Jul 17, 2024
フミコの帰郷 そのさん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a1.jpg)
これでみんな見て回ったわ。
あとは地底の都の跡ね。
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二人は前にアイスがリザードと会話した
廃墟の一室に出た。
ここに出られるんだ。
彼らの月の扉を使ったの?
そうなの。
ここに来るためにリザードたちが
使っていた扉があったのを思い出したの。
今唱えたのは彼らの呪文よ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a3.jpg)
二人は回廊を歩いていく。
こんなふうに普通に呼吸できる空間を
少しずつ広げていく計画だったんだけど、
ここは私が死ぬ前とあまり変わっていない。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a4.jpg)
あそこから外の様子を
見られるはず。
とフミコは言った。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a5.jpg)
これを映し出しているのは、
私たちの魔法じゃなくて
リザードたちの技術。
彼らは水中が苦手だから。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a6.jpg)
すっかり水草に覆われているけど、
華やかな都だったのよ。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a7.jpg)
あ、マービーだ。
とアイスが言った。
マービーって、あの生き物のこと?
ええ。マービーはグリーンマンみたいに、
ここで誕生した変異種じゃないかって、
リザードが言っていたわ。
マービーが生まれたのは、
あなたが亡くなって後のことだって。
でもいつもここで何をしてるのか、
リザードもよく知らないって言ってたわよ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a8.jpg)
ここでは都の一部を再興するために、
リザードたちと協力して
魔法を相当使ったから、そのせいで
生まれたんでしょうね。
誰かが住んでくれれば嬉しいわ。
とフミコは言った。
マービーは姿を見られていることに
気が付かずに遠ざかっていった。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240717202312.files/a9.jpg)
水底にはマービーがゴルゴーって呼んでた
タコと魚のキメラみたいな
生き物もいたわよ。
ふーん。
長い歳月の間に私の知らないことが
色々と起きていたのね。
ジャングルには、
リンリンやシーザーっていう、
知能が進化した動物たちも生まれているの。
解説)
続きます。
Jun 17, 2024
クラウドたちのチーム
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a1.jpg)
クラウドとマーク、リンは、
古代遺跡の集落跡から程近い、
渓流沿いに進んでいた。
前回のこの川沿いの遺跡の調査には
マークとリンもサポート役で同行したので、
3人とも道筋は知っている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a2.jpg)
あれはサイ?
水牛みたいにも見えるなあ。
このあたりには奇妙な動物がいるんだよ。
突然変異種が多いと言うのか。
伝承によると、土地にかけられた
魔法のせいだって。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a3.jpg)
歩きにくいけど、
密林を切り払っていくよりマシだね。
迷うこともないし。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a4.jpg)
これは新種のワニ?
ワニのつもりのトカゲでしょう。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a5.jpg)
あの古い橋が目印だ。
とクラウドが言って、
右手の茂みに分け入っていく。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a6.jpg)
一行は橋を渡っていく。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a7.jpg)
ここから少し登りだけど、
もうすぐ着くはずだね。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a8.jpg)
やや見晴らしのいいところに出たので、
マークは双眼鏡を覗いている。
ああ、あそこだ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240617202319.files/a9.jpg)
あの滝の奥が洞窟になっているんだ。
前回の探索で使ったボートが岸辺に置いてあるはず。
そこまで降りていくのが一苦労なのよね。
と言っている。
解説)
続きます。
May 17, 2024
佳奈の研修 そのに
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a1.jpg)
佳奈は両手を上げながら
相手が近づくのを待っていた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a2.jpg)
素早く身を逸らせて
振り返りざま右手で
機銃の銃身をそらす。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a3.jpg)
そのまま体を捻って
ハイキック。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a4.jpg)
後頭部にキックが炸裂した。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a5.jpg)
さらに倒れた相手に馬乗りになって、
油断大敵よ。
と言っている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a6.jpg)
そこまで。
という声の主に向けて、
佳奈はホルスターから引き抜いた
拳銃の銃口を振り向けた。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a7.jpg)
ミッションは完了よ。
制限時間内にクリアしたわ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a8.jpg)
倒れていた女性も立ち上がって、
マスクをとった。
あ、コフィさんだったんですね。
と佳奈が言った。
名前覚えていてくれたのね。
今の、結構効いたわよ。
と言っている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240517202347.files/a9.jpg)
ジャングルや沼地では
敵を全く見かけなかったんですけど。
緊張状態を保ってもらうのが狙いなのよ。
よくそのケンベロスの旧式装備で頑張ったわね。
といわれている。
解説)
続きます。
Apr 17, 2024
ジェーンの世界 そのなな
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a1.jpg)
モモコが扉を抜けると、
そこは魔術劇場の応接間だった。
ここにはほぼ2年ぶりですかな。
そろそろおいでになる頃かと
思っていましたよ。
とハリーが言った。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a2.jpg)
トマソンさんがずっと眠ったままだと聞いて、
気になって来たんです。
この前トマソンさんにお会いした時、
いつも見ているっていう
夢の世界のスケッチを見せてくれたんですけど、
その世界が、私がジェーンに会った世界に
そっくりだったの。
ずっと眠り続けているっていうことは、
その世界に行ったままなんじゃないかって。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a3.jpg)
そうでしょうとも。
私も同じことを考えていました。
私は魔術劇場の中で、魔法の力を使って、
その人が望む世界に行ける、
鏡の扉を作り出すことができますが、
それはあくまでも個人的な思いを
魔法の力で実体化する夢のような世界です。
けれど、かってモモコさんが訪れ、
今はトマソン氏も訪れていると思われる
ジェーンが住む世界というのは、
そうした個人的な夢や願望をもとに
魔法で生み出される異世界とは
かなり異質なのです。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a4.jpg)
この古い魔術の本を紐解いて
調べてみたのですが、
本来、願望と魔法の力だけでは行けない世界です。
だからトマソン氏に取り憑いた凄腕の夢魔である
サルバドールでさえ入り込むことができなかった。
私は何年も前に迷いの森を探検して、
ジェーンの住む世界に行き着いたことがあったの。
でもその時は、見えない境界に阻まれて、
入り込むことができなかった。
でもなぜか私だけがハリーさんの
魔法の力を借りれば行けるのね。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a5.jpg)
その時、鏡の扉が開いて
デュアンがやってきた。
今、トマソンさんの寝室に
様子を見に行ったんですが、
姿が消えていました。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a6.jpg)
ふーむ。
どうやら肉体があちらの世界に
移動してしまったようだ。
そんなことってあるんですか。
私、兵隊さんたちの村で、
話していた途中でジェーンが消えちゃったりするの
体験したことがあるわ。
とモモコが言った。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a7.jpg)
このままだと、
トマソンさんこの世界から
いなくなっちゃうよ。
私呼びに行ってくる。
勇気あるなあ。
とデュアンは思っている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a8.jpg)
訪問は2度目だからわかっていると思うけど、
向こうの世界には
扉が魔術劇場ごと出現するはずだ。
劇場が見つかって扉が取り上げられると、
戻れなくなるから気をつけて。
とハリーが言った。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240417202532.files/a9.jpg)
モモコが鏡の扉を抜けると、
そこは巨大な居間の隅だった。
解説)
モモコがジェーンの住む世界に
行きたくて、アイスと二人で
迷いの森を探検した経緯は、
2021年5月6日「モモコの計画」から
2021年5月12日「帰還まで」に
描かれています。
モモコとジェーンが会話中に
ジェーンが消えてしまうエピソードは、
2021年9月8日「願いのままに」。
その前後の回を見ると経緯がわかります。
Mar 17, 2024
早春のしらべ そのご
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a1.jpg)
ジェニーフレンドたちで
賑わっていた広場に。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a2.jpg)
さゆりが、さらに
フレンドたちを観光ツアーで
連れてきた。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a3.jpg)
アベルはローラースケートを履いて、
トップを切っている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a4.jpg)
ユーリシアにカオリ、
ミツキ、星澤奈々子の顔も見える。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a5.jpg)
そこにキサラとシオンの乗る
ペスパが走り込んできた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a6.jpg)
大勢ジェニーフレンドが
広場に来てるって聞いて、
ビストロのバイト休みもらって来たの。
とキサラが言った。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a7.jpg)
リエね。私とよく似てるから
すぐわかったわ。
とキサラ。
私にもちょっと似てる。
とシオンが言った。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a8.jpg)
私はアベル。
チョコもらえるんですよね。
参加賞の掴み取りは、
来月初めの発表の後なんです。
そうなのかー。
アベルって、
すごい名前だなーと、
アイスは思っている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a9.jpg)
奈々子とカオリだ。
久しぶり。
ところでチョコってハーシー?
と聞いている。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a91.jpg)
ミツキとユーリシアは、
ロボットのアンに興味を持って
さっそく声をかけているようだ。
遅れてきたエリカもその様子をみている。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240317202809.files/a92.jpg)
結局何人連れてきたの?
えーっと、六人だったかな。
コンテストでチョコもらえるって言ったら、
急に参加希望者が増えちゃって。
解説)
特に何も起きないまま
人が増えています。
Feb 17, 2024
春節 そのはち
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a1.jpg)
ジェニーたちも
ペンギンでコーヒーを飲むことになった。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a2.jpg)
テラス席に移った常連客が、
そこのあんころもちのお皿、
取っていただけますか。
と言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a3.jpg)
とつぜんお店占領しちゃって
席かわってもらって悪いわね。
あちらの方にもショートケーキを。
とサヤカが言っている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a4.jpg)
たまきはパンフレットを
眺めている。
このお店いつから
ケーキ出すようになったのかしら。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a5.jpg)
それにジェニーのケーキだけ
苺が多いのはなぜ。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a6.jpg)
苺大安売りしてたから、
今だけショートケーキ出してるのよ。
とマスターのマリーネが言っている。
あなたがお店のマスコットで
ごく一部で人気者のフンボルトさんね。
はい。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a7.jpg)
店内では春めいた陽射しを浴びて
賑やかな思い出話に
花が咲いている。
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お店満員だね。
私たちはツアーの企画者だから。
また誰か呼ぼうよ。
などとフローラと、
さゆりが話している。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a9.jpg)
このところ珍しくあったかいから、
外の席でも快適ですね。
とはるなが言っている。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240217202131.files/a91.jpg)
あれ、あんなところに
大きな筒が。
あれなんでしょう。
とオリーブが言った。
解説)
今回はジェニーたちの
再度の同窓会の様子でした。
Jan 17, 2024
時の流れに乗って そのご
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a1.jpg)
翌日のベーカリー。
店内に記念撮影会に参加していた
カメラマニアが来て、
シェフのフレイムに、
厨房の写真を撮らせて欲しいと言っている。
前から気になってたんですよ。
今、光の加減がいいので、ぜひ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a2.jpg)
なるほど、気持ちがいいほど、
すっきり整頓されてますなあ。
あ。あなたも。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a3.jpg)
ウェイトレスをしている水戸里美も
撮影してもらった。
主役みたいに写してもらうの何年振りかしら。
と言っている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a4.jpg)
日の翳ったベーカリー前では
ルビーが観光客と話していた。
あなたはいつも店のテーブル席においでの、
常連のお客さんですね。
コンテストに登録ですか?
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a5.jpg)
厨房を撮影したいっていう人がきて、
撮影の邪魔になりそうだから、
席を空けてきたんです。
ついでに登録しちゃおうかなあ。
お名前は?
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a6.jpg)
ベンと言います。
よくご年配のご婦人に、
「卒業」っていう映画に出た俳優の
若い頃に似てるって言われるんですよ。
それでベンという通称に。
それもう半世紀以上前の映画よね。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a7.jpg)
カイトをドルフィンに返却した
うたとキャサリンは音楽に聴き入っている。
エトナも撮影に余念がないようだ。
渋いなあこのテナーの音色。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a8.jpg)
モモコさん、お茶碗回し上手になったね。
今子、何してるの。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a9.jpg)
あ。お姉さん。
お茶碗回しのお稽古。
和菓子は、懐紙を敷いて置いて、
お茶を飲む前にいただくのよ。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a91.jpg)
アンナ、その格好いつまで続けるの?
とレイが言っている。
![a92](/~shimirin/blog/kirita/entries//20240117202032.files/a92.jpg)
さすがにそろそろ着替えなくちゃね。
さて何着るか。
白のチャイナドレスもう乾いてるけど、
運動着がいいよ。
と舞がいった。
解説)
1日経ったという設定ですが、
何もあまり変わらない日常です。