Dec 29, 2022
メルティの部屋 そのに
この部屋は住み心地いいんだけど、
この壁の外がどうなってるのか。
時々すごく知りたくなって、
そういう時に穴掘りをしているの。
とメルティは言った。
メルティはトンネルを掘って、
サラは土のようなものを運んでいる。
土のようなものは
目には見えないのだが、
ずっしりとした重みや感触があった。
ここで、こういうことをするとは
思ってもいなかった。
とサラは思っていた。
穴掘りをやめて、
また少し歩いていくと、
明かりの灯った樹木があった。
綺麗でしょう。
今日はクリスマスね。
あなたの町でクリスマスツリーを見て、
帰ってきたらこんな木が生えていた。
とメルティが言った。
あれ、さっきは気が付かなかったけど、
こんなところにギターが。
とサラが言った。
ギターね。
そうだ。サラ。
よかったら何か弾いて歌ってよ。
あなたの町で旅芸人の人が
歌ってたみたいに。
サラはホワイトクリスマスを
歌っている。
周りに何か冷たいものが降り始めたが、
その色も形もサラには見えなかった。
またしばらく歩くと
サラは魔術劇場で見かけた
魔法の扉を見つけた。
それ壊れてるのよ。
とメルティが言っている。
このお部屋ではね。
私が強く望んだことが
実現することがよくあるの。
さっきのギターもそうだし。
このドアも。
穴掘りしてたら、このドアが出現してた。
壁の向こうに行ってみたいっていう、
私の思いが通じたんじゃないかって
最初は思ったんだけどね。
サラはドアを開けてみた。
自分の姿が映っている。
今の自分と微妙に違う気がする。
とサラは思った。
向こうに行けないかな。
うーん。ただの鏡のようだ。
やっぱり無理なのよねー。
と言われている。
解説)
メルティが暮らしているのは
1/12のスケールの世界。
1/6のスケールの世界のサラも
半分の背丈になっているのでした。
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