Mar 08, 2025

模様がえ

a1

今日は好天。
日差しを浴びて
棕櫚の葉が輝いているが、
風音が絶えない。


a2

そろそろ春めいてきたし、
このストーヴ片付けましょうか。


a3

アンに運ぶの手伝ってもらおう。
僕呼んでくるよ。
とジェットが言った。


a4

ジェットは広場に出かけてきた。


a5

広場には、ルビーたちも
喫茶ペンギンから戻ってきていた。

ペンギンどうでした?
お店の様子は変わってたけど、
マスターは変わっていなかった。
そうなのね。
昔の思い出があるって羨ましいわ。
などと舞とサニーが話している。

管理局って謎の組織ね。
実質的には何もしてないのかも。
とアイスとルビーが話している。


a6

演奏中すみません。
アン、ストーヴ運ぶの
手伝ってくれないかなあ。

喜んで。
とアンが言った。


a7

二人はサラたちの部屋へ。

まず煙突外そう。
とジェットが言っている。


a8

二人は広場のドルフィンの倉庫に
ストーヴを運んでいる。

流石にアン。
運ぶの一回で済んじゃうね。
もう毎年恒例になってるわね。


a9

随分すっきりしたわ。


a91

壁の煙突用の穴の前に、
エアコンを設置して完成。


a92

お疲れ様。
イチゴとバナナの
スムージーをどうぞ。
と言っている。



解説)
続きます。
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Mar 07, 2025

ペンギンの前で

a1

マスターのおごりだというので、
ルビーたちはコーヒーを飲んでいくことにした。

管理局の人たちと
ゆっくり話すのは初めてかしら。
とルビーが言っている。


a2

ヴィヴィアンに悪魔になったことを告げたみたいに、
あなたたちが、この地上で起きる出来事に
いろんな形で関与しているって思っていたけど、
実情はもっと複雑なようね。

最近知ったことだけど、
地球には随分昔から宇宙人たちが来ていて、
人類や魔族と交流していた。
特にレプテュリアンと呼ばれる
トカゲ顔の宇宙人たちね。
さらに彼らの属する宇宙連合という組織があって、
その組織に加入している様々な星の宇宙人もきて
地球を観察している。
だいたい、そういう理解でいいのかしら。

そういうことみたいね。

管理局って、そういう事柄には
関わらないの?


a3

関わらないこともないけど、
大抵のことにはタッチしない。
世界に対しての考え方が違うのよ。
宇宙連合というのは
銀河系宇宙の諸惑星に誕生した
生命体たちの連合組織。
あなたたちの文明も、
もし滅びることなく発展し続ければ、
いつか加入することができるかもしれない。
でも管理局は別の宇宙の存在によって
銀河系の中に作られた組織なの。


a4

私はサイボーグに改造してもらってから、
ずっと宇宙ステーションで暮らしてますけど、
管理局のことはほとんど聞かなかったです。
ただ、いろんな星から来る人がいますが、
その人の出身の星の神話時代の話になると、
あれは管理局の仕業だったんだろうなんて、
話題になっていましたよ。


a5

いろんな惑星の文明の、
神話時代の出来事に関与してたわけ?
雲を掴むような話ね。

それは考え方次第よ。
関与といっても、
私たちは基本的にアドバイスするだけ。
職員もみんな銀河系宇宙の惑星から
スカウトされたものばかりだから、
個々が飛び抜けた力を持っているわけじゃない。
奇跡を起こすのはその星の生命の力で、
アドバイスはそれを自覚させるため。


a6

そばで話を聞いていたはるなが、
あのー、管理局の局長は、
毎年春になるとフローラっていう女神に頼まれて、
眠っている草花を起こして回ってるって、
聞きましたけど。
と、言った。


a7

ああ、あれね。
冗談みたいに聞こえるかもしれないけれど、
それは本当のこと。
本当と言っても別の世界でのことだけど。
別の世界は無限にあって、
泡のように生まれたり消えたりしている。
早春の草原でまどろんでいる草花に、
そろそろ起きたらいかがですっていうのも、
一種のアドバイスなのよ。


a8

フローラって、
ローマ神話に出てくる春と花の女神ですね。
人類の芸術文化に関心がある
エレナが聞いたら喜びそうな話ですね。

管理局が何してるところなのか、ますます
わからなくなったわ。
あ、いつの間にバナナを。
とルビーは思っている。


a9

今年もそろそろ頼まれた仕事を始めてるはず。
終わったら長期休暇をとって、
またこの町に遊びに来るでしょう。
と、ミラが言った。

局長は肉まんが大好物だし、
特にサラと仲良しみたいだからね。
とバグが言った。



解説)
続きます。
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Mar 06, 2025

ペンギンを訪ねて

a1

CG本部から連絡があって、
少佐は本部に戻ることになった。

あなたは、確か新人の佳奈さんだったわね。
元気にしてる?
はい先輩。


a2

またみんなで飲みましょう。
などと言っている。


a3

あの先輩は、
なぜ少佐って呼ばれてるんですか?
CGに入る前からのニックネームなのよ。
私たちの名前も本名じゃないの。
私は本名ですよ。
それは新人だからかな。
もうすぐ一年経ちますよ。


a4

ほんとに何もかも変わっちゃったみたい。
ペンギンっていう名前の喫茶店はまだ残ってる?
ええ、あるわよ。


a5

サニーはルビーに案内されて、
喫茶ペンギンを訪れた。

こちらは私の旧友のサニー。
と紹介されている。


a6

昨晩は雪になったみたいだけど、
その後の雨でとけちゃったね。
などと言っている。

店名は同じだけど、
店の様子は変わったなあ。
とサニーは思っている。


a7

しかし、マスターは変わっていなかった。

あなたサニーでしょ。久しぶりね。
まだ米空軍のパイロットやってるの?
ええまあそんなところです。
18年ぶりですけど、
流石にお店変わりましたね。
何度も移転してたからね。
世の中、生々流転よ。


a8

店を後にする時、
モモコはサニーと目があったが、
モモコは誰だったか思い出せなかった。


a9

思い出の店はどうだった?
マスターが覚えていてくれて嬉しかったわ。
サイボーグになって生々流転しても
生きてるといいこともあるものね。

はるなは、あの人変わった髪型だなあ、
と思っている。



解説)
続きます。
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Mar 05, 2025

少佐との会話 そのに

a1

三人は昔話に花を咲かせている。
昔のサニーを知らないアイスは、
そうかそうかと聞いている。


a2

ところでサニー。
さっきの話では、宇宙人に命を救われて、
サイボーグに改造されたっていうことだけど、
どうして彼らがそんなに早く、
墜落現場に駆けつけられたのか疑問なんだけど。
いつも地球を観察してるっていうけど、
人類の航空機の動きを全て把握してたってこと?


a3

流石にそこまではしていないわよ。
彼らは事前に私の行動を
モニタリングしてたっていうこと。
それにはちょっとした訳があるの。

私が米軍からロボット研究所に
派遣されていた時期があったでしょう。
その時海辺で発見された2台のロボットが
研究所に運ばれてきたことがあった。
ロボットたちは近海に墜落した円盤に載っていたの。
宇宙に帰りたいという彼らの希望を叶えようと、
私たちは彼らと協力して転送装置を組み立てた。
彼らは宇宙に帰るときに、お礼にと言って、
転送装置を残していったことがあったのよ。

ああ、覚えているわ。
その転送装置を使って軍が異世界に探索に出かけた。
けれど先住民がいることがわかって、探索を中止した、
っていう出来事があったわね。
とルビーが言った。

そうそう、それは彼らが宇宙に帰ってから後の話だけれど、
その時研究所で私と親しくなった二体のロボットが、
宇宙に帰ってからも、私の行動を観察していて、
私の乗った戦闘機の動きをモニタリングしていたらしいの。
後で聞いたことだけれど、
宇宙ステーションから観察していたんですって。


a4

なるほどねー。
あの宇宙ステーションのことね。
もしかしてその二体のロボットって。

サニー、ちょっと、
ロボットたちが研究所にいた頃のことを
思い浮かべてくれない?


a5

サニーが研究所時代のことを
思い浮かべると、サニーの背後に、
そのイメージが浮かび上がった。

やっぱりね。
この二人、宇宙ステーションで会ったわよ。
地球オタクに作られたロボットで、
シーサンとアルニって言っていた。


a6

今のはアイスの魔法なの?

ともかくその二人が私の機体の変調を知って、
宇宙ステーションの艦長が、いち早く墜落現場に、
近くにいた円盤を差し向けてくれたの。
彼らは命の恩人ね。


a7

今のアイスの作った魔法みたいなイメージといい、
宇宙ステーションとか円盤の話といい、
私にはすぐには飲み込めないことばかり。
CGでは全然把握してないわよ。
あなたたち、何の報告もあげてくれないから。
と少佐が言った。

報告してCGや軍の上層部が知ったら大騒ぎになるでしょう。
アイスが魔族から呪力を授かったことや、
私たちが宇宙人とコンタクトしていることなど、
今のところ、全部秘密にしておいて欲しいの。
とルビーが言った。


a8

少佐。サニーが生きていたことを、
あなたに知らせるかどうかも随分迷ったのよ。
話したら宇宙ステーションや宇宙人たちのことも、
説明しなくちゃならなくなる。
説明したら、立場上あなたは
上層部に報告するかもしれない。
それで事情を話して、宇宙ステーションの艦長にも
相談してみたの。
答えは全然構わないっていうことだったわ。
あなたのこともよく知ってるみたいだった。


a9

二人の考えはよくわかったわ。
ここで聞いた話は私のところで留めておく。
ジゾックスを壊滅させてから
まだ脅威になるような陰謀組織は現れていないけれど、
CGの関心は国際的な地域紛争に向いていて、
地球外生命体や魔族関連の話は
あまり話題にもならない状態なの。
円盤の目撃情報が増えてるとは聞いてるけど。

よかったわ。
CGが地球防衛軍創設なんて言い出したら、
SF漫画みたいなことになるからね。



もうなってるかも。
と誰かが言ったが、
誰にも聞こえなかった。



解説)
続きます。
Posted at 20:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 04, 2025

少佐との会話

a1

サニーは早速車に駆け寄って、
少佐と会話している。

サニー、生きてたのね。
久しぶり。
あえて嬉しいわ。


a2

みぞれが雪に変わったって聞いたけど。
ほんと急に寒くなっちゃって。
とりあえず、
マンゴー亭であったかいお茶飲んで
肉まん食べましょう。


a3

さっきは、詳しい事情を聞けなかったけど、
サニーの墜落事故のとき、
宇宙人に救われたって言ってたわね。
機体の損傷がひどくて、
遺体の回収もできなかったっていうのが、
これまでの経緯ということになってるけど。

そうなのよ。
宇宙人っていうのはこれまで地球に来ていて、
普通にいつも円盤などで地球を観察している。
彼らがサニーの乗った戦闘機が
失墜していく様子を最初に認知したというわけ。
墜落現場に駆けつけた宇宙人たちは
瀕死の状態だったサニーの体を回収して、
サイボーグとして再生したんですって。
私はその話を宇宙人から直接聞いたのよ。
とアイスが言った。

にわかには信じられないけど、
実際サニーはここにいるんだし、
あなたがそういうならそうなんでしょうね。

あ、バッグに古いアルバムが入ってるの。
昔のサニーの写真もあるはず。


a4

少佐はバッグの中から
アルバムを取り出して
ページをめくった。
あった、ここだわ。


a5

懐かしい写真ね。
ここは米軍のヨコタベース。


a6

サニーとルビー、
真ん中にいるのはアンジェリーナだわ。

サニーが配属されてたヨコタベースに
私とルビーが遊びに行った時のものね。
と少佐が言った。


a7

私たち三人組。
このあとヘリに乗って、
東京湾に出たんじゃなかった?


a8

サニーはどの写真も
大事そうにハンバーガー抱えてる。
この時はお昼前だったのよ。

ところでサニー、
ずっと気になってるんだけど、
その後頭部から伸びてるコードみたいなのはなあに?
とアイスが尋ねた。


a91

ああ、これは第3の腕のようなものよ。

サニーがそういうと、
腰から外れたコードの先端の頭の部分は、
テーブルの肉まんを咥えて空中に浮かび上がった。

データの出入力や、
特殊なエネルギーを補給したり、
円盤を操縦する時に便利なの。
両手が塞がってる時、飲食ができるし、
噛み付くこともできるのよ。

噛み付く機能って、
使う時があるの?

酒場で喧嘩して
とっくみあいになった時ね。



解説)
続きます。
Posted at 20:42 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 03, 2025

桃の節句など

a1

今日は朝から雨。
テーブルには参加賞でもらってきた
チョコの入った買い物籠がある。
たまきは昨日広場で買った
桃の皮を剥いている。

今日は桃の節句ね。
耳の日でもあるわよ。


a2

ひな祭りでしょ。
今年は魔子さんに頼んで、
お稲荷さんの立ち雛を借りてきたの。


a3

最近は何か面白い本読んだ?

クォン・ナミの「翻訳に生きて死んで」
っていうエッセイ集が面白かったよ。
韓国の翻訳家の人が書いた本で、
2011年に韓国で出版された本なんだけど、
読んだのは2021年の改訂版を
藤田麗子氏が翻訳して2024年に出版された本。
今の時点では日本の小説など300冊以上翻訳してる人らしい。
量もすごいけど、韓国の翻訳出版業界の実情や、
筆一本で生きてきた著者の「波瀾万丈ライフ」が
こなれた文章で描かれていて読み応え十分だったよ。


a4

その頃広場では。

今日は冷え込んできたね。
高台の方では雨がみぞれになったみたい。
などと言っている。


a5

アイスはCG本部の少佐に連絡をしていた。


a6

どうだった?
サニーが生きているって言ったら、
流石に驚いてたわ。
ちょうど出先にいて、町に近いから、
すぐに会いに来るって言ってたわよ。


a7

サニーさんは観光ですか?
18年くらい前に住んでいたことがあるの。
でもずいぶん変わっちゃたわね。


a8

18年前か。私は生まれてなかったわ。
そんなことないでしょう。


a9

やがて少佐の運転する車が
広場に走り込んできた。



解説)
続きます。
Posted at 20:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 02, 2025

二月のコンテストの結果

a1

広場にたまきとナオミが
買い物に来ていた。


a2

今日は新鮮な桃が入荷してるよ。
わー美味しそう。
明日は桃の節句だからね。


a3

コンテストの結果発表しないの?
とナオミが舞に尋ねている。

参加賞掴み取りの準備はできてるんだけどね。
肝心のルビーがまだ帰ってこないのよ。


a4

その時、アフリカから、
鏡の扉経由でデジャの扉を抜けて、
ルビーとアイスがサニーを連れて帰ってきた。

あ、ノヴァさん。
まだ町にいらっしゃったのね。
間に合って良かった。と言っている。


a5

ルビー、昨日からみんなで待ってたのよ。

コンテストの発表は月初めだから、
1日遅れちゃったわね。
優勝者は決めてるの?
それはもう。


a6

たまきはサニーに注目している。

どこかで会ったっけ。
ずっと昔にね。
町に来るのは久しぶりよ。


a7

ルビーはマイクを手にして、
アナウンスを始めた。

みなさん。
2月のコスプレコンテストの優勝者を発表します。
厳正中立な審査の結果、
優勝したのは観光で町に来られたノヴァさんです。


a8

あれ、僕の名前を言ってますよ。
あなたが2月のコンテストに優勝したのよ。

こんな姿なのに、いいんでしょうか。
全然大丈夫よ。
いつも厳正中立な審査って言ってるけど、
ほとんどルビーが独断で決めてるみたいだから。


a9

ノヴァは万来の拍手と歓声に包まれて、
トロフィを授与されている。

僕、参加登録した覚えがないんですけど。
いいのよいいのよ。
その浄化装置付きのベスト、
なかなかお似合いよ。

そうでしょうか。



解説)
続きます。
Posted at 21:02 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 01, 2025

新しい鉢植え

a1

広場で佳奈やルルたちが話している。

この鉢植えが倉庫に入荷したのよ。
もうすぐ春だからね。
私ルルを呼んでくるわ。


a2

しばらくして、
ピエールとノヴァが広場に戻ってきた。


a3

ルルが鉢植えの植物に
水をやったところのようだ。
珍しがって子供たちも見に来ている。


a4

やっぱりルルは手慣れたものね。
この植物、何ていう名前なの?


a5

これは、学名アデニウム・オデスム。
キョウチクトウ科アデニウム属の
多肉植物で、和名では「砂漠のバラ」って
呼ばれている。
自生地はアフリカやアラビア半島よ。


a6

こちらは、アスパラガス・プルモーサス・ナヌス。
キジカクシ科アスパラガス属の、
つる性の常緑多年草プルモーサスの変種で、
和名では「シノブボウキ」っていうみたい。
原産地は南アフリカ。


a7

流石に詳しいのね。
ネットに載ってるのよ。


a8

じゃ僕はここで。
ありがとうございました。
などとノヴァとピエールが
話している。

いつまで枯れずに持つのかなー。
と舞は思っている。


a9

ノヴァはヴィヴィアンの待つ
マンゴー亭に戻ってきた。

どうだった?
大気が澄んでいて、
生気が蘇ったような気分でした。
それは良かったわね。
でも、それだけ?



解説)
続きます。
Posted at 20:26 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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