Feb 26, 2005

溶色(1999.2.23)


桃の花は
水がゆれるたびに
色を溶かす
花びらの雨というのは
どこか定型的な空だけど
たびたび見上げることになる

それは
齢が
祝われるのでも卑下されるのでもない
ほかい人が
筵の笠を持ってくるのでもなく
姫がお茶にくるのでもない

垣根のそばに一列に植えられた花桃の
幹にはゼリー状の樹液が
こごっている

その通路を越えて
右に雪柳を見ながら
等速度で
竹薮のほうに抜ける

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://haizara.net/~shimirin/blosxom/blosxom.cgi/poem/poem140.trackback
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.













Captcha:
To prevent comment spam, please retype the characters in this image:

Enter the text here: