Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

ハロウィーンの当日

今日はハロウィーン。
広場では賑やかな1日が過ぎ、
夕方になりかけている。




Trick or Treat!
とすずが言って、
あなた大人じゃないの。
と言われている。




僕たち子供なんです。
と圭が言っている。




ドビーは空を見上げている。
団長楽しそうだなあ。




上空ではマリアが
箒に跨って旋回していた。




みんな驚いてるけど、
年に一度のハロウィーンだからね。




おや。マーリンさん。
はるばるルーマニアからお越しですか。
久しぶりに、と言っても今年の正月以来だが、
実の娘の顔が見たくなってね。
ところで、君は誰だっけ。




ヴィヴィアン。
コンテスト最終日に悪魔のコスプレで登録ね。
お父さんに本当の姿を見せて欲しいって頼まれちゃって。
ついでにチョコもらおうと思って出てきたの。





その頃、仮想世界では、
ハロウィーンの収穫祭を祝い、
焚き火の準備がされていた。

今朝この辺りに植物が一斉に芽吹いて、
巨大な花々が咲いたんだそーだ。
とソーダが言っている。




ハロウィーンの飾りもついてる。
これはきっと森の女神の贈り物よ。
ミズハの仕業だわ。
と舞子が言っている。




ナディアがドラム缶の中の
古紙や薪に火をつけた。
炎は勢いよく燃え上がっている。




みんな炎を見るのが好きなのね。
もしここが部屋の中だとしたら、
煙たくて大変でしょうね。
そんなこと誰もしないわよ。

イリスって、まだ寝てるの。
そうみたい。
などとレイチェルとドロレスが話している。



解説）


Happy Halloween!

今回はフィギアたちのハロウィーン祭りの一コマでした。
室内の情景セットで実際の火を扱うのは
何かと問題ですが、たまにやりたくなります。
近いところでは今年の1月に。
２０２３年1月10日「焚き火」参照。

蝶の行方　そのさん

運び出す作業してたら、
日暮れになっちゃったね。
日が短くなったなあ。
などと言っている。




これは何かの機械だね。
最終戦争で使われた不発弾じゃないの？

窓のような透明部分がある。
中に何か見えるよ。




ツナが表面に触れていると
機械の内部でカチッと音がして、
球体がかすかに振動し始めた。




球体の背面を覆っていた
蓋のようなパーツが開くと、
内部に折り畳まれて収納されていた足が
せり出してきて、
球体は器用に立ち上がった。

こんにちわ。
私の名前はシェル。
球体型避難用ロボットです。
とその球体は言った。

あ、どうも。
私はツナ。
ふーん。あなたロボットだったのね。
でも全然ロボットらしくないなあ。




これならどうでしょう。
とシェルが言うと、
球体の左右部分を覆っていた
蓋のようなパーツが開いて、
中から両腕がせり出してきた。

うん。
ロボットらしくなった。

ツナ、二人で遊んでないで。
状況を考えて。
とミトラが言った。

そうそう。とシェルが言った。
戦争はもう終わったのですか。
私が防御体勢を取って球体になっている時、
頭がおかしくなったロボットたちに
壊れて動かなくなったと思われて、
岩の裂け目に埋められてしまったのです。

ツナはシェルに、
墓標のようなオブジェが、
蝶の形のペンダントをくれて、
そのペンダントがここまで導いてくれたのだ、
と話した。

蝶の形のペンダントですか。
その持ち主なら、イリスという人で、
私の中で寝ています。
とシェルは言った。
空襲の爆撃が激しくなった時、
イリスは私の中に避難して、
休眠状態に入ったのです。
その蝶のペンダントは
非常用の私のコントロール装置。
頭のへんなロボットたちが見つけて、
墓標にかけたのでしょう。

寝てるって。
もう戦争は随分前に終わったよ。
その人起こさなくちゃ。
とミトラが言った。




一行はバーボンハウス前に
帰り着いた。

シェルター用のロボットか、
久しぶりに見るなあ。
と舞子が言った。


舞子、このロボットのこと知ってるの？
とツナが尋ねた。
みんなが知らないのも無理はない。
絨毯爆撃の激しくなった
戦争末期に、少数作られた特殊タイプよ。
耐熱性や耐寒性に優れていて、
人間が中に入って球体になれば、
ほとんどの攻撃に耐えられる。
主に避難用で攻撃力はないけどね。




それでは。とシェルがいうと、
前面の蓋のようなパーツが開いた。




頭頂部分の覆いのようなパーツも
内部に仕舞い込まれると、
女性の頭部が見えた。

なんか窮屈そうだなあ。
こういうの、私は遠慮するわ。
とナディアが言っている。




ナディアは下から支えるようにして、
そっとイリスの体を運び出している。

機内環境は完璧ですから、
健康状態も良好です。
目覚めるには少し時間がかかりますが。
とシェルが言った。



解説）
球体になるロボット、シェルのフィギアは、随分前に、
ミトラのフィギアボディと一緒に
ホビーオフで購入したものです。
両方とも正式な名称不明で、塗装して流用しています。

蝶の行方　そのに

これはこの前森に行った時、
ヘンテコなオブジェから
もらった蝶のペンダントね。

結構大きいからミトラの首にでも
かけられないかと思って、
チェーンの部分を交換しようと
外したら、突然光り出しちゃって。




蝶は妖しく震え始めて、
浮き上がった。




やがて空中に浮いて
部屋の中をゆっくり旋回すると。




流れるように戸口に向かっていった。
あれ、外に出ていっちゃうよ。
とドロレスが言っている。




ミトラや舞子が見守る中、
蝶はゆっくりと飛んでいく。




蝶は北の森に向かっていくようだ。




ヒゾッコが追跡していく。




蝶は地殻変動で隆起した
岩肌が露出している場所まで来ると
灌木の上に止まった。
すると激しく地面が揺れて、
岩盤が崩れて裂け目が開いた。




裂け目の中に金属製の球体が見える。




やがてヒゾッコの連絡によって、
ツナとミトラとドーダが
やってきた。

これなんだろう。
ミトラ、引っ張り出せる？
やってみるわ。



解説）
続きます。

蝶の行方

仮想世界のバーボンハウスのガレージでは、
ナディアが、自分の住んでいる西のシェルターから
連れてきた愛犬と対面していた。

これはロボット犬じゃないんですか。
とコーダが訊いている。
普通の賢いシェパードよ。
メリーっていうの。




隣室ではドロレスがバンクと
話していた。




リンゴやカボチャも収穫できたし、
もうすぐ収穫祭のハロウィーンね。
ロボットの私にはピンときませんが、
焚き火は楽しみですねえ。




家の前では
それぞれが思い思いに。




これは巨大なかぼすかな。
森が近くになって
収穫が手軽になって嬉しいね。
などとコーダと舞子が
話している。




これはカボスじゃなくて
すだちよ。
とミトラが言った。




レイチェルは水を汲み、
ドーダは咥えた丸太を
葉巻のようにして
どーだ、といって遊んでいる。




ツナは切り株を丸く削っていた。

それなんですか。
かぼちゃの置物作ってるの。




バーボンハウスから出てきたバンクが、

ツナ。
あの蝶々が。
と言っている。



解説）
久しぶりに仮想世界の撮影。
酢橘（すだち）を貰ったので掲載してみました。

盗まれた転送装置　そのよん

ウェルズはミラたちの家にある
秘密の地下通路を通って管理局に戻り、
ペンギン前のスペースでは
ルビーとアリスが話していた。




そもそも管理局って、なんなんですか。
政府の組織ですか。それとも国連やCGみたいな
国際組織ですか？




この地球上の組織じゃなくて、
異世界間を横断した組織らしいけど、
本部はなぜか迷いの森の中にあるらしいの。
まあローカルな都市伝説のような扱いで、
軍やCGでは、まともな調査も論議もされていないけどね。




本を読みながら、
それとなく話を聞いていたミラが言った。

アリスさん。あなたも毎日違う夢を見るでしょう。
あなたたちの住むこの世界も、
そんな夢の一つだと考えてみて。
異なる夢の間を行き来するものたちがいて、
そのせいで起きるさまざまな問題について、
当事者にアドバイスするのが私たちの役目。

そんな組織があるなんて、
信じがたい話ですね。




そこに台車を押しながら、
ウェルズが戻ってきた。

あ、それって、
転送装置じゃないですか。




これはレプリカなんだけど、
盗まれたものとそっくりに作られています。
転送装置は、まだ皆さんの科学技術では、
操作できないでしょうから、
このレプリカで代用できるでしょう。
これを研究所に持ち帰ってほしい。




それが管理局の意向ですか。
とルビーが尋ねた。

はい。彼が捕まれば時間管理部の存在が知られてしまい、
この世界に影響を与えてしまうことになりかねない。
盗難事件そのものを無かったことにしたいということなんです。
盗まれたと思われた転送装置が見つかったということで、
ブラウンの捜索は中止してもらえませんか。

ルビーは、しばらく考えていたが

了解しました。
さっそく博士や将軍に伝えます。
元々ロボット研究所に保管されていた
転送装置の存在は国家機密ですし、
彼らも不祥事が公になるのを避けられて喜びますよ。
と言った。




なんだか釈然としないなあ。
結局、本物の転送装置や盗んだ犯人は野放しなんですか。




その点については、
特別に許可をもらって、私が担当することになりました。
必ず見つけ出して逮捕します。




ルビーとアリスは、
ことは急を要するということで、
さっそくレプリカの転送装置を運んで行った。




レプリカを提供して、盗難事件そのものを揉み消すなんて、
管理局にしては、随分思い切った決定をしたものね。

これ以上この世界の住人を巻き込むわけにいかないからね。

ブラウンは、転送装置を改造して、
どこか別の世界に逃げちゃうんでしょ。
捕まえられるの？

改造にはミューが作った仮想現実体験装置の構造を
応用するに違いなから、行き先はわかっているんだ。
あの装置では、特定の未来の時空にしか行けない。

ブラウンはあなたの分身なんでしょう。
そもそも、どうして出奔したのかしら。

見つけたら本人に聞いてみたいね。
時間管理部のパトロールって、
何度も繰り返していると心身にダメージがあるし、
仕事を投げ出してどこかに定住したくなる気持ちもわかる気はする。
タイムマシンを使って歴史を書き換えたりしない限り、
管理部では元職員の行動に関してはそれほど気にしていないんだ。
一応私が担当して逮捕することになっているけど、
局長に相談したら、最終的にどうするかは私に任せるって。

あの局長らしいわね。



解説）
とりあえず盗難事件の騒動は
おさまったようです。

盗まれた転送装置　そのさん

何か手掛かりはあるのかね。

はい。研究所の倉庫の監視カメラが
侵入者らしき男の映像を。




これは監視カメラから
抽出した画像です。




転送装置を運び出そうと
しているところのようです。




これって、昨日見かけた人よ。
とルビーが言った。
その時は思い出せなかったんだけど、
確か7月の中頃に、
広場にエリスと一緒に来ていた、
ウェルズっていう人によく似ている。
管理局に勤めていて、
休暇で遊びに来てるとか言ってたわ。




ペンギン前のスペースでは、
ミラとウェルズが話していた。




声もあなたにそっくりなので、
すっかり騙されちゃったわ。
そういえば顔はよく似てるけど、
髪の色が微妙に違ってたわね。
それにあなたの頬にはうっすらと無精髭が。
彼は何者なの？




彼はブラウンって言って、
ある意味私の分身なんだ。
別の時間軸で生まれた私といえばいいか。
個人的な事情は省略するけど、
時間管理部では仕事柄、
秘密厳守のタイムトラベルをする関係で、
部員が過去の自分をスカウトするようなことがある。
そんなわけで、彼も時間管理部に勤めていたんだけれど、
しばらく前に職場放棄して、迷いの森に出奔した。
まだ森にいるらしいっていう情報はあったんだが、
この町に来て、仮想現実体験装置を調べていたとなると、
何を考えているのかちょっと気になるね。

職場放棄でしょう。
時間管理部では追跡してないの。

追跡はしているけど、仕事が多すぎてね。
部員の職場放棄に関しては実情はほぼ野放し状態なんだ。
そうやって特定の時代に紛れ込んで、
ひっそりと暮らしている元部員って結構いるんだよ。
その時代にそぐわない発明などをしてしまい、
有名になってしまうケースもあるんだが。
君も知っての通り、
あまりに大きな歴史の改変の原因になる場合、
情報管理部にも協力してもらって
マンデラ効果を起こす場合もあるけど。

確かに。
でも基本的にいいかげんなのね。




二人が話していると、ルビーとアリスがやってきた。




ウェルズさん。
ロボット研究所警備のものですが。
転送装置の盗難事件のことでお聞きしたいことが。




なるほど、装置が盗まれて、
ウェルズに容疑がかかっているのね。
でも、それはブラウンという別人です。
基本的に管理局の職員は訪問した世界に
関与することはありません。まして盗難など。

私たちが知った情報から推理すると、
彼はたぶんその転送装置を修理して、
別の装置に改造するつもりなんでしょう。
管理局に戻って対応を検討したいと思いますが。
とウェルズが言った。




どうしますか。

お二人が嘘をついているとも思えないし、
管理局にも協力してもらって、
そのブラウンという人物を探すことにしましょう。

信用しちゃっていいんですか。
この人、監視カメラの写真の人物にそっくりですよ。

この町の事情を知らない
特殊部隊のあなたがそういうのも無理ないわね。
でもここは任せて。
とルビーが言った。



解説）
続きます。

盗まれた転送装置　そのに

探偵事務所では、
ミューがウェルズ（実はブラウンのなりすまし）に
仮想現実体験装置の構造の概略を説明していた。
ブラウンは熱心に聞きながら、装置を観察している。




直接未来と会話できるなんて、
すごい改良ね。
ミューのAIと装置のアンのAIは日毎に進化してるのよ。
何が起きてるのか人間の私たちには
もうよくわからない。
とシェリー博士が言った。




これは転送装置に応用できますね。
時間管理部ってタイムマシンを扱ってるんでしょう。
こういうの見慣れてるんじゃないですか。




やがてミラとウェルズ（ブラウンのなりすまし）は、
探偵事務所を後にした。

あれ、お一人ですか？
ウェルズは用事があるって行っちゃった。
またコーヒーたのもうかな。




そこに本物のウェルズがやってきた。
あらもう着替えたの？
着替えたって？
僕ずっとこの格好だよ。




それは別人だよ。
広場に行って行方を探していたんだ。
服装もマンゴー亭で聞いた話と一致する。




その頃、広場のベーカリー前では、
バトラー博士が、将軍やルビーと話し合っていた。

盗まれた小型の転送装置は、
使用法がわからないんでしょう。
よくそれで帰還できましたね。




研究所にあった大型の装置から操作できたんだ。
単体で動かすには、それなりの改造が必要だろうね。
しかし、部隊や軍用車両さえワープさせるだけの
能力を秘めていることは確かだな。
早急に対処しなければ。




最高責任者にも伝えるべきでしょうか。

いやそれはとりあえずやめておこう。
妄想を膨らませて変な命令を出されると
かえって混乱しかねない。



解説）
相談は続いているようです。

盗まれた転送装置

研究所の倉庫から、
転送装置が盗まれたんです。

転送装置？
そんなものあったっけ。




すっかりお忘れのようですね。
15年前に、事故で墜落した宇宙船に
搭乗していた二体のロボットが、
母星に帰還するために制作して、
残していった装置ですよ。




ふむ、思い出したぞ。
あの装置は、たしか軍の主導した
大掛かりな惑星開発計画に使用されたが、
転送先の惑星に先住民がいることがわかり、
撤退したという経緯があったな。
しかし、その後、
あの大掛かりな装置は解体されたはずだが。

研究所に設置されていた装置はそうなんですが、
転送先で帰還のために使用された小型の装置は、
こちらに戻されて、ずっと倉庫に保管されていたんです。




なるほど。
あの光沢のあるリングを重ねた
モダンな箸置きセットのような装置だね。
しかしあれを盗んでも使い道がわかるとは思えないな。
私たち研究者もお手上げだったんだから。
美術館にでも飾るのが関の山だろう。

盗んだ相手によっては、私たちにも未知の技術が
仮想敵国に漏洩する可能性もあります。
軍やCGにも盗難のことを報告すべきかと。
それはそうだな。
たぶんまだ将軍がドルフィンにいるはずだ。
さっそく会いに行こう。

それ持って行くんですか。
ふむ。これは虫じゃないんだよ。




バトラー博士とアリスが立ち去った後、
シェリー博士もマヤもそれぞれ帰っていった。
はるなはテーブルの食器や果物を片付けながら、
ブドウをつまみ食いしている。




そこに読みかけの本を手に、
隣家に住むミラがやってきた。

あ、珍しく空いてる。
今日もサービスの果物があるのね。
コーヒーください。

はい。




ミラがベンチに座って本を読んでいると、
ブラウンがやってきた。

あら、ウェルズ、
今日はフォーマルな服装してるのね。

実は事務所で開発されたという
仮想現実体験装置について、
ちょっと調べておきたいことがあるんだ。




あら、時間管理部はタッチしないんじゃなかったの。




生起する出来事について関与はしないけれど、
時間に関わることだからね。
装置の構造について知っておきたいと思って。

ふーん。それで訪問用にそんな格好しているのね。
わかったわ。事務所のみんなとは顔馴染みだから、
私が付き合ってあげる。


解説）
地球にロボットたちが飛来した経緯については、
2008年8月17日「おばあちゃんの家　番外編そのいち」から。
軍主導で移住計画が行われ撤退した経緯については、
2009年6月28日「夢見る機械　そのに」、
2009年7月3日「異世界にて」などに掲載されています。

ハロウィーンは続く　そのなな

昨夜はよく飲みましたなあ。
と言っている。




ところで、国際情勢や
国政の方は大丈夫なんですか。




そのご心配には及びません。
いざとなれば我が国には
スーパーヒーローが
沢山いますから。




イリヤ。１年ぶりね。
そうですね。カーミラさん。




みなさんお変わりなく。
性格ってなかなか変わらないのよね。




フィギアの村ってどんなとこなの？
住人はみんな軍人ですけど、
環境はこの町の郊外と変わりませんよ。
今度ご案内しましょうか。




その頃、ペンギン前のスペースでは、
まだバトラー博士とシェリー博士とマヤが話していた。

それは突き詰めると
鉄腕アトムと鉄人28号との違いです。
戦闘用ロボットに脳が移植された
８マンこそ時代を先取りしていたとも言える。
のりたまのエイトマンシールですね。
などと言っている。




議論の種は尽きないなあ。
しかし時を忘れて話し込んでいたのか。
なんだか時間が経つのが早いような
気がするなあ。




かなり無理がある気もするけど、
徹夜で議論した研究所時代を思い出すわね。
ところでそのゴキブリ、
なんとかならないの。




そこにロボット研究所の警備を担当している
特殊部隊のアリスがやってきた。




バトラー博士、問題が。
とアリスは言った。



解説）
何か起きそうな気配です。

ハロウィーンは続く　そのろく

カメラマンがジェニーたちの部屋に
来ていた。
まだ木立は青々としてますね。




相棒の枝野さんは？
暇だから広場に行くとか言ってました。
住民にインタヴューしないの？
特にしないそうです。




広場は相変わらず賑わっていた。




エヴァの彫像のパフォーマンスが始まったよ。
とキャサリンが言っている。




動かない。
まるで人形みたいね。
と言っている。




リリスさん。
今年は、エヴァと一緒に
ピエロのコスプレしないんですか？
あれ疲れるからね。




すずはエヴァの抱いている
屋敷しもべを見て驚いている。




サルバドール！
これはこれはメルティさん。
シュレディンガーやピノコや
テキサスレンジャーは元気ですか。
みんな元気ですよ。
また遊びに来ますか？
いいんですか？




それ溶けないアイスでしょ。
そういう人もいます。




エトナと、ロジャーが話している。
ケントさんにフィルム買ってもらったよ。
これあなたの分。
これは嬉しいなあ。
肉まん食べに行きませんか。


解説）
前回の翌日ですが、
あまり変化のない広場の風景でした。

ハロウィーンは続く　そのご

日が暮れたばかりの
ベーカリー前の広場では
まだ賑わいがたえなかった。

ルビーがハリー夫妻の姿を見かけて
声をかけている。




ハリーさん、やっぱり
ドラキュラのコスプレがお似合いですね。
カーミラが今年も参加したいというので、
付き合うことしたんだが、
これしか思いつかなくてね。




クロは夢の部屋から来たメルティと再会していた。
見違えるように立派になって、
すっかり野良になっちゃったのね。
そんなことないんですよー。
と言っている。




ドルフィンの奥では、
広場でバトラー博士と別れて
別行動をとった将軍がアイスと話し込んでいた。
これからはAIが戦略を決めるんだ。
CGも人員削減されるんじゃないかね。
時代の流れですねー。




叔父さん、お腹すいたから
デジャに行きましょうよ。
そうそう。政府の要人も来てるのよ。
とマリアが言った。
ふむ。私たちも店に入れてくれるかな。
それは心配ないわよ。





何という美のセンス。
どなたかしら。
とカーミラは思っている。




やがてデジャの店内に入った
ハリーたちはヴィヴィアンから
政府要人を紹介されている。

こちらは私の両親です。




お噂はかねがね。
とハリーは言った。




秋の夜は次第に更けていく。

どうもデジャは貸切みたいだ。
ビストロでピザでも食べる？
いいわね。
などとジルとギルダが話している。



解説）
秋の夜の広場の
スナップ集のようになりました。

ハロウィーンは続く　そのよん

翠はレプティリアンを伴って、
事務所に帰ってきた。




皆さんとお目にかかるのは2月以来ですね。
新聞探しではお世話になりました。
もっとも、その後も姿を消した状態で
時々観察させていただいていましたよ。




おや。こいつは。
差し上げたカプセルから孵ったトカゲですな。
ダルメ、って呼んでいます。
とミューが言った。

そうそう。この6月の半ばに、ミューさんは、
とんでもないものを開発されたようですな。




この仮想現実体験装置のことね。
観察していたならお分かりでしょうけど。
こう言う装置のこと、どこまでご存知なの？




私たちの文明も万能というわけではありません。
もちろんその手の装置が
研究開発されたこともありましたが、
あまりにもリスクが多すぎるということで、
私たちは現実に留まることを選択したのです。
ああ、現実と言っても、
あなたたちの世界で言われる現実とは、
また別の世界での話なのですが。




それをいうのなら、
私はロボットで、人間じゃないからね。
仮想現実っていう言い方は、
人間の意識の世界観が元になっている。
あなたたちトカゲ人間も
遺伝子を持った別種の生命体でしょう。
私のAIの認識する現実は、
見かけはそれらに似せて作られているけど、
全く別のもの。仮想ではないの。

レプティリアンは
興味深そうに聞き入っていた。




事務所の下のペンギン前のスペースでは、
遅れてやってきたシェーリー博士が、
バトラー博士と話していた。

遅くなっちゃって。
バトラー博士、お久しぶりですね。
何年ぶりかしら。
最後に私たちがロボットの共同開発してたのは
８年前の6月だから、ずいぶんになるね。
ああ、一号機が暴走してしまった時ね。
あの頃はレイチェルもいて楽しかったわ。




君との見解の相違が埋められなくて、
結局君は研究所を辞めてしまったんだけど、
その後の君の立ち上げた研究所の爆発事故や、
そのまた後のシェリー研究所の再建など、
色々なご苦労とご活躍は聞き及んでいるよ。

よくご存知なのね。
私もあなたのロボット研究所が、
ますます軍との連携を深めているっていう、
噂はよく耳にしますけど。

うん。ありていに言って、それは事実なんだ。
君の研究している人型ロボットの必要性も
見直されている。




ふーん。まさかとは思うけど、
私にロボット研究所に戻って欲しいっていう
お話じゃないんでしょうね。

うーん。いや、それは諦めているよ。
近年、医療技術の発達で人間のサイボーグ化が
進んでいる。その場合、
どうしても機械に置き換えられたボディが
人体のフォルムに似ていることが重要なんだ。




脳だけが人間で、体は機械という
アンドロイド兵士の登場ね。
レイチェルやドロレスから聞いた話にそっくり。
とマヤが言った。

何かねそれは。

ああ、それは、
SF好きな人たちの空想のお話よ。
夢と現実をごっちゃにしないで。
とシェリー博士が言った。



解説）
今回は
やや込み入った話の
セリフばかりに。

ハロウィーンは続く　そのさん

高台には、枝野多恵とカメラマンが来ていた。
あら珍しい。何の撮影でしょう。
と江本友恵が聞いている。




秋の森と夕日の撮影ですよ。
４時過ぎなのに日の入りが早いですね。
番組にはこういう自然の景観も入れるんです。
なるほどねー。
住民のインタヴューはしないんですか。
はい。




広場での登録を済ませて、
ペンギン前のスペースに翠が戻ってきた。
あれ？




ウェルズさん、いつ戻ったの？
さっき、広場で出会ったでしょう。
僕はずっとここで本を読んでたけど。
え。別人だったのかなあ。
ウェルズさんにそっくりの人がいたよ。
声をかけたら、マンゴー亭の方に、
急いでる感じで無視されたけど。




僕にそっくりな男？
もしかして彼かもしれない。
広場にいたんだね。
そういうと、ウェルズは立ち上がって、
足早に広場の方角に立ち去っていった。




広場のベーカリー前では
エトナがケントと話していた。

ケントさん。今、デジャに、
お忍びで政府要人が来てるってご存知でしたか。
いや。それは初耳だね。
それで隠し撮りに成功したんですけど。
ふむ。彼がこの町に来ること自体は、
珍しくないからなあ。
記事にするかは検討を要するけど、
一応写真はもらっておくよ。




急いで広場にやってきたウェルズは、
マンゴー亭に行ってアンナに話しかけている。

あら、何かお忘れ物ですか？
いえ、私は今日初めてここに来たばかりで、
もし私とそっくりな人が来てたとしたら、
その人は私とは別人なんです。
ふーん。そう言われれば確かに服装が違ってるわね。
その方なら、美味しそうに肉まんを召し上がって
ついさっき帰られましたけど。




写真撮らせてもらっていいですか。
いいわよ。まぼろし探偵のファンなんですか。
こう見えて私はサユリストなんですよ。
などと会話が弾んでいる。




ペンギン前のスペースで、
立ち話をしていた翠に、
レプティリアンが声をかけている。

やあ。先程はどうも。
突然出現するのも何だから、
向こうで迷彩を解いてきましたよ。



解説）
ほとんど撮影してからの
思いつきなので、
ますます混迷しています。

ハロウィーンは続く　そのに

ベーカリーの奥では
SF映画のコスプレマニアたちが談笑している。
「猿の惑星」って55年前の映画ね。
知らない人多いんじゃない？
「スターウォーズ」も古いですよ。
などと話している。




店の前ではルビーが
サルバドールたちと話していた。

これはこれは。サルバドールさん。
あなたは迷いの森に帰ったって聞いてましたけど。
あれは5月のことで、もう半年前になります。
ハロウィーンのコンテストの噂を聞いて、
この町が懐かしくなって遊びに来たんですよ。
また誰か取り憑けそうな相手を探しているんでしょう。
う。お見通しですな。実はそうなんですが、
取り憑くなんて人聞きが悪い。
これは私の定めなんです。
それはともかく。




こちらはブラウンさん。
迷いの森で知り合った友人です。
あ、彼は夢魔じゃありませんよ。

ブラウンです。どうぞよろしく。
とその男性は言った。
ルビーはその顔が誰かに似ている気がしたが、
とっさに思い浮かばなかった。




その隣で翠は突然現れた
レプティリアンと話していた。
こうした姿で君に会うのは二月以来。
あの時のかめ新聞探しではお世話になりました。
どういたしまして。
そんな風に腰に新聞さしてると、また落としますよ。
と翠が言った。

ふむ。あ、そろそろおやつの時間なので。
また後で。
と言うとレプティリアンの姿は消えてしまった。




翠はふと見かけた男性に思わず声をかけた。
あら、ウェルズさん。




その頃、ペンギン前のスペースでは
バトラー博士とマヤが話し込んでいた。
バトラー博士が、久しぶりに町に来たついでに
シェリー博士に会いたいと言うので、
マヤが案内してきたのだった。




はるなとリズは、
ゴキブリロボットがカボチャの玩具を
追いかけるのを見ている。




ゴキブリはマヤが作ったんだって。
カボチャの玩具の方もマヤが改造したのよ。
変わってるけど器用な人なのね。




シェリー博士は、
もうすぐ来られるようです。
急な話だったからね。
しかしここまで来るとほっとするね。
広場はすごく混み合っている。
それに犬や猫の被り物の人が多くて、
ああ言うのはどうも苦手なんだ。
などと言っている。




解説）
いつもながら、ごちゃごちゃと、
あれこれ並行して
続いていくようです。

ハロウィーンは続く

サラたちの部屋に鷲尾翠が来ていた。

サラに去年作ってもらった
トカゲ人間の被り物持ってきたんだけど。
ポンチョがどっか行っちゃって。
なんか合いそうな服ないかなあ。




ちょっと丈がツンツルテンだけど、
いい感じの色合いね。
さすがサラ。
クックドゥーは変身ぶりに驚いている。




デジャでは、政府の要人が
笑いながら手を振っていた。
どうしたんです？




向かいのドルフィンの二階から、
入間ルイが手を振っているのだった。




シークレットサービスは、
不審者対策にベランダで警護することにしたようだ。
その般若のお面、私にも似合いそう
とサイバー忍者が言っている。




枝野多恵はエトナたちと話していた。

せっかく撮影頼んでおいて悪いんだけど、
局のうえの方から連絡があって、
この町のハロウィーンの紹介番組には
スクープ写真が使えそうもないの。
それは残念。
SNSで流しちゃおうか。
うちのプレスなら買ってくれるかも。




広場は歌声で満ちている。
トカゲ人間のコスプレをした翠が登録にやってきた。




翠さんですね。
とジョー軍曹が声をかけている。
あら。わかる？
去年もお見かけしましたから。




その時突然、
翠の目の前に人影が出現した。
久しぶりですな。
と言っている。

ハロウィーンの雑踏は観察に最適。
特にこの広場は人間以外の生き物が
多種多様に行き交っているので。
そう思って見ていたら、
また懐かしい仲間の被り物が。
思わず光学迷彩を解いてしまいました。
いいですけど、
突然現れるのはやめてください。
心臓に悪いわ。
と翠は言った。



解説）
なんやかやと続いています。

広場での再会　そのきゅう

ドルフィンの二階では、
部屋でくつろいでいた
今井舞とニッキーと駒井今子が驚いていた。

エトナ、しばらくぶりに
帰ってきたと思ったら。
何が始まるの？
あ、こちらロジャーさん。
ちょっとここで撮影するから、
場所借りるね。




ここからなら、デジャの店内が撮影できそう。
ロジャーさん、協力ありがとう。
いえいえ。こういうの好きなんで。
なんだかパパラッチみたいですね。
などと言っている。




広場には相変わらず
歌声が流れている。




あ、政府要人がいたよ。
双眼鏡見ている。




デジャでは、
アンジーが外の様子を見ていて、
エトナたちに気がついた。

向かいのドルフィンの2階から、
こっちを撮影しようとしている。
奥の座席に行ってください。




アンジーに言われて、
政府要人は席を立った。




今だ。
二人はカシャカシャと
シャッターを切っている。




シークレットサービスは
素早くガラス戸の前に立っている。

さすがプロね。
身を挺して守るなんて。
仕事ですから。
でも、そのガラス戸は安全よ。
全面特殊な防弾ガラスで、
ロケットランチャーでも壊れない。
そうなんですか。しかしなぜそんな。
ここは悪魔の巣窟なの。




この肉まんは美味いねえ。
この人、何が起きたのかわかってるのかしら。
とヴィヴィアンは思っている。




撮影してたのは
エトナたちみたいです。
事情を言って、フィルム回収して来ましょうか。
とジョニーが言った。
そうねえ。スクープ狙いでしょうから、
取り上げるのも可哀想だし。




宣伝になっていいんだよ。
と要人が言った。
お忍びで来ていると知られると
さらにいいんだ。
ヴィヴィアンは真意を計りかねていた。



解説）
よくわからないまま
過ぎていきます。

広場での再会　そのはち

なんだか
混み合ってきたなあ。
年に一度しか来ない人もいるからね。
人形が多すぎるんじゃないの。あ、人間が。
などと言っている。




枝野多恵はエトナと話している。
あなた、デイリープラネットの
カメラマン、まだやってるの？
時々自由に撮影した写真を送って、
採用されるって感じね。




実は政府の要人がお忍びで来てるんだけど、
デジャにこもっちゃって近づけないのよ。
ふーん。
撮影して欲しいってことね。




隣ではクロが圭たちと話していた。
さっきは転んで大変だったわね。
すずちゃん怪我しなかった？
大丈夫だったよ。
座布団のクッションがあるんだ。
ふーん。
僕はそんなのないから。
圭はころんだだけじゃない。
ポジション交代しようよ。
やだ。
などと言い合っている。




その隣ではマリアたちが話していた。
ドビーはベスとどういう関係なの？
そう聞かれても訳わからないんですよ。




その後ろではジョー軍曹が
観光客ロジャーに話しかけていた。
あなた、もしかして
エトナさんのお知り合いですね。
エトナさんが探していましたよ。
そーですか。
ドルフィンで待ってるそうです。




その手前ではルビーが
将軍に話しかけていた。

これはこれは将軍久しぶりです。
今日はバトラー博士もご一緒ですか。

ロボット研究所に行ったら、
博士がこの広場に出かけるというんで、
一緒に見学に来たんだ。
今年の2月の視察以来ですね。
あの時はアメコミ好きの
政府の要人に付き合わされたんだよ。




その要人が、実は、
今デジャにお忍びでおいでなんですよ。
お会いになりますか。

ふむ。いや、やめとこう。
あの人は、いつも上の空で、
どうも苦手なんだ。




バトラー博士はマヤと話していた。
研究所ではお世話になりました。
マヤ・ラパス君か。
君はCGに引き抜かれたと聞いていたが、
こんなところで再会できるとはね。
元気でやっているかな。
おかげさまで。

ところで、このゴキブリのロボットは、
君が作ったのかい。
はい。




よくできているなあ。
どうだろう。このゴキブリロボット、
しばらく研究所に貸してもらえないか。

いいですよ。
どうなさるんです？
今研究所でカブトムシ型の
戦闘用甲虫ロボットを開発していてね。
その参考にしたいんだ。



解説）
またあれこれと。

広場での再会　そのなな

この双眼鏡はよく見えるなあ。
さすがドイツ製だね。
と政府の要人は喜んでいる。

猿の国の人がいるよ。
挨拶しないと。
あれはコスプレですよ。





要人の使っている双眼鏡は、
アンジーから連絡を受けた、
エルヴィン・ロンメルが貸してくれたものだった。

わざわざ遠い世界からの
運搬役どうもありがとう。
いえいえ。どういたしまして。
町に来るのは楽しいですから。




すごいコスプレですね。
とシークレットサービスが驚いている。
これ私の普段着なんですよ。




階下のマンゴー亭では、
店の主人で調理人の丹下健太が、
珍しく店頭に出てアンナと話していた。




うちのチンパンジーのパンジーがいないんだ。
いつも調理場で大人しくしてるんだけど。

さっき広場の方に走って行きましたよ。




広場では、猿の惑星のコスプレをした人と、
クロが話していた。

去年もお見かけしましたね。
その姿一度見たら忘れないから
覚えてるわよ。




パンジーはゴリラを見て
遊んでもらおうと走ってきたのだが、
話に夢中で相手にしてもらえないので。




すずたちのコスプレ姿に
寄っていった。




池谷圭は驚いている。




圭は体勢を崩してしまった。
あー。




なんだあれは。
アンジーは、あらら。
と言っている。



解説）
ちょっとしたハプニングが
起きたりしたようです

広場での再会　そのろく

政府の要人はアンジーと二人で
広場を見下ろしていた。

これはいい眺めだね。




ペンギンの被り物をしている人もいる。
もっとよくみたいなあ。
双眼鏡を借りましょう。
そんなことできるのかね？
ドイツ軍の友人がいますから。




すずたちも、
コンテストの登録に来ていた。




これまでにないユニークな扮装だね。
華やかで不気味な中にもどこか人間味がある。
などとボニーたちに評価されている。
早く済ませてよ。と
お腹の辺りで圭が言っている。




犬猫同盟のメンバーが全員揃ったのね。
とマリアが言った。
ドーベルマンのドビーに、
ペンギンのフンボルトさん。
黒猫のクロにトラ猫。




団長。私だけ名前がないんですけど。
ああ、あなたは元は野良猫だったから、
誰も名前を付けていなかったのね。
トラ猫だからトラさんでいいんじゃない。
トラですか。なんとなく安易な気も。




クロに、良かったね。寅さん。
と言われている。




しばらく見かけなかったけど、
元気だった？

リリスさんやジャンさんのご厚意で、
例の扉の向こうのフィギアたちの世界で
小屋を借りてみんなで暮らしているんです。
あ、フンボルトは
喫茶ペンギンの店のマスコットとして、
こちらで働いてますけど。




ルビーさんたちが毎月コスプレの
コンテストをやってくれているおかげで、
普段でも怪しまれずに出歩けるんですが、
こういう顔は、やはり目立っちゃうから。
仮装の人で賑わう
ハロウィンは楽しみだったんですよ。

いろいろ苦労が多いのね。



解説）
なんやかやと出会いが
続いているようです。

広場での再会　そのご

これで完成よ。
すずちゃん、ちゃんと前が見えるでしょ。




うん、これなんのコスプレ？
ヴェネチアのカーニバルに
よくあるような仮装のイメージね。




どこかいい場所ないかなあ、
とSPが思案していると、
都合よくヴィヴィアンがやってきた。

ルビーから事情を聞いたヴィヴィアンは、
だったらデジャに来れば。
言った。




ボスがまもなく到着しますが。
了解。




ヨシフ、お店は
貸切状態にするからね。
わかりました。




今、お店に入って行っちゃった？
やられましたね。




政府要人はヴィヴィアンに
店にいた常連客を紹介されている。
みんな信頼できる人たちよ。




やあ、色々ありがとう。
ところで君はなんとかいう名前の
女優さんに似てるねえ。




みんな興味津々で注目している。

ここからだとガラス戸から
広場が見下ろせるし、
下のマンゴー亭から
肉まんのデリバリーもできますよ。
そうかそうか。




そのスーツケースは。
ああ。これいつも持ち歩くように
言われてるんだが。
これなんだったかなあ。



解説）
時間が少しずつ過ぎています。

広場での再会　そのよん

広場には、
今日も歌声が流れていた。




ベーカリー二階のベランダには、
忍者たちとうたたちが集っている。




狐の精霊の駒井魔子は般若のお面で
登録を済ませてきたようだ。

去年は小面の能面被ったのよ。
そのお面、狐のお面じゃないんですね。
それだと流石につきすぎだから。




うたと忍者はインコたちと遊んでいる。

私がこの町に来たのは
今年の５月末だったから、
ハロウィーンのコスプレコンテストは初めてなの。
みなさんバラエティに富んでいて、すごく楽しい。
そう言ってもらえると嬉しいなあ。
みんなほとんど去年と同じ扮装なんですよ。




ルビーはシークレットサービスと
再会していた。

一年ぶりね。また来られるんですか。
はい。どうも癖になっちゃったようで。




テレビ局が来てるのか。
お忍びだから
撮影やインタヴューはまずいなあ。

枝野多恵とカメラマンは
肉まんを食べている。
ガードマンらしき人がいますね。
やっぱりね。早く食べよう。




ペンギン前の空き地では
トラ猫顔の人が、ペンギンでマスコット
役をしているフンボルトに
面会に来ていた。

お店開けられる？
犬猫同盟のみんなで、
登録しに行くことになったんだ。
ハロウィーンだから、
驚く人もいないだろうし。




いってらっしゃいよ。
お店はすごく暇だし。
マスターには私からいっとくわ。
とリズが言った。




サラたちの部屋には
鈴木すずと池谷圭が来ていた。

ねえサラ。コスプレコンテストに
参加したいんだけど。
何かかっこいい
コスチュームのアイデアないかなあ？

そうねえ。。。
あ、いいこと思いついたわ。




背丈はこれで良さそうね。
ちょっと重いんだけど。



解説）
少しずつエピソードらしきものも
進んでいるようです。

広場での再会　そのさん

コンテストの登録者は日毎に増えていた。




今年はここでチャンバラやらないでね。
それはもう。
これが噂の一角犬か。
あれ、この角、作り物みたいだ。
それは誰にも言っちゃダメよ。
などと話している。




レイア姫の隣には、
ストームトルーパーの扮装した男性が
座っている。
今年も会えて嬉しいです。
と言っている。




みんな去年と変わらないね。
段ボールハウスで、
ずっと同じ格好していたのかしら。




さゆりちゃん久しぶり。
今も観光案内やってるの？
うん。この格好は普段着で、
いつもは制服着てるよ。




メガネ見つかりました。
段ボール箱の隅に落ちてたんです。
そういうのは見つかりにくいですからなあ。
などと言っている。




ギルダの服装はいつも目立ってるけど、
コスプレじゃなくて残念ね。
これは本物ですから。




すずちゃん、僕たちもコスプレしようよ。
いいけど。
どんな格好にする？
わかんないけど、
サラに頼めば、
なんとかしてくれるかも。




日が暮れるの早いなあ。
とさゆりは思っている。



解説）
広場の取り留めのないスナップでした。

広場での再会　そのに

あ、今年もワンダーウーマンが来てるのね。
ケントさん。だったら是非お揃いで。

うーん。そうですか。
ではちょっとドルフィンで着替えてきます。




やっぱりこれでなくちゃ。
と言われている。




デジャには、アンジーが来ていた。




あら、髪の色変えたの？
ああこれは仕事の都合でね。




ハロウィーンのコンテスト、
今年も参加する？




参加したいけど、
去年は優勝しちゃったからね。
同じ魔女マレフィセントの格好は無理よ。

そのままでいいんじゃないですか？
アンジェリーナ・ジョリーの
そっくりさんということで。
とゼロが言った。




随分賑やかになってるけど、
去年と同じコスプレの人ばかり。
みんな手を抜いてるのかなあ。
そんなことないと思うよ。

などと、
ガラス戸越しに広場を見下ろしながら、
エトナとレイラが、と話している。




テレビ局のクルーが来てるね。
また政府の要人でも来るんじゃない？
要人って、あのいつも笑っている人？




あのコウモリ、気になるなあ。
それにしても彼は来るんでしょうか？
事前情報はないんだけれど、
去年来た時、相当気に入ってたみたいだから、
なんとなく今年も来るような気がするの。
もしインタヴューできればスクープだからね。
とりあえず肉まん食べましょう。
などと枝野多恵とカメラマンが話している。



解説）
少しずつ参加者が増えています。

広場での再会

ベーカリー前の広場は
コンテストの参加者たちで賑わっていた。




インコにオウムのトンピリビが挨拶している。




トンピリビは幽霊船の船長の
クックドゥーについてきたのだった。
郊外からは結構ありますなあ。
などと話している。




新聞記者のケントがレオと話していた。
あなたがSNSで上げてる
「一角犬の歌」評判ですね。
もう新聞の時代じゃないなあ。
いえいえ、僕もディリープラネットは
愛読してますよ。




ケントさん。久し振りですね。
さっそくコンテストのこと、
記事にしていただいて。
いやあ、今年も楽しみにしてたんですよ。




今年もこの扮装で参加します。
とレイアが言っている。




懐かしいわね。
スターウォーズは不滅です。




あの人、今年も来ないかなあ。
とスーザンが言っている。

あっちから寒そうな格好の人が
くるみたいだよ。
とジェーンが言った。




ワンダーウーマン！
今年も来てくれたんだね。
元気にしてた？
コアなファンがいるのは嬉しいわ。
と言っている。



解説）
去年のハロウィーン以来の
再会があちこちで。

かぼちゃグッズを借りる　そのさん

今日もインコが鳴いている。




ペンギン前でもかぼちゃグッズが
飾られていた。




どうしてカエルを？
とくに意味はないのよ。




この猫付きのかぼちゃは、
動く玩具みたいだよ。
なんか部屋に飾っておくの
もったいないね。




探偵事務所に、
鷲尾翠がかぼちゃグッズを運んできた。

これしか残ってなかったの。
と言っている。




一同は、ちょうど、
仮想世界と交信していて、
レイチェルからの報告を
聞き終えたところだった。

じゃあ、またね。
と言っている。




結局、ミズハっていう夢食いは、
荒れ果てていた未来世界に
緑豊かな自然をもたらして、
そこで細々と暮らしていた
ツナたちと共存したっていうことね。
とシェリー博士が言った。




よかったじゃない。
めでたしめでたし。
やっぱり、私が言った通り、
ミズハって、神様だったのよ。




そんなこと言ってたっけ？

やっぱり話聞いてなかったのね。
とエリスが言った。



解説）
レンタルのかぼちゃグッズは、
ほとんどの家や空き地に普及したようです。

かぼちゃグッズを借りる　そのに

看板付きのゲートに
インコが留まっている。




高台の休憩所に、
江本友恵がかぼちゃグッズを運んできた。




それ、キャンドルよ。
ちょうど
植木鉢が欲しかったの。




ジェニーたちの部屋でも、
たまきが借りてきた
かぼちゃグッズが飾られている。




お鍋の蓋知らない？
さあ。どこかしら。




サラたちの部屋では、
ジェットがかぼちゃグッズを
借りてきたところだった。

サラ、何してるのかな。




この仮面、この前ホビーオフで買ったの。
今被れるように工作していたところ。




目の部分が空いてて、
ぴったりなんだけど、
誰かコスプレに使う？




かぼちゃは棚の上に飾られることになった。
ジェイソンは新聞を読んでいる。

この町のことが、
ハロウィーンコンテスト始まる。
って紹介されてるよ。
また賑やかになりそうだね。



解説）
みんなそれぞれに。

かぼちゃグッズを借りる

ベーカリーの出店の店頭には、
かぼちゃグッズが並べられていた。

こちらはハロウィーンの期間中
ドルフィンから提供される
無料でレンタルできるグッズです。
数に限りがあるので、一家に一つで、
お願いします。




どれにしようかなー。
とたまきは思案している。




あ、すずちゃん。
そのアイスは有料なのよ。




ベーカリーには
まぼろし探偵のコンビの扮装をした男女ペアが
コスプレコンテストの登録にやってきていた。
今年も参加します。
と言っている。




去年と随分印象が変わってるね。
やっぱりなあ。
メガネなくしちゃったんですよ。




マンゴー亭でも
さっそくかぼちゃグッズを飾っていた。
これはなかなかですなー。
とヨシフが言っている。




二階のデジャでは、
ゼロがフェルトのかぼちゃグッズを借りてきていた。
けっこう地味なんだけど。
と言っている。




地味なかぼちゃには、
地味な帽子が似合うのよ。
とヴィヴィアンが言った。




渋い雰囲気ですね。
このへんに飾りましょう。
とイリアが言っている。



解説）
住民たちは流行り物が大好きなので、
レンタルのかぼちゃグッズも人気のようです。

広場のスナップ

ベーカリー前の広場。




日が暮れるの早いねー。
とたまきが言っている。
マヤはハロウィーンにちなんだ
かぼちゃの玩具を修理していた。




プラスのドライバーでネジ留めしている。
ゼンマイで動くんだね。




沢山あるね。
ハロウィーンの時期だけ使うみたいだけど、
なぜか倉庫で増えていくらしいの。
この虫はいつ見ても嫌だなあ。
などと言っている。




隣ではジョー軍曹とジルが
立ち話をしていた。

そのフードは、かぼちゃですか。
ニワトリのデザインなんですが、
色がかぼちゃのようだということで。
お店の手伝いをすることになったんですよ。




軍曹はベーカリーの出店の手伝いを
頼まれたのだった。

ハロウィーン用のグッズや
食品の販売と予約を受け付けています。
とベーカリーの店員の水戸里美が言っている。




テーブルの上には、
毎年おなじみのパンプキンパイなどが
所狭しと並べられている。




隣のマンゴー亭には、
早々と、ハロウィーンコンテストの
コスプレをした人が来ていた。




今年も月光仮面で登録してきました。
一年ぶりですね。
まぼろし探偵は来るのかなあ。
さーどうかしら。



解説）
日が暮れるのが早くて、
今回も窓の外が暗くなってます。

仮想世界で　そのなな

ハリネは、レイチェルから、
このあたりに立っていたはずの
金属製のオブジェを探していると聞くと、
驚いた様子だった。

あのヘンテコなオブジェのことを知っているとは。
やはり君たちは先住者だったのか。




ハリネのそばに、薄い煙と共に
顔のある木立が出現した。




話は聞いていたよ。
私がこの世界にやってきたとき、
瓦礫の広野の中であのオブジェを見つけた。
文明を作り上げたものたちはすでに滅び、
北方にわずかな森を残すだけの
荒涼とした瓦礫の世界だと思っていた。

このあたりは露出していた岩盤を
緑地にするために地形を変えたところよ。
そのとき、あのへんてこなオブジェも
土中に埋め込んでしまったの。
でも、オブジェの存在を知っているのだとすれば、
あなたたちが先住者である証拠ね。
ということは、この世界に
戦火と災いをもたらしたものの
末裔であるということにもなる。

でも私は裁きをもたらしにきたわけではないし、
先住者の暮らす世界を侵略しにきたわけでもない。
あとのことはあなたたちに委ねます。




薄い煙が立ち昇って
人面の樹木がうっすらと消えていくと、
もやのような煙の中からオブジェが姿を現した。




オブジェの
胸部に嵌め込まれていた球体が、
とつぜん微かに回転して振動したが、
やがて動かなくなった。




木陰からハリネが現れた。

もう森は拡張しない。
ただし。




ミズハはこの森に
とどまることに決めたようだよ。
果物を取ったり木を切るのは自由だけど、
すぐに再生するからね。

それから、
あのヘンテコなお墓のオブジェが、
お礼に蝶のペンダントを
受け取って欲しいと言っているよ。




レイチェルは
オブジェの胸にかかっていた
蝶のペンダントを外して手に取った。

ぼくは森の奥に棲むことにする。
寂しくなったら遊びに来てもいいよ。
とハリネは言った。




かくして一行は
バーボンハウスに帰り着いた。

どーだった？
とドーダが言っている。
ハリネっていう獣の顔が怖かった。
とソーダが言った。
そこなの？
なぜかズームアップが多かったんだよね。
ハリネはあれできっと寂しいんだよ。
また遊びに行ってあげよう。
などと言っている。



解説）
なんとかバーボンハウスが、
森に飲み込まれる危機は
回避できたようです。

仮想世界で　そのろく

レイチェルは、モニターの変化に気がついた。




ツナ、起きて。
モニターに誰か映ってるよ。




あれ、アンじゃない？
アンじゃなくて、ミューだよ。

こんにちわレイチェル。
それに、あなたが噂のツナね。
私はこの装置の開発者のミュー。
今過去から送信してるの。
とミューが言った。




レイチェルは、森林の増殖の原因が、
ミズハと名乗る夢食いの仕業だということ、
やがては世界を森林で覆い尽くそうと
しているらしいことをミューに報告した。

アンとの直接の交信が再開できてから、
アンから大まかなことは聞いてるわ。
考えたんだけど、
レイチェル、あなたがそちらの世界に
最初に行った時、金属製のオブジェを見たでしょう。
そのことをミズハに伝えれば、
きっと、あなたが先住者だとわかってもらえるよ。

あ、この回線はまだ不完全みたい。
また連絡するわ。
ドロレスによろしくね。




モニターが静止した後、
ツナたちは集まって相談することにした。




私が最初にこの世界に来た時、
岩壁の前で金属製のオブジェのようなものを見たの。
場所はよく覚えてないんだけど。




私がミトラの修理に出かけて、
そこで、あなたに出会う前ね。
あのあたりはここから北西の方角、
岩盤が露出して続いている場所だけど、
今はどうなっているかな。
あのあたりのことなら、
屑拾いをしていたミトラが詳しいはずよ。
とツナが言った。




探索に出かけることにしたツナとレイチェルは、
ミトラに様子を聞いている。

ああ、あれ、見たんですか。
あの金属製のオブジェは、
最終戦争中に作られたものだと聞いています。

横で話を聞いていたソーダが。
あれは、と話し始めた。




あれはAIの回路が損傷を受けて狂ってしまった
ロボットの兵士たちが作ったんです。
人間のお墓の真似をして。
最初は残骸を埋めたお墓だったんですが、
ご存知のように、戦火が激しくなって、
お墓どころじゃなくなりました。
あれは岩盤の近くにあったため、
偶然、爆撃を免れて残っていたものです。
ご案内しますよ。




やがて、ツナとレイチェルは、
ソーダを伴って、
岩盤のあった場所までやってきた。

この辺りだね。
すっかり地形が変わって
岩山だったところが陥没して、
半ば雑草に覆われている。
これじゃあのオブジェも
地中に埋もれちゃったかも。




レイチェルたちが
あたりを捜索していると、
草の茂みからハリネが現れた。

やあ。また会ったね。
と言われている。



解説）
レイチェルが仮想世界に
最初に訪れたのは
6月28日「レイチェルの体験」でのこと。
その時のオブジェとの遭遇が、
こんな話につながるとは。

９月の発表と蛍光灯

月が変わり、ベーカリー前の広場では、
ルビーのアナウンスが始まっていた。




みなさん。
9月のコスプレコンテストの
優勝者は、厳正な審査の結果、
該当者なしと決定しました。
参加賞のチョコレートは、
従来通り、掴み取りができますので、
ベーカリー前にお越しください。

なお、今月は月末がハロウィーンです。
毎月のコスプレコンテストが始まって以来、
１周年になるので、
特別な優勝賞品を考えています。
昨年と同じ服装でも問題ないので、
奮って参加してください。




広場では
ハロウィーンの飾り付けが進んでいた。




看板やかぼちゃの人形も設置されていて、
魔術劇場がなくなっている。




ヴィヴィアンさん、
ご協力ありがとうございます。
お安い御用よ。
劇場は今年もジルさんの別荘の庭に移転したの。




隣でカボチャを直売所に運んでいた
ヘルミーネとたまきが話していた。

9月は優勝者なしか。
最近、新規のコスプレする人が減っているから、
運営も大変みたいだね。
参加賞のチョコがもらえるから
みんな毎月登録はするんだけど、
優勝しても、賞品がトロフィだからねー。




サラたちの部屋では、
また昭島MOVIXで映画を見てきたサラが、
お土産を買ってきていた。




映画「君たちはどう生きるか」
と全然関係ないけど、
蛍光灯を買ってきたの。
と言っている。




点灯してみた。




どこにつけるか問題だけど、
いい雰囲気が出てるね。



解説）
蛍光灯はガチャで。
エールの「蛍光灯」（全四種）
の中の「電球色」です。
本体に蛍光管をセットすると
本体の片側のLEDライトが点灯します。
背面に磁石が付いていて、
電池交換不可、とのこと。