Jul 13, 2024

新たな出会いなど

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喫茶ペンギンの前で、
バグとミラが話している。
はるなが今日のサービスはバナナです。
と言っている。


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今度の波動はすごかったね。
発信源はこのすぐ近くだよ。あんな強力なの、
これまで体感したことがなかった。

この近くっていうことは、
魔族のハリー一家が怪しいわね。

使われたのは前のと同じタイプの蘇生の呪文だ。

情報管理部に戻って、
詳細を確かめてこようか。


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でも報告あげても、
局長動くかなあ。
あ、このバナナ甘くておいしいね。
なんだか癖になりそう。


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友達の佳奈から、
さっき旅行のお土産にもらったんです。
佳奈はアフリカに行ってたんですよ。
とはるなは嬉しそうに言った。


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その頃、魔術劇場に招かれたフミコは、
ハリーに面会していた。

おや、これは新しいお客人かな。
フミコって言います。


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アイスは知ってるわよね。
うん。顔馴染みだよ。
フミコはね。大昔にアフリカで生きていた魔族の人、
私が魔法を使って頭蓋骨から蘇生したのよ。

なんとお前、あの蘇生の呪文を唱えたのか。

正確には古代の魔族が使っていた呪文だけどね。
アフリカで栄えていた古代の魔族っていうと、
お父さんのご先祖かもしれないわよね。

ふむ。魔族と言っても色々だからね。
アフリカに魔族たちの都があったという話は聞いているが、
それ以前に、すでに魔族は世界に分散していた。

よくご存知ですね。
おっしゃる通りですわ。
私たちの都の歴史は、
魔族全体の歴史のごく一部なのです。
とフミコは言った。


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その頃、マンゴー亭では、
ルビーたちが話していた。

それでラッセル、
これからどうするの。


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あそこの遺跡調査はほぼ終わり、
副葬品が入手できれば希少で学術的な価値もあるが、
なにせ所有者が蘇っちゃったからね。
遺跡の存在もとても公表するわけにいかない。
最終的にはクラウドたちと相談して決めることだけど。
僕はまたどこか別の秘境を探すよ。


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いくつになっても探検をやめないで、
新たなロマンを求め続けるあなたらしいわね。
それでさっき話していた大きな鳥の羽根の話は?

うん、巨大な鳥の発見にはロマンがあるんだが、
もし魔法や魔族が絡んでいるとすると、
僕の求めるロマンとはちょっと違うんだなあ。


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私は一人でも出かけて行って、
マークと一緒にその鳥を探したい。
せっかく友達になれたんだし。
でもマークの集落まではあまりにも遠いのよね。
と佳奈は言った。



解説)
続きます。
Posted at 21:09 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 13, 2024

午後の打ち合わせ

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午後になり、クラウドの家では
全員集合して遺跡調査の
すごく長い打ち合わせが始まった。


みなさん。
明朝から遺跡調査に出かけます。
初めて参加された人もいるので、
これまでの調査の経緯と、
わかっていることなどをお話しします。

これまでにこの集落の割と近くの谷に
三つの遺跡があることが確認されており、
私クラウドとラッセル、ブラッドの3人で
1回目の調査を行なっています。
一つの遺跡は古代の集落跡。
一つは川沿いの洞窟にある古代の建造物、
一つは山沿いにある建造物です。
前回の調査では、
いずれも場所だけ特定できたということで、
本格的な調査は今回が初めてと言っていいでしょう。

元々私とリンが現地に伝わる古い伝承を元に、
この地域の調査を始めたのがきっかけでした。
伝承によると森の谷の奥に豊かな都があり、
そこは彼らの魔法で守られていたというのです。

魔術師のフラハが魔族が暮らしてたと言ってたわ。
とアイスが言った。

それも一つの伝承ね。
伝承はいろんな部族に伝わる神話や伝説の中に
さまざまな表現で断片的に残されていたの。
それを何人もの異なる部族の長老から聞き取って、
総合してみた結果、あの谷の集落跡の位置が特定できたのよ。
とリンが言った。

言い伝えには地底の国というのもあった。
伝承を読み解くと、発見された三つの場所は
地底で結ばれていたという話も出てくるんだ。

ロマンだね。
とラッセルが言った。

トカゲの顔をした地下に住む人と
仲良くしてたっていう伝説もあるわ。

それでともかく、今回の調査の目的の一つは、
地下への入り口を見つけること。
それで初日から3班に分けて、
三箇所の遺跡の調査を同時に行うことにしました。
どこかで入り口が見つかれば、
翌日からそこを中心に集中探索を行います。

翌日って、向こうで泊まるんですか。
その谷までは割と近いんでしょう。
毎日往復すれば?と佳奈が言った。


距離は近いとはいえ、ジャングルで
急斜面で険しいんですよ。
猛獣や毒蜘蛛や毒蛇や
グリーンマンもいて危険も多いですから。
とクラウドが言った。

期待してはいないんだけど、財宝がある可能性は?
とブラッドが言った。
ないとは言えないな。だとすると、
守護神みたいなのがいて守ってる可能性もある。
グリーンマンって、もしかして
遺跡全体を守ってるんじゃないですか?と佳奈が言った。
人間が噛まれると大変なことになるって、
アーネスト先生が言ってたわ。

アーネストに会ったのか。
たしかに彼なら治療法を研究している。
これから僕が行って、
調査に参加してくれるように頼んでみるよ。
とマークが言った。
さすがこの集落のリーダー。そうしてくれると嬉しいわ。
調査には危険が伴うから、私たちからは言いにくかったのよ。
とリンが言った。
私も付き合うわ。そのアーネストっていう人、
知らないの私だけみたいだし、
調査に出かける前に会っておきたいの。
とアイスが言った。


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かなり長い打ち合わせが終わったようだ。

アイスたち出かけちゃった。
私たちもコーヒーでも飲みに行かない?
美味しいお店があるのよ。
夜は酒場だけど、昼間はコーヒーも出してるの。
とリンが言っている。


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あの門がクラウド家への目印なのね。
覚えやすいでしょう。


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ここなの。豹変亭っていうのよ。
面白い名前ね。
アンドレアがいらっしゃいと言っている。


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いい感じのお店でしょう。
最近できたのよ。
そーね。
さて、いよいよ明日から遺跡調査に出発か。


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店は昼過ぎから結構賑わっていた。


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リンはよくくる客だけど、
連れの子は誰かな。
昨日到着した調査隊のメンバーらしいよ。
遺跡の調査が始まるんだって。
遺跡といえば財宝ね。
ジゾックスを再興するために
私たちも財宝を探しに行こうか。


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医師のアーネストの家を訪ねて、
遺跡調査への参加を承諾してもらったマークたちが、
アーネストと店の前で立ち話している。

君がOKしてくれて助かったよ。
今日も暑いしアーネストとアイスとは初対面だし
軽くビールでも飲まないか。
いいね。


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3人は店にリンと佳奈が来ていたことを知って
同席することにした。
ビールを運んできたアンドレアが
昨年捕まえ損なったジゾックスの団員だったことに、
アイスは気が付いていない。

ところでさ、チームは3つのグループに分かれて
遺跡調査をするんでしょう。
今の参加メンバーだと、総勢8名で、
1つのグループは二人になっちゃうよ。
誰かもう一人参加して貰えば?
と佳奈が言った。

確かにそうだけど、危険が伴うからなあ。
とマークが言った。
おいおい、僕を勧誘したばかりだろう。
とアーネストが言った。
君はプロだから特別なんだよ。


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やっぱりあの女は昨日見かけたCGのアイスだった。
でも私のことに気がついていないみたいだった。
あなたはただの団員だから顔も名前も覚えられてないのよ。
なんてことでしょう。

そうそう、調査隊のメンバーを
1名募るみたいな話をしていたわ。
それはちょうどいい。
あなたが応募していってらっしゃい。
え、私が?

アイスに復讐したいんでしょう。
チャンスがあるかも。
それと財宝を見つけたら、しっかり持ち帰ってね。
とローズが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

May 13, 2024

その後の池で そのさん

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一行は扉のある休憩場所まで
帰って来た。


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舟に乗ったり泳いだり楽しかった。
バルさんも戻って来られて良かったわ。
随分ここで過ごしちゃった。
そろそろ帰らないと。


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君はやがて一人前の夢食いになるんだろう。
メルティのこの夢は私たちが守っているんだ。
残念だけど共存はできないな。
とシュレディンガーが言っている。


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これからどうするの?
迷いの森のお父さんのところに
戻ればいいのに。
とメルティが言った。

僕は自立するんです。
これからはカエル王子と呼んでください。
とりあえず旅立とうと思います。

ヴィヴィアンならきっと
魔法で人間の姿にしてくれるよ。
たぶんカエル人間みたいになるけど。

それは避けたいなあ。
僕はいろんな池を訪れて、
安住の池を生み出すことのできる、
立派な夢食いカエルになるまで
修行をするつもりです。


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サラさん。
あなたは命の恩人です。
僕の大事な雨傘を差し上げましょう。


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いただいちゃって
いいのかしら。


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やがてメルティたちは、
魔術劇場に戻ってきた。

おや、おかえりなさい。
バルも戻ったのね。


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早速大きくしてあげる。
と言ってヴィヴィアンは
呪文を唱え始めた。


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薄い煙が立ち上り始めた時、
カエル王子は素早く
テーブルの上に飛び移って、


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絵画に描かれた
水の中に吸い込まれていった。

さようならみなさん。
また会う日まで。
と言っている。


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今のはなんだったの?
ま、いいか。
とヴィヴィアンが言った。

3人の姿は大きくなっている。


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サラ、
その手に持っているのはなあに?

これね。
カエル王子にもらったの。
持ってると明日の天気がわかるんだって。



解説)
今月初めから始まった
メルティの世界の冒険エピソードは
ひとまず完結です。

エピソードに出てきた
背景のジャングルや滝や廃屋、
水中の風景などは、
生成AIで制作した画像を
合成しました。
Posted at 20:24 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 13, 2024

ジェーンの世界 そのさん

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デジャを訪れたメルティは、
ヴィヴィアンとハリーとの話を続けていた。

眠り続けてるっていうトマソンさんのことを話すとね。
とヴィヴィアンがメルティに言っている。


a2

あなたはサルバドールのことを覚えているでしょう。
忘れもしません。
去年の4月19日、私の夢に入り込んできて
シュレディンガーと対決した夢魔でしょう。

トマソンさんには、そのサルバドールが憑依しているのよ。
トマソンさんが眠り続けているっていうことは、
夢を見続けているっていうこと。
サルバドールが何か知ってるに違いないわ。

でもサルバドールさんは、
あれから迷いの森に帰ったはずですよね。

あなたは知らないかも知らないけど、
先月、町に戻ってきたのよ。


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サルバドールは、トマソン氏と迷いの森で知り合い、
彼の芸術家としての才能に惹かれて、
自分でも入り込めない特異な異世界に
トマソン氏の夢を導いたらしいんだ。
その世界でトマソン氏がインスピレーションを得て、
制作したオブジェの実物を、自分の目で確認するために
この町にやってきたという話だよ。


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サルバドールなら、今ベランダにいますよ。
と、広場を眺めていたゼロが言った。


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ガラス戸越しに見る広場は
相変わらず賑わっていた。


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子供達とアベルが
ローラースケートやスケートボードで遊んでいる。


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奈々子のヴァイオリンの音色に
みんな聴き入っている。

この技巧、パガニーニも真っ青だ。
と誰かが言った。


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ベランダでもサルバドールが
深刻そうな顔で
ヴァイオリンの音色に聴き入っていた。


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そこにメルティがやってきた。
サルバドールさん、お久しぶり。

あ、ちょっと待って。
今いいところだから。
とサルバドールが言った。



解説)
鈴木すずの乗っている
スケートボード(キーホルダー)は
ダイソーで購入しました。
Posted at 21:58 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 13, 2024

早春のしらべ

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今日も天気がいいね。
みんなまだペンギンにいるんでしょう?
きっとコーヒー飲んでるわ。


a2

私会いに行ってくる。
とたまきが言った。
全員は無理だけど、まだジェニーや
ナオミに会ってない子を連れてくるよ。


a3

ということで、
たまきとオリーブは、
ペンギンに出かけた。


a4

ハローみなさん。
とたまきが言っている。


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みんなオシャレな服着てるのね。
広場のベーカリーで、
毎月コスプレコンテストやってるの知ってる?
参加するだけで、発表の後に参加賞のチョコレートが
もらえるのよ。それも掴み取りで。

見た見た、とリエたちが言った。
トマソンっていう人がトロフィもらってたわ。


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それ私たちも参加できるの?
これってコスプレじゃないよ。
などと言っている。

もちろんなんでもOKなのよ。
すごくいい加減、じゃなかった
新しい参加者が少ないこともあって、
普通に服着てれば誰でも参加できるの。


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あっという間に
みんな広場に出かけて行った。
リズがテーブルを拭いている。

コーヒー飲みますか?
うん。あ、リエとリナとティモテに
声かけるの忘れちゃった。
とたまきが言っている。


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広場のマンゴー亭では
シェリー博士とレイチェルが研究所に帰った後も
バルとツナが話していた。


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未来の世界にもさ、
地形を変えて森を生成する精霊みたい存在が、
やってきて住み着いているんだけど、
知ってるかな。ミズハっていうんだ。


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ミズハなら迷いの森に住んでいますよ。
絶えず迷いの森の地形を変えているのは
彼女たちの働きです。
彼女がそんなことをする未来もあるんですね。

えー。未来って一つじゃないの?
あ、一つだと思っていて、いいんですよ。


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あら、ジェニーのお友達が大勢
広場に来たみたい。
また忙しくなりそう。
とアンナが言った。



解説)
春へと少しずつ。
Posted at 20:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 13, 2024

春節 そのよん

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時はわずかに過ぎて。


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ローレンスは、
ケースから楽器を取り出している。


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丹下健太は
ガルーダの被り物を装着して、
踊りの準備をしている。


a4

大道芸人たちの
歌と演奏は続いていた。

キャサリンは
アコーディオンを弾くうたを声援している。


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レオさんのテナーが最高。
とアシュレイは思っている。


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屋台では黙々とラーメンが
食べ続けられていた。


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すずは、アンナに頼んで
おもちゃを動かしてもらった。
おもちゃの人形は体操選手のように
回転している。

すごいすごい。
どうやって動いてるの。
ゴム紐の原理だよ。


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ベランダでは、
フローラたちがペンギンに
出かけようとしていたところに
バービーたちがやってきた。


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あら珍しい。
ジェニーフレンドの皆さんね。
私もバービーの皆さんを
まじかで見るのは久しぶり。
とミルフィーユが言っている。


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私たちみんなこんなに可愛いのに、
どうして出番が少ないのかしら。
とBBが言った。
なぜなんでしょう。
考えたこともなかった。
リアルさを探求しているのかも。
などと言い合っている。


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マンゴー亭には、
農家の岸芳樹が料理用の食材を運んできていた。
春節はお店大忙しですね。
これってすごくリアルな情景の気がするわ。



a93

兵士たちの歓談は続いていた。

それですれ違いざまに、その人の
つぶやきが聞こえてきて。
「…人間が羨ましくて仕方がないんだ」
って聞こえたんです。

気になって振り返ったら、
もう誰もいなかった。
それって怖いね。

あ、トランペットの音色が聞こえますよ。
何か始まるのかな。



解説)
今回は前回の少し後の
情景スナップでした。
Posted at 20:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jan 13, 2024

かなの自由研究 そのに

b1

あなた自由研究で
個別訪問してるんでしょう。
よかったらジェニーに連絡しとくわよ。
とほろ酔いのエリスが言ってくれたので。


b2

かなはジェニーたちの家にやってきた。


b3

かなさんはサラの後輩なんだって?
そうなんです。美術部で。
早速ですが。


b4

私の名前はジェニー。
ミュージカル「ジェニー」のヒロインの
名前から名付けたって、
タカラっていう人から聞いたわ。

私の名前のたまきも、
タカラっていう人がつけたらしい。
苗字はみんな知らないけど
木俣っていうのよ。回文へのこだわり。


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私はナオミ。
私の名前もタカラっていう人が名付け親。

この人はみんなに文学青年って、
呼ばれているけど、
本名は聞いたことなかったわね。
それでいいんです。


b6

あれ。
この絵、かなさんが描いたの?
あ。そうなんですよ。


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この絵を元に、
生成AIにイラストを描いてもらいましょう。
たまきはね。
最近、ネットの生成AI画像ジェネレーターで、
遊んでばかりいるのよ。


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この絵をデジカメ写真に撮って、
パソコンに取り込んで、
ファイルをアプリにアップロードするだけ。
いろんな画風を選べるんだけど、
「ピンクのバーニー」
っていうのを、試してみましよう。


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あっという間に出来上がったようだ。


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これはこれは。
丸い体の輪郭と、細い腕の形から、
雪だるまを連想したのかな。
確かにピンクものを身につけているね。


b92

これは今ののバリエーションね。
一度に3枚できるんだけど。
その一つ。
もう、こういう時代なんですね。
イラストレーターになるの、
諦めた方がいいかなあ。
とかなが言っている。


b93

かなさん。お餅焼けてるけど、
善哉食べませんか?
と言っている。


解説)

写真画像からイラストに変換するのに
使った画像生成AIアプリは、
Seaartでした。
Posted at 20:50 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
July 2024
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