Nov 17, 2023
ブラウンの回想 そのさん
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ブラウンが外に出ると、
ハンモックの方から声がした。
やあ、ここ、ここ。
久しぶりだね。随分探したよ。
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ハリネっていう、
大きなネズミに案内してもらったんだ。
仕事が嫌になる気持ちはわかるけど、
転送装置を盗んだのはまずかったね。
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こんなに早く見つかっちゃうとは。
僕の名を騙って、仮想現実体験装置の
情報を得ただろう。あんなことしなければ、
君の居場所はわからなかったよ。
あれは転送装置の改造に
どうしても必要だったんです。
まあ、それはそれとして、
ロボットたちの遺した
転送装置を盗んだのは重罪だよ。
あの世界の未来に影響を与えないように、
レプリカにすり替えておいたけれど。
さて、君をどうするか。
僕を殺すんですか。
そしたらあなたも
消えてしまうのでは。
ふむ。失踪したタイムパトロールを
追跡班が抹殺するというのはただの噂だよ。
たいていみんな生きている。
それより、君はタイムパトロールになって、
自分がやり遂げてきた仕事のことを、
悔やんでいるのかな。
悔やむというか、
そのことの意味がわからなくなっちゃって。
だったら、君に頼みたいことがある。
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あら、お話終わったんですか?
はい。
これからちょっと出かけてきます。
転送装置のある場所は、
ミトラに伝えておきました。
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ブラウンさん、
連れていっちゃうんですか。
ちょっとした仕事を頼んだんだ。
たぶん戻ってくると思うけど。
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その後、しばらくして、
ウェルズが、ペンギン前のスペースに顔を出した。
おお、もう冬支度なのね。
あったかそう。と言われている。
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ブラウンさんの件、片付いたの?
うん。結局どうするかは彼に任せることにした。
彼には、過去の自分を
タイムパトロールに勧誘する仕事を
してもらうことにしたんだ。
自分のしていたことに意味がなかったと思ったら、
過去の自分を勧誘するのをやめればいい。
そうすれば過去のブラウンは、
タイムパトロールなどにならず、
別の時間軸で科学者として平穏に暮らすだろう。
そうしたら今のあなたはいないんじゃないの?
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ここに今、僕がいるということは、
どういうことかわかるかい?
実は全ては決まっていて、
ループの中に囚われているようにも見える。
でも肝心なのは、
それが彼自身の意思の結果でもあることなんだよ。
まあ、僕自身のことでもあるわけなんだが。
色々大変なのね。
私、時間管理部に入らなくてよかったわ。
とミラが言った。
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広場では、旅芸人たちが
「ブラウンの歌」を歌っていた。
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それ新曲ね?
ええ、ついさっき思いつたの。
解説)
またしても
よくわからない話の顛末のようでした。
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