあんまり遅くなってもあれだしね。



解説l)
続きます。
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Jan 11, 2025

集落への散歩

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散歩してきたばかりのハリーたちに
負担をかけまいと、
サラは夫妻と別れてきたものの、
この辺のことはわからない。

とりあえずフロントにルームキーを預けて
出かけよう。
良い一日を。と言われている。


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ホテルを出ると、
ちょうど森から帰ってきたらしいシーザーと
ダリオに出会った。

二人とも去年のハロウィンの時に、
サラたちの部屋を訪れ、
シーザーには猿の惑星の着付けを、
ダリオにはアフリカの民族衣装の着付けをしたので、
サラとは顔見知りだった。


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サラさん、泊まりに来てくださったんですね。
そうなの。ホテルは順調みたいね。
これから散歩に行くんだけど、
このへんのこと全く知らないの。

ここはマークの集落の外れですからね。
集落までちょっとだけ離れていますよ。

ジャングルに迷い込むと危険です。
よかったら僕が集落まで案内しましょう。
とダリオが言った。


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良い1日を。
とシーザーが叫んでいる。

助かるわ。
ところで、ダリオさんはどうしてホテルへ?
ホテルに食品を卸すアルバイトを始めたんです。
ふーん。逞しいのね。
食品は向こうの世界から借りてくるんですよ。
それってずるくない?


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ここは知ってる。ホテルに来る時通ったわ。
フラハの家に抜ける道です。
道に見えないけど。


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フラハの家の前にでた。
会うと足止めされそうな予感がするから、
通り過ぎましょう。


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ここからは平坦な道が続きます。
集落の中心部までちょっとあるのね。


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いよいよ中心部ね。
この道がメインストリートです。


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ここはレストラン?
豹変亭っていう飲み屋を兼ねた食堂ですよ。


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一応集落に来る目的を達成したので、
二人は休憩していくことにした。

店の奥から出てきたアンドレアが、
いらっしゃいませー。
と言っている。



解説)
続きます。

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