Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

紅葉の見頃

マンゴー亭でレイとアンナが話している。

もう紅葉の季節になったのね。
この町に来てから、
早いもので今日でもう一年。




去年の暮れに崖の紅葉を見に来て、
私ははるなと、アンナはサラと再会して、
エトナの勧めでドルフィンの二階に
住み込んじゃって。
それから恵子に誘われて、
このマンゴー亭でずっとバイトしてた。




私たちが崖の紅葉見たのはちょうど
一年前の12月15日だね。
今年も見ごろになってるのかなあ。




今年の紅葉はほぼ平年並み。
とジェニーが言っている。




ピカデリードリーも紅葉を見に、
ジェニーたちの部屋に遊びに来ていた。
明日くらいからが見頃かなあ。
どうせなら泊まっていきなさいよ。
ずっといてもいいよ。
とたまきが言っている。




隣の高台の休憩コーナーでは
フローラがベーカリーで販売する
クリスマスケーキの
予約を受け付けていた。

ベーカリーの外の席は、
コンテストの参加登録の受付に使っているので、
ここでケーキの予約を受付ることになったのだった。




クリスマスに、
ブッシュドノエルは欠かせないからねえ。
と言っている。
ケーキの名前、「クリスマスの丸太」っていう意味の
フランス語なんだって。蘊蓄あるのね。
なんだってネットに載ってるのよ。




ねえ聞いて。このケーキの見本ね。
毎年ベーカリーのフレイムが作るんだけど、
飾りの柊の葉っぱをなくしちゃって、
代わりにツリーの形のクッキーを
刺してあるんだよ。さすがフレイムよね。
とフローラが言っている。




サラはメルティを
見晴らしのいいベランダに案内している。
この階段急だから気をつけて。




町を見下ろしていたメルティは、
この世界、やっぱりみんな
スケールが大きいんだね。
と言った。
サラは、どういう意味なんだろう、
とちょっと考えている。



解説）
毎年、崖側の楓は紅葉するのが遅く、
これから見頃を迎えます。
西向きの窓からそれを眺めるのが、
町の住人たちの楽しみなのでした。

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