Jul 25, 2024

フィギアたちの村で

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ビールや食べ物が運ばれてきて、
3人の会話は盛り上がっている。

私たち、ここはドイツの片田舎の小さな村、
という認識だったの。
村を守備していたドイツ軍と、
進駐してきた私たち連合軍が争奪戦を
繰り広げていたというわけ。
でも人間の世界と関係ができて、
わかったことは、ここの風景が、
人間の世界のコピーだったこと。
ジャンっていう人が、
自分の庭に作ったジオラマの集落や、
周辺の自然がそっくりコピーされていたのよ。

ファンタジックな話だね。
ブラッドベリが好きそうな。
とマークが言った。


そればかりじゃない。
ジャンさんの庭で、ジャンさんたちが
フィギアを使っていろんな情景を
作ったり、情況を設定したりすると、
この村で似たようなことが起きて、
時にはその逆の場合もあって、二つの世界に
対応関係があるっていうこともわかった。

なんだかいつも通り、
ややこしくなってきたな。


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それって、迷いの森から
怪物がやってくる前のお話でしょう。
怪物をアイスさんが退治してくれてからは、
米軍とドイツ軍が協力し合うようになって、
この村は至って平和。
ジャンさんがご自分の家の庭で、
フィギアで戦争遊びをしても、この村で戦争は
起きなくなったっていう話よ。
と側で聞いていたクリスが言った。


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そうそう。
この村の住民も人間の世界に引っ越したりして、
パラレルだった二つの世界が融合した感じね。
とアイスが言った。

村人もだんだん少なくなって、
どうなるのかなあ。


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ブランカは隣のテーブルの同僚たちと
話している。

ぶ、物騒だなあ。
そんなの手に持って。

さっきまでこのルガーで、
ハンナと射撃訓練をしてたところなの。


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平和とはいえ、
いつ何時怪物が襲ってくるかもしれないからね。
パトロール行ってる?
今日はエルヴィンさんが出かけてる。
彼はジョーたちと人間たちの町に引っ越したけど、
今でも欠かさずパトロールには協力してくれているんだ。
流石にわがドイツ軍部隊の元リーダーだね。


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噂をしていると
エルヴィンを乗せたキューベルワーゲンが、
ビアガーデン前に停車した。


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やあ、アイスじゃないか。
珍しいな、君がこの村にくるなんて。
とエルヴィンが挨拶している。


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アイスはマークをエルヴィンに紹介して、
ここにきた事情もかいつまんで話した。

ふむ。
マークさんは、アフリカ戦線に従軍されていたのか。
私もアフリカでは随分と暴れたものだ。
どこかで遭遇してたかもしれないね。

もしあれが地続きの現実だったら、ですね。
エルヴィン・ロンメル将軍の武勇伝、
砂漠の狐の噂はよく聞きましたよ。

私は自分がフィギアの精霊で、
元になったのがそのロンメル将軍だと
知った時はショックだったな。
私にとってはこの世界の記憶が現実なんだから。

僕の元になったのはどんなフィギアなんだろう。
とマークが言った。

そのことだけどさマーク。
私、あなたの顔どこかでみた気がするって、
ずっと思ってたんだけど、
やっと思い出したわ。本の写真に載ってたのよ。
とアイスが言った。


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マークとエルザは驚いている。

その本、ジャンさんの家で見たのも思い出した。
これからジャンさんに会いに行こう。

人間の世界とこちらの世界との最初の接点は、
ジャンさんの家にある倉庫のドアだったの。
フィギア好きのジャンさんはキーパーソンね。
あの本持ってたんだから、
きっとマークのことを知ってるわよ。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 25, 2024

再び湖の洞窟へ

a1

ラッセルたち6人は、
途中の谷川で、見慣れぬマントヒヒもどきに
遭遇したりしながら。


a2

時間は省略するかのように流れ、
一行は湖の洞窟に到着した。

ここから降りるのが一苦労なのよね。
と言っている。


a3

一行はボートで往復して、
遺跡のある岸辺に上陸した。

これから探索を始めるんだけど、
範囲が広いから、二手に分かれようと思う。
ブラッドたちはボートで周辺の洞窟を
探索してくれないか。
天然のものに見えるけど、
中に遺跡が残されているかもしれない。
とラッセルが言っている。

祭壇のある遺跡はこのすぐ奥だ。
僕たちはリンとクラウドとマークが
昨日調べた場所から
さらに範囲を広げて探索する。
昼過ぎにいったん祭壇跡に集まって、
午後からの方針を決めよう。


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ということで、
ブラッドとアーネストとアンドレアは、
ボートで湖に漕ぎ出した。


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この湖は割と広いのね。
何か変わった生き物でも棲んでるのかしら。


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水へびもどきが、湖面を
気持ちよさそうに泳いでいた。


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一見洞窟風だけど、
奥は浅くてただの岩の窪み
という地形も多い。
一行は滝の洞窟の近くの
岸辺に上陸した。


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岸辺づたいに行ける
洞窟があった。


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うわ。これは。


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そこは蝙蝠のねぐらだった。

退散しよう。
とブラッドが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 20:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 25, 2024

梅雨入りまで そのに

a1

ペンギンをでたサラとメルティは
高台の休憩所に立ち寄った。

もう紫陽花の季節なのね。
と言っている。


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あら、さっきまで蕾だったのに。
とルルが言った。
二人はサラの頭の上のカエル王女に
注目している。


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紫陽花の花々が
豪勢に咲いている。


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局長からいただいた
フローラの草冠の効き目ね。
とサラは言った。


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その時、サラの頭の上に乗っていた
カエル王女がテーブルに
ぴょこんと飛び降りた。


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さらにカエル王女は紫陽花の花の上に
飛び乗った。

私ここが気に入りました。
と言っている。

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その頃広場には、
コフィが佳奈を訪ねて来ていた。


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コフィさん。
研修ではお世話になりました。
あれから私たち砂漠で嵐にあって
大変だったんですけど、
コフィさんは大丈夫でしたか?


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帰り道はサバンナ見物して快適だったわ。
また境界警備隊の任務に戻って
仕事続けてるけど、大抵暇だから、
たまには遊びに来てね。

そうそう、サバンナには、佳奈が言ってた
人懐っこくて負けず嫌いのライオンがいて、
記念写真を撮ったので見せにきたの。


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ほんとだ。
あの時のライオンだ。


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これ誰が撮影したんですか。
セルフタイマーよ。
人懐っこいので撮影慣れしてたみたい。

そうか。



解説)
それぞれが
それぞれの思い出を。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 25, 2024

春たけなわの日々 そのさん

a1

天候が回復したようで、
草木は光を浴びている。
モモコとナオミは部屋に帰ってきた。

みんな気分転換したのね。


a2

ミルフィーユも
気分転換してみたら?
どんな感じがいい?
うーん
健康的なのがいいなあ。


a3

ミルフィーユは
サラたちの部屋を訪ねることにした。
なんとなく無茶振りだなあ。


a4

その頃、ハーレーたちは、
道路の傍にバイクを停めて
パトルールの車両を待ちながら、
立ち話をしていた。

境界警備隊っていつ頃できたんですか?
地元で迷いの森って呼ばれていた
森林地帯で、失踪者が相次ぐので、
立ち入り禁止区域になって、
それから軍が調査に入ってからね。
調査隊が部隊毎消えたこともあって、
軍とCGが協力して監視のための
部隊が置かれたのよ。
3年前くらいかしら。
フェンスまで作られて随分物々しいんですね。
色々不可解なことがあるらしくてね。


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そこに境界警備隊のバギーが走ってきて、
急停車した。


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みんなに紹介したい新人がいて、
あなたたちが来るのを待ってたのよ。
とハーレーが言った。


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レイブンとコフィ、
ベレー帽かぶっているのが
リーダーのイメルダよ。
佳奈です、どうぞよろしく。
と佳奈は言った。


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あなた、CGのこと知ってる?
とレイブンが言った。

いえ、地球の平和を維持するための
国際的な秘密組織というくらいしか。
そうか、秘密だから無理ないわね。
どんな組織なんですか。
それが秘密なのよ。
新人を混乱させてはダメよ。
とハーレーが言っている。


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マヤ、こんなところで珍しいわね。

このところずっと出歩かなかったから、
久しぶりに郊外まで散歩に出て、
ついでに詰所に立ち寄ったら、
みんな出払ってたので帰る途中だったの。
そしたらハーレーたちに出会って。

なるほど。
そういえば、野菜運んでるの見たって聞いたけど。
ああ。あれはね。
暇だからたまに農家の手伝いしてるのよ。

そうなの。
お互い暇だからねー。
とイメルダは言った。


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その頃、サラたちの部屋では。

こんな感じだけどどうかしら。
ありがと。嬉しいわ。
すごく健康的で気分転換になります。
とミルフィーユが喜んでいる。



解説)
今回もあまり脈絡なく
時が過ぎていくのでした。
Posted at 20:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 25, 2024

春の誘い そのに

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ストーブが撤去されて、
ざっと掃除も済ませたサラたちの部屋では、
みんなでコーヒーを飲んでいた。
すっきりしたわねー。
と言っている。


a2

そこに局長とサルバドールが
訪ねてきた。
お久しぶりー。
と歓迎されている。


a3

ほぼ一年ぶりだね。
意外な取り合わせ。
二人はお知り合いだったんですか。
この町に来る途中で。
などと言っている。


a4

この草冠、
あなたへのお土産よ。
と局長が言った。


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サラは喜んでいる。
この草冠って。
春の花の女神フローラの草冠っていうのは、
幸運を呼ぶって言われているの。

聞いたことないけど、
よかったですねー。
とジェイソンが言っている。


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ところでみなさん、
トマソンっていう人知りませんか。
路上アーティストなんですけど。
とサルバドールが言った。


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彼の名前ならみんな知ってますよ。
この新聞にも彼の作品を紹介した
連載記事が載っているくらいです。
とメアリー=ケイトが言った。


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サルバドールは、さっそく
デイリープラネットの記事を読んでいる。

ふむふむ。やはり才能を開花させておるようだ。
彼の作品はどこで見られるんでしょう。


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とつぜん路上や広場に設置されるみたいだけど、
通行の邪魔になるのですぐ撤去されちゃうみたいです。
この町だとゴミに出されるか、
ドルフィンの倉庫に保管されるのかな。
なんと。


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それはともかく、
肉まんのお店に行きましょうよ。
と局長が言っている。


解説)
しばらく二人の動きが
注目されるようです。
Posted at 20:24 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 25, 2024

春を待つ日々 そのなな

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サラが佳奈と連れ立って
広場にやってきた。


a2

まだ寒いけど、
「春一番」のBGMがあると気分が弾むわね。
かなは、大安売りの
バナナの山を見つけたようだ。


a3

じゃあ一箱分お買い上げですね。
あとでビストロにお届けします。
とヘルミーネが言っている。


a4

かなは、早速試食させてもらっている。

あら、アルさん。お久しぶり。
やあサラ。
バナナ買ったんですか。
うん。ビストロで使いたいんだけど、
どんなふうに調理しようか
考えてるんだ。


a5

バナナブレッドのプディングがいいわよ。
それ美味しいの?
かなが、アルに挨拶した。
え、君は。
この前、探偵事務所で。
あああの時の学生さん。


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アンナと舞は運動着に着替えていた。
やっぱり健康が第一ね。

アンナさん。
とすずが言っている。


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私たちもトランクスに履き替えたの。
アンナさんと一緒だね。
と言っている。


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ルビーはリタと話している。
倉庫にあった古い水差し借りていくって、
ヴィヴィアンが言ってたわよ。
あの金属製の重いやつですね。
なんに使うんでしよう。


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デジャでは、
ヴィヴィアンがバルに呪文を伝授していた。
水の精霊なら、
自分で変身できる力があるはずよ。


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バルが立ち上がって
教えてもらった呪文を唱えると。
薄い煙が立ち上って。


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バルはどんどん小さくなっていった。
やっぱりね。予想通り。
お前いつ、そんな
呪文を覚えたんだ?
とハリーに言われている。


a93

バケツの中ですっかり水の姿に戻ったバルを、
ヴィヴィアンは水差しに注ぎ入れた。
これがあなたの借りのおうち。
これからは好きな時に呪文を唱えて
人間になればいい。

間違って飲まないでくださいね。
とバルが言っている。



解説)
あれこれと
いつも通りの思いつきで
時が流れています。
Posted at 20:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jan 25, 2024

図書館のリニューアル

a1

ジェニーたちの部屋では、
ジェニーフレンドを呼ぼう、という、
キサラの提案で声がかけられ、
旧友たちが来訪し始めていた。


a2

オリーブ。
再会できて嬉しいわ。
久しぶりだねー。
18年ぶりくらいかなあ。



a3

僕は図書館まで出かけてくるよ。
と文学青年が言っている。

デジャに寄って、ヴィヴィアンに
借りてた魔法の本も返してくるから、
帰りはちょっと遅くなる。


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ああ、図書館。1年八ヶ月ぶりに、
改良工事が終わって、
リニューアルオープンしたのね。
今度私も行かなきゃ。
と読書好きのナオミが言った。

部屋のスペース空けるために、
気遣ってくれるなんて感謝するわ。
さすが文学青年ね。
とキサラが言った。


a5

今日は冷え込んで快晴だ。
図書館までは徒歩で10分くらい。
とはいえ踏切を二つ越えていく。


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図書館の外観は変わらなかったが、
館内にエレベーターが敷設されたり、
新刊書コーナーが拡張されたりしていた。
電子書籍が借りられる
電子図書館サービスも始まったという。


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図書館からの帰り道。
玉川上水にかかる小さな橋を渡る。


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近所の小さなお稲荷さんの前を
通りがかったところ、
短い参道で箒を手にした駒井魔子に出会った。

おや。お散歩ですか。
と聞かれている。


a9

早いものですね。
一昨年の2月の15日。
あの日、ここで私が掃除中に、
あなたが貴理子さんとお見えになられて。

ああ、あれがあなたとの初対面でしたか。
あの時も僕は図書館に行く途中だったんです。
改装工事が始まる前のこと。
もうそんなに経つんですね。



解説)
今日はリニューアルした図書館に、
行ってみたので、撮影も便乗して。
途中でデジカメの電池が切れたので、
図書館の建物の写った画像だけ、過去のものを
加工して使いまわしています。
Posted at 20:34 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
July 2024
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