Nov 15, 2023
ブラウンの回想
バーボンハウスでは、
ブラウンの頭に自白促進機が装着されていた。
これまだ使えるのかなあ。
スイッチ入れるわよ。
とナディアが言っている。
ブラウンは一瞬目を白黒させている。
記憶を取り戻したブラウンは、
おかげですっかり思い出しました。
と言って、しっかりした口調で、
話し始めた。
僕は管理局の時間管理部で
タイムパトロールとして働いていました。
ある時、仕事で立ち寄った宇宙酒場で
二人組のロボットと知り合ったのですが。
その時、昔話に花が咲いて、
彼らがかって、ある惑星を観察中に事故が起きて、
乗っていた円盤がその星の海に墜落した、
という話を聞いたんです。
彼らは運よくその星の住人たちに救助され、
母星に帰るために転移装置を作った。
そして、救助してもらったお礼に、
転移装置をその星に残していったというのでした。
あ、記憶がまだ混乱してるようです。
転送装置の話の続きをする前に、
時間管理部で働く前のことを話しておきましょう。
元々僕は、僕の暮らしていた世界で、
タイムマシンの研究をしていた科学者でした。
しかしある時実験が失敗して、爆発事故が起きて、
大勢の友人や同僚を失ってしまったんです。
責任を感じて何度か自殺を試みたけれど、それにも失敗。
悲嘆に暮れている時にウェルズという人に出会いました。
容姿が僕にそっくりなウェルズは、
自分は未来からやってきた、未来の僕なのだと言いました。
管理局という組織の時間管理部の調査員だといい、
僕をタイムパトロールとしてスカウトするために
やってきたんだと言ったんです。
どうして僕を選んだのかと聞くと、
君は死にたくても死ねないのだろう。
ということは、どんなに危険な状況に陥っても、
生き延びられるということだ。
どうしてかわかるかい。
目の前に未来の君が生きているのが、その答えだよ。
とウェルズは応えました。
解説)
二体のロボットの話したエピソードは、
2008年8月17日からの「おばあちゃんの家 番外編」で
描かれています。
そのシリーズから2枚の再掲画像を使用しています。
WriteBacks
http://haizara.net/~shimirin/blog/kirita/blosxom.cgi/20231115202523.trackback
writeback message: Ready to post a comment.