Feb 23, 2025
サラたちとの出会い

ヴィヴィアンはノヴァと、
サラたちの部屋を訪問した。
珍しいわね。
と言われている。

はるか遠い星からのお客様よ。
こちらはノヴァさん。
魔族や魔法に興味をお持ちだというんで、
ぜひフミコに紹介したいと思って。

それはそれは、私がフミコです。
赤い帽子のひとはメアリー。
隣に座ってるのがサラ。
その横がジェイソン。
そっちの椅子に座ってるのがジェットよ。

ノヴァさんは、遠い星から来たって、
もしかして宇宙ステーションのこと、
ご存知ですか?とサラがたずねた。
知ってるどころか、
あそこは地球オタクのたまり場なので、
よく行きますよ。
昨日もアイスとカーミラさんをお連れして、
行ってきたばかりです。
私はカコに招かれて行ったんです。
じゃあカコもルースもご存知なのね。
宇宙ステーションの酒場にはリザードやシベール、
それにピピとダックもいたわ。
ルビーに会いたいっていう二人を町に案内したの。
みんなあの酒場エデンの常連みたいなものですよ。
その頃、私は月の地下都市ルナシティにいたから、
すれ違いだったんですね。
ルナシティで開催された、
レプテュリアンたちの合同会議を傍聴していて、
ホテル使用が解禁になったという決定を知り、
地球にはリザードとシベールに直接交渉して、
エレナと二人でルナシティから円盤で来たんです。
ホテルの宿泊客の一番乗りかと思ったんですが、
先客がいましたね。

ところで、話はかわりますが、
フミコさんは死後数千年で、
白骨化していた頭蓋骨から蘇生されたとか。
もともと魔族の人は不死なんですか。
人間の寿命に比べれば長寿ですけど、
不死ではありません。
私の場合は特別なんです。
私は病死したときの年齢を言ったら、
カーミラが、自分の方が年上だって言ってたわ。
お義母さんがそんなことを、
初めて聴いたわ。
とヴィヴィアンが言った。

昔は空から来る人たちと交流があったから、
リザードやシベールのように、
宇宙には魔族より長寿な生命体が
沢山いることは知っています。
ノヴァさんもそうなんでしょう。
みかけは人間そっくりにみえますけど。

驚かないでくださいよ。
これは世を忍ぶ仮の姿。
といいながらノヴァは
かつらを外してマスクを取った。

地球上で人間を観察するのに
いつも変装しているんです。
おや、驚かないんですね。

みなれてるからかな。
とサラは言った。
僕なんて本当の姿は骸骨標本なんですよ。
おとうさんは頭蓋骨だし。
とジェイソンが言った。
解説)
続きます。
Jan 23, 2025
バー・エデン

奥のいつもの席空いてる?
空いてますよ。
どうぞごゆっくり。

店内にはレプテュリアンたちがいる。
あれはリザードとシベールね。
知ってるの?
このお店の常連なの。

あれは。
店内であなたたちの星の映画を見てるのよ。
映画のコスプレをしてるマニアたちね。

さらに店の奥に進むと、
カコは、鶏頭の人に声をかけられた。
あ、カコさん、
おや。ルースは一緒じゃないんですか?

ルースはまだ惑星にいるわ。
私だけちょっと戻ってきたの。
それで鶏の調査はどうでした?
残念だけど、関係なさそうよ。
そうでしたか。
あ、ピピさん。
いいものあげる。
そういうとカコはテーブルの皿を手に取ると、
コートのポケットから取り出した
チョコパフを乗せて差し出した。
これホテルでもらったの。
あなたチョコが大好物でしょ。
ピピは喜んでいる。

二人は店の奥のテーブル席についた。
今のチョコパフは?
あなたがホテルでコートを置きに
部屋に戻って行ったとき、
ルースからわけてもらったの。
ホテルで朝食に出してくれたんだって。
そうだったの。
ねえ、この席から外が見えるけど、
あれ、森でしょう。とてもここが
宇宙ステーションの中とは思えないわ。

そこが良くて、
いつもこの席に座るのよ。
あれはホログラム。
宇宙空間で、
星ばかり見てるの飽きるでしょう。
あそこの席の人みたいに、
ひととき故郷の地上の風景を偲んだり。
まあ、楽しみ方はそれぞれだけどね。

ウェイターのレプテュリアンが
やってきた。
カコさん、
いつもの、おもちしました。
ありがと。

これは何?
私の故郷の星の深海で採れる
甲殻類の卵よ。
サラは一粒食べて
沈黙している。
解説)
続きます。