Mar 12, 2025
アイスたちの会話の続き

マンゴー亭での、
アイスたちの会話は続いていた。
サニーの見かけは
ほぼ人間と変わらないけれど、
その体は再生されたものなのね。
私の行動を追跡していた
二体のロボットたちが、
事故前の私のデータを集めておいてくれたの。
体の内部や皮膚組織は強化されてるけど、
体のサイズはほぼ事故当時のものよ。

そこまでの医療機器は開発してませんが、
設備さえあれば可能なはずです。

人間のサイボーグ化は
今の人類にはまだまだ無理だって、
地球オタクの間では言われているけど、
あなたの知能ならできそうね。

そこにツナがやってきた。
ミュー、やっぱりここにいたのね。
広場に出かけたまま帰りが遅いので、
シェリー博士が心配してたわよ。
あ、アイスさんたちと、
つい話し込んじゃって。
こちらはツナ。
なんて紹介したらいいか、
仮想現実世界からのお客さんです。

どうぞよろしく。
とツナは言った。
私はミューが作った仮想現実体験装置が
生み出した未来世界の住人で、
言ってみればゲームの中のNPCみたいなものね。
でも、その装置が改良されて
過去にも転送可能な機能を持つようになり、
どういうわけか、あなたたちの現実世界に
こうして遊びに来てるっていうわけ。

ツナさん。
あなたたちの話は、未来世界に行った
レイチェルやドロレスから聞いているけど、
あなたとこうして話すのは初めてね。
未来世界で採れる果物を転送してきて、
こっちの世界で農家に卸してるって聞いたけど。
とアイスが言った。
ええ。いいアルバイトになるのよ。
今、サイボーグの話をしてたところなんだけど、
未来世界にサイボーグはいるの?
サイボーグ?
ええ、いるわよ。最終戦争の前に、
戦闘用に開発されたの。
私たちの未来世界は最終戦争後の世界で、
戦争の生き残りがわずかに残っている。
みんな親しい友達よ。
ちょっとその姿を
思い浮かべてみてくれないかしら。
いいわよ。

ツナがミトラのことを
心の中で思い浮かべてみると、
ツナの背後にミトラのイメージが
鮮やかに浮かび上がった。
ああ、噂に聞く魔族の魔法ね。
彼女はミトラ。女性兵士だったけど、
戦場で瀕死の重傷を負って、
戦闘用ロボットに改造されたの。
目覚めた時ショックだったって言ってたわ。

次にツナが舞子のことを
心の中で思い浮かべると、
背景に舞子のイメージが浮かび上がった。
彼女は恋町舞子。
戦時下で移動中に車両が地雷に触れて
瀕死の状態で運ばれ、脳だけが摘出されて、
初期型の作業用ロボットに移植されたの。
顔の部分はホログラムで再現されてるのよ。
私たちが彼女を見つけた時は、
脳だけがカプセルに入っていたの。

みんな私と似たような身の上なのね。
とサニーが言った。
それにしても、近未来に
この星の医療や科学技術がそこまで発展するの?
いや、それはあくまでもミューの作った
仮想現実世界だけで可能なことなのか。

なるほどねー。
ところで近未来に起きるという最終戦争に
宇宙人たちは関与してたのかしら。
それとも人類と機械の戦いを、
傍観してたわけなのかな?
とアイスが言った。
宇宙人たちのことは、
仮想現実体験装置のデータには
入っていなかったから。
でもさっき情報を入力してもらって
私に直結しているAIが知ってしまったから、
未来世界が変わってしまうかもしれないわね。
とミューが言った。
解説)
続きます。
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