Jun 13, 2024

午後の打ち合わせ

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午後になり、クラウドの家では
全員集合して遺跡調査の
すごく長い打ち合わせが始まった。


みなさん。
明朝から遺跡調査に出かけます。
初めて参加された人もいるので、
これまでの調査の経緯と、
わかっていることなどをお話しします。

これまでにこの集落の割と近くの谷に
三つの遺跡があることが確認されており、
私クラウドとラッセル、ブラッドの3人で
1回目の調査を行なっています。
一つの遺跡は古代の集落跡。
一つは川沿いの洞窟にある古代の建造物、
一つは山沿いにある建造物です。
前回の調査では、
いずれも場所だけ特定できたということで、
本格的な調査は今回が初めてと言っていいでしょう。

元々私とリンが現地に伝わる古い伝承を元に、
この地域の調査を始めたのがきっかけでした。
伝承によると森の谷の奥に豊かな都があり、
そこは彼らの魔法で守られていたというのです。

魔術師のフラハが魔族が暮らしてたと言ってたわ。
とアイスが言った。

それも一つの伝承ね。
伝承はいろんな部族に伝わる神話や伝説の中に
さまざまな表現で断片的に残されていたの。
それを何人もの異なる部族の長老から聞き取って、
総合してみた結果、あの谷の集落跡の位置が特定できたのよ。
とリンが言った。

言い伝えには地底の国というのもあった。
伝承を読み解くと、発見された三つの場所は
地底で結ばれていたという話も出てくるんだ。

ロマンだね。
とラッセルが言った。

トカゲの顔をした地下に住む人と
仲良くしてたっていう伝説もあるわ。

それでともかく、今回の調査の目的の一つは、
地下への入り口を見つけること。
それで初日から3班に分けて、
三箇所の遺跡の調査を同時に行うことにしました。
どこかで入り口が見つかれば、
翌日からそこを中心に集中探索を行います。

翌日って、向こうで泊まるんですか。
その谷までは割と近いんでしょう。
毎日往復すれば?と佳奈が言った。


距離は近いとはいえ、ジャングルで
急斜面で険しいんですよ。
猛獣や毒蜘蛛や毒蛇や
グリーンマンもいて危険も多いですから。
とクラウドが言った。

期待してはいないんだけど、財宝がある可能性は?
とブラッドが言った。
ないとは言えないな。だとすると、
守護神みたいなのがいて守ってる可能性もある。
グリーンマンって、もしかして
遺跡全体を守ってるんじゃないですか?と佳奈が言った。
人間が噛まれると大変なことになるって、
アーネスト先生が言ってたわ。

アーネストに会ったのか。
たしかに彼なら治療法を研究している。
これから僕が行って、
調査に参加してくれるように頼んでみるよ。
とマークが言った。
さすがこの集落のリーダー。そうしてくれると嬉しいわ。
調査には危険が伴うから、私たちからは言いにくかったのよ。
とリンが言った。
私も付き合うわ。そのアーネストっていう人、
知らないの私だけみたいだし、
調査に出かける前に会っておきたいの。
とアイスが言った。


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かなり長い打ち合わせが終わったようだ。

アイスたち出かけちゃった。
私たちもコーヒーでも飲みに行かない?
美味しいお店があるのよ。
夜は酒場だけど、昼間はコーヒーも出してるの。
とリンが言っている。


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あの門がクラウド家への目印なのね。
覚えやすいでしょう。


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ここなの。豹変亭っていうのよ。
面白い名前ね。
アンドレアがいらっしゃいと言っている。


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いい感じのお店でしょう。
最近できたのよ。
そーね。
さて、いよいよ明日から遺跡調査に出発か。


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店は昼過ぎから結構賑わっていた。


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リンはよくくる客だけど、
連れの子は誰かな。
昨日到着した調査隊のメンバーらしいよ。
遺跡の調査が始まるんだって。
遺跡といえば財宝ね。
ジゾックスを再興するために
私たちも財宝を探しに行こうか。


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医師のアーネストの家を訪ねて、
遺跡調査への参加を承諾してもらったマークたちが、
アーネストと店の前で立ち話している。

君がOKしてくれて助かったよ。
今日も暑いしアーネストとアイスとは初対面だし
軽くビールでも飲まないか。
いいね。


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3人は店にリンと佳奈が来ていたことを知って
同席することにした。
ビールを運んできたアンドレアが
昨年捕まえ損なったジゾックスの団員だったことに、
アイスは気が付いていない。

ところでさ、チームは3つのグループに分かれて
遺跡調査をするんでしょう。
今の参加メンバーだと、総勢8名で、
1つのグループは二人になっちゃうよ。
誰かもう一人参加して貰えば?
と佳奈が言った。

確かにそうだけど、危険が伴うからなあ。
とマークが言った。
おいおい、僕を勧誘したばかりだろう。
とアーネストが言った。
君はプロだから特別なんだよ。


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やっぱりあの女は昨日見かけたCGのアイスだった。
でも私のことに気がついていないみたいだった。
あなたはただの団員だから顔も名前も覚えられてないのよ。
なんてことでしょう。

そうそう、調査隊のメンバーを
1名募るみたいな話をしていたわ。
それはちょうどいい。
あなたが応募していってらっしゃい。
え、私が?

アイスに復讐したいんでしょう。
チャンスがあるかも。
それと財宝を見つけたら、しっかり持ち帰ってね。
とローズが言っている。



解説)
続きます。
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