Oct 20, 2023
ハロウィーンは続く そのよん
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翠はレプティリアンを伴って、
事務所に帰ってきた。
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皆さんとお目にかかるのは2月以来ですね。
新聞探しではお世話になりました。
もっとも、その後も姿を消した状態で
時々観察させていただいていましたよ。
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おや。こいつは。
差し上げたカプセルから孵ったトカゲですな。
ダルメ、って呼んでいます。
とミューが言った。
そうそう。この6月の半ばに、ミューさんは、
とんでもないものを開発されたようですな。
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この仮想現実体験装置のことね。
観察していたならお分かりでしょうけど。
こう言う装置のこと、どこまでご存知なの?
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私たちの文明も万能というわけではありません。
もちろんその手の装置が
研究開発されたこともありましたが、
あまりにもリスクが多すぎるということで、
私たちは現実に留まることを選択したのです。
ああ、現実と言っても、
あなたたちの世界で言われる現実とは、
また別の世界での話なのですが。
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それをいうのなら、
私はロボットで、人間じゃないからね。
仮想現実っていう言い方は、
人間の意識の世界観が元になっている。
あなたたちトカゲ人間も
遺伝子を持った別種の生命体でしょう。
私のAIの認識する現実は、
見かけはそれらに似せて作られているけど、
全く別のもの。仮想ではないの。
レプティリアンは
興味深そうに聞き入っていた。
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事務所の下のペンギン前のスペースでは、
遅れてやってきたシェーリー博士が、
バトラー博士と話していた。
遅くなっちゃって。
バトラー博士、お久しぶりですね。
何年ぶりかしら。
最後に私たちがロボットの共同開発してたのは
8年前の6月だから、ずいぶんになるね。
ああ、一号機が暴走してしまった時ね。
あの頃はレイチェルもいて楽しかったわ。
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君との見解の相違が埋められなくて、
結局君は研究所を辞めてしまったんだけど、
その後の君の立ち上げた研究所の爆発事故や、
そのまた後のシェリー研究所の再建など、
色々なご苦労とご活躍は聞き及んでいるよ。
よくご存知なのね。
私もあなたのロボット研究所が、
ますます軍との連携を深めているっていう、
噂はよく耳にしますけど。
うん。ありていに言って、それは事実なんだ。
君の研究している人型ロボットの必要性も
見直されている。
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ふーん。まさかとは思うけど、
私にロボット研究所に戻って欲しいっていう
お話じゃないんでしょうね。
うーん。いや、それは諦めているよ。
近年、医療技術の発達で人間のサイボーグ化が
進んでいる。その場合、
どうしても機械に置き換えられたボディが
人体のフォルムに似ていることが重要なんだ。
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脳だけが人間で、体は機械という
アンドロイド兵士の登場ね。
レイチェルやドロレスから聞いた話にそっくり。
とマヤが言った。
何かねそれは。
ああ、それは、
SF好きな人たちの空想のお話よ。
夢と現実をごっちゃにしないで。
とシェリー博士が言った。
解説)
今回は
やや込み入った話の
セリフばかりに。
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