Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

大晦日の工作

サラたちの部屋では、
お正月の準備が進んでいた。




サラ、帰ってこないね。
この前一緒に来ていた女の子の部屋に
遊びに行くって言って出かけたきり。
年越すつもりかなあ。




ジェット、その新聞どうしたの？
広場で拾ったんだ。
リクガメの幼体って、
すごく可愛いみたい。




ジェニーたちの部屋でも
お正月の準備が進んでいた。
たまきとモモコは？




ペンギンの前で
焚き火して焼き芋作るって
ふたりして出かけていったよ。




ふたりはペンギンの前に
来ていたが。




今工事してるの。
ツリーを片付けたスペースに、
ベンチを設置するんですって。




リタが、これで完成ですね。
と言っている。




さっそくモモコはベンチに座ってみた。
座面が微妙なカーブで座り心地いいわ。
と言っている。
マスター。
うん。あとはベーカリー前で、
門松を作って、仕事納めだ。



解説）
大晦日なのに、思いついて、
ベンチの工作をしました。
壊れたワイヤークラフトの
椅子や壁掛けのパーツなど、
ありあわせのものを
組み合わせています。

メルティの部屋　そのさん

そのとき、
突然鏡の向こうから
男の人が現れた。




これはどうも。
白い帽子を探しているんですが、
見かけなかったでしょうか。

いえ。
あなた。どうやってここに。




男はよく覚えていないのだが、
荒野でなくした帽子を探し歩いていたら、
砂嵐に遭遇して、嵐が止んでから
別世界のようなところを歩いているうちに、
いつの間にかここにたどり着いたのだという。

そこはどんな世界なんです？
よく覚えていないんですが、
日差しが強くて風ばかり吹いている
ような所ですよ。




サラはなぜか不意に思い出したことがあって、
考え込んでいる。
その場所って、頭蓋骨のお父さんが
言っていた世界に似ているなあ。




男は白い帽子を探すのだと言って
去っていった。
鏡の扉の向こうには
サラたちは行くことができなかった。




仕方がないので
二人は最初の部屋の隅に戻ることにした。




メルティがコーヒーを運んできた。
サラが喫茶店でコーヒー豆を買って、
サラさんたちの部屋で、
ケイが美味しいコーヒー入れてくれたでしょ。
あの味が忘れられなくて。




ねえ。なに考えてるの？
さっきの人、どこから来たのかなあって。
壁の向こうでしょ。
壁の外の世界はやっぱりあったのよ。
そうとも限らないよ。
別の空間とつながったのかもしれない。
魔術劇場とつながってたみたいに？
うん。あれは魔法の扉だからね。
そうかー。




あの人いつか見た気がするんだけど。
マスクしてたね。
なんか大昔にテレビかなんかで。
だめだ。思い出せないわ。



解説）
年の瀬のせいか、
ハプニングのような
できごとが起きたようです。

メルティの部屋　そのに

この部屋は住み心地いいんだけど、
この壁の外がどうなってるのか。
時々すごく知りたくなって、
そういう時に穴掘りをしているの。
とメルティは言った。




メルティはトンネルを掘って、
サラは土のようなものを運んでいる。
土のようなものは
目には見えないのだが、
ずっしりとした重みや感触があった。
ここで、こういうことをするとは
思ってもいなかった。
とサラは思っていた。




穴掘りをやめて、
また少し歩いていくと、
明かりの灯った樹木があった。
綺麗でしょう。




今日はクリスマスね。
あなたの町でクリスマスツリーを見て、
帰ってきたらこんな木が生えていた。
とメルティが言った。




あれ、さっきは気が付かなかったけど、
こんなところにギターが。
とサラが言った。
ギターね。
そうだ。サラ。
よかったら何か弾いて歌ってよ。
あなたの町で旅芸人の人が
歌ってたみたいに。




サラはホワイトクリスマスを
歌っている。
周りに何か冷たいものが降り始めたが、
その色も形もサラには見えなかった。




またしばらく歩くと
サラは魔術劇場で見かけた
魔法の扉を見つけた。
それ壊れてるのよ。
とメルティが言っている。




このお部屋ではね。
私が強く望んだことが
実現することがよくあるの。
さっきのギターもそうだし。
このドアも。
穴掘りしてたら、このドアが出現してた。
壁の向こうに行ってみたいっていう、
私の思いが通じたんじゃないかって
最初は思ったんだけどね。




サラはドアを開けてみた。
自分の姿が映っている。
今の自分と微妙に違う気がする。
とサラは思った。




向こうに行けないかな。
うーん。ただの鏡のようだ。
やっぱり無理なのよねー。
と言われている。


解説）
メルティが暮らしているのは
１/12のスケールの世界。
1/6のスケールの世界のサラも
半分の背丈になっているのでした。

メルティの部屋

サラ、遊びに来てくれたのね。
とメルティがやってきて言った。

とても無理だろうって
諦めてたんだけど、よかった。
どうやってこられたの？




サラはハリーが調合してくれた
飲み物を飲んで眠ったのだと伝えた。
そんな方法があったなんて。
ハリーさん、やっぱり考えてくれたんだ。




とりあえずこれはお土産。
と言ってもあなたのコンテストの
参加賞を代理でもらってきたの。
と言ってサラは、
チョコレートを手渡そうと
ポケットから出して驚いた。
チョコが巨大になっている。
しかしそうではなくて、
自分の体の方が微妙に
小さくなっているらしいことに
サラは気がついた。

わー嬉しい、ありがとう。
椅子に座ってお話ししましょう。
とメルティが言った。




随分広いお部屋ね。
ええ。この世界全体が私のお部屋なの。
それはそうと、この前、
あなたの住む世界に遊びに言ったでしょう。
帰ってきてから大変なことが起きちゃって。
ハリーさんの魔術劇場に通じていた
魔法の扉が使えなくなっちゃったの。
だからまた一人ぼっちになったなあって、
思っていたところだった。
でもハリーさんなら、なにか方法を
考えてくれるだろうとも思ってた。
だって彼ってすごい魔法使いだもの。
ハリーが飲み物を調合していたのには、
そんな事情があったんだ。
とサラは思っていた。

ここはあなたが見ている夢の世界だって。
ええ。ハリーさんが言ってた。
そのことをハリーさんに教えてもらって、
けっこうショックを受けたことも、
魔法の扉が使えなくなったことと、
関係あるのかもしれない。
よくわかんないんだけどね。

そうだ私着替えてくるね。
とメルティは言って席を立った。




サラはあたりを見回して、
ついでに壁を見あげてみたが、
随分高そうで天井が見えないほどだった。




お待たせ。
あ。この地球儀はね。
世界が球体だってことを忘れないために、
ここに置いてあるのよ。
そうだ。
散歩に行きましょ。
サラが町を案内してくれたみたいに、
私もお部屋を案内したかったの。




二人はテクテクと歩いている。




どうやら部屋の隅らしき
場所にたどり着いた。
部屋は四角いのかも。
とサラは思っている。




工事現場のような場所があったので、
サラは立ち止まった。
あ。ここはね。
私が時々穴掘りしている場所よ。



解説）
よくわからないので
続きが知りたいです。

魔術劇場で

ハリーさん。こんばんわ。
みんなとケーキ食べてたら
遅くなっちゃって。
気にしてないよ。
今夜はクリスマスだからね。




綺麗な燭台。
魔法使いもクリスマス
お祝いするんですか。




ああこれは今、調合の
魔術に使っていたんだ。
でも魔族の中にも
敬虔なクリスチャンはいるんだよ。
一時ヴァンパイアだったわたしは
どうも苦手なんだが。




あらサラ。
いらっしゃい。
と言ってヴィヴィアンが現れた。

そうか。
メルティのことね。
あの子の世界には私も興味あるの。
でも深い眠りに包まれていて、
私でも自由には行けない。
こんどお話を聞かせてね。
どうぞごゆっくり。




そう言い残すと
ヴィヴィアンの姿は
ブレた写真のように
ぼんやりと薄れて消えていった。




ふむ。
ヴィヴィアンのいった通り、
メルティは深い眠りのなかの
夢の世界にいるから、
訪問者にも特別な眠りが必要なんだ。
それでこの飲み物を調合していたんだよ。




ふうん。これ飲めばいいのね。
サラはゴブレットを手に取った。

効き目がなくなれば
戻ってこられるはずだよ。




きれいなエメラルドグリーンね。
メロンシロップみたいだなと思いながら、
サラは液体を一気に飲み干した。
するとなんだか急に眠気が。




目が覚めるとサラはベッドに
横になっていた。




どこか部屋の中のようだ。



解説）
ハリーの調合した液体は、
メロンシロップではなく、
セリアで買ったゼリー状の粘土、
「カラフルゼリーねんど」を
使っています。

クリスマスの夜

夜になった。
ジェニーたちの部屋では、
エトナやプチブライスたちと一緒に、
みんなでクリスマスを祝っていた。




ブッシュドノエル買ったんだね。
柿や栗も？
これは拾ったんだよ。
とたまきが言った。




夜も更けてきたので、
広場に人通りは絶えている。




しかしあちこちの店で
人々はそれぞれに
クリスマスの夜を楽しんでいるようだ。




デジャでもクリスマスパーティが
開かれていた。
イルミネーションも見納めだね。
と外を眺めながらイリアが言っている。
アンジーは熊の着ぐるみの人に、
あなたは誰なの？
と言って、それは秘密です。
と言われている。




ドルフィン二階のベランダでは
ジルとギルダが、
ロマンチックにワインを飲んでいた。




今年はいろんなことがあったなあ。
僕が君のフィギアを
ジャンに預けたのは、もう随分前のこと。
そのフィギアに命が宿って、
こんなふうに現実に
一緒にクリスマスを過ごせるなんて、
思ってもいなかった。




確かにいろいろありすぎて。
私にしてみれば、噂に聞いていた
別世界にこられたことが一番の驚き。
この世界に来てあなたに会ったのは
今年の8月の３日だから、
あれからまだ半年も経ってないのよね。
ところでさっきから気になるんだけど、
そこの洗濯物
取り込み忘れてるのかしら。




人それぞれのクリスマスの夜が更けて、
広場にサラがやってきた。




魔術劇場にようこそ。
ハリーさんがお待ちです。
と言われている。


解説）
現実の日付とずれていますが、
まだクリスマスの夜の
出来事が続きそうです。

昼下がりのクリスマス

広場のベーカリーには
コンテストの参加賞をもらいに、
人が並んでいた。




鷲掴みにしてね。
ぐわっし。
と、ももこは言っている。




優勝候補だったのに
残念だったわね。
うん。でも、
あの王冠もらってもね。
とジェットが言っている。




わたし三枚しか掴めなかった。
このチョコうまいなあ。
などと話している。




ベランダでは
プレゼントを配り終えたサンタが
広場を見下ろしていた。

お疲れ様です。
拡声器のプレゼント、
ありがとうございました。
ドルフィンとベーカリーの一同
喜んでいましたよ。
早速、屋根に取り付けてみたところです。
とドルフィンのマスターが
言っている。




ふつうプレゼントは
子供たちにしか配らない決まりなんだが、
君たちにはお世話になっているから特別だ。
コスプレのコンテストを来年も
続けるって、話してるのを聞いてね。
住民にいろいろアナウンスするのに
便利じゃないだろうかって、
思いついたんだ。
それにしても手際がいいね。

恐れ入ります。工作と工事が専門ですから。
これから北の国にお帰りですか。
ふむ。肉まんを三つ食べてから帰ろうと思う。




サラも参加賞の受け取り場所にきていた。
メルティさん来られないので、代理で。
今夜彼女に渡すの。
いいわよ。たくさん掴んでね。
と言われている。




ペンギン前の空き地では
はるなとたまきが掃除を終えていた。
落葉すごくたまったね。
これ生ごみに出すのかな。
もったいない。
焚き火して焼き芋焼こうよ。
などと言っている。




たまきが柿と栗を
分けてもらって帰ろうとした時、
窓のある壁際から男の人が出てきた。




こんにちわ。
初めまして、わたしはこの家に
引っ越してきたバグというものです。
今日はご近所にご挨拶に伺いました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
これはつまらないものですが、
お近づきの印に。

はるなは、この人
いい人みたいだけど、
どっちをみて話してるんだろうと
思っている。



解説）
あれこれと続き風に
進行しています。

イヴに広場で

今日はクリスマスイブ。
広場ではコスプレコンテストの
優勝者の発表があると言うので、
人で賑わっていた。
レポーターの枝野多恵や、
賞金稼ぎに連れ去られて、
戻ってきたゼロの姿が見える。




話していたとおり、
ゼロを捕まえたドミノたちも
遊びにきたようだ。




ルーマニアの異世界からは、
総統も遊びにきていた。




広場には相変わらず赤鼻のトナカイの
歌声が賑やかに流れている。




ベーカリーの屋外席では
アイス、ルビー、ジャン、
マンスフィールドさんが話し合っている。
コンテストの審査は、
最終段階になっていた。




一般のコスプレだと、
まぼろし探偵や、再挑戦した月光仮面が、
マニアックで印象的だったわ。
あとサンタ服ならフローラの服が
手作りっぽくて可愛かった。
とマンスフィールドさんが言った。
ミリタリー系の候補者は？
ギルダやジョー軍曹やエルヴィンたち、
異世界から来た軍人たちや、
戦闘服姿のCGたちは、格好良かったけど
選考からは除外したい。
残念だけど、彼らの服装は実用品で、
見せて楽しむコスプレじゃないからね。
日本兵やモモコさんの水兵服、
戦闘機パイロットのコスプレが面白かったよ。
とジャンが言った。




候補はそのくらい？
みんなそれぞれ工夫してて甲乙つけ難いね。
個人的にはドミノが良かったな。
とアイスが言った。
時節柄サンタ服が多かったけど、
一応今回のメインは
ミリタリー系がテーマということで。
私が独断で決めるわ。
とルビーが言った。




ということで、
審査結果の発表です。
コスプレコンテストの優勝者は、
第二次世界大戦時のドイツ軍の
山岳猟兵のコスチュームを着た、
ピエールさんに決定しました。
一瞬、広場にどよめきが起こった。
ピエールって誰？




ピエールは、
あなたのことみたいよ。
と言われている。
まず。




優勝者には王冠が進呈されます。
これでますます仕事が
やりにくくなっちゃったなあ。
とピエールは思っている。

君、良かったら私の国に来ないか？
我が軍には山岳猟兵がいないんだよ。
と総統に、さっそく声をかけられている。

なお、参加賞は、
前回と同じハーシーチョコレートの掴み取りです。
とルビーが言った。
歓声と拍手が巻き起こっている。



解説）
ちょっと慌ただしい
コンテストの授賞風景でした。

優勝賞品の王冠はセリアで。
「ペット用クラウン」として
売られていたものです(^ ^)。

別世界の話

第二次世界大戦時にドイツ軍が使用した
サイドカー付きオートバイ、
BMW・R75に興味を持つのは、
事情を知らない普通の住民たちだ。
ミリタリーマニアって凝るのね。
これちゃんと走るのかしら。
とナタリーとレイチェルが話している。




町に買い出しに来たエルヴィンは
アイスやギルダと話し込んでいた。

私たちの世界の元型が
こちらの世界だったなんて、
今でも信じられないのだが、
歴史も細部で随分違うようだ。
私たちの世界では戦時下にあり、
孤立したあの村では例外的に
敵味方が共存しているが、
こちらの世界では
戦争はとっくに終わっていて、
我が軍が敗北したことになっている。




私もこちらの世界に
来られるようになってから、
ジルから聞いたり本を読んで知ったんですが、
総統もそれにあなたと同姓同名の将軍も
戦争で亡くなっているのよね。
でもジルが言うには、
二つの世界は同じ
時間軸にあるわけじゃないから、
どちらが未来だとか
真実だとかいう話ではなく、
あまり気にすることはないって。
それにハリーさんは、
私たちの村のような世界は、
他にも無数にあるって言ってたわ。




エルヴィンは少なからず
ショックを受けた顔をしている。
アイスは、だとすると、
CGなんて組織も存在しない世界もありそうだね。
と取りなすように言ったが、
それがどういう意味なのか、
自分でもよくわかっていなかった。




さゆりさんって、珍しい名前だね。
同じ名前の女優さんいなかったっけ。
そうなの。
祖父がファンでつけたのかも。
などと、
肉まんを買いに来たサラが、
さゆりと立ち話をしていると、
食事中だったハリーに声をかけられた。




やあ、サラ。
この前は、メルティを
お世話してくれてありがとう。
彼女すごく喜んでいたよ。




それはよかったわ。
あの子ちょっと変わったところのある子ね。
なんにでも興味津々で、
驚きの連続だったみたいだし、
一人っきりで生きてるみたいなこと
言ってたし。




あの子はね。
一人きりで自分の世界に住んでいるんだ。
とは言っても、実は
彼女自身がみている夢の世界なんだけどね。
すごくクリアな夢で、
繰り返して同じ夢をみているうちに、
一つの世界として実体化してしまった。
その夢をみている実際のメルティは
昏睡状態でずっと寝たきりなんだよ。
メルティのみる夢の世界が強固になって、
ある日、魔術劇場の魔法の扉と
繋がってしまったんだ。
それで私と話をするようになって、
この町のことを話題にしたら、
ぜひ一度行ってみたいって。
私も魔術劇場の主人だし、
なんとか願いを叶えて
あげたくなってね。
あとはサラが知っている通り。




そんな事情があったとはね。
この世界はスケールが大きいなんて、
変なこと言ってたけど。
それはメルティの見る夢の世界が、
微妙に縮小サイズだからなんだ。
彼女に遊びに行くって
約束したんだろう。
どうしてご存知なの？
彼女すごく楽しみにしてたからさ。
今度、彼女の世界に行ってみるかい？
ええ。
じゃあ、クリスマスにでも、
久しぶりに魔術劇場をオープンしよう。
もちろん、サラだけがお客さんだよ。



解説）
落葉をちぎったり
しょうもないことをしているうちに
思いつきストーリーが
動き始めたようです。

落葉

ペンギンの前で、リズが、
昨日は風が強かったからねえ。
と言っている。




それにしてもすごい落葉。




柿の実や栗も混じっている。




こういうのって、
年に一度くらいはあるんだよ。
とたまきが言った。




私は初めてかも。
とはるなは言った。




掃除手伝うから、
柿と栗山分けしよう。
わー助かる。
と二人でしめし合わせている。




散歩から帰ったアンジーは、
デジャに来ていたジルに
話している。

散歩の途中で見たんだけど、
あのペンギンの前の空き地の拡張、
ジルさんがドルフィンに依頼したの？

いや。倉庫で見つかったツリーを
飾るスペースがないかって、
マスターから相談はされたんだけどね。
あそこは元々ドルフィンの
倉庫の資材置き場みたいな土地だったから。
ふーん。
壁に窓があったみたいなんだけど。




それはきっとドルフィンの倉庫だった建物だ。
空き地に面した壁に窓をつけたんだね。
そういえば、マスターが誰か住むって言ってたよ。
管理局に勤めてる人だって聞いたけど。




管理局！
あの管理局かもしれないわね。
とヴィヴィアンが言った。
あの管理局って、もしかして、
別荘に飛んで来た天使が言ってたっていう話？
とアンジーが聞いた。
そう。
あまり誰も気にする人がいないけれど、
ドルフィンの倉庫って、結構謎が多いのよ。
ものが湧いてくるような感じもするし。
もし倉庫が異世界と繋がっていたら、
管理局とも関係があるんじゃないかって、
前から思っていたの。
よくそんな変なこと思いつくね。
わたしは悪魔だからね。



解説）
今回は、庭に散った枯葉を集めて、
切り抜いたり、ちぎったりして
落葉の山を作成しました。
たまにこういうことをやりたくなります。

ざっと「目次」を検索してみたところ、
2013年12月10日「落葉」で、
同じような情景画像を撮影していました。
2021年1月26日「たき火」にも、
切り抜き落葉がちらっと登場しています。

紅葉を惜しんで

ジェニーたちの部屋では、
スピリッツアンドスパイスが、
ピカデリードリーと話していた。
帰ってこないと思ったら、
やっぱりここにいた。
登録ついでに紅葉を見にきたら
居心地よくて。

エトナも紅葉の撮影に
来ているようだ。




そろそろ盛りを過ぎたのかな。




今日はいい天気だけど。




雨や風で
すぐに散っちゃうからね。




広場にはサイドカー付きの
オートバイが停車している。




アイスとエルヴィンが
話し込んでいる。




村のドイツ軍と米軍がそれぞれ、
一軒づつ郊外のバービーハウスに
住むことになったんだ。
ドイツ軍向けの住宅には、
私が選ばれちゃってね。
今日は早速買い出しに。
そうだったの。
あのあたりだと、
アルのビストロのピザが
美味しいわよ。




ジャンさん、
あのエルヴィンっていう人、
特別な服装してるみたいだけど。




ああ。あの人の元になってる
１／6のフィギアはね。
エルヴィン・ロンメルという想定のものなんだ。
ロンメルって、あの砂漠の狐の。
うん。
彼らの世界でも時々
将軍って呼ばれてるみたいだよ。



解説）
紅葉が気になって
追加で撮影しました。

深まる秋の一日

新しもの好きのたまきが
さっそく噂を聞いてツリーを見にきている。
町をメルティに案内していた
サラたちも通りかかり、
散歩中のアンジーも
変化に気がついて立ち止まっている。




はるなちゃん、これって。
最近、紅葉の落葉が多くて。
広くなってお掃除が大変です。
それはそうかも。




アンジーもコンテスト参加するの？
そういうつもりはなかったけど、
この服あったかいのよ。




広場では、
あちこちの家を調査していたサンタが
ベーカリーに戻ってきた。

マンスフィールドさん。
これはまた大きな人形ですね。




私は人形じゃなくて、
スピリッツアンドスパイスよ。
ピカデリードリーが戻らないし、
サンタ風コートを見つけたので、
私もコンテストに登録しにきたの。




スピリッツアンドスパイスは、
椅子の横にコンテナボックスを見つけた。
わ。プレゼントがいっぱい入ってるのね。
内緒だが、北の国から、
ドルフィンに送ってもらったんだ。
最近はトナカイも少なくなってね。




楽しみだなあ。
私たちの住所メモしとくからね。
とスピリッツアンドスパイスは言った。




エトナさん、お久しぶり。
あら、あなたもこちらに？
私たち、交代で来てるんです。




コスプレコンテストって言っても、
見かけるのは、ミリタリーかサンタ服ばかり。
あ、サラ、お連れさんもサンタさんね。




サラ、色々案内してくれてありがとう。
わたし、そろそろ帰らなくちゃ。
今度、私の住む世界にも
遊びにきてね。
うん。
きっとよ。

そういうと、メルティは、
魔術劇場の扉から去っていった。


解説）
短い1日にも
再会や別れが。

新しい空き地

下のペンギンの前の工事って、
終わったのかしら。
ちょっと様子を見てくるわ。
とエリスが言った。




エリスが階下に降りて
通りに出ると、
そこには小さな空き地ができていた。




舗装工事は終わったようで、さらに、
クリスマスツリーが設置されていた。




ドルフィンのスタッフが
仕上げの作業をしている。




倉庫にクリスマスツリー用の資材が入ったので、
設置場所として、
急遽ここを拡張することになったんです。
とドルフィンのマスターが言った。




ドルフィンの倉庫にあった古い飾り物を使って、
これから飾り付けをするところなんです。
とはるなが言った。




飾り付けはサクサクと進んで。




ツリーが完成して
イルミネーションも点灯した。




なかなかいい雰囲気ね。
クリスマスシーズンらしくていいですね。

ところで、そこの窓の見えるお家、
前はなかったわよね？
この空き地もなかったですからね(^ ^)。
誰か住んでるの？
さあ。私も初めて見たので、
ちょっとわからないです。
とはるなが言った。



解説）
セリアで、クリスマスツリー用の模造樹木と、
ライトがついた裸木状のツリーを売っていたので、
設置する場所を思いつかないまま、
組み合わせてツリーを作ることにしました。
工作は空き缶の中にツリーを立てて、
裸木の方をひねって差し込んであります。
やや大ぶりなので、設置場所は、
結局のところ、パソコン部屋の棚の一画を
常設の情景セットに加えることに。

持つべきものは

探偵事務所で、ドロレスは
紅葉を眺めていた。

心なき身にもあはれは知られけり。って、
ロボットの気持ちをうたったような歌ね。




ドルフィンからツリー借りてきたのよ。
とエリスが言った。




黒いツリーじゃないんだね。
あれは人気で、これ残り物だったの。
そこに翠が入室してきた。

すっかり寝坊しちゃった。
昨日は明け方近くまで、よく呑んだわ。
なんか下のペンギンの前で
工事やってるよ。

なんでしょうね。
警備隊の皆さんは？
仕事に戻ったり、国に帰ったり
いろいろみたい。




ベーカリーの前では、
警備隊のメンバーが帰るところだった。




スーザン、ずっと本部詰めじゃなかったの？
この7月にルビーたちに情報を伝えに来て、
ここで別の任務についてるの。
でも昨日は飲めなくて残念。




突然だったからね。また機会があるよ。
そうだといいね。




なるほどねえ。
そういえば、境界近くで何度かお見かけしたのを
思い出しましたよ。
山岳猟兵のコスプレですか。
専用のスノーシューズまで用意して、
自然がお好きなんですねえ。
とレイブンが言っている。




おや、お連れの方は、
もしかして有名なトレジャーハンターの
ラッセルさんではないですか。
お友達ですか？

ピエールは、やっぱり
かえって怪しまれちゃたかな。
と思っている。




昨夜は楽しかったわ。
とイメルダが言っている。
この町にはロボットやドラゴンがいて、
なぜか短期間で移動していくはずの
魔術劇場も居座っている。




あなたたちの任務が
そうしたことに関係あるのかどうか知らないけど、
近くだから、何か必要あったら呼んでね。
本部通さなくてもいいから。
ありがとう。
こっちも境界で何かあれば応援に行くよ。
とルビーが言った。
持つべきものは、だね。
とアイスが言った。


解説）
ちょっと慌ただしい
CGたちの年末の集いでした。

境界警備隊との集い

日が暮れて、
デジャは貸切のようになっていた。

みなさんすごい格好ですね。
仕事明けで直行してきたからね。
などと言っている。




このカクテル美味しい。
ありがとうございます。
あなたどこかで会ったかしら。
前にロンドンにいなかった？。
いえ。
人違いか。




迷いの森との境界の警備は暇すぎて、
本来CGがやるようなことじゃないね。
でもあの森が謎めいていて、
本部が重要視してることはわかる。
最近は翼のある人間が空飛んでるとか、
箒にまたがって飛んでるとか、
妙な目撃情報があるのよ。




この辺の住人は昼間から
夢見てるような人が多いからね。
飲み水のせいだっていう噂もあるけど。
とルビーはそれとなく
話題を逸らしている。




翠、コスプレに参加したっていう、
ナッツは帰っちゃったの？




うん。もう何日も前のことだし、
みんなが来るって知ったらね。
あの戦闘服見たかったな。




やがてフレイムが
一升瓶を抱えてやってきた。
店の片付けしてたら遅くなっちゃって。
と言っている。




すっかりシェフが様になってるね。
CG引退したら？
これは世を忍ぶ仮の姿なのよ。
とりあえずこれ飲みましょう。




朝まで飲みそうな雰囲気だね。
みんな久しぶりだし、
忘年会みたいなもんだから。




お店みんな閉まって、
イルミネーションだけになってるよ。
とアッシュが言った。


解説）
更け行く秋の夜の回でした。

境界警備隊

先ほどはどうも失礼しました。
まさか本物のサンタクロースさんだったとは。




いえいえ。
みんなコスプレだと思うんですよ。
サンタが本当にいることを
信じない人も多いですから。




ところで、この人形、
以前オークションで入手したもので、
今では私のお気に入りなんですけど、
どこで製造されたのかわからなくて。
ふむ。
うちの工場かもしれませんね。
サンタのプレゼント用人形は
その子が望んでいるもの以外は
たいてい無印なんです。




その時広場にバギーが到着した。




ハロー、アイス。
と言っている。




クリスマス前に特別休暇が取れたから、
遊びにきたよ。
とレイブンが言った。




なんかこの町でCGの珍しい戦闘服が
見られたって噂聞いたけど。
ああ。コンテスト盛り上げるために、
ちょっと協力したのよ。
ところで、言ってたバーってどこなの？
それがお目当てね。
この奥の二階。




やあ、この前はどうも。
コスプレ楽しんでますか？
とコフィとアッシュが声をかけている。
異世界から来ている
米軍兵士たちはちょっと緊張している。




コスプレ登録じゃなくて、
本物の軍装ですよね。
とエトナが訊いている。
もちろん。
でも軍隊じゃなくて、
私たちはCGの境界警備隊。
ルビーいないかな。
とイメルダが言った。




ドルフィンの奥では
ピエールもちょっと緊張していた。

どうもやばいなあ。
あいつらに迷いの森との境界近くで
何度か顔みられてるんだ。
同一人物だって知られたって、
即越境や盗掘の容疑者ってわけじゃないんだろう。
とラッセルが言った。

色々質問されると面倒臭いのさ。
大丈夫だよ。その格好だし。
冬山登山の好きなナチュラリストで通るよ。
むしろ逃げ隠れするより、一度話でもして、
そういう好印象を与えといたほうが、
この先仕事もやりやすいんじゃない？
さすが宝石泥棒。じゃなかった。
トレジャーハンターだなあ。
それ関係ないよ。



解説）
忘れかけてた頃に
警備隊が遊びに来ました。

紅葉日和

サラはメルティを連れて
ペンギンを訪れていた。

とてもいい天気。
可愛いサンタさんね。
と言われている。




メルティは崖の紅葉を見て
喜んでいる。




席移ろうか？
あ。アルさん。ありがとう。
今日はコーヒー豆買いに
寄っただけなので。




いつものペンギンブレンド
３００グラムね。




サラたちの部屋では、
ジェイソンが外を眺めていた。
今日は紅葉日和だなあ。




サラがメルティを連れて帰ってきた。
メルティはさっそく
珍しそうにレトロなストーブを見ている。




豆を袋から詰め替えて。




コーヒーミールで挽く。




ドリップで淹れる。




部屋でみんなと
飲むほうが楽しいんだね。
いいなあ。
私いつも一人だから。
とメルティが言った。


解説）
たまにコーヒーを淹れる
シーンを撮影したくなります。

紅葉の見頃

マンゴー亭でレイとアンナが話している。

もう紅葉の季節になったのね。
この町に来てから、
早いもので今日でもう一年。




去年の暮れに崖の紅葉を見に来て、
私ははるなと、アンナはサラと再会して、
エトナの勧めでドルフィンの二階に
住み込んじゃって。
それから恵子に誘われて、
このマンゴー亭でずっとバイトしてた。




私たちが崖の紅葉見たのはちょうど
一年前の12月15日だね。
今年も見ごろになってるのかなあ。




今年の紅葉はほぼ平年並み。
とジェニーが言っている。




ピカデリードリーも紅葉を見に、
ジェニーたちの部屋に遊びに来ていた。
明日くらいからが見頃かなあ。
どうせなら泊まっていきなさいよ。
ずっといてもいいよ。
とたまきが言っている。




隣の高台の休憩コーナーでは
フローラがベーカリーで販売する
クリスマスケーキの
予約を受け付けていた。

ベーカリーの外の席は、
コンテストの参加登録の受付に使っているので、
ここでケーキの予約を受付ることになったのだった。




クリスマスに、
ブッシュドノエルは欠かせないからねえ。
と言っている。
ケーキの名前、「クリスマスの丸太」っていう意味の
フランス語なんだって。蘊蓄あるのね。
なんだってネットに載ってるのよ。




ねえ聞いて。このケーキの見本ね。
毎年ベーカリーのフレイムが作るんだけど、
飾りの柊の葉っぱをなくしちゃって、
代わりにツリーの形のクッキーを
刺してあるんだよ。さすがフレイムよね。
とフローラが言っている。




サラはメルティを
見晴らしのいいベランダに案内している。
この階段急だから気をつけて。




町を見下ろしていたメルティは、
この世界、やっぱりみんな
スケールが大きいんだね。
と言った。
サラは、どういう意味なんだろう、
とちょっと考えている。



解説）
毎年、崖側の楓は紅葉するのが遅く、
これから見頃を迎えます。
西向きの窓からそれを眺めるのが、
町の住人たちの楽しみなのでした。

サンタが町にやってきた

今年もサンタクロースが、
やってきた。




一年ぶりですね。
とマスターが言った。
なかなか華やかなようだね。
今年はもう下調べですか。
クリスマスまで、あちこち
見て回りながら、この町のベーカリーで
カメロンパンを食べて過ごすのが楽しみでね。
屋台やバーもできてるようだし。
コスプレのコンテストもやってるんですよ。
それは面白いアイデアだね。




マンスフィールドさんに、
本物のサンタさんみたいですね。
その白髭ポイント高いです。
と言われている。
去年ここでケーキコーナーのバイトをしていた
フローラは思い出したようだ。




デジャから見ていたルビーも、
やってきたサンタが、去年は、
円盤型の「LED付ミラー台座」を
ドルフィンやベーカリーのみんなに
プレゼントしてくれたことを思い出していた。
あれずっと仕舞い込んだままだなあ、
と思い返している。




ピカデリードリーも
サンタの扮装をしてやってきた。
あら随分久しぶりね。
とエトナに言われている。
お仲間、みんな元気？
段ボールハウスで元気にしてるよ。




コンテストやってるって聞いて、
参加賞目当てに
代表で一人が参加することにしたの。
と言っている。




魔術劇場の扉が開いて、
やはりサンタ服の女の子が出てきた。




そこに広場のイルミネーションを
見物にきたサラが通りかかった。




サラは女の子の後から
魔術劇場から出てきた
ハリーに声をかけられた。

ああサラ。
ちょうどいいところで出会った。
実はこの子、コスプレのコンテストに
参加したいっていうんで、
連れ出してきたんだ。
ちょっと訳ありの子でね。
この町は初めてなんで、
案内してあげてもらえないかな。
いいわよ。
家にストーブ入れたところだし、
暖かく過ごせるわよ。
私はサラ。サラサラのサラ。
あなたお名前はなんていうの。




私はメルティ。
どうぞよろしく。
と女の子はいった。


解説）
町ではサンタのコスプレが大流行。
とまではいきませんが、
サンタ尽しの回になりました。

明かりのある風景いくつか

サラたちの部屋では、
今年もレトロなストーブを設置した。




石炭や薪も揃っている。




さっそく鍋を火にかけている。
今晩はカレーだよ。




カレーうどんがいいなあ。
とジェイソンが言った。
僕は食べられないけど、
みんなが食べるのを
見るのが好きなんだ。




高台の休憩コーナーのツリーにも
電飾が灯った。




フェンスに取り付けた
イルミネーションは
うまく写らない。




たまに車が通ると、
ヘッドライトに照らされて、
佇む人の姿が浮かび上がる。




ペンギンの前では
二人が立ち話をしている。




ヘッドライトに照らされたようだ。
メイヴィス、
レースクイーンみたいな格好
してたのね。
気がついた？



解説）
広場をライトアップしたついでに、
ミニライトなどの明かりを使った
風景を撮影してみました。

イルミネーション

犬猫同盟って作ったんですって？
ああ、トラ猫さんが言ったんですか。
あの人お喋りだなあ。
秘密のアジトが必要なら私たちの村に来なさいよ。
異世界だから誰にも見つからないよ。
それは名案ですね。
などと話している、




ルビーは隅の席に座って、
何となくゼロのことを思っていた。
いつもこの席に座っていたのね。
確かにガラス戸越しに町が見渡せる。
あら、あの灯りの列は？




ドルフィンのスタッフが工事していた
イルミネーションが点灯したのだった。




今年は建物の軒先に
ライトを這わせてみたんだ。
とマスターが言ったが、
あいにく周りに誰もいなかった。




夜にはマンゴー亭の看板も綺麗。




花の飾りも、まばゆく輝いている。




というか、ちょっとまぶしいので、
このくらいの方が良さそうだ。




随分華やかね。
昼間より明るいかも。




裸電球の下の屋台は雰囲気あるなあ。
昭和のアジアはこうだった。
僕らが活躍した頃だね。
などと言っている。

光の調整は難しいなあ。
とマスターは思っている。


解説）
建物の軒先伝いに
イルミネーションのコードを
吊り下げてみましたが、
点滅式のものしか持っていないので、
数うちゃ当たる方式で撮影しました。

ドミノ　そのに

ルビーはゼロの居所を教えていいものか、
ちょっと躊躇していた。




するとゼロがデジャからやってきた。
僕ならここにいるよ。




ドミノ、君に捕まるのは
これで何回目になるかな。
数は覚えてないけど、
元気そうね。




僕は公的な機関からは指名手配はされてないけど、
私的に懸賞金をかける人がいるんだよ。
それで名高いバウンティハンターに
追われることになる。
ゼロは抵抗しないし、
身柄を拘束して引き渡すだけだから、
けっこう、お得意様なのよ。




すぐに戻ってくるよ。
と言い残してゼロは去っていった。
ここ住みやすそうな町ね。
この仕事終わったら
クリスマスにでも遊びにこようかな。
コンテストの結果も知りたいし。
と、ドミノも言い残して
一緒に去っていった。




ドミノって、今年も賞金稼ぎランキング
トップのバウンティハンターなんだけど。
懸賞金を出す依頼者が謎めいていて。
ゼロ本人だっていう噂もあるの。
とエトナが言った。
ふーん。そうなんだ。
だとすると、
かなり性格に問題ありそうだね。




リタはイルミネーションの
飾り付けをしている。
今年はこれでやってみよう。
とマスターが言っている。




ベーカリーの受付には
登録希望者がやってきた。
かわいいサンタさんのコスプレね。
と言われている。




去年ここでバイトしたんですけど、
今年はケーキ屋さん出店しないんですか。
とフローラが言っている。




それは何のコスプレ？
トナカイの角が見つからなくて、
熊ということにしました。



解説）
ドミノもこの町に興味を持ったようです。

ドミノ

屋台の前で月光仮面たちが話し合っている。

審査員のジャンさんが知ってたのは嬉しかった。
とまぼろし探偵が言った。
最初少年ジェットと勘違いしてたみたいだけど。
あれ、ミラクルボイスだよね。
子供はみんな大木に向かって叫んでいたんだ。
それは大袈裟でしょ。




屋台の奥では、
鈴木すずがクリスマスのディスプレイを
椅子の上に立って眺めている。
これ可愛いね。




そうでしょう。
私も毎年見るたびに、そう思うわ。
と小池恵子が言った。
すずちゃん、
うさぎのぬいぐるみ持ってるのね。
うさぎは来年の干支よ。
そうなんだ。




その頃、喫茶ペンギンの前では
リズとメイヴィスが話していた。

ねえ。あの人たち。
ミリタリーコンテストに
参加するのかしら。




あれは、バウンティハンターよ。
黒い服の女性は有名なドミノみたい。




それともドミノのコスプレなのかな？




広場ではルビーたちが
立ち話をしていた。
ナッツと翠は？
着替えてから、デジャに行くって言ってたよ。
ルビー、防寒服着たんだね？
ちょっと冷え込んでるからね。




そこにドミノたちがやってきた。




デジャからその様子を
見ていたゼロは、
いよいよお出ましか。
と呟いている。




ミリタリーのコスプレの登録しますか？
あ、お願いするわ。
それから、
私たち、ゼロって人を探してるんだけど、
心当たりないかしら？



解説）
ドミノについては、かって紹介したことがありました。
2007年3月23日「ドミノ」。
映画「ドミノ」（2005）の解説なども載せています。

今回は、主演女優キーラ・ナイトレイに
ちょっとだけ似た
フィギアヘッドで再登場です。

ナッツ

広場には歌声が流れていた。




ドルフィンのマスターと
スタッフのリタが話している。
二人はお揃いのUSエアフォースの
フライトジャケットを着ているようだ。

あとはイルミネーションだね。
あれ、明かりの調整具合が難しくて、
いつも悩むのよね。
それもまた面白いんだよ。




ルビーはCGの友人のナッツに会っていた。
来てくれたのね。




本部で出会ったアイスに、
ぜひ戦闘服で参加して欲しいって
言われちゃって。
久しぶりに
あなたやフレイムや翠にも
会いたかったし。




エトナが
記念写真を撮りたいと言った。




請け負うミッションがそれぞれ違うので、
こういうことでもないと、
なかなか揃わないメンバーね。
みんな何見てるの？
ひらひらコウモリが飛んでる。




どうしてヘルメットつけたままで？
町ではいいんだけど、
この装備また私が借りたってわかると、
管理部で問題にする人もいるから。
前はけっこう傷つけちゃったからね。




相棒は元気なの？
あの人、名前なんて言ったっけ。
ああ、ブレアリオスなら
相変わらずボディの改良に凝ってるよ。




さっそうと月光仮面が現れたが、
あまり注目されなかった。

レイチェルは、
この人なんなんだろうと思っている。



解説）
ナッツは士郎正宗原作「アップル・シード」のヒロインで、
登場したフィギアの装備は
2008年にクールガールのスピンオフとして
「アップルシード２　エクスマキナ　デュナンin cg」
というタイトルで発売されたもの。
ヘッドは別のCG（如月ハニーのヘッド）に変えてあります。

この世界では、そのフィギアのナッツのヘッドは
魔術劇場に居候しているデュアンが使っています(^ ^)。

晩秋の朝

東の空が明るみ、
楓はすっかり紅葉している。




早起きすると気分がいいなあ。
と撮影に来たエトナが言っている。




二人は上着を着込んでいる。
ねえ、こんなところに。




もみじなんてあったっけ。




さゆりはツアー客を探している。
ちょっと留守してたら
またいなくなったのね。
アゼルバイジャンの人は？
サラさんの部屋に行ってるよ。
着付けしてもらうんだって。




これで出来上がりよ。
前回とは見違えるようになりました。
裏地の赤いマントに
二丁拳銃のホルスターまで
作っていただいて。




よく知らないんだけど、
ネットに画像載ってたから。
月光仮面は月よりの使者なんです。
ふーん。そうなの。




広場では旅芸人たちが
朝からクリスマスソングを歌っている。
ルビーはCGの友人を出迎えている。




歌っているのは、赤鼻のトナカイだった。
アンはサラが選んでくれた
革のジャンバーを着込んでいる。


解説）
珍しく早起きしたので、
朝の東の空の風景写真を撮影しました。

犬猫同盟

夜は冷え込むようになってきたなあ。
デジャにでもいこう。
とトラ猫は思っている。




今年もあっという間ね。
などと話している。

あ、壁にリース飾ったんだ。
このお店も、
もうクリスマス気分ね。




これね。
ドルフィンの倉庫で貸してくれるの。
毎年同じものを使ってるって言ってたけど、
物持ちがいいんだね。
そういう言い方もあるわね。




店の隅ではマリアが
店に来たトラ猫を呼び出していた。




あなた、猫だったときに、
ジェニーたちのぬいぐるみ盗んだでしょう。
え、あ。あれはすごく可愛かったんで。つい。
でもそのあと、この目出し帽が欲しくなって、
ぬいぐるみと交換しちゃいましたが、
代わりにこれお返ししますから
どうぞ許してください。
野良猫はね。
時にはものを盗まないと生きていけないし、
悪戯しても大目に見てもらえるけど。
猫人間になったら、逮捕されるのよ。
はい、もうしません。




そこに犬顔の人がやって来た。
本人も反省しているようです。
ここは、私の顔に免じてお許しを。
その顔、犬の顔でしょ。
それはそうなんですが。




あなたたち、あまり大きな声出さないで。
とヴィヴィアンが言った。




あ、いいこと思いついた。
マリア、いい機会だから、
この人たちの面倒見てくれない？
私が？
もともと犬猫好きなんでしょう。
それはそうだけど。
この人たち、
半分人間になったばかりで
いろいろ戸惑ってるのよ。
それにあなたなら、
猫と人間両方になれるんだから、
同じような境遇でしょう。
そうなのかな？




それでいい？
トラ猫と犬顔の人は頷いた。
じゃ決まりね。
世話役のリーダーがマリアで、
グループの名前は「犬猫同盟」。
かっこいい名前ですね。
とトラ猫が言った。
まあいいけど。
とマリアが言った。
もしかして、その言葉思いついたから、
こういう展開に？



解説）
ヴィヴィアンの発想は
よくわかりません。

クリスマスの準備　そのよん

アイスさん、かっこいいねー。
と言われている。




さゆりさん、
ごめん。
サッカー見てて遅くなっちゃった。
とまぼろし探偵が言っている。
二人はすぐに
ベーカリーの登録受付に向かった。




まぼろし探偵って。
私知らないなあ。
とマンスフィールドさんが言った。
僕知ってます。
とジャンが言った。
子供の頃よく真似したものです。
うーやーたーって。




それは少年ジェットですよ。
とまぼろし探偵が言った。
あ、そうだったっけ。
ガールフレンドも一緒なんて、
凝ってますね。
確か後の有名女優さんが
子役で演じてたんですよね。
ジャンさん、お幾つなの？




登録を済ませた二人は
肉まんを食べることにしたのだった。
マンゴー亭の軒先では、
リタが飾り付けをしている最中だった。




夜になって、
今年もミニツリーがドルフィンから
貸し出されたので、
サラたちは、
さっそく小麦粉をまぶしていた。




このパウダースノーの感じ。
味わいがあるんだよね。
と言っている。




ジェニーたちの部屋でも
同じように小麦粉まぶしのツリーが
飾られていた。
ねえねえ。とたまきが言っている。




この前なくなったって騒いでた
うさぎのぬいぐるみ。
広場ですずちゃんが持ってて、
訳を聞いたら、トラ猫さんに、
目出し帽と交換してもらったって言ってた。
すずちゃん、気に入ってるみたいだったから、
ぬいぐるみ、あげちゃうことにしたよ。




トラ猫のしわざかー。
ときどき見かけるのよねー。
などと言っている。
黒猫に変身していたマリアは、
これは聞き捨てならない。
と思っている。


解説）
あちこちで飾り付けが
進んでいるようです。

クリスマスの準備　そのさん

ケヤキが葉を落とすと
西の空が明るくなる。




ルルはツリーの
飾り付けをしていた。

ここもちょっと華やかになるね。




たまきががやって来た。
広場でCGの戦闘服が見られるって。
えー、それってすごいことなの？
彼女たちのミッションの現場じゃないと
普通見られないんだよ。
でもそんなに驚かなくても。
この顔は仕方ないの。




ベーカリー前に
戦闘服姿の鷲尾翠が姿を現した。
みんな注目している。




いかめしいけど、
なんとなく親しみが感じられるなあ。
とドイツ兵が言っている。
ヘルメットのせいじゃない？
デザイン真似したみたいだから。




翠、協力ありがとう。
とルビーが言っている。
久しぶりにこれ着ると血が騒ぐわ。




そこにアイスがやって来た。




異世界の兵士たちが集まって来た。
みんなその姿に見覚えがあったのだ。
おお、怪物退治のヒーローだ。
アイスさんだから、ヒロインだよ。
アイスはヘルメットをとって、
照れながら微笑んでいる。




この強化服、私のじゃなくて、
迎撃部隊の最新装備なんだけど、
少佐に頼んで借りて来ちゃった。
ウケ狙いね。
お祭りだからね。
みんな懐かしがってくれると思って。



解説）
アイスが着ている強化服は、
「CG-13 強力迎撃部隊」として
2008年にタカラから発売されたフィギアのもの。

アイスの異世界での怪物退治のエピーソードは、
アイスが助っ人を頼まれる
2021年9月12日から始まり、
9月14日以降にこの姿で登場しています。

クリスマスの準備　そのに

探偵事務所では、
鷲尾翠がCGの本部から運んできた
プロテクトギアの装着をしていた。




かなりの分量だね。
ボディアーマーのパーツだけで２０以上あるからね。
管理部の人が、現地で装着して
できれば期限厳守で返却してほしいって。
基本は私物扱いだから、
最近無断で持ち出す人がいるらしいの。
そう言えば、ハロウィンの時も
サイバー忍者の戦闘服着てる人がいたわね。
とドロレスが言った。




そうそう、アイスも戦闘服取りにきてた。
考えることは同じみたいね。




あとは暗視スコープ付きガスマスクと
ヘルメット被れば装備完了。




その盾の紋章は？
これはケンべロス、突入隊のエンブレムだよ。
この装備、特機隊とCGが共同で開発して、
15年以上経ってるけど、メンバー抜けてから、
ずっと使ってないから、新品みたいでしょ。




広場ではクリスマスの飾り付けが
始まっていた。
ゴールデンボールの取り付けを
ドイツ兵が手伝っている。




毎年おなじみのツリーも設置されている。




旅行ガイドのさゆりさん。
今日は私服ですか。
とエトナが聞いている。

もしかして、そのスカート、
微妙にミリタリーですね。
わかった？




私ね。
まぼろし探偵のコスプレする人に
相方になってほしいって頼まれちゃって。
私の役は、
主人公富士進のガールフレンドの吉野さくら。
まぼろし号を開発した吉野博士の娘なんですって。
登録するのに待ち合わせてるんだけど。
その人まだ来てないみたい。



解説）
それぞれがそれぞれに。

クリスマスの準備

探偵事務所では
コスプレコンテストが話題になっていた。

ジェニーたちの部屋では、
モモコが水兵さんやってるし、
サラたちの部屋では、
ジェットが日本兵の服着てる。
事務所でも協力して誰か参加しようよ。




あんまりああいう趣味ないのよねえ。
とエリスが言っている。
翠さんはCGのメンバーなんでしょう。
変わった戦闘服持ってないの？
専用のがあるけど、本部に置いてあるのよ。




CGの宣伝のいい機会ですからって、
管理部に言えば、きっと許可してくれるよ。
そうねえ。久しぶりにあれ着るか。




広場ではアゼルバイジャンの人が
ルビーと話していた。

ミリタリーじゃなくてもいいんですよ。
また月光仮面で参加しても？
全然構いません。
みなさんにいろんな格好を
楽しんでもらえればいいんです。
改めて審査の対象にもなりますよ。




それで、また参加されるんですか？
ワイシャツ乾いたから、
参加してもいいかなと。
でも月光仮面って、
もう誰も知らないからねえ。




そんなことありませんよ。
とやってきた青年が言った。
僕もあの頃のヒーローが好きなんです。
それで突然ですが、
旅行ガイドされてる方に
お願いがあるんですが。




私に？
なんのことでしょう。
実は普段着で構わないので、
一緒にコンテストに参加してほしいんです。




私服で参加？
実はまぼろし探偵やりたいんで、
その相方に。
それって月光仮面より
マイナーなんじゃない？




広場では、マスターとリタが、
倉庫からクリスマス用の道具類を
運び出していた。
そろそろ飾り付け始めるのね。




この前のVIPから電話があって、
官邸ではもう飾り付けしたんですって。
町でも今年は早めに飾りましょう。
言ってもらえれば、
なんでもお手伝いしますよ。
とドイツ兵が言っている。


解説）
クリスマスの飾り付けが始まり、
着せ替え遊びも
少しずつ進んでいます。

もう12月

翌日の広場。
早速アイスに頼まれた多恵が
ルビーにインタヴューしている。




ハロウィン祭りではVIPもお忍びで訪問して
話題になったこの町のベーカリー広場ですが、
今回はミリタリーファッション中心の
コスプレのコンテストを実施中とか。

ええ、とりあえずクリスマスまでやっています。
また、来年もテーマを変えて
コスプレコンテストを続ける予定ですので、
みなさん奮ってご参加ください。
素晴らしい町おこしの企画ですね。
ロボットやドラゴンで有名なこの町は
ますます観光スポットとして注目されそうです。




今回のコンテストの審査員は
ミリタリーフィギアの蒐集家で
1/6サイズのジオラマ村で有名な写真家のジャンさんと、
人形コレクターのマンスフィールドさんです。
マンスフィールドさん、
審査の状況はいかがですか。

そうねえ。詳しい軍装のことはジャンさんに。
私は主に着こなしをチェックしているの。
軍服姿なのに、さりげなくチェックの
スカーフしてお洒落を楽しんでるとか。
あと、普通のコスプレも受け付けてますから。
例えば、サンタさんなんて、
この時期にぴったりじゃないかしら。




みんな生き生きしているよ。
特にドイツ兵や米兵のコスプレしてる人なんて、
みんなまるで普段着みたいに着こなしている。
というか、普段着なんだねきっと。




ということで、
あ、新しい参加者の方のようです。
それはなんでしょう。
見ればわかると思いますが。
これで大空を翔ぶのです。




クリスマスまであと一月を切りました。
ますますこれからが楽しみです。




トラネコは犬顔の人に出会った。
それコスプレじゃないですよね。
君の猫顔もお面じゃないようですね。




僕は本当はネコなんです。
こうなったのには理由が。
僕は犬じゃなかったのに、
いや、犬でもあったのかな。
よくわからない理由でこうなりました。
この界隈では、
コスプレということにしておけば、
みんな納得してくれますが、
何かと不安が募っていました。
動物顔の人と知り合えて心強いです。
これからもどうぞよろしく。
こちらこそ。




ヴィヴィアン。
また魔法使ったでしょう。
昨夜来てた猫顔の人。
ヴィヴィアンに改めて
お礼が言いたいって言ってたけど、
ヴィヴィアンがデビルだって知って、
何か取引しちゃったんじゃないかって、
心配そうだったよ。




望みを叶えてあげただけよ。
猫の魂なんていらないから。


解説）
トラネコのヘッドは、ガチャで。
海洋堂の「ネコバッジ」（全五種）の一つで、
衣類に留められるように、
安全ピンとクリップがついています。
サイズが大きめでリアルなので、
さっそく登場してもらいました。