7 コンペティション (2)

7 コンペティション (2)



こちらのコンペティションの大半は、各々の詩に賞が与えられるが、最近ではまとまった数の詩に対して賞を与えるコンペティションも増えている。これは通常、パンフレット・コンペティション(pamphlet competition)と呼ばれるもので、入賞すると、パンフレット詩集を出版してくれる。パンフレット詩集というのは、bookよりもページ数が少ない薄い詩集を指す。bookに比べると作品数は少なく、パンフレットを出版したわたしの友人の例では14編(短めの詩を13編と、8セクションの長さの詩を1編)を掲載していた。これは、短い詩ばかりだったら20編ぐらいの計算だろうか。それでも、無名の詩人が作品を世に出すにはじゅうぶんな数だと思う。

パンフレット・コンペティションで有名なのは、ポエトリー・ビジネス (The Poetry Business)、シナモン・プレス(Cinamon Press)といった出版が主催しているコンペティションがある。わたしは昨年、 テンプラー・ポエトリー(Templar Poetry)という出版社が主催しているパンフレットのコンペティションに応募し、入賞は逃したものの、入賞者のパンフレットとは別に発行されるアンソロジーに詩が選ばれ、掲載された。そのおかげで、昨年11月に行なわれたテンプラー・ポエトリー主催のダーウェント・ポエトリーフェスティバルで朗読する機会を与えられ、たいへん感謝している。

テンプラー・ポエトリーのコンペティションの規定は、18ページから24ページにわたる複数の詩を提出することである。1ページの行数は40行までで、それを超える長さの詩は次ページに印刷する。わたしの場合は18編提出したが、長い詩が2編あったので合計20ページになった。パンフレット・コンペティションのよいところは、過去に詩誌などに掲載された作品でも提出してよいところである。既出の詩の提出を拒んでは、詩集の意味を成さないからだろう。参加費が18ポンドと決して安くはないので、入賞にもアンソロジーにも外れれば損をした気分になるだろうが、もし出版できれば、出版社が出版費用を負担し、それなりに宣伝してくれるので、よい投資と言える。わたしの場合はアンソロジーを10冊無料で受け取ることができた。

このコンペティションのことを教えてくれたのは、以前同じポエトリーグループに所属していた、上記のパンフレットを出版した友人である(リンクの右下のAngela Cleland)。彼女はその後、同じ出版社から30編以上の詩を掲載した詩集を出版できたので、このコンペティションをきっかけに詩集出版の夢を実現したのである。