Apr 24, 2025

シノの小屋など

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ラルゴがアイスの危機を救ったあと、
アイスは仲間と合流するからと言って、
飛び去っていった。
ナディアたちはシノに案内されて
森の中を進んでいく。

ラルゴさん武器の扱い上手なのね。
私も前に襲われたことがあるんですよ。
あの怪鳥は南のジャングルにもいるんです。
プテラノドンのことね。
きっと岩の門を抜けていくんだわ。

みすずの家までもうすぐだけど、
私の小屋に寄っていく?
観光で来たって言ってたけど、
シノさんも、ここで暮らしているんですか。
空き家を借りてるだけなのよ。


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あそこが私の小屋。
なんというか貫禄のたたずまいね。


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中に入ってみると、居心地良さそうだなあ。
何もないけど、くつろいでちょうだい。


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シノさんは、ここで何を?
主に恐竜のウオッチングね。
1億何千年も前に生きていた生き物が
リアルに見られるなんて素敵でしょう。
でも誰かの夢の中なんでしょう。
生きた実物なんて誰も見た人はいない。
夢の中だからこそ可能なのよ。

この小屋は安全なんですか。
壊されたら別の小屋を探すの。
でも滅多にそういうことは起きないわ。
彼らはいつも食べ物を探すのに夢中だから。

壁に恐竜の種別のイラストが
貼ってある。恐竜オタクなんですね。
とラルゴが言った。

あ、噂をすればなんとやら。
と窓の外を見ていたナディアが言った。


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あれはなんていう恐竜?
ガリミムス。足が早くて頭がいい。
飛んでいるのはさっきの仲間ね。プテラノドン。
サバンナで戦っていた恐竜たちは?
アクロカントサウルスとサイカニアだったわ。


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特に要注意なのは巨大なティラノサウルスね。
肉食で割と凶暴なの。
それって多分、
私がサバンナで食べられそうになった奴よ。
とナディアが言った。
そんなことがあったの?
などと小屋の中で話している。


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一方、アイスは川沿いに低空飛行をして、
目印にしていた赤いヤビーの姿を見つけて
舞い降りてきた。


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アイスはみすずを紹介されている。

僕がワニに襲われたところ、
恐竜がそのワニをくわえてすごいことになり、
その時、みすずさんが声をかけてくれて
みんなで逃げてきたんですよ。
とヤビーが言った。


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お二人のお話によると、
皆さんは南の森から探索に来られたとか。
6人で来られたって聞きましたけど。

二手に分かれて探検しているんです。
別グループの3人も森に来ているんですよ。
今空中から確認してきたばかり。
あ、もう一人小銃を背負った
黒髪の知らない女性がいたかな。

それはシノね。シノはその人たちを
私に紹介するつもりなんでしょう。
じゃあ、これから私の家に参りましょう。
たぶんそこで合流できますよ。
とみすずは言った。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 24, 2025

フリマは続く そのよん

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フリマは今日も続いている。


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エトナはフリマのスナップ写真を撮って、
専属契約している
デイリープラネット紙に
買ってもらおうと思っている。


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ペギーとドミノが
カバンの値段の交渉をしているようだ。

もう一声。
などと言っている。


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観光客は縞柄のTシャツを
買うことに決めたようだ。

ロベリアが、
あ、それ売れちゃうのね。
と言っている。


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テレビ局のカメラマンは
ヘルメットを試着している。

全然危険じゃなくても、
現地取材するときに、
それらしくていいんですよ。
そういうものなんですね。


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ノヴァはフミコと話している。

このペンダントの草のモチーフって、
あの草ですか。
そうなの、大昔から使われている草よ。


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エトナは引き気味のショットを
撮影していた。

こんな感じの方が
フリーマーケットぽいかなあ。


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アンナは、移動させられていた
干支の蛇の彫像を見ている。

あら、巻きついていた蛇はどこに
行ったのかしら。


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蛇はミラが捕まえていた。

その生き物のスタイルはシンプルで最高ね。
手足がなくて不便じゃない?
進化して覚醒すれば必要ないわよ。
自分の尻尾を食べ続けて成長していけば完璧ね。
本気で言ってる?
などとカコとエレナが話している。


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アベルは佳奈と話している。

流石にここでローラースケートは無理でしょ。
ええ。それで普通の靴を買いにきたの。


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アンジーとルビーが話している。

久しぶり。
連日フリマが賑わっていて、
主催者としては忙しいでしょう。
そうでもないのよ。
みんなそれぞれお店開いてるだけだから。
あ、それ美味しそうなイチゴね。
やっぱりそう思う?
ちょっと大きめのところが気に入ってるの。



解説)
続きます。
Posted at 20:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 24, 2025

日はまた続く

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今日も冬晴れで寒い日。


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人形日記、お休みしてて、
ずっと見られなかったけど、
さっき見たら再開したみたいね。

ほぼ一週間。
何してたのかしら。


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1.毎日更新するのにくたびれて、
休養をとってた。
2.旅行に行ってた。
3.パソコンが壊れた。

その3が怪しいわね。


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もし一週間、
パソコンが使えなくなったらどうする?

メールの連絡が届かなくなって
不便かもしれないかど、
僕は本読んでるから、基本的に変わりないよ。
聞かなきゃ良かった。
今何読んでるの?

ケヴィン・ブロックマイヤーの「いろいろな幽霊」っていう
掌編小説集だよ。二頁くらいの長さの小説が、
100編収録されているんだ。
それぞれの作品が味わいのある小宇宙を作っていて、
散文詩みたいな感じ。
幽霊が出てくるファンタジー世界だから、
好みは人によると思うけどね。


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面白そうね。読み終わったら私にも貸して。
いいよ。図書館が臨時休業期間なんで、
本の返却は来月中頃でいいんだ。


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その頃サラたちの部屋では。

骸骨標本と頭骸骨ですか。やはり皆さん、
一度死んでから蘇ったんですか?
僕の理解を超えるなあ。
と言いながら、ノヴァは
マスクを被り直している。


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ノヴァさん、別人みたいに見えるわよ。
とヴィヴィアンが言った。

マスクが微妙にずれて、顔が変わるんです。
これ不便そうで、結構便利なんですよ。

あなたは、私の魔族の両親にも会ってるし、
フミコも紹介したし、これからどうする?
ハリーさんが言ってた「迷いの森」が、
どんなところか、見てみたいですね。

あそこは立ち入り禁止なのよ。
遠くから眺めるだけなら、
高台の休憩所に行けば見られるわ。


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二人はサラたちの部屋を後にして、
高台の休憩所に向かった。

そこにはトマソンが来ていた。
彫像を設置しているようだ。


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それはどうしたの?

この彫像は、僕が造ったんです。
モデルはフミコが魔法で生み出した作品ですが、
どこまでそのモデルに近づけるか造ってみたんですよ。

相変わらず、変わった芸術活動をしてるのね。
リアルさを追求してるんですよ。
リアルすぎるとゴミでも芸術価値があるのです。
そういうものかしら。



解説)
続きます。

1週間ほどお休みした理由は、
パソコンのクラッシュでした。
Posted at 20:32 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jan 24, 2025

バー・エデン そのに

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そこに
先ほど森の見えるカウンター席に座っていた
男性がやってきた。

やあミラ、髪型変えたのかい。

え、それって人違いよ。
私はミラの妹のカコ。
姉とは双子の姉妹なの。


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ななんと、それは失礼しました。
僕は管理局の時間管理部のウェルズと言います。
ミラとは長年の付き合いで、
情報管理部の彼女がここにくるなんて、
珍しいなあと思い、
つい気安く声をかけてしまったんです。
それにしてもよく似てるなあ。


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ウェルズはカコに勧められて席についた。

姉とは今日会ってきたばかりなの。
そこのサラさんに案内してもらって。

そうですか。
あの惑星にはレプテュリアンたちの円盤で?

いえ。彼らの古い転送装置を使ってね。

なるほど。あれを使ったんですか。
でもミラたちが住んでいるのは
確か管理局の本部のある領域の至近の町。
その近くに転送装置が残っていましたっけ。

そうじゃなくて。
とサラが口を挟んだ。
私たちが使った装置があるのはアフリカ。
そこから町までは魔法の扉で移動したのよ。

なるほど。そういうわけでしたか。
実はあの町では、以前遭難したロボットたちが、
帰還用に作った転送装置が、人間に贈られたことがあって、
その転送装置が盗まれるという事件があったんですよ。
その時、盗まれた転送装置はレプリカにすり替えて
事なきを得たんですが、それでつい
装置のことが気になったんです。

しかしあの星の魔族が作るという魔法の扉が
普通に移動手段として使われてるとなると、
結構厄介だなあ。


a4

あら、管理局の時間管理部って
普通の転送とは関係ないんじゃないの。
あなた方の専門はタイムパトロールでしょう。

いやいや、関係はあるんですよ。
あれが逃走に使われるとまず追跡が困難なんです。
それに魔法の扉がもし時間の扉のようなものに進化したら
この宇宙の時間の秩序は全面的に乱れてしまう。
今でもタイムマシンを使った犯罪については、
半ば野放し状態なのが実情ですが。

管理局も大変そうね。そういえば、最近
あの星では魔術師が増えて、魔法も派手になったって
姉が言ってわ。


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私には魔法のことは全然分からないけど、
確かにフミコやアイスやヴィヴィアンを見てると、
なんでもできちゃう気がするわね。
とサラが言った。

あ、サラ、それみんな食べちゃったの。
ええ、癖になるお味ね。


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じゃあ、僕はそろそろ仕事に戻ります。
と言って、ウェルズが席を立った後、
ウェイターがおかわりを持ってきた。

ねえ、ところでカコ、
あなたは、ここの常連みたいだし、
レプテュリアンとも親しいんでしょ。
どこか遠くの星から、はるばる地球に、
観光に来ただけとは思えないんだけど。


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鋭い質問ね。
でも観光に来たのも、ルースの調査に
付き合ってきたのもみんな本当のことよ。
ただ話していなかったこともある。

あなたがペンギン前で席を外していた時に、
姉たちには話したんだけど、
私は管理局からのスカウトを断った後、
宇宙連合にスカウトされて就職したの。
というか、宇宙連合に加入している星からは、
親善大使のような形で何人か選抜されるわけ。
微妙に政治的なことだけど、
連合にしてみれば人質みたいなものかもね。
その代わり連合の友好関係の象徴だから、
特権的な身分が保証される。
仕事は他の加盟文明との交流の促進。
基本、異星人と楽しく交流していればいいのよ。
私の担当がレプテュリアンたちの文明になってね。
それでここにいるっていうわけ。
ルースや、さっき会ったピピも私と同じ身分よ。
友好親善大使みたいなものだから、VIP待遇。


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なるほどねー。
そんな大使に選ばれたら楽しそうね。

あなたの星の文明は宇宙連合に加入してないし、
加入できる文明段階に達する前に
滅びるんじゃないかとも思われてる。
レプテュリアンたちが保護観察している状態なの。
あ、それはレプテュリアンたちの言い分だけどね。

そんなこと言ってるの?
聞いたことなかったわ。

レプテュリアンたちが連合に加入する時、
あなたたちの星の扱いがネックの一つだったのよ。
彼らは今でも月の裏側や南極に地下都市を作っている。
それが異なる惑星文明への植民計画や、
侵略行為だと見做されるかどうかで、
かなり激しい議論があったんだけど、
人間や魔族と直接接触しないという内部規約を作り上げて、
なんとか加入を認められた。

ふーん。
複雑な事情なのね。


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そこにリザードがやってきた。

カコ、もう帰ってきたのかい。
ホテルの泊まり心地はどうだった?
あ、君はサラだったね。

あらリザード。
噂をすればなんとやら、
って、ことわざがあったわね。
噂をすればトカゲだっけ。

それは違うだろう。



解説)
続きます。

ウェルズの話していた
転送装置盗難事件の話は、
2023年10月24日「盗まれた転送装置」
から始まっています。
2023年10月27日「盗まれた転送装置 そのよん」
で盗難事件は決着しますが、
犯人であるブラウンが仮想世界に逃げて、
追って行ったウェルズと対面する
2023年11月17日「ブラウンの回想 そのさん」
までで事件が最終決着しています。
仮想現実体験装置の世界の別の話や、
ブラウン(ウェルズの過去の分身)が
登場するのでややこしいのはいつもの通り。
Posted at 20:27 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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