Mar 05, 2025

少佐との会話 そのに

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三人は昔話に花を咲かせている。
昔のサニーを知らないアイスは、
そうかそうかと聞いている。


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ところでサニー。
さっきの話では、宇宙人に命を救われて、
サイボーグに改造されたっていうことだけど、
どうして彼らがそんなに早く、
墜落現場に駆けつけられたのか疑問なんだけど。
いつも地球を観察してるっていうけど、
人類の航空機の動きを全て把握してたってこと?


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流石にそこまではしていないわよ。
彼らは事前に私の行動を
モニタリングしてたっていうこと。
それにはちょっとした訳があるの。

私が米軍からロボット研究所に
派遣されていた時期があったでしょう。
その時海辺で発見された2台のロボットが
研究所に運ばれてきたことがあった。
ロボットたちは近海に墜落した円盤に載っていたの。
宇宙に帰りたいという彼らの希望を叶えようと、
私たちは彼らと協力して転送装置を組み立てた。
彼らは宇宙に帰るときに、お礼にと言って、
転送装置を残していったことがあったのよ。

ああ、覚えているわ。
その転送装置を使って軍が異世界に探索に出かけた。
けれど先住民がいることがわかって、探索を中止した、
っていう出来事があったわね。
とルビーが言った。

そうそう、それは彼らが宇宙に帰ってから後の話だけれど、
その時研究所で私と親しくなった二体のロボットが、
宇宙に帰ってからも、私の行動を観察していて、
私の乗った戦闘機の動きをモニタリングしていたらしいの。
後で聞いたことだけれど、
宇宙ステーションから観察していたんですって。


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なるほどねー。
あの宇宙ステーションのことね。
もしかしてその二体のロボットって。

サニー、ちょっと、
ロボットたちが研究所にいた頃のことを
思い浮かべてくれない?


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サニーが研究所時代のことを
思い浮かべると、サニーの背後に、
そのイメージが浮かび上がった。

やっぱりね。
この二人、宇宙ステーションで会ったわよ。
地球オタクに作られたロボットで、
シーサンとアルニって言っていた。


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今のはアイスの魔法なの?

ともかくその二人が私の機体の変調を知って、
宇宙ステーションの艦長が、いち早く墜落現場に、
近くにいた円盤を差し向けてくれたの。
彼らは命の恩人ね。


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今のアイスの作った魔法みたいなイメージといい、
宇宙ステーションとか円盤の話といい、
私にはすぐには飲み込めないことばかり。
CGでは全然把握してないわよ。
あなたたち、何の報告もあげてくれないから。
と少佐が言った。

報告してCGや軍の上層部が知ったら大騒ぎになるでしょう。
アイスが魔族から呪力を授かったことや、
私たちが宇宙人とコンタクトしていることなど、
今のところ、全部秘密にしておいて欲しいの。
とルビーが言った。


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少佐。サニーが生きていたことを、
あなたに知らせるかどうかも随分迷ったのよ。
話したら宇宙ステーションや宇宙人たちのことも、
説明しなくちゃならなくなる。
説明したら、立場上あなたは
上層部に報告するかもしれない。
それで事情を話して、宇宙ステーションの艦長にも
相談してみたの。
答えは全然構わないっていうことだったわ。
あなたのこともよく知ってるみたいだった。


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二人の考えはよくわかったわ。
ここで聞いた話は私のところで留めておく。
ジゾックスを壊滅させてから
まだ脅威になるような陰謀組織は現れていないけれど、
CGの関心は国際的な地域紛争に向いていて、
地球外生命体や魔族関連の話は
あまり話題にもならない状態なの。
円盤の目撃情報が増えてるとは聞いてるけど。

よかったわ。
CGが地球防衛軍創設なんて言い出したら、
SF漫画みたいなことになるからね。



もうなってるかも。
と誰かが言ったが、
誰にも聞こえなかった。



解説)
続きます。
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