7 コンペティション (1)

7 コンペティション (1)



詩誌投稿に加え、詩を発表する方法にコンペティションがある。しかし、「コンペティションに入賞するのは宝くじに当たるようなもの」と友人が言っていたのを思い出す。そのくらい入賞の確立が低いのである。

またこちらでは、コンペティションに参加費がかかる。参加費は賞金金額が高いほど高く、イギリスでいちばん有名なコンペティションのひとつ、ナショナル・ポエトリー・コンペティションでは第一位入賞賞金が5000ポンドで、1編の詩に対する参加費が 5ポンド、2編、3編と応募するなら割引があり、1編につき3ポンド。詩誌投稿にかかるお金は切手代ぐらいなので、これはけっこう高いなあと思う。地方の団体が主催する、賞金が低い小規模のコンペティションもたくさんあり、わたしが住んでいるハートフォードシャーのある団体のコンペティションでは、第一位入賞賞金は500ポンドである。

コンペティションの運営にかかる費用は、入賞者への賞金、審査員(詩人)への審査料、アンソロジーの出版費、広告料、大きな団体ならば人件費、などだろうか。これらのお金を、参加費と芸術支援団体から集めているらしい。参加者が多いほど黒字額が増えて儲けになるのだろう。

審査員については、毎年有名詩人を招いて審査させるというのが普通であり、エディターが存在する詩誌や出版社が主催するようなコンペティションでも、必ず外から詩人を招き、エディターが審査する権限はない。審査員の人数は、小規模だと1名、規模が大きいと2、3名である。また、詩の原稿には名前を書いてはいけないという規定が必ずある。何度も詩誌で名前が登場していると審査員も覚えていることがあるから、先入観を防ぐ目的だろう。さらにコンペティションでは、行数を40〜50行以内と規定しているところが多い。

1回のコンペティションで入賞できるのはだいたい3名ほど。それに加え、shortlist(選抜候補者)の名前も発表されることが多い。コンペティションではよく、入賞作+shortlistの作品のアンソロジーを発行し、授賞朗読会を催す。