Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

対策会議　そのよん

どうも対策というテーマから
話題が逸れているようだね。
逸れても面白ければいいんだが。
とハリーが言った。

リリスが言ったことを補足すれば、
夢見の水が地下に流れている土地の持つ魔力、
さらに強力な魔術的な意志が
あの世界を生み出したのだよ。
多くの人間たちの共通の願望も必要。
私たち魔族の操る魔法には
そういう思いを導く力がある。
マーリンが祖国ルーマニアに、
ヴァンパイアたちが望む異世界を
作り上げたのもそういう力を利用してのことだ。
ところで、
ヴィヴィアンがやったことは、
異なる世界を融合してしまうようなことだ。
どちらの世界の住民も、確かに行き来する自由を
手に入れたとは言える。
それは一見良い行いのようだが、
結果的に世界を一つ消してしまうことに
ならないかな。




そこなんですよ。ハリー。
それぞれの世界の独立性を保つために
何か対策が必要なんです。




管理局の天使が言いそうなこと言うのね。
とヴィヴィアンが言った。
私は人間と精霊がもっともっと
融合した方が人間のためにもなると思ってるのよ。

それはともかく、
具体的な話として、村人の行き来は確保しながら、
軍やCGの介入がないように、
魔法の扉の秘密を保ちたいっていうんでしょう。
アイデアならあるわよ。
町でコスプレコンテストをずっと続ければいい。
それと、村人の有志何人かに、
この町に住んでもらうことね。
そうすればいつも軍服姿の人が行き来してても
怪しまれないし、
新しい住民を装うこともできるわ。




だったら郊外の賃貸のバービーハウスを
いくつか提供しましょう。
とジルが言った。
町からはちょっと離れていますが、
キューベルワーゲンやジープがあるから、
移動に不便はないですよ。




なんだか移民政策みたいですが、
それで村人の自由と村の安全が保てるなら。
とエルヴィンが言った。




町でコスプレコンテスト、
ずっと続けるっていうの、
多恵にテレビで宣伝してもらおうよ。
とアイスがルビーに言った。
町に変わった人が出入りするほど、
目立たなくなるから。




では、特に異論がないようですので、
基本的にヴィヴィアンのアイデアを採用します。
みなさん、お疲れ様でした。
もう夜遅いので、気をつけてお帰りください。
とルビーが言った。
あ、二次会で呑む人はデジャへ。




意見言わなかったけど、
デジャに行こう、
とたまきは思っている。




その頃デジャでは。




バラクラバ格好いいですね。
それに、リアルな猫のコスプレがまたすごい。
と言われている。


解説）
なんだか普通なのか特別なのか
よくわからない方針が
決定されたようです。

対策会議　そのさん

トラネコが、
そんなことできっこないよ。
と言うと、
ヴィヴィアンは呪文を呟いた。
すると薄い煙が立ち上った。




なんとトラネコの体は
人間の姿に変わってしまった。




わーなんだこれ。
あ、ありがとうございます。
これでバラクラバが被れます。




いいんですか。
あんなことやっちゃって。
デビルに不可能はないのよ。
そういう意味じゃなくて。




ヴィヴィアンがデジャに戻り、
会議のことを聞いてドルフィンに向かった頃には
夕暮れになっていた。




みなさんが集まったようなので、
これから対策会議を始めます。
とルビーが言った。
問題は、魔法の扉を通して、
異世界の住民が自由にこちらの世界に
来られるようになったということ。
もちろんこちらの世界の住民も
向こうの世界に行けるんだけれど、
その秘密を知っているのは、
少数の人たちだけです。
モモコやエトナ、ナオミは
来られなかったけれど、
おもに、そういう人たちに
集まってもらったわけです。




元々あの世界は、とジャンが言った。
僕が家の庭に作ったジオラマの村がモデルなんだ。
住民たちはみんな僕が持っているフィギアが
元になっている。だから異世界と言っても、
完全に別世界というわけじゃなく、
こちらの世界にモデルがあって、
こちらの世界に住む僕たち人間の想像が
実体化した世界と言ってもいいと思う。




私もね。ジャンさんが持っている人形に
宿っている精霊で、今はあの村で暮らしています。
とリリスが言った。
でもね。あの世界を作っているのは
人間の想像力だけじゃないのよ。
私みたいな精霊の力も働いているの。




確かに言われていることは、
おっしゃる通りなんでしょうけど。
とジョー軍曹が言った。
私たち、村の住民からすれば、
どんな力が村や村人を生み出しているか、
ということには、あまり関心がないのです。
私たちにとって唯一の現実は村の生活にあります。
こちらの世界のみなさんにとって、私たちは
ジャンさんのジオラマ趣味や精霊の魔力が生んだ
想像の産物かもしれませんが、
みなさんだって誰かの想像の産物かもしれませんよ。
でもそんなこと、普段誰も気にしないでしょう。




あなた面白いこと言うわね。
とヴィヴィアンが言った。
気に入ったわ。ジョー軍曹。


解説）
対策会議がようやく始まりましたが、
話題がどんどん逸れそうです。

対策会議　そのに

たまきも対策会議に呼ばれて、
広場にやってきた。




しっかり新しいブーツを履いている。




広場では、異世界で見かけたことのある
ドイツ兵たちが立ち話をしていた。
コスプレってなんなんだ。
エトナさんが軍の勧誘ポスターで
軍服着て撮影したみたいなことだよ。




ワンダーウーマンってご存知？
と大ファンのスーザンが聞いている。
リリスの酒場にコミック雑誌が置いてあって
アメリカ兵がよく読んでるわ。
私たちが悪者になってるらしいから、
見たことないけど。
そうなんだ。




たまきは鈴木すずを見かけた。
部屋でなくしたぬいぐるみを持っている。

あったかそうな服着てるね。
そのうさぎのぬいぐるみ、どうしたの。
これはね。
ハロウィンの時にペギーからもらった
目出し帽と交換したの。
あれ大きすぎて。
交換って。誰と？
トラネコさんだよ。
そうか。そのぬいぐるみ、
トラネコが盗んだんだ。
気に入ってくれてるなら
あげるけど、大事にしてね。
うん。




ドルフィンでは
対策会議が開かれようとしていたが、
まだ肝心のヴィヴィアンが
来ていなかった。




ヴィヴィアンなら散歩に出かけたよ。
高台にでも行ったんじゃないかな。
帰ってきたらドルフィンに行くように
伝えておくから。




深まる秋の景色は最高だね。
と言っている。




休憩スペースの隅では、
トラネコたちが話していた。

トラ年ももうすぐ終わっちゃうなあ。
あっという間ですね。
ところで、
あのぬいぐるみ、
こんなのと交換してどうするんです。
この目出し帽、バラクラバって言って、
この秋流行なんだよ。
被れないじゃないですか。
それはまあ、そうなんだけど。




話を聞いていたヴィヴィアンが
トラネコに話しかけた。
その目出し帽被りたいの？
じゃあ被れるようにしてあげようか。


解説）
ヴィヴィアンが
また何かしでかしそうです。

対策会議

広場にはドイツ兵たちが来ていた。




こんにちわ。
コスプレコンテストにご協力感謝します。
私はルビーと言います。
あなたがドイツ兵グループのリーダーですね。




エルヴィンと呼んでください。
村では一部の兵士たちが去ったこともあり、
何かと対応に追われていますが、
エルザから事情は聞きました。
お仲間のアイスさんには
以前怪物に襲われた村を
救ってもらったことがある。
協力は惜しみませんよ。




このたびのの変化は
魔族のヴィヴィアンというデビルが
気まぐれでひき起こしたことなんです。
それがこの先どんな影響をもたらすのか。
まだわかりませんが、
少なくとも住民がパニックにならないように、
できるだけのことをしようと思いまして。
そうだ。今後のこともあるから、
ドルフィンで対策会議を開きましょう。




ベランダでは登録を済ませたモモコが、
ジェーンと話し込んでいた。




あの村で気がついた時もそうだったけど、
別の夢の中にいるみたい。
ここがモモコの住む世界なのね。
そういえば、前にあなたの言ってた
本当のジェーンはどうしてるの。




ああ。
本当のっていうか、
私が最初にであった親友のジェーンは、
まだ一人ぼっちで別の世界に住んでいるの。
でもきっと元気でサバイバル生活しているよ。
彼女もこっちに来られるといいのになあ。




ヘルメット姿のドイツ兵も
やってきていた。




エトナさん、
プロマイド持ってるんですが、
サインしてもらえますか。
いいわよ。
あ、カメラあるから一緒に
撮ってもらおうか。
う、感激です。


解説）
ややこしいですが、
モモコが再会しているのは、
フィギアの精霊のジェーンで、
本当のジェーンと呼ばれているのは、
時々登場する、
とある家に住み着いて、一人で
暮らしている小人のジェーンです。

ガチャの小物など

ココナッツジュース飲んだ後は、
なぜかタバコがすごく美味しいわ。
わたし、いつ禁煙できるのかしら。




そこにたまきがやってきた。
特大のモノ・マガジンを持って、
シューホーンを握りしめて、
ねえ、この靴買ったの。
と言っている。




ふーん。かっこいいね。
いいでしょう。




スーパーソール６インチモックか。
これって摩耗しにくい、
レザーブーツなんだよね。
ほほー。




ところでたまきたちの部屋から
コンテストに参加する人いるの？
そういえばモモコがそんなこと
言ってたけど。




今、私の名前を呼んだでしょう。
なんちゃって。




水兵さんなんだ。
ドルフィンにある軍の放出品は
ダブダブなのが多くて
サイズの合う服探すの大変だったのよ。




ジェニーたちの部屋では。

誰がこんな大きなゴキブリの
玩具持ってきたの？




大きいからまだいいけど。
実物大だったらやだね。
これ車ついてるよ。
走るんでしょ。




持ってきたのは僕じゃないよ。
と文学青年が言っている。



解説）
たまきの履いてるブーツはガチャで。
折りた畳むと、「モノ・マガジン」の
形になる紙片と、
シューホーン（靴べら）がついていました。

実はたまきの素体（オビツ製）の足には
入らないので、足のパーツを外して、
履かせています(^ ^)。

ゴキブリの玩具はセリアで。
人間にとっては実物大なので、
忘れた頃に見かけるたびに、
はっとします。

デビルの魔法　そのはち

広場は賑やかで、
兵士たちもカンツォーネに
聞き入っていた。




みんな総出で来てるの？
みんな来たがっていますが、　
さすがに村の警備が手薄になるので、
交代で来るようにしています。




まだ村にはドイツ兵の人たちも
残っていますよ。
自分たちの村を守るべきだと主張して、
総統の国に行かなかった
エルヴィンたちのグループが。
事情を言って、来てもらいましょうか。
とエルザが言った。
エルヴィンって下士官たちのリーダーね。
とエトナが言った。
それは朗報ね。
ぜひお願いするわ。
とアイスが言った。
これで少しバラエティが。




ラッセル、英国兵士お似合いね。
この町の郊外に住む友人の
ピエールにも声をかけたんだ。
もう来る頃だよ。




ピエールが姿を現した。
あ、それはドイツ軍の
山岳猟兵の迷彩服ね。
とジェーンが言った。




わかりますか。
雪山用にピッケルや
スノーシューズも携帯してる。
マニアックでしょう。
集めるの苦労したんですよ。
そうか。コスプレだったわね。




ジェットも広場に来ていた。
私日本兵の軍服見るの初めて。
とメラニーが言っている。




急に頼んじゃって悪かったな。
いやいや。なんだか急に
迷いの森との境界警備が
厳しくなっちゃってさ。
夢見の水汲みに行けなくて、
暇だったんだ。
山岳猟兵って、お似合いだね。
仕事柄、山や森は僕の
庭みたいなもんだからね。




ルビー。みんな協力してくれて
よかったね。
うん。なんとかミリタリーの
コスプレのコンテストらしく
なってきた。
今度の賞品はなあに。
それは秘密。
というか、急に思いついたんで、
まだ何も考えてないの。
そうか。



解説）
今回登場したピエールは、
かってドラコの卵をラッセルに
売ってくれた人です。

そののエピソードは
ラッセルが町に到着した
今年2022年の7月1日頃に始まり、
ピエールは7月3日に登場しています。

今回、都合で突然
呼び出されたようです(^ ^)。

デビルの魔法　そのなな

やがてラッセルが軍装をして現れた。
あ、さっそくありがとう。
おーワンダフル。と言われている。




英国兵の軍服ってまじかに初めてみるわ。
とメラニーが言っている。




魔術劇場の扉からは、
新たにジェーンとエルザが出てきた。




さっそくエトナが走り寄って
声をかけている。

ジェーンね。
秋冬用の軍服貸してくれてありがとう。
あなたの着るものあったの？
ええ、それは心配ないわ。
私たちの世界では消耗品は
いつの間にか補充されてるの。
そうそう、と男性兵士が相槌をうっている。
なくしたものもたいてい見つかるし。
ふーん。夢の中の世界みたいだね。




高台の休憩コーナーでは、
サラが景色を眺めていた。
かなりケヤキの木が色付いたわね。




この季節、風の強い日に、
一斉に枯葉の雨が降るのよ。
それはそれはとても見応えあるんだけど、
カメラ撮影しても枯葉の散る様子って、
うまく撮れないものなの。
ふーん。ずっとここにいれば見られるかな。
そうね。




サラが部屋に帰ると、
ジェットが軍服を着ていた。
ルビーさんにぜひ協力してって
言われちゃってね。
と言っている。




なかなか男前よ。
ジェットはちょっと照れている。




ジェットはさっそく
登録に出かけていった。
このポット新しいね。
大きめのが欲しかったの。



解説）
新しいポットはガチャで。
ZOJIRUSHIと提携した
ドリームの「ミニチュアフィギア　Vol2」
（全五種）のワインフラワーというものです。
稼働部分はないですが、
サイズがやや大きめで１／6フィギア向き。

デビルの魔法　そのろく

広場に活気が戻ってきた。




デジャのガラス戸から
アンジーが広場を見下ろしている。

ずいぶん米兵の格好した人がいるよ。
ジョー軍曹が部下をまた二人連れてきたみたい。
ミリタリールックの
コスプレコンテストは大盛況だね。




大盛況って言っても、
あれほとんど異世界の住人たちだからね。
とヴィヴィアンが言った。

急に町に大勢兵隊がやってくると、
住民がパニックになるからって、
ルビーがコスプレコンテストを考えてくれたんだけど、
そもそもこの町ではミリタリーファッションの人って
普段からあんまり見かけない。
ギルダやジョー軍曹の制服が目立つけど、
あれはコスプレじゃないし。
いつもコスプレで軍服着てるのエトナくらいかな。
だから、応募する住民は少ないんじゃない？
だったら狙い目かも。
アンジー、GIジェーンのコスプレってことで
また応募してみたら？
同じ服装の人が大勢いそう。




米軍兵士のコスプレの人多いですね。
それにみなさんお知り合いのようですが。
ああ、私たちみんな、
米軍のコスプレの同好会で
知り合いなんです。




あの格好なんですか？
あれはナマハゲというものの服装らしい。
私たちの世界ではみたことないですね。
世界は広いなあ。




第二次大戦の時の米軍の軍服ばかりだね。
なんか変じゃない？
と事情を知らない農家の岸芳樹が言っている。
エトナは、
あの人たち、みんなフィギアの精霊で、
別の世界から遊びに来たんだよ。
と言いたかったが、黙っていた。




こんにちわ。コンテストに参加したいんですが。
おお、ありがとうございます。
すぐ参加登録しておきます。




これは空軍パイロットのコスプレです。
トップガンみたいでかっこいいでしょう。




ルビーはノートに記帳した後、
ドルフィンの奥で暇そうにしていた
トレジャーハンターで友人の
ラッセルに声をかけている。
ラッセル。倉庫探せば衣類の箱があるから、
何か米軍以外の扮装して、
コンテストに参加してよ。
結構偏っちゃてて。


解説）
ルビーは対応策に追われています。

デビルの魔法　そのご

CGたちは三々五々
バギーから降り立った。




こんにちわ。
私たちは迷いの森との境界を日夜
監視をしているCGの特殊部隊のものです。
昨日、見慣れぬ軍装のグループを見かけたという
郊外の住人から通報があり、
治安のため調査しています。
お見受けするところ、
どうやら、その方々のようですね。
軍の一部の部隊は私たちと共同で
境界警備にあたっていますが、
確認したところ、その所属ではないようだ。
何か機密の特殊任務ですか。




イメルダ。
この人たちの軍装、
随分古いものだよ。
どうも怪しい。




ジョー軍曹は、
ルビーと申し合わせていたことを言った。

今、町では
コスプレコンテストが行われていて、
３人で参加するために
これから向かうところなんです。
ハロウィンのコンテストなら、
もう終わったはずだけど。




二人とも緊張している。
しかし二人は職業軍人なので
その目つきには鋭いものがあった。




そこにペスパが
走り込んできた。




これはこれは、
アイスじゃないか。
お、イメルダにコフィか。
久しぶりだね。




今不審者を尋問中なんだ。
あ、やっぱりね。
彼らは私の友人なの。
町ではクリスマスまで新しく
ミリタリーファッション中心の
コスプレコンテストが行われていて、
彼らはその参加者。
町は初めてで郊外の別荘で
池の見物してるっていうので、
道案内に迎えに来たって訳よ。
コスプレコンテストのことは
本部には連絡すみなんだけど、
やっぱり現場まで降りてなかったみたいね。




銃器類は装備してないし、
前の大戦の軍装だし、この人たち、
どう見てもコスプレだよ。
とレイブンが言った。




念の為、今、本部に確認したら
コンテストのことは
アイスが言った通り。
これから連絡しようとしていた、
ところですって。
と運転席のアッシュが言った。
おかげで緊急パトロールに
駆り出されちゃって、
全く本部の連中職務怠慢だわ。




また近いうちに会えるといいわね。
町でコンテストもやってるし、
今度休みにでも遊びにいらっしゃいよ。
新しくデジャっていうバーができたの。
行きたいものだわ。
成り行き次第だけど。
などと言って
境界警備のCGたちは帰っていったのだった。




異世界のことや魔法の扉のことなど、
軍やCGが知って介入してくると厄介だから、
秘密にしてあるのよ。
大部分の町の住民たちも知らない。
だから、自由な見物はいいけど、
コスプレしてるってことで振る舞ってね。
とアイスが釘を刺している。



解説）
無事何事もなかったようです。

実はバギーのCGたちは、
ずっと車に乗せられたまま、部屋の隅で
出番の機会を待っていたのでした。

デビルの魔法　そのよん

翌日になった。




犬顔の人、初めて見ました。
世界は広いですね。
ここでも珍しいんですよ。




ここまた立ち退かなきゃならないの？
今度のコンテストは小規模だから、
登録の受付はベーカリーでやるって。
ルビーが言ってたよ。




この味です。
真似してみましたが、
どうしても出せない。
それは無理ないですね。
このお店のシェフの健太さんの腕前は
特別ですから。




ジャンさんによると、今朝、
軍曹たちがジルさんの別荘に
向かったらしいんだ。
それで。
兵士たちはコスプレだっていうふうに
CGには伝えてあるんだけど、
境界監視の連中に徹底してるか心配で。
了解。
魔術劇場の中の魔法のドアからも
行けるみたいだけど、
あの建物、どうも苦手なんだ。
天気がいいからペスパで
様子見てくるよ。




アイスでかけるんだ。
いいなあ。
とエトナが思っている。




その頃、ジルの別荘では、
兵士たちを連れて到着したジョー軍曹が、
管理人のエドワードと話していた。




部下たちが人工の池が見たいっていうんで
３人で押しかけてきました。
そうですか。ハリーさんたちが
魔術劇場にお帰りになられて
ちょっと寂しくなっていたところです。
どうぞごゆっくりご覧ください。




そこにバギーがやってきた。
乗っているのはCGたちのようだ。

どうやらあれみたいですね。


解説）
少しずつ進展しています。

デビルの魔法　そのさん

夕暮れになった。
ヴィヴィアンはデジャのカーテンを開けて、
ひそこと何か話している。




しかし超音波なので、
周囲には何も聞こえなかった。




何話してたの？
ひそこが管理局に報告する
義務がありますっていうから、
黙っているように言い聞かせてたの。
話したら蒸し焼きにするって
言ったら、わかりましたって。
あの子物分かりがいいのよ。




なんだか軍人さんが増えたわね。
戦争でも始まるのかな。
でもみんな知り合いみたいに
話してますね。




あ、ジェーン。
軍服貸してくれてありがとう。
エトナさん。
私、メラニーです。
ジェーンじゃありませんよ。
顔似てますけど。
ジェーンは茶髪です。
そうだったっけ。
この葡萄酸っぱくて美味しいですね。
こういうの向こうにはなくて。




アイスさん。
サインいただけますか。
嬉しいなあ、
救国の英雄にお会いできるなんて光栄です。
そんな大したことしてないよ。




ルビーは大きな声で
みんなに話している。




みなさん。
ハロウィンのお祭りでの
コスプレコンテストが
あまりにも好評だったので、
引き続きクリスマスまで
コスプレコンテストを実施しています。
今回はミリタリールックが
テーマです。
どんなコスプレでも参加できますが、
軍服のコスプレなら、
評価ポイントが高いので、
こぞって参加して楽しんでください。

なるほど。
急に軍服姿の人が増えたのは
そういうことだったんですね。
と言われている。




ルビー、CGから連絡があったよ。
郊外で正体不明の米兵の一行が
目撃されてるから、
町でも警戒するようにって。
とスーザンが言った。

迷いの森の監視チームが
もう動きだしちゃったか。
その人たちはコスプレだから心配無用って
報告しといてよ。
あ、私がするわ。



解説）
ルビーはなんとか対応策を
考えたようです。

デビルの魔法　そのに

そんなことしちゃって、
大丈夫なんですか。
それと何も変わらないみたいですけど。
とナタリーが言った。
大丈夫よ。デビルに不可能はないの。
それに今の魔法は
みんなに能力を与えただけ。
見えない力ね。




その時魔法のドアが開いて、
リリスとジョー軍曹がやってきた。




ヴィヴィアン、
解放しちゃったのね。

このフィギアの精霊。
と言ってリリスは
総統のフィギアを手に取った。
すごく演説が上手なの。
こちらの世界に軍隊引き連れてきたら
大変なことになるわよ。




それは大丈夫。
彼が暮らしているのは
ヴァンパイアたちの想念が産んだ
別の異世界だから。
ルーマニアにマーリンが扉を作ったのよ。
彼はそこでヴァンパイアを率いている。
だから彼を慕っていくドイツ兵の
行先はそこなのよ。
サービスで、あなたたちの世界の中に、
そうね。リリスの酒場の中にでも、
その世界への入り口も作ってあげるわ。
こちらの世界には、遊びに来たい人だけが、
自由に来られるようになったの。
あなたやジョー軍曹やギルダみたいにね。




そういうと、
ヴィヴィアンは魔法の扉を開けて、
リリスたちの異世界に行ってしまった。
リリスとジョー軍曹は
慌てて跡を追っていくようだ。




やがて魔法の扉を開けて、
リリスとジョー軍曹が戻ってくると、
異世界の米軍兵士たちもついてきた。
ここが訪問者の人たちの住む世界ですか。
軍曹がいつもお土産に買ってきてくれる、
肉まんのお店に行きたいです。
などと言っている。




ヴィヴィアンは魔法の扉を
魔術劇場の中にも作ったので、やがて、
劇場の入り口からも兵士たちが出てきた。
銃は携帯禁止って軍曹に言われたでしょう。
そうだったっけ。
でも安全確認しないとなあ。
私が預かってあげる。
とヘルミーネが言っている。




デジャには、ギルダと総統が
挨拶に来ていた。

ギルダさんの案内で異世界の村を
見聞させて頂いたのですが、
私の遊説に賛同者が集まり、
その上扉を作っていただいたお陰で、
私の世界に義勇兵を送れるようになりました。

異世界と行き来できるようになったからって、
世界征服なんて企まないでね。
あなたはヴァンパイアの統治者として、
精霊にしてあげたのだから。
それはもう。
これから国に帰るつもりです。
これからも遊びには来ますが。




ギルダもその義勇軍に加わるの？
とルビーが訊いた。
総統に統治されている異世界も
見てみたいけど、
ジルを置いていけないから。
ギルダはちょっとはにかんで答えた。




広場にも兵士たちが来ている。
パニックにならないうちに、
何か考えなくちゃ。
とルビーは思案している。



解説）
なんだかどうなるかという
展開に。

デビルの魔法

今日も広場は晴れていた。




こうしておけばすぐに接着します。
便利なものね。
私はロボット工学が専門で、
こういう単純作業は苦手なの。
たまにいますね、そういう人。




歌を聴き終えたシティポリスが
質問している。
君たちはこの町の人じゃないですね。
旅のものですが怪しいものではありません。
営業許可は取ってあるのですか。
ここはベーカリーの店先で、
許可ならルビーが。
とリタが言った。
え。そうでしたか。
それなら全く問題ないです。




あらあなた、ナタリーさんね。
まだマチルダのコスプレしてるの？
寒くなったし、このファッション
気にいってるんで。
ここで待ち合わせしてるんですけど、
ジャンさん見かけませんでしたか？
あ、デジャに入っていくの見たわよ。




ジャンもまだレオンの扮装をしたままだった。




渋い殺し屋スタイルですね。
と言われている。




本物の元殺し屋に言われてる。
ジャンさん、
とてもフィギアおたくには見えないわ。
今日は昼間から召し上がるの？
実は、ヴィヴィアンさんに相談が、
とジャンが言った。




ちょっとリリスたちの異世界で
困ったことが起きててね。
今例の客人が遊びに来てるんだけど、
彼がドイツ兵たちの間で
人気になっちゃって。
ああ、あれは総統のフィギアの精霊だから
無理もないわね。
彼らも総統の統治する世界に行きたいって、
言い出してるみたいなんだよ。
だったら、行き来できるように
してあげましょうよ。
とヴィヴィアンは言った。




さっそくヴィヴィアンたちは
店の外で待っていたナタリーと合流して、
ジャンの家の倉庫に向かった。

リリスたちの異世界にいる
ドイツ兵のフィギアってこれだけ？




まだ他にも。
ジョー軍曹やギルダ、米軍兵士や
ジェーンのフィギアはこっちに。
だったら面倒だから、
みんな一緒に。
と言ってヴィヴィアンが呪文を唱えると、
薄い煙が立ち上った。



解説）
ヴィヴィアンがまた
魔法を使っているようです。

洗濯日和

秋冬モードに着替えた
ジェニーたちが話している。

今日は秋晴れ。
洗濯日和だね。
きっと町の誰かが洗濯しているよ。




何読んでるの？
コクトーの「マルセイユのまぼろし」。
美貌の若者が女装する話なんだ。
ふーん。




ドルフィンの二階のベランダでは、
ペギーが洗濯物を干していた。




舞、何見てるの。
あの歌声が気になって。




聴衆は少なめだが
広場にはカンツォーネが
朗々とながれていた。




ドルフィンのマスターと、
メアリー博士が話している。

自転車のペダルが取れちゃって。
かなり古いものですからね。
休憩コーナーの脇に止めといたら、
風で倒れた拍子に折れちゃったようです。
大丈夫ですよ。
昨今は瞬間接着剤がありますから。




あ、アゼルバイジャンのお客さん。
どうしたんですか、そんな寒そうな格好して。
月光仮面の扮装を着替えようとしていたら、
ドルフィンのルルさんが
ワイシャツを洗濯したいからって、
持っていっちゃって。
かなり草臥れたワイシャツだったから、
見るに見かねたんじゃないかな。
でもすごい体してますね。
そうでしょうか。
肩の筋肉どうなってるのか。




そこにルルがやってきた。
今日はいい天気だからすぐ乾くわよ。
代わりにこれ着てください。




よく似合ってるわ。
なんか腰の帯が民族衣装風で
ポイント高いですね。
そうでしょうか。



解説）
今日は洗濯ついでにフィギアの衣服も
一緒にネットに入れて洗濯したので、
そのまま掲載しました。

アゼルバイジャンの人のボディは
軍装の兵士として販売されていた
アクションフィギア特有のもの。
厚着させるのが前提で作られているので、
素体の外見より、可動部分優先で、
制作メーカーによって、
さまざまな工夫が見られました。
２０近く昔のことですが。

ポリスの巡回

サラは休憩コーナーに来ていた。
ねえあなた。
もしかして日曜日、
御苑にいなかった？




散歩に行きましたよ。
見かけたんだったら
声をかけてくれればよかったのに。
約束があって
あんまり時間なかったのよ。




広場には久しぶりに
シティポリスが来ていた。




こんにちわ。
巡回ですか。
ハロウィンのお祭りの時には
お見かけしませんでしたね。
VIPがずっと来ていたでしょう。
SPの連中が警護を取り仕切って。
地元が顔を出すと
かえって混乱するからって
締め出されてたんですよ。




それはともかく、
この界隈に新しいバーが開店したっていう
情報があって、巡回ついでに
様子を見に来たんです。




相変わらず二人とも怖いお顔。
バーってデジャのことね。
ホテル・ネピアの2階にできました。
その奥のホテルの入り口のドアから
階段を上がればすぐですよ。
でも入れるかしら。




令状はあるんですか。
とヨシフが訊いている。
え。別に事件じゃないので用意してない。
なにか召し上がるんですか。
いや仕事中なので。
じゃダメだな。
営業中なのでまた今度来てください。




シティポリスが下に来てたみたい。
ヨシフが追い返したみたいだけど。
制服じゃ入って来てほしくないね。




おや、レイラさんでしたよね。
昨晩も。
私、ダンボールハウスに
帰りたくないから、
常連になるかも。



解説）
なんとなくすぎていく日の
スナップでした。

ボニーのことなど

ルビーとアンジーが見にいくと、
広場でボニーという
新しい大道芸人が歌っていた。




いつかどこかで見かけた気がするが、
ルビーは思い出せなかった。




みんな渋い美声に聴き惚れている。




いつもビールばかり飲んでましたが、
歌の才能に目覚めまして。
とボニーが言っている。




デジャには、
ヴィヴィアンの育ての親のハリー夫妻と
実の父親のマーリンが招かれていた。




なかなか感じのいい店じゃないか。
魔法は使ってないのよ。
みんな手伝ってくれたからね。




カーミラはパネルを眺めている。
僕のお気に入りなんですよ。
60年も前に亡くなった女優さんですが。
そう。美は時を超越するものなのよ。




あそこにぶら下がっているのは
なんだね。
あ、あれはコウモリです。
ひそこって呼んでいます。




おやゼロ君じゃないか。
隅の席にいたので気がつかなかったよ。
あ、マーリンさん。
ここは見晴らしがいいんですよ。
あのパネルの写真の
ガーゴイルにでもなった気分になれます。



解説）
新しい大道芸人のボニーは
これまでも多分飲食する
シーンで登場したことがある
フィギアですが、
いつだったか不明です。

御苑の散歩

天気のいい日曜日、
サラは新宿御苑に来ていた。




落葉を踏んで
どんどん歩いていく。




休日なので、かなりの人出で、
みんな思い思いに寛いでいる。




ちょうど菊花壇展をやっていた。




見事な大菊が並んでいる。




ついでに旧御涼亭も眺める。




この時期に10月桜も咲いていた。




帰りはやや遅くなった。




サラはうとうとしているようだ。


解説）
都内への外出のついでに早めに家を出て
新宿御苑を散歩して撮影。
思いつきで合成してみました。

秋の夜は更けて

あのーまた来てみたんですけど。
今空いてますよ。




やがて夜は更けて
ベーカリーも店じまいしている。




ルビーたちは？
椅子片付けたら、
飲みに行くって言ってたよ。




客は入れ替わり立ち替わり
まずまずの入りだったが、
この時間になると誰もいなくなっていた。




そこにベーカリーから
アイスとルビーがやってきた。
こういう場所って、
「赤と黒」以来なんじゃない？
などと言い合っている。




初日はどうだった？
ぼちぼちでんなー。
もしかして疲れてる？




結局CGやイリアたちに
遊び場を作ってあげた
だけってことかしら。
でもそれっていいことよね。
とヴィヴィアンは思っている。




ねえアンジー、
大道芸人増えてるの知ってた？
そうなの？ずっとお店にいたから。
一人歌い手が増えて
デュエットみたいになってるよ。
それは聞きに行かなくちゃ。




なんか重大事件みたいに言ってる。
みんな疲れてるのかなあ。
とゼロは思っている。



解説）
夜の店内の雰囲気を出したかったのですが、
前回はフラッシュを焚いて撮影したので、
ソフトのカラー調整で露出を暗めにしたものの、
あまり昼間と変わらず。
深夜版の今回はフラッシュなしで
撮影してみました。

夜まだ浅く

夜になって
探偵と助手の鷲尾翠と
エリスがやってきた。




探偵さんですってね。
何お作りしましょうか。
ギムレットには早すぎるね。




あ、うちのボスはチャンドラリアンなの。
私はそれロックで。
と言っている。




ジュークボックスからは
オーティス・レディングの
ドック・オブ・ザ・ベイが流れていた。
エリスは、この曲誰がかけたのかな
と呟いた。




僕じゃないですよ。
僕はレゲエ専門。
とジャマイカの人は言った。
あ。ここ禁煙ですか。




ヴィヴィアンとアンジーは
何やら話し込んでいる。
ここすぐ満席になっちゃうね。
最初だけ。すぐに暇になるよ。




ゼロは窓の外を眺めていた。




まだ夜は浅く、
ベーカリー前は賑わっていた。




あのーお店に来たんですけど。
今満席なんです。
えー。



解説）
夜の店内のスナップでした。

デジャの由来など

休憩コーナーに散歩に出たサラは、
ペンギンのマリーネと出会った。

もうすっかり秋の気配ね。
緑に薄く茶が混じって、
これから落葉のシーズン。
自然はいいわね。




今日はお店は？
リズに頼んできたわ。
たまには私も散歩しなくちゃ。
昨日新しくできたお店に呼ばれて、
久しぶりに外出したら、
出癖がついたみたい。
今日はアンスリウムの鉢の
報告をかねてルルに会いにきたの。
お店のみなさん喜んでたわよ。
そういえば、昨日は
ジェイソンも呼ばれてたわね。




「デジャ」は普通に営業を始めたが、
まだ日が高いのでわりと閑散としていた。




イリアの友人の怪盗ゼロが来ていた。
ゼロは英国の裏社会とのつながりで
ジョニーとも面識があるようだ。
ジョニーはコップを磨いている。

声をかけてくれたら手伝ったのに。
とゼロが言っている。
急に決まったことだったんでね。
それよりゼロ、
壁に写真パネルを飾ってみたんだ。




「夜のパリ」のブラッサイか。いいね。
マンスフィールドさんからの借り物だから
盗もうなんて考えないでくれよ。




ゼロさん、こっちのパネルも見てくださいよ。
僕のお気に入りなんです。
盗みたくなったでしょう。




レミーマルタンのボトルは空になっていた。
マリアは黒猫になって
アンジーの膝でくつろいでいる。
元マフィアに大泥棒にデビル。
まさに「悪の巣窟」ね。
とアンジーはつぶやいた。
それは「ま」が抜けている。
「悪魔の巣窟」が正しいの。
とヴィヴィアンが言った。




ルビーも遊びに来ていた。
ベーカリーにマンゴー亭に喫茶ペンギン。
異世界にはリリスの酒場もあるっていうし。
この界隈、なんか飲食店ばかりの
歓楽街風になってきたわね。
あ、そうそう、
デジャっていうお店の名前
どうしてつけたの。




デジャは、映画「マーウェン」に登場する魔女の名前。
マーウェンは原作者マーク・ホーガンキャンプ氏の
作り出したフィギアたちの暮らす架空の村で、
その村には特別な存在として魔女デジャがいるの。
彼女の名前にあやかってね。
スペイン語だと動詞で、放置する
っていう意味があるみたいだよ。
とゼロがいった。
それぴったり、と誰かが言った。



解説）
昨晩は夜更かしして珍しく
ちびちび飲んでいたら、
ミニボトルが空きました。

夜のお披露目会

夜になって
お披露目の会に呼ばれた
人たちが集っている。




感じのいい店ね。
殺風景ですが、
飲めば都ですから。

ギルダはジルに誘われて来ていた。




そのコスプレ、
お気に入りなんですね。
これはコスプレじゃないの。

この町にきて間もないジョニーは、
リリスたちの異世界のことなど、
まだ知らないのだった。




この席からだと町の明かりが綺麗ね。
とマンスフィールドさんが言っている。

店の隅にはレミーマルタンのボトルが置かれていた。
コンテストの優勝賞品にもなったこの巨大ボトルは
改めてジルとマンスフィールドさんからの
差し入れだという。
早速みんなで飲むことになったようだ。




アンスリウムの鉢植えは、
マリーネとルルがお祝いに贈ったものだった。




僕お店ができたことも知らなかった。
何もしてないのに
呼んでくれてありがとう。
とジェイソンが言っている。




気にしないで。
私ね。この前、デビルに進化したの。




それでこの店は
悪魔の巣窟。
いつでも部屋のみんなと遊びに来てね。

ジュークボックスからは
「ラブミーテンダー」が流れている。




ヨシフが店に入ってきた。
ヴィヴィアンさん、
今下でマンゴー亭の人に
お店の名前聞かれたんですけど。
あ、まだ言ってなかったわね。
デジャ、っていう名前にしたの。
それからジュークボックス、
次は「ある愛のうた」かけてね。
それなら私が。



解説）
ちょっと静かな雰囲気の
お披露目の会でした。

完成祝い

お店の内装が完成した。
ベーカリーやドルフィンのスタッフ、
エトナやジョー軍曹など、
工事を手伝ってくれた人たちをよんで、
完成祝いの催しが始まっている。




ルビーさん。ご注文のカクテルできましたよ。
ありがとう。ルビーでいいわよ。
ジョニーだったわね。
はい、コスプレ登録した時は、
戦士の兜かぶってたので初対面の感じですね。
ちょっと気になったんだけど、
あなたたち３人組は３人とも、
英国の同じマフィア組織に属していたでしょう。
まさかこの町に進出するつもりじゃないでしょうね。
いえいえ、組織はみんな抜けたんです。
それにCGの縄張りで、そんな怖いことできませんよ。
縄張りって。




イリアも仕草が板についてるわね。
イギリスでは、こういう店いくつか
任されてましたから。
ほとんど用心棒待遇でしたけど。
なるほど、不死身のイリアか。
それはそうと、マスター、
この椅子そろそろ
貼り替えた方がいいんじゃない？
服にボロがうつるよ。とアイスは言った。
マスターは頷いている。




ジョー軍曹はカーテンの裾を摘んで
ガラス戸から屋外を眺めている。
ここは見晴がいいですね。
プラネタリウムの時は締め切ってあったから、
軍曹は初めて見るのね。
とリタが言った。
何か変わったもの見える？
鈴木すずが、あ、転んでいます。




お店の準備はこれで万全ね。
ヴィヴィアン、開店はいつからにするの？
とアンジーが聞いている。




今晩から。
でも今夜は、お世話になった
親しい人たちだけを招いて、
開店のお披露目会をやろうと思うの。
と言っても飲むだけだけど。
このホテルのオーナーのジルさんとか
絵画を貸してくれたマンスフィールドさんとか、
お酒を提供してくれたリリスとか、
椅子を貸してくれたペンギンのマリーネとか。
あとね、ジェイソンは呼びたい。




ジェイソン！そういえばあなた、
6月の夜会の時にも彼を呼んでたわね。
彼は骸骨標本だから
飲んだり食べたりできないのに。
いいのよ。親友なんだから。

お父さんのハリーやマーリンは呼ばないの。
とても店に入りきれないから、
親族や魔術劇場の同居人は日を改めて。
それだって、ハリー、カーミラ夫妻に、
ジャンヌとマリア母子、ヘルミーネに、
新しくデュアンが住み込んだし、
大人数だものね。

あ、そういえばヨシフの姿が見えないじゃない？
ヨシフならホテルの入り口で見かけたよ。
とヴィヴィアンの横で話を聞いていたエトナが言った。




ヨシフはホテルネピアの入り口で
見張りをしていたのだった。
あんまり意味ないけど、こういうの好き。
と思っている。




このホテルの中にバーが開店するって
聞いてきたんですけど。
とレイラが言った。
開店は明日からです。
何してるんですか。
マーロン・ブランドみたいな帽子ですね。
う。わかりますか。



解説）
ほとんど工作せずに
これまでのストックと小物類の寄せ集めで
お店が出来上がりました。

開店の準備 そのに

エトナとヨシフが
ペンギンに椅子を借りにきていた。




このカウンター用の椅子
借りちゃってもいいの？
お店も暇になったし、
しばらくは喫茶店専門でやっていくみたい。
この椅子はなんでも15年前、
マスターのマリーネが
クラブ「赤と黒」でバイトしていた頃から、
使われてたんですって。
ふーん。すごい年季物だね。




ジョー軍曹が酒瓶を運んでいる。
そんなにどこから？
とレイラが驚いている。




リリスが協力してくれることになったのだった。
とりあえずお酒は揃ったわね。
異世界の私の酒場で使ってた
このジュークボックスも貸してあげる。
感謝するわ。
持つべきものは精霊の友人ね。




あとは照明器具を取り付けるだけです。
とドルフィンのマスターが言っている。
何か壁の装飾もしたいわね。
だったらコレクターのマンスフィールドさんに
絵でも借りましょう。




ということで、
マンスフィールドさんが
装飾用に作品を何点か見繕って
持ってきてくれた。




クリムトの「パラス・アテナ」がいいな。
描かれてるのは女神アテナだけど、
デビル暗黒騎士団の戦士みたいでかっこいい。
とヨシフが言った。
これにはみんな賛成したようだ。




デビルっていうイメージなら、
ブラッサイがノートルダムの
ガーゴイルを撮影した写真も、
統一感があるよとイリアが言った。
統一感ならクリムト繋がりでいいんじゃない。
「女友達」とか「水蛇１」とか華やかだし。
とヴィヴィアンが言った。




やっぱり飾るならこれでしょう。
とジョニーが言った。




そんなにスペースないし、
展示会やるわけじゃないから。
とりあえず「パレス・アテナ」を
飾ることにして、
あとは適当に取り替えたら？
というルビーの提案で
落ち着いたようだ。



解説）
クラブ「赤と黒」の画像は、
2007年1月25日「クラブ赤と黒」で見られます。

開店の準備

広場には賑わいが戻ってきた。




大道芸人がドラコと一緒に
また歌を歌っていて。




犬顔の人や怪盗のゼロなど、
ずっとプラネタリウムに入り浸りだった
人々が出てきたせいだった。




こんな椅子ドルフィンの倉庫にあったっけ？
とスーザンが聞いている。
隅っこで埃を被ってた。
かなり年季が入ってるよ。




リタとアンジーは絨毯を運んでいる。
けっこう重いので一休み。




ホテルの部屋の改装工事は、
どんどん進んでいた。




ドルフィンのマスターが
床を張り替えている。




改装工事が進んでいるのは、
この企画の発案者で、
お店を任されることになった
イリアとヨシフとジョニーが
手伝っているせいだった。

広場を臨む壁面の覆いが
取り払われて全面ガラス戸に戻り、
明るくなっている。




これどこにおきましょう。
それはとりあえずあっちのすみに。

ヨシフはパペの姿だと手伝えないので、
人間の姿に戻してもらっていた。



解説）
改装工事と言っても
プラネタリウムの会場だった部屋の
備品を置き換えるだけですが、
今回は床に新たにベニア板を敷きました。
これまでは段ボールの厚紙を使っていたので、
流石にたわみはじめていたのでした。

新しいお店

ルビーは大道芸人と食事しながら
話をしている。

また広場のあの場所で
歌わせてもらえるなんて感激ですよ。
みんなアンとドラコを見にくるけど、
あなたの歌も大人気みたいですからね。
何より、あの豪快な声量に圧倒されます。




こうしていつも口を開けてると、
歌う時と食事のときは便利ですけど。
ついタバコを吸いたくなるのが、
玉に瑕ですな。




誰か私のこと噂したかしら。
と言っている。




はるなは、リタと夏木さんと話していた。
みなさんも秋の装いですね。
あ、夏木さん、プラネタリウムまだやってますか。
ずっとペンギンのバイトで観に来れなくて。




ちょうど今日で終わりだけど、
まだ観られるわよ。
ラッキー。




アンも着せ替えてもらったら？
私ハ寒サヲ感ジマセンガ
サラサンニ会ッタラ頼ンデミマス。




魔術劇場の扉から
ヴィヴィアンが出てきた。
秋の装いをしているようだ。




プラネタリウム今日まででしょう。
あのスペース、使わせてもらうことにしたの。
何をするんですか。
ホテルについてるバー見たいなお店。
それは楽しみ。
じゃあ、その前にまた工事ね。
とリタが言った。




使うのは全然OKだけど、
どうしてまた。
とルビーが聞いている。
魔術劇場には
イリアやヨシフやジョニーが
居候状態でいるんだけど、
お世話になりっぱなしで、
暇だしお店でもやりたいっていうから、
相談してたら、
遊びに来てたジルさんが、
ちょうどホテルのスペースが空くから
使えばいいって提案してくれて。
じゃあ試しに年末のクリスマスまで
やってみようっていうことになったの。

さっそく明日から
工事にかかりましょう。
とドルフィンのマスターが言った。


解説）
またまた思いつきの展開です。

あちこちで衣替え

メイヴィスは、
ペンギンの前で、はるなとリズに出会った。

あら、はるなちゃん。
珍しく私服なのね。




普通の服が着たいって
ずっと言い続けていたら、
リズさんがメイド代わってくれて、
マスターもお休みくれたの。
お祭り終わって暇になったからね。
結構地味な格好してるのね。
私はこういう普通の服が着たかったの。




はるなが広場に行くと、
そこそこ衣替えをした人が目についた。




その服はジェーンが貸してくれたんだよ。
女性兵士用なのでサイズがぴったり。
お礼言いにいかなくちゃね。




ルビーも上着を着込んでいた。
なんかおしゃれ気にしてないね。
とアイスに言われている。




コスプレコンテストに参加した
CGの仲間が挨拶に来ていた。
あなた天狗のお面被っていたでしょう。
誰だかわからなかった。
その戦闘服今でも実戦で使ってるの？
20年以上前のデザインだけど、
強化はされてるのよ。




サラたちの部屋でも衣替えが
進んでいた。




そのエンジ色のパーカー、
春までケイが着てたやつね。
メアリー＝ケイトのピンクのトレーナーも
前にジャンさんが着てたのと同じだ。
ドルフィンの衣料品の倉庫から
適当に見繕ってくるからね。





そこにウラジミールがやってきた。
北の国に帰るのでサラに挨拶に来たのだという。




ゾンビのコスプレではお世話になりました。
いえいえ、出来栄えが今ひとつで。
そんなことないですよ。
本人もショックを受けてましたから。
え。マイケルが蘇ってきてたんですか。
それは見たかったわ。
あ、お預かりしてたこの本お返ししなくちゃ。
つい読み始めちゃったら、止まらなくて。
そうでしたか。
あ、その本よかったら差し上げますよ。
ささやかながらお礼ということで。
それはありがとうございます。
サインもしましょうか。
それはもう本だけで。


解説）
CGの女性忍者の戦闘服は
2001年3月にリリースされたCG-06のものです
（購入したのは2006年頃）。
「アクション・ガールズ」によると、
bb社によるCGシリーズの海外展開が決まり、
海外市場を考慮して急遽制作されたのだとか。
それでアメコミにでも登場しそうな
ニンジャの姿に。

ジルの別荘で

ヘルミーネがデュアンと話している。
あなた魔術劇場で暮らすことに？
ええ、ハリーさんがそうすればって。
何か事情があるんでしょうか。
さあ。このコスプレのせいかしら。
私はずっと段ボールハウス暮らしだったから、
喜んでお言葉に甘えましたけど。




ジョニー、君も魔術劇場で暮らすことに？
僕もイリアさんたちみたいに、
そろそろ組織を抜けたいって
思ってたところだったんだ。
ハリーさんに頼んでみたら、
簡単にOKしてくれたよ。
おや、誰か来たみたいだよ。




ジルとゼルダが乗った
キューベルワーゲンが到着した。
二人はまた遊びに来たようだ。




やあ。ちょうどいいところに来たね。
ギルダ、君に紹介したい人がいるんだ。




こんにちわ。
と声がした。
やあ。見かけはセリアみたいだけど、
君は今誰なの？
私はヴィヴィアンよ。




ヴィヴィアンさん。
あのコスプレ、じゃなくて、
デビルの本当の姿やめたんですか。
普段はやめとくことにしたの。
あなたも変えてあげる。




そう言ってヴィヴィアンが
呪文を唱えると、
薄い煙が立ち上って、
ヨシフはパぺの姿に変わってしまった。
ありがとうございます。
と言っている。




別荘の部屋に入ったハリーは、
ギルダに男性を紹介している。
彼はマーリンの故国で、
ヴァンパイアたちの暮らす異世界を
統治しているんだが、
第二次大戦の戦時下が背景設定だった
君たちの住む異世界の話をしたら、
どうしても遊びに行きたいと言ってね。
喜んでご案内しますよ。
あの方によく似てらっしゃいますね。
元は似せて作られたフィギアだからね。
私と同じフィギアの精霊ですか。




なんだかややこしそうな話ね。
アンジー、コスプレもう着替えたの？
あの被り物、結構重いのよ。




君はまだ着替えないのかい？
この姿のままで鏡を見るのが楽しいの。


解説）
ジルの別荘で暮らす魔術劇場の面々も
少しずつ日常に戻っていくようです。

その翌日

広場はそこそこ
静かになっていた。




リタが掃除している。
そこの建物なんですか。
ああ前にもあったの知らないのね。
あれが噂の魔術劇場よ。




ベーカリーの出店がなくなったら
さっそく八百屋さんが復帰。
八百屋ではありません。
無農薬農家の直販店です。
そうなの？そういえば、その格好。
なまはげ、あなただったのね。




お祭り終わっちゃったんだ。
高台の休憩コーナーで、
大道芸はまだやってるわよ。




あの農家のリンゴ
相変わらずすっぱくてうまいなあ。
アイスはチョコ食べないの？
ベーカリーでコンテストに参加した人
いなかったからね。
よかったらこれ差し上げますよ。
ダークチョコレートもいかがです？




奥の席ではレイアと水戸里美が話していた。
あの出店のケーキどうしたの？
みんなマンスフィールドさんが
買い上げてくれたのよ。




ドルフィンの二階では
ケーキパーティが始まっていた。
リズもバイトを終えて帰ってきたようだ。
舞はスマホを見て驚いている。
何みてるの？
とペギーも覗き込んでいる。




サラたちの部屋でも
住人たちがみんな帰ってきていた。




ジェイソンは死神のコスプレから、
普段の服に着替えさせてもらったようだ。
このベスト、ベストですね。
。。。手袋見つからないから、
手元は適当な布で隠しておいてね。




頭蓋骨もお面をつけてもらって、
元の姿に戻っている。
お父さんは誰のコスプレを推したの？
わしは月光仮面を推薦したんだが、
誰も知らなかったようだ。


解説）
少しづつ日常に
戻りつつあるようです。

翌日

アイスが脚立に乗って、
ハロウィンの飾り付けの撤去作業をしている。




コンテストの参加賞の
チョコレートの掴み取りイベントは、
まだ続いているようだ。




エトナも模造の枯れ木の片付けをしている。




ウラジミールはゾンビ顔のペイントを
拭っている。
あらどこかで見たようなお顔。
よく言われますが人違いです。




エヴァとリリスが話している。
リリス、そのグローブみたいな手で
掴み取りしたの？
うん。いっぱい掴めたよ。




コンテスト参加者が多かったので、
チョコはどの住民たちの部屋にも
行き渡ったようだ。




ハーシーズのチョコレートって、
ルビーの好物なのかな。
私はキスチョコが好き。




トカゲ人間のコスプレ残念だったね。
みんな実物見たことないのよ。
そういえばレプティリアンまた来てたよ。
けっこう暇なのかな。




別荘では祝杯をあげることになったようだ。
人数多いからすぐ飲んじゃうね。
また同居人が増えたみたいだし。
そーなの？
ジョニーっていう人とデュアンっていう人が、
逗留するってハリーが言ってたよ。
あ、それにマーリンさんとお連れのこの方も。





ハリーとマーリンが話している。
留守の間に、実の娘がデビルになっていたとはな。
新しい魔法もどんどん覚えているようだ。
しかし魔法の扉を広場に出現させたのはどう見ても。
うん、あれはたしかに便利だが、やりすぎだった。
さっそくさっき消去しておいたよ。
ああいう扉は人目がつかないところに造るものだ。
どうせ魔術劇場を広場に再建するんだろう。
その中に作ればいいさ。
ヴィヴィアンはなんて？
すぐにわかってくれたよ。
ただ力を試したかっただけのようだ。



解説）
ハロウィンが終わって、
季節は本格的な秋冬モードに。

今日はハロウィーン　そのに

ルビーが選考過程を解説している。
最終候補に残ったのは、
ワンダーウーマン。




「スターウォーズ」のレイア姫。




ちょんまげ姿の武士とナマハゲ。




映画「レオン」に登場する
レオンとマチルダのコスプレなどでしたが、
これらの人たちに僅差をつけて
トップで優勝したのは。




映画「マレフィセント」に登場する、
魔女マレフィセントのコスプレをした
アンジーさんです。
何と。




アンジー。下でルビーが、
あなたが優勝したって言ってるわ。
本当？信じられない。
すごいですね。おめでとうございます。




アンジーはさっそく拍手に迎えられて、
優勝の賞品を受け取っている。
それは何と
巨大なレミーマルタンのボトルだった。




コンテスト参加者の皆さんには、
参加賞としてもれなく、
ハーシーズチョコレートの
掴み取りイベントをご用意しました。
一人一回限りです。




日が沈むと、
ハロウィーンの起源とされる
古代ケルトの収穫祭を真似て
かがり火が焚かれた。




古代ケルトのドルイド信仰では、
１０月３１日に一年が終わる。
日没が新年の始まりを意味していたから、
かがり火を焚き、作物と犠牲を捧げる
収穫祭は１０月３１日の夜に始まったという。




この町でも住民たちは
夜を徹してかがり火の周りで
歌ったり踊ったりして
ハロウィーンを祝ったのだった。



解説）
ミニサイズのハーシーズチョコは、
チョコの包み紙を折りたたんだだけのもの。
食べるたびに、それとなく作っているうちに
自然と大量に溜まったのでした。
ただしチョコが入っているのは、見えている
カボチャの容器の上の部分だけです(^^)。