Nov 30, 2023
エリスの訪問 そのに
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2番目の引き出しはチルド室だ。
お肉にミックスベジタブルに、
これは秋刀魚だね。
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次は冷凍室。
ここには、春巻き、シューマイ、
チャーハンなどの冷凍食品が入っている。
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一番下が野菜室。
長ネギ、トマト、ほうれん草やキャベツ、
にんじん、ピーマン、レタスもある。
よし。サラダ作るわ。
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サラはスパゲティを茹でている。
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やがてスパエティが茹で上がり、
ミートソースと、サラダもできて、
夕食が始まった。
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みんなそれぞれ違うのね。
みんな好みがうるさいのよ。
スパゲティ各種。
ベースは同じだが、
ひき肉をミートボールにした
スパゲティも食卓に載っている。
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この前マラソンがあったんだってね。
声かけてくれたら出場したのに。
人数多いと大変だからかなあ。
特に撮影が。
そういうものなのかしら。
などと言ってサラはワインを飲んでいる。
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スパゲディ巻くのお上手ね。
この角度が大事なんですよ。
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かくて秋の夜は、こともなく
更けて行った。
解説)
冷蔵庫の中の食材やスパゲティなどは、
ほとんどリーメントのぷちサンプルのアイテムです。
スパゲティ入りの鍋や、冷蔵庫も。
Nov 29, 2023
エリスの来訪
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サラたちの部屋に
エリスが遊びにやってきた。
事務所が立て込んでるので、
また遊びに来ちゃった。
と言っている。
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広場にいたんだけど、日が短いので、
すぐ暗くなっちゃうのよね。
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ダルメとオセロは
再会を喜んでいる。
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夕食の用意してたところだったの?
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そうそう。
スパでティ茹でるから、
食べていきなさいよ。
メアリー=ケイトが留守なので、
椅子が空いてるよ。
とサラが言った。
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じゃあ、私もサラダか何か一品作るわ。
冷蔵庫の中見てもいい?
どうぞどうぞ。なんでも使って。
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さてさて。
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ハムにチーズにきゅうりか。
みそ、お豆腐、納豆や卵もあるわね。
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冷蔵庫のドアにはケチャップとマヨネーズが、
ペットボトルを切って作った容器に、
逆さに収納されている。
こうして保存すると、すぐ使えて便利そうね。
解説)
なんとなく
普通の日常生活の
一コマのような場面も
たまに撮影したくなります。
Nov 28, 2023
秋のマラソン そのよん
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マラソンレースは終盤に差し掛かっていた。
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アンナは余裕の笑みを浮かべている。
元々、こういう顔なんだけど。
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うたは、真剣な表情で頑張っている。
元々、こういう顔なんだけど。
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二人は広場に戻ってきた。
やんやの歓声を浴びている。
見えないけど、このあたりが
ゴールラインよ。
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すごい接戦だ。
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ほぼ同時だけど、わずかに。
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わずかに、うたの足が早かったようだ。
タイムどうだった?
2時間11分53秒には
わずかに届かなかったわ。
お水飲む?
頭からかけて。
などと言っている。
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予想当たったね。
肉まんおかわり。
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私が完走してたら、
世界記録出せたのになあ。
解説)
なんとか無事に終わった
マラソンレースでした。
Nov 27, 2023
秋のマラソン そのさん
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一行は郊外のアルのビストロ前の
折り返し地点を過ぎて、
レースは後半にさしかかっていた。
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サクサクサクサク。
キャサリンは息が上がって
遅れ始めた。
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そろそろ、ラストスパート。
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広場には郊外に住むジャンとナタリーが
登録に来ていた。
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ジャンさん。
またナタリーとお揃いで
「レオン」のコスプレなのね。
よく似合ってるわよ。
とたまきが言った。
冬物コートって、
これしか持ってないんだよ。
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サングラス、これと交換しましょうか。
とモモコが言った。
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もうそろそろね。
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途中でリタイヤして、
近道をして先に戻ってきたキャサリンが
へたり込んでいる。
どうしたの?
途中でくたびれちゃって。
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私もともと人形の精霊だから、
こういうの慣れてないのよ。
この服走りにくいし。
解説)
続きます。
Nov 26, 2023
秋のマラソン そのに
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マラソンが始まった。
みんなこけずに頑張って。
と言われている。
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崖沿いの道は季節がら
巨大な落ち葉でいっぱいだ。
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サクサクと音が聞こえる。
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サクサクサクサク。
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これライダースーツで、
ジャージじゃないのに。
とキャサリンは思っている。
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ミラは余裕の超人的ハイペースで、
先頭を走っていた。
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あの人、人間なのかしら。
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う。
その時、ミラは突然足に異変を感じた。
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ああ。足がつっちゃた。
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残念だけど、これはもうリタイヤね。
ミラはどんどん追い抜かれていく。
解説)
続きます。
Nov 25, 2023
秋のマラソン
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今日もまずまずの好天気。
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広場ではうたとキャサリンが
準備体操をしている。
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マラソンするんですって?
ええ、せっかく体操服着たから、
有志を募って、マラソンすることにしたの。
あなたは準備体操しないの?
私は参加しないの。
審査員。
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マンゴー亭でアルバイトをしているアンナが
運動着に着替えてやってきた。
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参加者は3人ですか?
翠がミラを誘いに行ってるから、
彼女を入れて4人ね。
ちょっと待ってて。
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ミラさん。舞が、
マラソンするんで、参加してほしいって。
なぜ私に?
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もちろんいつもジャージ着てるからですよ。
ふーん。運動好きと思われたのね。
だったら、実力の程を、
お見せしましょう。
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マンゴー亭では、
マヤやアイスたちが、早速
マラソンの話題で盛り上がっている。
うたって、ヒッチハイカーだったでしょ。
足腰鍛えてるからきっと優勝するよ。
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アンナも陸上部で万能選手だったのよ。
カモシカの足って言われてた。
アンナが勝つと嬉しいわ。
とレイが言った。
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かくて、ミラも到着して、
マラソンが始まった。
ルートは崖沿いの道を通って、
郊外のビストロ前まで行って
折り返して広場に戻ってくること。
4人は一斉にスタートした。
解説)
着せ替えた体操服からの
思いつきで、
マラソンが始まったようです。
Nov 24, 2023
秋晴れの日
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今日はいい天気。
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木立の黄葉が進んでいる。
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このところ、
毎日おでん食べてるみたいね。
そうかな。
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その本2冊もあったっけ。
どんなことが書いてあるの?
煎じ薬の作り方とか。
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ペンギン前のスペースには、
シェリー博士が探偵事務所から
休憩に来て、柿のへたをとっていた。
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博士。
仮想世界の様子はどうですか?
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ブラウンさんが残していった
転送装置を回収して、
みんなでかかり切りで調べてるみたい。
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あの装置は元々、高度な文明に進化した
惑星から来たロボットたちが残していったもので、
管理局のタイムパトロールならともかく、
仕組みはとても理解できないんじゃない?
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みんなで調べていると言っても、
実質はNPCのツナやナディアやアイリスを使って、
装置の人工知能であるアンが調べているの。
私たち人間には無理でも、
アンだったら理解できるかもしれない。
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その頃仮想世界では。
ブラウンさんが改造した部分はわかったけど。
転送装置としては使えるの?
転送先を設定する機能はロックされている。
この装置を使っていたロボットたちが、
自分たちとコンタクトできなくするためだね。
へたにロックを外すと爆発するよ。
ブラウンさんはそのロックを迂回して、
仮想現実体験装置のシステムのデータを
転送先に設定して、ここに来たんだ。
だったら使えないね。
ブラウンさんと同じようにして、
もとの世界を転送先に
設定することならできるかも。
ということは、そこは?
レイチェルやドロレスが来た世界だよ。
仮想現実体験装置を使って、
過去の世界に戻るのと同じということか。
なんだか、つまらないような。
とレイチェルが言った。
そうでもないよ。
レイチェルもドロレスも、
体験装置のゴーグルから解放されるし、
これは第一歩だよ。
それ使えば、私お母さんに会えるの?
とナディアが言った。
解説)
良い天気の日でした。
Nov 23, 2023
秋冬モード そのに
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サラたちの部屋でも衣替えは進んでいた。
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このスタジャン、懐かしいなあ。
メアリー=ケイトは
スムージーを作っている。
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サラはカーディガンを着込んでいる。
なんとなくみんな地味だなあ。
とパーカーを着たジェットが入っている。
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ジェニーたちも衣替えをしていた。
たまきとモモコは、
広場に登録に出かけたよ。
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文学青年もしっかり羽織を着ていた。
その本どうしたの?
ヴィヴィアンから借りたんだ。
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たまきとモモコは広場に
登録に来ていた。
みんな地味なので、
私たち、目立っちゃうわね。
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秋だから。
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サラに着付けをしてもらった
子供たちも結構派手だった。
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あっという間に日が暮れて、
今井舞はヤカンの水を飲んでいる。
解説)
着せ替え遊びの続きです。
文学青年の持っている豆本はセリアで購入。
「リトルフレンド 魔法本」(フジサキ)
ポリレジン製。
クリスマスグッズの売り場で見つけました。
Nov 22, 2023
秋冬モード
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広場には、さっそく
秋冬用に衣替えした人々が
コンテストの登録に来ていた。
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二人ともジャージなの?
私のはレザーのレーシングスーツよ。
とキャサリンが言った。
私は舞の真似したの。
お揃いみたいでしょ。
とうたが言った。
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私たちのジャンパーは本当のお揃いよ。
去年の冬も着てたもの。
とリタが言った。
今やドルフィンのユニホームだね。
とマスターが言った。
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池谷圭は農家の直販店の
ジャガイモの山を見ている。
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いつも高台の休憩所にいる
江本友恵が登録に来ていた。
岸さんもあったかそうね。
このジャガイモ貰おうかな。
愛煙家に出会えて嬉しいです。
とジャマイカからの観光客に言われている。
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皮ジャンは暖かいね。
私、こんなの着るの初めて。
とヘルミーネが言っている。
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みんな、ドルフィンの倉庫から借りてるのね。
そうなのよ。早いもの勝ち。
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マンゴー亭では、
CGたちが集まり、
アイスとスーザンと翠が話していた。
アイスは、やっぱりアイスっぽい服だね。
それどういう意味?
かっこいいってことじゃない。
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マヤの迷彩服もあったかそう。
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ベランダでは、
今井舞が一人で広場を見下ろしていた。
季節の変わり目には
いろいろあったみたいだけど、
あっという間に
みんな秋冬モードになっちゃった。
解説)
19日から灰皿町のサーバがダウンして、
アクセス不能になっていましたが、
本日めでたく復旧されたようです。
人形日記も再開。
Nov 18, 2023
朝の広場と今井舞
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朝の広場。時間はまだ8時過ぎだ。
広場のほぼ中央のベーカリーの角に
紅葉の鉢が飾られている。
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マスターこれどうしたんですか?
作り物だけど、季節感出るから、
しばらく飾ろうかなと思って。
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そのトカゲ、何食べるの?
昆虫やカタツムリ。
でもクレスゾルっていう専用の餌があるのよ。
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今月も新規のコスプレの人、全然来ないね。
何か手立てを考えた方がいいかも。
とボニーが言っている。
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ずいぶん肌寒くなってきたわね。
そろそろ長袖に着替えなくちゃ。
と、うたとキャサリンが話している。
ひそこはハタハタと飛んでいる。
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昼過ぎになって、
今井舞がマンゴー亭を訪れた。
アンナ、そのヤカン貸してくれない?
あら。舞、外出なんて珍しいわね。
それにパジャマ着替えたのね。
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舞さん。そのヤカンは?
とマヤが尋ねている。
ジャージにはヤカンが必須アイテムでしょ。
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この格好で、コンテストに参加できますか?
うーん。ジャージ姿のコスプレか。
ちゃんとヤカン持ってるし、いいわよ。
あ、そうだ。
いいこと思いついた。
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ルビーはマイクを持ってアナウンスをしている。
みなさん。
急遽今月のコスプレコンテストの趣旨を変更します。
これまでコスプレ風の扮装を受け付けていましたが、
これからは、みなさんが秋冬モードの服装に着替えて来たら、
秋冬モードコスプレとしてコンテスト参加登録を受け付けます。
これからだんだん寒くなりますので、
こぞって早めに衣替えしての、ご参加をお待ちしています。
リタがおおー。と言っている。
解説)
前半は朝の自然光の情景撮影です。
今井舞も、ごくたまに登場する脇役的キャラクターで、
ドルフィンの二階の洋間で共同生活しています。
これまでずっとパジャマ姿で、
たまにベランダに洗濯物を干しに出たりしますが、
普段は屋内に引きこもっていました。
パジャマ姿の画像の初出は、
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2021年2月28日「今日この頃」から再掲。
この時はまだ名前をつけていなくて、
舞は三面鏡の前でブラッシングしていたのでした。
Nov 17, 2023
ブラウンの回想 そのさん
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ブラウンが外に出ると、
ハンモックの方から声がした。
やあ、ここ、ここ。
久しぶりだね。随分探したよ。
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ハリネっていう、
大きなネズミに案内してもらったんだ。
仕事が嫌になる気持ちはわかるけど、
転送装置を盗んだのはまずかったね。
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こんなに早く見つかっちゃうとは。
僕の名を騙って、仮想現実体験装置の
情報を得ただろう。あんなことしなければ、
君の居場所はわからなかったよ。
あれは転送装置の改造に
どうしても必要だったんです。
まあ、それはそれとして、
ロボットたちの遺した
転送装置を盗んだのは重罪だよ。
あの世界の未来に影響を与えないように、
レプリカにすり替えておいたけれど。
さて、君をどうするか。
僕を殺すんですか。
そしたらあなたも
消えてしまうのでは。
ふむ。失踪したタイムパトロールを
追跡班が抹殺するというのはただの噂だよ。
たいていみんな生きている。
それより、君はタイムパトロールになって、
自分がやり遂げてきた仕事のことを、
悔やんでいるのかな。
悔やむというか、
そのことの意味がわからなくなっちゃって。
だったら、君に頼みたいことがある。
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あら、お話終わったんですか?
はい。
これからちょっと出かけてきます。
転送装置のある場所は、
ミトラに伝えておきました。
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ブラウンさん、
連れていっちゃうんですか。
ちょっとした仕事を頼んだんだ。
たぶん戻ってくると思うけど。
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その後、しばらくして、
ウェルズが、ペンギン前のスペースに顔を出した。
おお、もう冬支度なのね。
あったかそう。と言われている。
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ブラウンさんの件、片付いたの?
うん。結局どうするかは彼に任せることにした。
彼には、過去の自分を
タイムパトロールに勧誘する仕事を
してもらうことにしたんだ。
自分のしていたことに意味がなかったと思ったら、
過去の自分を勧誘するのをやめればいい。
そうすれば過去のブラウンは、
タイムパトロールなどにならず、
別の時間軸で科学者として平穏に暮らすだろう。
そうしたら今のあなたはいないんじゃないの?
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ここに今、僕がいるということは、
どういうことかわかるかい?
実は全ては決まっていて、
ループの中に囚われているようにも見える。
でも肝心なのは、
それが彼自身の意思の結果でもあることなんだよ。
まあ、僕自身のことでもあるわけなんだが。
色々大変なのね。
私、時間管理部に入らなくてよかったわ。
とミラが言った。
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広場では、旅芸人たちが
「ブラウンの歌」を歌っていた。
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それ新曲ね?
ええ、ついさっき思いつたの。
解説)
またしても
よくわからない話の顛末のようでした。
Nov 16, 2023
ブラウンの回想 そのに
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ブラウンの話は続いていた。
そうして僕はタイムパトロールになりました。
任務にはいろんなケースがあるけれど、例えば、
テロや戦争の原因を過去に遡って未然に防ぐみたいなことです。
しかも次第にわかってきたことですが、
管理局が扱っている対象が、僕が生きていた世界の、
一つの時間軸に沿った歴史ばかりではなかったということです。
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何度も危険な目にあったけれど、僕は死ななかった。
でもいつも仕事がうまくいくとは限らない。
それに何度もさまざまな世界を旅していると、
ある特定の世界の時の流れを変えて、
ある時代に生きている人々の命だけを救うという、
自分のしていることの意味が
よくわからなくなってしまったのです。
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僕はすっかり仕事を続ける気が失せて、
管理局を出奔して近くの迷いの森に隠れたんです。
そこはさまざまな夢食いや魑魅魍魎が生息する
異世界の交差点のようなところでしたからね。
ただ時間管理部の追跡班に遭遇する可能性もあり、
もっと安全な場所で暮らすためには、
タイムマシンが必要でした。
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僕は再度、管理局の情報管理部に忍び込んで、
最近使用されたタイムマシンのデータを調べてみました。
管理局には僕と瓜二つのウェルズがいるので、
知人に出会っても怪しまれずにすむんです。すると、
ロボットが作った仮想現実体験装置というのが見つかった。
これは厳密にはタイムマシンとは呼べず、
装置が作り上げた特定の未来にしか行けない代物ですが、
別の高度な文明で開発された転送装置に
そのシステムが応用可能だと気がついたんです。
幸運なことに、最初にお話しした、
二体のロボットたちが残した転送装置がある世界は、
その仮想現実体験装置のある世界と一致していました。
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あとは実行あるのみ。
僕は迷いの森で知り合った夢魔のサルバドールと共に、
彼の案内で迷いの森の境界を超えて、
ハロウィーン祭りで賑わう町にやってきました。
その後、ロボット研究所の倉庫から転送装置を盗み出し、
ミューから仕入れた仮想実験体験装置のデータを元に、
改造した転送装置でこの世界にやってきたんです。
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ただその時空移動時の衝撃で
記憶を失ってしまっていたようですけど。
それから後のことはご存知の通り。
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面白いお話だったわ。
私は宇宙酒場っていうのが気になった。
それってどこにあるの?
そこですか。
銀河連合の所有している
宇宙ステーションの中にあります。
いろんな星で生まれた連中が来るんですよ。
でもその店に行ったいきさつは、
また別の話なので。
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私はあなたが使った転送装置の行方が気になるわ。
まだ森の中にあるんでしょう。
あの時は意識がはっきりしてなかったけど、
今はしっかりその場所も思い出せます。
あとで回収に行きましょう。
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その時、バンクが戸口を開けて、
声をかけた。
外にウェルズっていう人が来てますよ。
ブラウンさんにお会いしたいって。
一人で来て欲しいって言ってます。
解説)
ブラウンがサルバドールと一緒に町に来た時の画像は、
2023年10月18日「ハロウィーンは続く そのに」
の画像を再掲しています。
Nov 15, 2023
ブラウンの回想
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バーボンハウスでは、
ブラウンの頭に自白促進機が装着されていた。
これまだ使えるのかなあ。
スイッチ入れるわよ。
とナディアが言っている。
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ブラウンは一瞬目を白黒させている。
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記憶を取り戻したブラウンは、
おかげですっかり思い出しました。
と言って、しっかりした口調で、
話し始めた。
僕は管理局の時間管理部で
タイムパトロールとして働いていました。
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ある時、仕事で立ち寄った宇宙酒場で
二人組のロボットと知り合ったのですが。
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その時、昔話に花が咲いて、
彼らがかって、ある惑星を観察中に事故が起きて、
乗っていた円盤がその星の海に墜落した、
という話を聞いたんです。
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彼らは運よくその星の住人たちに救助され、
母星に帰るために転移装置を作った。
そして、救助してもらったお礼に、
転移装置をその星に残していったというのでした。
あ、記憶がまだ混乱してるようです。
転送装置の話の続きをする前に、
時間管理部で働く前のことを話しておきましょう。
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元々僕は、僕の暮らしていた世界で、
タイムマシンの研究をしていた科学者でした。
しかしある時実験が失敗して、爆発事故が起きて、
大勢の友人や同僚を失ってしまったんです。
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責任を感じて何度か自殺を試みたけれど、それにも失敗。
悲嘆に暮れている時にウェルズという人に出会いました。
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容姿が僕にそっくりなウェルズは、
自分は未来からやってきた、未来の僕なのだと言いました。
管理局という組織の時間管理部の調査員だといい、
僕をタイムパトロールとしてスカウトするために
やってきたんだと言ったんです。
どうして僕を選んだのかと聞くと、
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君は死にたくても死ねないのだろう。
ということは、どんなに危険な状況に陥っても、
生き延びられるということだ。
どうしてかわかるかい。
目の前に未来の君が生きているのが、その答えだよ。
とウェルズは応えました。
解説)
二体のロボットの話したエピソードは、
2008年8月17日からの「おばあちゃんの家 番外編」で
描かれています。
そのシリーズから2枚の再掲画像を使用しています。
Nov 14, 2023
秋の夕暮れのあれこれ
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バーボンハウスのガレージでは
ナディアとイリスが話していた。
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イリスはお母さんの写真持ってないの?
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いつも財布に入れてたんだけど、
空襲でシェルに潜り込んだ時、
バッグから財布取り出すの忘れちゃって、
研究施設も居住地区も
空襲で全壊しちゃったみたいだから、
一枚も残っていない。
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その時、ツナが隣室からやってきた。
ミューが
アリスさんの写真データを転送してくれたよ。
プリントアウトして持ってきた。
翠っていう人が撮影してくれたんだって。
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これがアリスさん。あなたにそっくりね。
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そうそう、いつもこんなふうに、
口を半開きにして、
じっと人を覗き込むような顔するのが癖だった。
おかあさん、懐かしいなあ。
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隣室では、舞子が部屋に持ち込んだ機械を、
レイチェルとドロレスが観察している。
これはなあに?
倉庫で見かけたのを思い出して
ここに運んできたの。
これは戦時中に使われた捕虜の尋問用の機械。
脳に特殊な刺激を与えて機密情報を採取するのに使われた。
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ブラウンっていう人、
記憶をなくしているんでしょう。
これを使えば、何か思い出せるかもしれないと思って。
と舞子はいった。
ふーん。強制的に自白させる機械か。
何かの精神的なショックを受けて防衛本能が働いて、
記憶を失った状態でも、回復させることができるはず。
でも脳には相当負担がかかるんでしょう。
本人の同意が必要ね。
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家の外は夕暮れで、
ブラウンがミトラと話していた。
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外で寝るのは久しぶりだなあ。
私はいつもここで空を眺めたり、
瞑想したりして過ごします。
雨は滅多に降らないし、
空は時空の歪みに覆われていて、
いつものっぺりした青空ですから。
たまに薄雲が湧き立っては消えるのを
ずっと観ているのは、
世界の本質に触れるようで、
いいものよ。
ミトラは哲学者みたいだね。

ところで、ブラウンさんは本当に
過去のことを覚えていないの?
え?
何か秘密にしたいことでもあるんじゃないかって。
うーん。本当に思い出せないんだよ。
話によると転送装置みたいなものを使って、
過去の世界から来たのは確からしいけど、
前世はそうだったって言われたみたいな感じでさ。
思い出したいのは山々なんだけど。
解説)
今回もあれこれと。
アリスの写真は過去画像の再掲です。
Nov 13, 2023
寝床を作る

バーボンハウスの前では
ツナが何やら工作をしていた。

カブトムシ型ロボットのジョンが、
ロープの固定を手伝っている。
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これはなかなか丈夫そうな
ハンモックですね。

住人が増えたので、
宿泊スペースが足りないの。
部屋を増築するまで
これで寝泊まりしてね。
イリスにもシェルの中で
寝てもらうことになる。

これは快適です。
と言っている。

バーボンハウスでは
イリスたちが話していた。

あなたは母親のことを
覚えているの?

母は若い頃は、
軍の特殊部隊に所属していた軍人だった。
ロボット研究所の警備に
配属されていたって聞いたことがある。
私が生まれたのは
母が仕事を辞めてからのこと。
私に理系の才能があるとわかってから、
そんな母親のコネもあって、
特殊な教育施設ネオに入れられて育ったの。
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政府や軍が強力にバックアップしてた
超エリート学者養成のための全寮制の施設ね。
その学校私も入れられそうになった。
私は将来CGになるって決めてて、
科学者になる気はなかったから、
母を脅かして断ったけど。
それでタイムマシンの研究開発を。
解説)
なんだか話が逸れながら
膨らんで行くようですが、
それはいつものことなのでした。
Nov 12, 2023
ウェルズの到着
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周囲には鬱蒼とした木立が続いている。
ここは森の中のようだ。

これで移動するのは
あきらめた方が良さそうだ。
タイムマシンはシューシューと
音を立てている。
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ウェルズは茂みに降り立って。
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ポケットから小型の装置を取り出して、
マシンに向かってスイッチを入れた。

すると空間が一瞬歪んで
マシンの姿がかき消えた。

ウェルズは慎重に
銃を構えて
歩いていく。
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しばらく行くと
大きなハリネズミに出会った。
ウェルズは
やあ、ブラウン。
早速森の探索かい?
と言われている。
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ブラウン?
あ、私はブラウンじゃなくて、
ウェルズっていうんだ。
顔はよく似てるけれど。
ブラウンを知ってるんだね。
解説)
続きます
Nov 11, 2023
ウェルズの出発

喫茶ペンギン前のスペースで、
シェリー博士とミラがコーヒーを飲んでいると、
管理局の仕事を終えたバグがやってきた。
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それ、何ていうコミック?
「モンスターズ・ユニバーシティ」よ。

管理局でウェルズを見かけたよ。
皮のジャンパー着込んでたから、
どこかに行くのかな。
きっとブラウンを探しに行くのよ。

ブラウンさんは、
もう仮想の未来世界に出現しているわよ。
探しに行くって言っても、
ミューの仮想現実体験装置がなければ、
無理なんじゃないの?

管理局の時間管理部には
高性能のタイムマシンがあるんです。
ウェルズはベテランのタイムパトロール。
タイムトラべルは久しぶりみたいですけど。
この柿甘いなあ。
とバグが言っている。
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その頃、仮想世界の森の奥には、
変わった形の乗り物が出現していた。

シューシューと音を立てている。
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やがてハッチが開くと、
中にはウェルズの姿があった。
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どうやら到着したようだ。
管理部にはこれしか空いてなかったけど、
この旧式のマシン、よく無事に動いたなあ。
デザインは50年代SF風で、
気に入っているんだけど。
解説)
時間管理部のタイムマシンは
1/6サイズのゴムボートや空気清浄機のパネル、
バービー用の馬車のシート部分などを
組み合わせたものを撮影しています。
接着工作したわけでなく、見かけだけの画像です。
Nov 10, 2023
ドーリスのことなど そのに
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マンゴー亭では話に花が咲いていた。
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ロボット研究所を軍の特殊部隊が
警備するようになったのは近年のこと。
アリスは倉庫の警備主任をしています。
私はロボット研究所に勤めて長いんです。
あ、そこにアルバムがあるんですね。
と言ってドーリスは、
卓上のアルバムを手に取った。
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これは研究所に勤め始めて
初めての仕事でドルフィンを訪れた時の写真。
研究所で開発されたロボット犬の外装を依頼したの。
もう14年も前だから、私も若々しいでしょう。
みんな写真と見比べて、
黙って聴いていた。

これはサラさんの家を訪れて
研究所から逃げ出したロボット犬を
連れ帰った時の写真。
2年前の秋だったかな。
頭蓋骨の置物に、
お嬢さん、って呼ばれたのよ。
みんな黙って聴いていた。
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隣の広場では、
ゴキブリロボットにダルメが接近していた。
これ触ろうとすると逃げるんだよ。
とすずが言っている。
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そのとき広場にドーリスから呼ばれた
アリスがやってきた。
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人と待ち合わせているんですけど、
マンゴー亭ってどこですか。
ああ、この先だよ。

ドーリスに会えたアリスは、
紹介されたマヤや翠と話している。
将来私が女の子を産んで、
イリスって名前をつけるなんて、
信じられない話ね。
そうでしょう。私も、
ナディアっていう女の子を産むらしいのよ。
とマヤが言っている。

でも、もし女の子が生まれたら
自分のアリスっていう名前に似せて、
アイリスにしようかなと思ってはいたの。
アイリスって英語読みで、
ラテン系の言語ではイリスっていうのよ。
そうなんだー。
解説)
今回の前半はドーリスの紹介のようになりました。
ドーリスは、これまでに
2023年5月10日「海賊ブーム そのさん」
2021年11月26日「メメント・メメ」
2021年3月9日「犬の散歩 そのに」
2009年3月15日「研究所の犬」
などに登場しています。
Nov 09, 2023
ドーリスのことなど
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広場には、
サラたちの部屋を訪問していた
エリスと子供達が移動してきていた。
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今日はトカゲを連れて散歩?
子供達が懐いちゃって。
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ベスもダルメも驚いている。
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マンゴー亭では、
翠とマヤが肉まんを食べていた。
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ロボット研究所を警備している特殊部隊に
アリスっていう人がいるでしょう。
どういう人か知ってる?

見かけたことはあるけど、
私が研究所にいたのは短い期間だからね。
そういえば事務員のドーリスと親しくしてた人だと思う。

その時広場に、
ロボット研究所から
ドーリスがやってきた。
あのー、マヤさんいますか。
マヤなら、マンゴー亭にいるよ。

マヤさん。お久しぶり。
今日はこのお借りしていた
ゴキブリ型ロボットの返却を
バトラー博士から頼まれてきました。
博士がよろしくとのことです。
噂をすればなんとやら。
というか調子が良すぎる感じもするけど、
いま、あなたの噂をしていたところよ。

私は鷲尾翠。
マヤとはCGの仲間なの。
ドーリスさんは特殊部隊のアリスと
親しいってマヤから聞いたけど。

親しいって、仲のいい友人ですよ。
今日は非番のはずだからここに呼びましょうか。
解説)
住人の数が多いせいもあり、
ドーリスは忘れた頃に登場する
脇役的キャラの一人です。
Nov 08, 2023
ブラウンのことなど
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ブラウンはみんなと打ち解けて、
次第に日常生活に馴染むようになった。
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森に棲むハリネも
時々遊びに来るようになっていた。
この棘触ってみていいですか?

もちろん。いいよ。
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気持ちいい?
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ブラウンは薪割りに斧を
振るっている。

そこにイリスがやってきた。
ブラウンさん、精が出ますね。
あこれはどうも。
いい運動になります。
ところで、ずっと気になっていたんだけど、
あなたが森の中で意識を取り戻した時、
近くに何か機械のようなものがなかった?

うーん。あの話ですね。
僕も思い出そうとしてみたんですが、
さっぱり記憶にないんです。
初めはぼんやりと夢を見てるみたいで、
森の中を彷徨い歩いているうちに
だんだん意識がはっきりしてきたので。

その頃、過去世界では、
翠が探偵事務所に帰ってきたところだった。
やあおかえり。
かっこいい服着てるね。
いいでしょ。
これ着たかったんだ。
何してるの?

向こうの世界で起きていることを、
アンから教えてもらっていたところ。
また新しい住人が増えたんだよ。
監視カメラで捉えた画像があるから、
見せてくれるって。

モニターにバーボンハウス前の
照明スタンドの監視カメラから
撮られた画像が表示された。
女性の方はイリス。
男の人はブラウンって名乗ってるけど、
この顔見たらきっと驚くよ。
とアンが言った。

あ。
この男の人は管理局のウェルズさんだ。
この前、ミラと一緒に事務所に来て、
仮想現実体験装置について色々聞かれたよ。
とミューが言った。
そっくりだけど、別人なんだ。
あの時事務所に来たのはこの人で
確かにウェルズって名乗ってたけど、
ブラウンというのが本当の名前。
とアンが行った。
私もこの服をきた人を広場で見かけて
ウェルズさんだと思って声をかけたけど、
その時は無視された。
あとでウェルズさんにそのことを言ったら、
思い当たることがあったみたいで、
急いで彼を探しに行ってた。
そっくりな別人がいるというのは、
わかる気がする。
と翠が言った。
それにこの女の人の顔は、
確かロボット研究所で警備を担当している
特殊部隊のアリスによく似てるわ。
イリスはアンのシステムが作ったNPCなんでしょ。
とミューが言った。
翠さんはアリスを知ってるのね。
イリスはアリスから生まれたの。
とアンが言った。
解説)
またしても
ややこしそうな会話に。
Nov 07, 2023
ブラウンとの出会い
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森の中から男性が現れた。
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私はブラウンと言います。
自分の名前以外、何も思い出せないんです。

ブラウンは、
バーボンハウスの中に案内された。
ちょうど揃ってお茶を飲んでいた
ツナたちが話を聞いている。

気がつくと森の中に倒れていて。
とブラウンが言った。

この世界はね。
最終戦争で使われた兵器のせいで、
時空の歪みに覆われているの。
私たちが知っているのは、
わずかに残された森とこの周辺の瓦礫地帯だけ。
でもここで私たちは逞しくサバイバル生活を
しているっていうわけ。
とツナが言った。
戦争が終わって随分経つけど、
今でもたまに生存者が見つかる。
きっとあなたもそうなんでしょう。
よかったら一緒にここで暮らしましょう。

一応、アンに報告したほうがいいよ。
この人、時空の歪みからきたのかもしれないし。
とレイチェルが言った。

早速ツナたちは、
記録装置のモニターでアンにアクセスした。

その人はドロレスやレイチェルと同じ
過去の世界から来た人。
記憶を失っているみたいだけど、
このまえ探偵事務所に来て仮想現実体験装置に関する
説明をミューから受けていた。
たぶんタイムマシンか転送装置のようなものを改造して
仮想現実体験装置のデータを入力してこの世界に来たのよ。
今のところ、わかるのはそれくらい。

ふーん。アンは機械の中の存在なのに
過去の世界のこともわかるんだね。

範囲は限られているけれど、
装置の周辺で何が起きているかは、
いつもデータを集めているから分かるの。
その人は時空の歪みのせいで異世界から出現した
怪物やミズハのような存在ではないけれど、
私のシステム外の存在で、ドロレスやレイチェル同様に、
私にはコントロールできない自由意志を持ってるわ。
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僕は過去から来たっていうことですか。
よくわからないけどロマンだなあ。
とブラウンが言った。
記憶を失ってるなら、
ただの人と同じだから安心ね。
とツナが言った。
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記憶を失った時の旅人か。
何か思い出したらあなたと協力して
タイムマシンが作れるかもね。
とイリスが言った。
お友達になれそうね。
解説)
続きます。
Nov 06, 2023
サラたちの部屋と探偵事務所で
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サラたちの部屋は来客で賑わっていた。
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ジェットは吊り鉢のポトスに
水やりをしている。
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ジェイソンはデイリープラネットを読んでいる。
町のハロウィーン祭りの記事が載っているよ。
政府要人のお忍びの訪問も写真入りで小さく載っている。
ふーん。あのいつも笑っている人、来てたんだ。
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エリスとサラが話している。
事務所はこのところ立て込んでてね。
今日はダルメを連れて息抜きに来たの。
翠から噂は聞いてるけど、大変そうね。
なんならしばらく
この部屋に引っ越してきたら?
そうねえ。
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鈴木すずと池谷圭は、
コンテストの優勝景品のチョコを持って、
サラにコスチュームデザインのお礼に来ていた。
これ珍しいトカゲだね。
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ダルメとオセロは何やら話し合っている。
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その頃、探偵事務所では、
ミューとシェリー博士が話し合っていた。
仮想世界でまた新しく、
イリスやシェルっていう住人が出現したって。
どんどん住民が増えてるわね。
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イリスはツナやナディアみたいに、
システムが生み出したNPCなんでしょう。
ということは、何かの役目を
割り振られているっていうことかしら?
たぶん、システムのアンが
これから起きることを予想して、
対応するために生み出したんじゃないかと思う。
異世界からの侵入者に対処するために、
テレパシー能力をもつ舞子が生まれたように。
でもイリスは最終戦争の最中に
シェルター型ロボットの中で休眠して、
ずっとお墓に埋められていたっていうんでしょう。
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それも歴史的な事実なんだけど、
システムが創造しているっていうのも事実なのよ。
解説)
相変わらず場面や話題があちこちに飛んでますが、
後半はイリスの由来についての話です。
Nov 05, 2023
イリスの話など
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バーボンハウスでは、
ツナたちが集まってイリスの話をきいていた。
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戦時中に軍の秘密の研究施設で
制作していたのはタイムマシンなの。
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タイムマシンっていうと、
過去や未来に移動できるってやつね?
仮想現実体験装置に似てるわね。
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その装置の話はツナから聞いて驚いたけど、
軍の計画は、過去の世界に刺客を送って
敵の指導者の先祖を葬り、
戦況を優勢にしようとするもの。
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それって
どこかで聞いたような話ね。
とレイチェルが言った。
でも研究所は爆撃されて
完成間近だった装置は破壊されてしまった。
だから計画は頓挫しちゃったわけ。
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その時バーボンハウスの前では
バンクとシェルが立ち話をしていた。
このペンダント、私が保管することになりました。
そうですか。それは安心です。
チェーンを外すと、自由になった蝶は、
私を探して飛んでいきます。
それって何かのゲームにあったような設定ですね。
あれ、舞子どうしたの?
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森から大きなハリネズミが
男の人を連れてやって来たんだ。
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私は森に棲むミズハの使いのハリネ。
また会ったね。ハリネ。
とソーダが言った。
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森の中で迷い人を見つけたので、
案内してきたんだ。
森かげから茂みを分けて
男の人がやってきた。
解説)
蝶のペンダントは、ガチャで。
ネットで確かめると、本当は蝶ではなく蛾でした。
株式会社いきもんの製品で、
「鱗翅学者の私的標本アクリルマスコット2」(全十種)
の中の、「オオミズアオ」。
Nov 04, 2023
シェルの工作
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仮想世界のバーボンハウスでは、
レイチェルが蝶のペンダントに
チェーンをつける作業をしていた。
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これ、私がつけてもいいんですか?
とバンクが訊いている。
ええ。あなたは、家にいることが多いから、
保管役にぴったりということになったの。
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存在感あって
嬉しいなあ。
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イリスはどうしてる?
ツナが倉庫に案内してたよ。
記録装置に興味があるんだって。
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ツナとイリスは
倉庫から出てきたところだった。
あの装置、よく無傷で残っていたわね。
倉庫全体がシェルター仕様なのよ。
あなたの研究に利用できそう?
エネルギー源としては申し分ないわ。
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家の前のスペースでは
ドロレスが注目されていた。
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ツナが切り株を削って作ったかぼちゃの置物を
ドロレスがさらに加工していたのだった。
あとはこの頭頂の突起部分に
フードを接合すれば、出来上がりよ。
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じゃあフードのパーツを外してください。
とシェルが言った。
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これで顔らしくなりました。
よかったよかった。
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いつも笑顔で安心できるわ。
などと言われている。
解説)
木製のかぼちゃの置物は
セリアで購入したハロウィーングッズを
そのまま使っています。
Nov 03, 2023
朝の広場
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まだ人通りの少ない朝の広場。
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魔術劇場も戻ってきて、
ヘルミーネが掃除をしている。
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どうしてこんなに
土がこぼれているのかしら。
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それはデジャの入り口に続く
通路の脇に並んでいる鉢植えを、
誰かが慌てて蹴飛ばしたりするからだよ。
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マンゴー亭には
歌好きの観光客のレオと、
マヤが来て肉まんをべていた。
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レオさんは毎朝ここに?
旅芸人たちの演奏が始まる前に、
広場を眺めながら、
この店で朝食を食べるんだ。
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人の少ない朝の広場は
広々として気持ちがいいね。
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ベーカリーの二階のベランダでは
うたとキャサリンが話している。
今日も暑くなりそう。
11月なのに夏日だってさ。
まだ厚着しなくて正解だね。
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ひそこが、ハタハタと
空を飛んでいる。
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それを見て、
入間ルイが手を振っている。
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ベーカリーでは
ルビーと翠が話していた。
ドルフィンのレンタル倉庫で
そのフード付きジャンバー借りたの?
うん、早い者勝ちだからね。
よかったわね。
今日はまだ暑そうだけど。
解説)
朝の光が綺麗だったので
撮影しようと思いつつ、
結局撮影は昼近くに。
それでも自然光だと、
光の感じが少し違います。
Nov 02, 2023
イリスの目覚め
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シェルは珍しがられて
みんなの注目の的になっていた。
収穫祭の火祭りは楽しかったですね。
ハロウィーンなんて何年振りでしょう。
それにここには、
人間やロボットやアンドロイド、ドラゴンもいる。
みなさん共存しているんですね。
やっぱり平和はいいなあ。
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君はロボットなの?
イリスの乗り物という意味では、
アンドロイドとも言えます。
戦争末期に特別に開発されたシェルターを
専用に使ってたイリスって、何者?
軍や政府の重要人物だったの?
民間人ですよ。でも秘密の研究所で
時間の研究をしていた科学者です。
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バーボンハウスでは
ドロレスがツナに、このリンゴおいしいよ、
と言っている。
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何してるの?
このTシャツ、イリスにどうかなと思って。
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ツナがガレージにTシャツを運んでいくと、
ナディアとソーダがいて、
ちょうどイリスが目覚めた時だった。
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ここはどこかしら?
と言っている。
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ここはバーボンハウスのガレージよ。
あなたはシェルっていう球形のロボットの機内で、
眠っていたの。覚えてる?
シェル。そう言えば、思い出したわ。
警報を受けてシェルの中に退避したんだけど。
その後激しい爆撃が。。。
シェルはどこに?
シェルは外にいるよ。
着替えもここに用意したから。
着替える前に、点滴外して、
その水飲むと元気になるよ。
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イリスは身を起こすと、
ごくごくとカップの水を飲んだ。
うん、これはおいしい水だね。
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イリスは着替えを済ませた。
よく似合ってるよ。
ありがとう。このTシャツのプリントの人誰?
大昔の有名人みたい、私もよく知らないの。
とツナが答えた。
解説)
またたぶん仮想世界で
エピソードが続きます。
Nov 01, 2023
コンテストの結果発表など
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ハロウィーンが終わっても、
広場はすぐ帰りたくない人たちで賑わっていた。
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箒持って、また空飛ぶの?
これは広場の掃除用。
あ、ルビーの発表が始まるよ。
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ハロウィーンのコスプレコンテストの結果を発表します。
厳正な審査の結果、
優勝したのはヴェネチア仮面祭風の
コスプレをした、鈴木すずちゃんです。
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おめでとう。
思ってた通りだわ。
と言われている。
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優勝カップを贈呈します。
すずは万雷の拍手で迎えられている。
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私たち、実は二人で子供だけどいいの?
もちろんみんな知ってるのよ。
ハロウィーンは子供達のお祭りだし。
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池谷圭は、
テレビ局のインタヴューを受けている。
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優勝のご感想は?
ラッキーでした。
これから何をしたいですか?
早くすずちゃんに肩から降りてほしいです。
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ベランダでは、忍者たちが話していた。
ああ、今年もハロウィーン終わっちゃったのね。
また来年まで出番がないのかなあ。
クリスマスにも又くればいいよ。
とうたが言った。
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今年は賑やかだった割に、新鮮味がなかったね。
新しい扮装の人がほとんどいなかったし。
コスプレのアイデアが枯渇してるんじゃないの?
などと審査員のマンスフィールドさんと
ボニーが話していいる。
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デジャでは、政府の要人と
アンジーが広場を見下ろしていた。
ハロウィーンも無事に終わりましたね。
ふむ。これで私も安心して職務に戻れる。
そうなんですか。
解説)
ハロウィーンも終わり、
次第に秋もふけていきます。