Nov 08, 2023
ブラウンのことなど
ブラウンはみんなと打ち解けて、
次第に日常生活に馴染むようになった。
森に棲むハリネも
時々遊びに来るようになっていた。
この棘触ってみていいですか?
もちろん。いいよ。
気持ちいい?
ブラウンは薪割りに斧を
振るっている。
そこにイリスがやってきた。
ブラウンさん、精が出ますね。
あこれはどうも。
いい運動になります。
ところで、ずっと気になっていたんだけど、
あなたが森の中で意識を取り戻した時、
近くに何か機械のようなものがなかった?
うーん。あの話ですね。
僕も思い出そうとしてみたんですが、
さっぱり記憶にないんです。
初めはぼんやりと夢を見てるみたいで、
森の中を彷徨い歩いているうちに
だんだん意識がはっきりしてきたので。
その頃、過去世界では、
翠が探偵事務所に帰ってきたところだった。
やあおかえり。
かっこいい服着てるね。
いいでしょ。
これ着たかったんだ。
何してるの?
向こうの世界で起きていることを、
アンから教えてもらっていたところ。
また新しい住人が増えたんだよ。
監視カメラで捉えた画像があるから、
見せてくれるって。
モニターにバーボンハウス前の
照明スタンドの監視カメラから
撮られた画像が表示された。
女性の方はイリス。
男の人はブラウンって名乗ってるけど、
この顔見たらきっと驚くよ。
とアンが言った。
あ。
この男の人は管理局のウェルズさんだ。
この前、ミラと一緒に事務所に来て、
仮想現実体験装置について色々聞かれたよ。
とミューが言った。
そっくりだけど、別人なんだ。
あの時事務所に来たのはこの人で
確かにウェルズって名乗ってたけど、
ブラウンというのが本当の名前。
とアンが行った。
私もこの服をきた人を広場で見かけて
ウェルズさんだと思って声をかけたけど、
その時は無視された。
あとでウェルズさんにそのことを言ったら、
思い当たることがあったみたいで、
急いで彼を探しに行ってた。
そっくりな別人がいるというのは、
わかる気がする。
と翠が言った。
それにこの女の人の顔は、
確かロボット研究所で警備を担当している
特殊部隊のアリスによく似てるわ。
イリスはアンのシステムが作ったNPCなんでしょ。
とミューが言った。
翠さんはアリスを知ってるのね。
イリスはアリスから生まれたの。
とアンが言った。
解説)
またしても
ややこしそうな会話に。
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