Aug 31, 2022
ジルの別荘へ
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a1.jpg)
今日もベーカリー前は
そこそこの賑わい。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a2.jpg)
露店では品揃えが変わって、
リンゴや葡萄が売られている。
リンゴを一口齧ったアイスが
これ当たりだね。と言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a3.jpg)
このカンテラみたいな照明
どこで使うんですか。
ハロウィン向けに、この界隈を、
飾り付けることになったんです。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a4.jpg)
そんなわけで、
魔術劇場のハリー一家がジルさんの別荘に
しばらく逗留することになったらしいの。
ハリーがいるから大丈夫とは思うけど、
あなたヴィヴィアンと親しいでしょ。
一応彼女の警護が私たちの任務だからね。
郊外のあのあたりなら、ジムの家も近くだし、
時々様子を見に行くわ。
え、アンジーうちに来るの?
とジムが言った。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a5.jpg)
屋台のテーブルでは、
ジャンヌとマリアが話していた。
ハリー叔父さんの留守中に、
魔術劇場は開演するの?
ハリーはやりたければって言ってたけど、
最近魔法使ってないからね。
あなたは猫にしかなれないし。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a6.jpg)
その頃、ジルの別荘に、
カーミラとヴィヴィアンが到着した。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a7.jpg)
ようこそ。
ハリーさんのご家族の方ですね。
私はここの管理を任されている者で
エドワードといます。
ハリーさんは、先ほど到着されて、
いま、この上の池の方にいらっしゃいます。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a8.jpg)
ハリーは池のそばで景色を眺めていた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220831203455.files/a9.jpg)
薄緑色の池は周囲の灌木や木立の影を映し、
あたりにはまだ蝉の声が
しきりに響いていた。
解説)
居間のポリ容器を使った情景セットを
もう一度くらい撮影しようと思い、
こういう流れになりました。
水が緑色なのは、入浴剤を使っています(^^)。
Aug 30, 2022
星空を見る そのさん
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b1.jpg)
翌日のベーカリー前。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b2.jpg)
プラネタリウムの鑑賞イベント、
いつまでやるの?
町のみんなが見られるように、
しばらくやろうよ。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b3.jpg)
今日も入れ替わり立ち替わり、
住民たちが見にきていた。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b4.jpg)
ジルとギルダも
見てきたところのようだ。
綺麗だったね。
と言っている。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b5.jpg)
高台の休憩スペースには、
ハリーが散歩に来ていた。
もう虫の音が盛んで、
すっかり秋めいてきましたね。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b6.jpg)
そこにプラネタリウム帰りの
二人がやってきた。
あ、ハリーさん。
またここでお目にかかれるとは。
とジルが言った。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b7.jpg)
ここから見下ろせる森や郊外の景色が
すっかり気に入ってしまってね。
いい季節になってきたし、
近々妻や娘を連れて
行って見たいなと思っているんだ。
それなら、良かったら、
私の別荘をお使いください。
そこなら、迷いの森も近くですし、
お好きなだけ逗留できますよ。
ふむ。それは有難いな。
お言葉に甘えるとしよう。
ところで、お隣のお嬢さんは、
以前、ジャンさんの倉庫の扉から行った
異世界でお見かけしたことがあるんだが。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b8.jpg)
ハリーは、ジルからざっとこれまでの経緯を
聞いて驚いたようだった。
ふうむ。
君はエルマと呼ばれていたように思うが、
ギルダ、と名前を変えたのか。
心機一転というわけだね。
こちらの世界で過ごす時間が多くなると、
本当のエルマさんが御迷惑じゃないかって。
自分そっくりの人が
自分と同じ名前を名乗っているなんて。
それも名前を変えた理由の一つなんです。
とギルダは言った。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220830202508.files/b9.jpg)
なるほど。とハリーは言った。
どうしてその名前に?
名前思いつかなくて、
ジャンさんが見たっていう
映画のタイトルから取ったの。
とギルダは言った。
解説)
ジルとハリーは、初対面ではなく、
2022年6月22日「ハリーとの対話」で
知り合っていたのでした。
Aug 29, 2022
星空を見る そのに
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b1.jpg)
8月終わり頃の夜空に設定している。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b2.jpg)
夏木さんが、じゃあ始めましょう。
と言って、室内の照明が落とされた。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b3.jpg)
ちゃんと見えるのかなあ。
天井がドームじゃないからねー。
などと言っている。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b4.jpg)
おお。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b5.jpg)
とりあえず星は沢山見えるね。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b6.jpg)
ルビーは思わず立ち上がって
いるようだ。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b7.jpg)
あれは天の川かな。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b8.jpg)
星座の解説が欲しいね。
あそこに円盤が飛んでる。
などと言っている。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220829204330.files/b9.jpg)
やがて投影が終了した。
雰囲気は楽しめたし、
綺麗だったから、
良かったことにしよう。
首が疲れた。
などと言っている。
解説)
画像処理ソフトで加工したりしてますが、
暗闇での撮影は今一つの結果でした(^ ^)
Aug 28, 2022
星空を見る
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a1.jpg)
ベーカリーには久しぶりに
イベント好きの夏木さんが来ていた。
五ヶ月ぶりね。と言われている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a2.jpg)
秋といえば、空が綺麗な季節。
それでプラネタリウムで星空を見る
企画を思いついたんだけど。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a3.jpg)
楽しそうね。
確か、ドルフィンの倉庫に
古いピンホール式の
投影機があったはず。
映写する場所はどこにするの?
ホテル・ネピアの客室を改装すればいいよ。
あの部屋泊まってる人がいるでしょ。
ああ、ラッセルなら友達だから、
私が掛け合ってみるわ。
とルビーが言った。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a4.jpg)
アイスはリタに投影機のことを訊いている。
倉庫の奥で埃被ってるわ。
ずっと使ってなかったら、
メンテが必要かも。
と言われている。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a5.jpg)
ルビーは、ホテル・ネピアに
泊まっているラッセルに話に行った。
ラッセルは、写真好きの観光客と
懇談していた。
ここ冷房が効いていて快適なんだ。
でもプラネタリウムだよ。
見たいでしょ?
うん。
ドルフィンにも扇風機あるよ。
説得は成功したようだ。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a6.jpg)
やがて投影機が
ドルフィンの倉庫から運び出されてきた。
随分大きいんだね。
この恒星球、正12面体仕様だけど、
大きいほどシャープな星像が得られるんだ。
などと言っている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a7.jpg)
ホテルの部屋の改装も
進んでいるようだ。
話を聞いたヘルミーネや農家の人が
手伝っている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a8.jpg)
部屋の大きなガラス戸には
パネルで覆いが付けられている。
投影機も運び込まれた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220828213958.files/a9.jpg)
ようやく準備が整ったのだった。
解説)
雑誌「大人の科学マガジン」の付録だった、
プラネタリウム用ピンポール式投影機。
しばらく楽しんで寝室のタンスの上に
ずっと放置してあったのを出してきました。
10年近く前のものです。
夏木さんの登場するエピソードは、
2022年3月24日「春の目覚め そのろく」
から3回ほど続いています。
Aug 27, 2022
この頃の食事風景
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b1.jpg)
ジェニーたちの部屋で。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b2.jpg)
暑さ疲れで食欲ない時は、
やっぱりソーメンだね。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b3.jpg)
たくさん貰ったね。
すぐ食べちゃうよ。
と言っている。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b4.jpg)
高台の休憩スペースには、
スーザンが散歩に来ていた。
まだ暑いですねー。
と言っている。
タバコを喫っている人もいる。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b5.jpg)
サラたちの部屋でも。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b6.jpg)
食欲ない時は、
ざるそばに限るね。
と言っている。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b7.jpg)
この手捌き。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b8.jpg)
食べ始めると、
ちょっと物足りないので。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220827203144.files/b9.jpg)
ジェットは天ぷらを
揚げていた。
解説)
今回は夏の終わりかけの
食事風景を撮影しました。
Aug 26, 2022
お昼時のベーカリー前で
![c1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c1.jpg)
ベーカリー前は
割と閑散としていた。
![c2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c2.jpg)
こんなに大きいクワガタムシが。
と鈴木すずが言っているが、
ヘルミーネたちは
話に夢中のようだ。
![c3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c3.jpg)
観光客たちも立ち話をしている。
今日はアンもドラコも
いないのね。
お昼休みなのかな。
![c4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c4.jpg)
ドラコはドルフィンで
スイカを食べていた。
![c5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c5.jpg)
ベーカリーの二階のベランダでは、
ヴィヴィアンがイリヤと話していた。
昨日、高台の休憩スペースで、
クワガタムシじっと見ていたら、
急に巨大になっちゃって。
それって魔法じゃないんですか?
何か、きっかけは?
![c6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c6.jpg)
それがよくわからないの。
じっと、よく見ようって観察していたら。
たとえばこんなふうに。
と言ってヴィヴィアンは、目を凝らして、
テーブルの上のオカメインコを見つめた。
![c7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c7.jpg)
すると薄い煙が立ち上って、
オカメインコが巨大になった。
あらら。
![c8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c8.jpg)
そこに散歩中のハリーがやってきた。
おやこれは。
![c9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220826203313.files/c9.jpg)
ハリーは杖を一振りして、
オカメインコを元の姿に戻した。
むやみに魔法は使わない方がいい。
これって魔法なの?
まだ全然よくわからなくて。
ふむ。じっと思いを凝らすと、
魔力が発動してしまうんだろう。
そのうちコツを掴めるようになるさ。
だが練習は屋内で慎重にやる方がいいね。
とハリーは言った。
解説)
小さい方のオカメインコは、
かなり古い食玩のチョコQ
「ペット動物第3弾78
オカメインコ ホワイトフィス」で、
大きい方のオカメインコは、最近、
セリアのガーデニング用品コーナーで見つけた
「リトルフレンド リアルオカメインコ」です。
Aug 25, 2022
魔法の発現とエルマの決心
![s1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s1.jpg)
ルルが高台で休んでいると、
鈴木すずがやってきた。
昆虫採集用のケースを提げている。
クワガタムシを自然に帰しにきたようだ。
![s2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s2.jpg)
クワガタムシってかっこいいね。
などと言っていると、
散歩中のヴィヴィアンがやってきた。
![s3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s3.jpg)
みんなで観察しているとき、
ヴィヴィアンがつい
クワガタムシに思いを集中してしまった。
![s4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s4.jpg)
薄い煙が立ち上り、
クワガタ虫が変身して巨大化した。
![s5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s5.jpg)
これで良く観察できるね。
と鈴木すずが言っている。
それはそうだけど。
![s6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s6.jpg)
クワガタムシはフェンスまで飛び、
やがて迷いの森の方角に、
飛び去って行った。
![s7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s7.jpg)
その頃、ジャンの倉庫に、
ジルが呼ばれていた。
総統のフィギア、
返してくれたそうですね。
マーリンっていう魔法使いは、
何かよんどころない事情があって
借りただけって言ってたらしいんだけど、
無断で借りたら泥棒だよね。
とジャンが言っている。
![s8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s8.jpg)
魔法のドアから、
エルマが現れた。
ジルさん、お呼びだてしてごめんなさい。
最初にあなたに伝えたいことがあって。
![s9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s9.jpg)
わたし、名前を変えることにしたの。
ギルダっていう名前にしたから、
これからもどうぞよろしく。
解説)
エルマはどうやら、
二つの世界を行き来して生きる
決心がついたようです。
今回登場したクワガタムシは、
![s91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220825203136.files/s91.jpg)
これ本物ではありません。
海洋堂のカプセルトイ、
「日本クワガタムシ大全」の
「4.トカラノコギリクワガタ(黒色)」です。
Aug 24, 2022
屋台のテーブルで
![e1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e1.jpg)
屋台のテーブルでは、
ハリーとマーリンが朝の飲茶を
楽しんでいた。
![e2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e2.jpg)
チンパンジーが露店のバナナを
差し出している。
見よう見まねで覚えたのかな。
商売熱心ね。と言われている。
![e3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e3.jpg)
昨夜は楽しかったなあ。
ところで、これから
どうするつもりだね。
好きなだけ劇場で、
ゆっくりしてくれていいんだが。
![e4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e4.jpg)
そうしたいところだが、
とりあえず国に戻って、
連中を喜ばせてやらないとな。
彼らが思い描いている夢の世界に、
新しいリーダーを生み出すことができた。
あとはその異界と行き来できるように
アジトで魔法陣の中に扉をつくってやればいい。
ここにはまた、ハロウィンの頃に戻ってくるよ。
迷いの森の近くのせいか、
この土地は私たち魔族に向いているようだ。
それに魔力に目醒めたヴィヴィアンのこともある。
これまで何もしてやれなかったが。
![e5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e5.jpg)
やはりあの子は魔法使いになるのかな。
血は争えないね。
などと話しているところに、
ジョー軍曹が肉まんを買いにやってきた。
![e6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e6.jpg)
これはハリーさん。
やあ、君はGIジョー君だったね。
こちらの世界にも慣れたかな。
おかげさまでなんとか。
あ、こちらの人は確か。
どうやら噂になってるらしいな。
私の友人のマーリンだよ。
すると、ジャンさんの倉庫から
総統とエルマのフィギアを盗み出した
怪盗ゼロの黒幕。
![e7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e7.jpg)
黒幕というのは聞き捨てならないね。
とマーリンが言った。
まあ、依頼したのは私だから、
そういわれても仕方ないのだが。
総統のフィギアは、今お返ししよう。
と言って、
マーリンはスーツケースを差し出した。
さるよんどころない事情で
無断でお借りしただけなんだよ。
フィギアの持ち主には、いずれ
お詫びに伺うと伝えてくれたまえ。
![e8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e8.jpg)
マーリンの声には、
どこか逆らえないような
魔術的な響きがあった。
よくわかりませんが、
返していただけるなら。
ジャンさんに伝えておきます。
とジョー軍曹は言った。
![e9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220824203054.files/e9.jpg)
君もこの店のファンなのか。
よかったら一緒に肉まん食べよう。
とマーリンは言った。
解説)
どうなることかと思いましたが、
総統のフィギアは、
無事にジャンの元に戻るようです。
Aug 23, 2022
そろそろ夏も
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a1.jpg)
サラとアシュレイは
ジルの別荘から帰ってきた。
お土産にとうもろこしを持ってきたようだ。
新鮮だから生でも食べられるのよ。
と言っている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a2.jpg)
やはりこんがり焼いて
バター醤油で食べたい。
と言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a3.jpg)
ベーカリー前には、
ヘルミーネも戻っているようだ。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a4.jpg)
鈴木すずが
クワガタムシを観察している。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a5.jpg)
よく見えないけど、すごい。
それあげるから、
観察して遊んだら
高台で逃してあげてね。
とヘルミーネは言った。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a6.jpg)
ベーカリーのテーブルには、
ヴィヴィアンの警護をしている
CGやMI6の面々が集まっていた。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a7.jpg)
ヴィヴィアンは、
魔術劇場に来たマーリンと出会い、
彼が実の父親だと知ったこと、
魔法でフィギアを人間に変えたこと、
彼が過激派組織の首領だという噂が
デマだったことなどを話した。
というわけで、
私を拉致しに来たわけじゃなかったの。
マーリンはハリーと再会して仲良く
お酒飲んで泊まっていったわ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a8.jpg)
これで、当面の懸念事項が、
とりあえず解消したわけね。
ヴァンパイアの過激派組織の件。
他に、ヴィヴィアンを狙いそうな
グループってどこかしら。
とアイスが言った。
CGの本部からは、
まだ名前は上がってきてないよ。
でも警戒は続けるべきだと思う。
とルビーが言った。
ヴィヴィアン。
マーリンが実の父親だとわかったって、
言ったわね。
そのことはあなたの胸にしまっておいて。
本部にも伏せておきましょう。
どうして?
ヴァンパイアたちの間の
噂話ならともかく、
それが確定情報として流れたら、
今度は魔族の関心を惹く恐れがある。
スーザンは、とりあえず、
警護体制が続けられると聞いて、
本部に戻らずに済んでほっとしていた。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220823204334.files/a9.jpg)
ジムはスーザンから又借りした、
コミック本の表紙を眺めている。
解説)
まだ暑い日が続いていますが、
朝夕秋の気配も感じられるようで
過ごしやすくなりました。
Aug 22, 2022
魔術劇場で そのさん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a1.jpg)
やがてエヴァがワインを運んできた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a2.jpg)
ねえ。
フィギアが残っているけど。
このフィギア本体が変身したってわけじゃ
ないのね。
ふむ。そのようだね。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a3.jpg)
たぶんこの部屋の魔法陣の影響で、
本体が実体化したまま残存したんだろう。
とハリーが言った。
精霊自身の持つ力、かけられた魔術の力、
それにその場所自体に備わる地霊的な力など、
いろいろな要素が結果に作用するんだよ。
要するに、いろいろあって
よくわかっていなかったってことね。
とヴィヴィアンは思ったが黙っていた。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a4.jpg)
ともあれ、案件は片付いたようだね。
再会を祝して、愉快にやろうじゃないか。
とハリーが言った。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a5.jpg)
やがて、ささやかな宴が始まり、
ハリーは、しきりに好物の屋台の肉まんを
マーリンに薦めている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a6.jpg)
確かにこれは癖になりそうな味だな。
懐かしいルーマニアのひき肉料理の
風味もある。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a7.jpg)
そうそう、そうなんだよ。といいながら
ハリーは嬉しそうに笑っている。
その笑顔、子供の頃と変わらないね。
とマーリンに言われている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a8.jpg)
パペが駆り出されて、オルゴールの
「ある愛のうた」を演奏し始めた。
しかし途中で止まってしまったようだ。
誰かヨシフさんの背中のネジ巻かないと。
と言われている。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220822204549.files/a9.jpg)
ネジまき要員にゼロが顔を出した。
あ、マーリンさん。
やあ、君はここにいたのか。
友人のイリヤがカーミラさんの知り合いで、
カーミラさんが、ここにいれば安全だって、
薦めてくれたんです。
外出が不自由なら、変身させてあげようか。
あ、それはちょっと考えさせてくだい。
とゼロは、パペを見ながら言った。
解説)
細かいことながらパペのこと。
パペはヨシフがぜんまいじかけの人形に、
変身した姿なのでした。
ヨシフは元はマフィアの一員でしたが、
ヴィヴィアンに吸血されて、病院から脱走して
今では魔術劇場に住んでいます。
彼の登場は、2022年6月20日の「夜会 そのご」
あたりから。
Aug 21, 2022
魔術劇場で そのに
![d1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d1.jpg)
頼みというのは、これなんだが。
と言ってマーリンは、
スーツケースの中から一体のフィギアを取り出した。
![d2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d2.jpg)
君に断られた場合を見越して、
このフィギアに精霊を宿して、
連中の首領にしてやろうと用意してきたんだ。
リーダーの出現を望んでいる彼らも喜ぶし、
私も噂から解放されるからね。
ただ、首領にふさわしい精霊を宿すには、
君の魔力が必要なんだ。
そんなこと、私にできるわけが。
子供の頃から透視能力ならあったけど、
魔法なんて使えないし、
教えてもらったこともないのよ。
とヴィヴィアンは言った。
君にも魔族の血が流れているんだよ。
なに簡単なことだ。私が合図するから、
思いを込めてフィギアを見つめて、
心に浮かぶことに集中してくれればいい。
![d3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d3.jpg)
説得されたヴィヴィアンは、
呪文を唱え始めたマーリンの合図に従って、
フィギアを見つめて深く思いを凝らしてみた。
すると体の奥から不思議な力が発動して
身震いするような感覚を覚えた。
周囲に薄い煙が立ち上った。
カーミラは、あらら、と思っている。
![d4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d4.jpg)
ハリーには、
そのフィギアは、確かに精妙に作られてはいるが、
これまで誰かに長い間愛玩されたり、
執着されたことのない、ありきたりのものに思えた。
そういうものに籠った想念の痕跡を感じ取って、
精霊を宿すことは極めて困難なはず。
しかし、今起きていることは、
彼のこれまでの経験を超えるものだった。
![d5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d5.jpg)
薄い煙が消えていくと、
フロアにフィギアによく似た
等身大の男性が立っていた。
![d6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d6.jpg)
ふむ。ここはどこですかな。
とその男性は言った。
![d7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d7.jpg)
マーリンが杖をかざすとドアが現れ、
男性はおずおずとそのドアから去っていった。
ほんの僅かな間の出来事だった。
![d8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d8.jpg)
ヴィヴィアン、うまくいったようだね。
それに、君の魔力も新たに芽生えたようだ。
あの人、どこへ行ったんですか?
ヴァンパイアたちの想像する世界だよ。
彼らが共同で夢見る世界といえばいいか。
この劇場の扉は、そんなふうに
異世界と繋げることができるんだ。
そうだろうハリー。
![d9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220821212941.files/d9.jpg)
確かに。
昔一緒に研究した魔法陣の呪法を、
よく覚えていたものだな。
それもそうだが、今の魔法には驚いた。
好きなものに精霊を宿せるってわけか。
随分上達したものだね。
マーリンは楽しそうに言った。
君が魔術劇場なんて啓蒙活動をやって、
忙しく世界中を巡っている間、
ずっと魔法の研究を重ねていたからね。
いやそれは冗談で、
実を言えば、僕の力だけでは
とてもまだそこまではできない。
実際にはヴィヴィアンの力だよ。
フィギアに宿った精霊はヴィヴィアンの
分身のようなものだ。
予想はしていたが、予想以上だった。
とても俄に信じられない。
とカーミラは思っている。
解説)
総統のフィギアヘッドは、
以前ドールショーで、ミニタリー系のフィギアを
扱っていたブースで入手したものです。
こんなふうに使うことがあろうとは。
Aug 20, 2022
魔術劇場で
![c1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c1.jpg)
ようこそ、魔術劇場へ。
ハリーさんがお待ちです。
![c2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c2.jpg)
おおマーリン、久しぶりだね。
ハリー。その顔立ち、昔と変わらないね。
変身するにも程があるぞ。
おや、いつもお美しいカーミラも。
それにこのお嬢さんは。
![c3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c3.jpg)
変身しているがヴィヴィアンだよ。
この娘に会いにきたんだろう。
今君の噂をしていたところだったんだ。
さあ、ちょっと模様換えをして。
とハリーがいうと、椅子の配置が変わり始めた。
![c4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c4.jpg)
何年ぶりかな。
カーミラとの結婚式以来だったかな。
久しぶりに君の噂を聞いたと思ったら、
過激派組織の首領だとは驚いたよ。
あれは誤解だよ。彼らがそう喧伝してるだけ。
君たち夫婦は別れたって聞いてたけど。
そっちの噂も誤解だ。
ただずっと別居状態だったのは確かだよ。
私はこの魔術劇場で世界中を巡っていて。
そのようだね。
この建物は我々の若い頃の魔法陣の研究の
成果のようだが見事なものだ。
![c5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c5.jpg)
あなたがマーリン。
不躾ですけど、
あなたが私の実のお父さん、
という噂は本当なんですか。
マーリンは、
質問を予期していたかように、
ヴィヴィアンを見つめて、
うん。それは本当のことだよ。
と言った。
君の母親はD伯爵の親族でね。
君を産んでしばらくして亡くなってしまった。
当時魔族とヴァンパイアの女性との
婚姻は掟で固く禁じられていて、
生まれた子供にも危害が及ぶ恐れがあった。
そこで私たちは夫婦で相談して、
ヴァンパイア族の私生児として、
しばらく孤児院に預けることにしたんだ。
頃合いを見て引き取るつもりでね。
しかし妻は亡くなってしまい。
![c6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c6.jpg)
その役目を偶然、
身寄りのないヴァンパイア族の子供を
引き取ろうと探していた
私たち夫婦が担ったということか。
とハリーが言った。
カーミラは
親密そうな二人の表情を見比べて、
本当に偶然だったのかしら、
と、ふと思ったが黙っていた。
![c7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c7.jpg)
D伯爵の身内だったなんて、
私の実のお母さんって、
すごいエリート階級だったんだね。
とヴィヴィアンが言った。
あなたの感想、そこなの、と言われてる。
今の話、全て納得したわけじゃないけど、
大まかな事情がわかってすっきりしたわ。
みんなで想像してたみたいに、マーリンさんは、
私を強引に引き取りに来たわけじゃない
みたいだし。
そういう噂も流れていたようだが。
と言って、マーリンがマントの中を
探ると、スーツケースが現れた。
実は頼みがあってね。
君がイギリスで起こした吸血事件を知った
一部のヴァンパイアの過激派組織が、
君が昼間でも活動できる新種のヴァンパイアだと知って、
君を是非グループに迎え入れたいと言い出してる。
その組織、あなたが首謀者だって。
それは私の魔力を利用したい彼らの宣伝なんだ。
私は彼らに同情はしているが、
組織のボスを引き受けるつもりはない。
私は純粋な魔族だし。だが君は。
![c8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c8.jpg)
ヴァンパイアの私には、
その資格があるっていうことね。
でも答えはノー。
人間の血を吸うことを協定で禁じられている
彼らの境遇にはすごく同情してるけど、
ずっと考えた結果、結論を出したの。
私、最近はハリーの調合した薬を飲んで、
血を吸わなくても平気な体になりつつあるのよ。
そういうだろうと思っていたよ。
それで頼み事なんだが、
その前に。
と言って、マーリンは杖をかざした。
![c9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220820203044.files/c9.jpg)
薄い煙が立ち上ると、
セリアの外見が消えて、
ヴィヴィアンの本当の姿が現れた。
ハリーと同じ魔法が使えるのね。
とヴィヴィアンが言った。
素顔をみると、
君はお母さんにそっくりだな。
とマーリンは
感に堪えぬ面持ちで言った。
解説)
今年の4月半ば(12日)に、
ハリーの魔術劇場が出現して、
5月半ば(17日)にハリーの妻カーミラと、
養女のヴィヴィアンがやってきて以来、
ヴィヴィアンの実の父親との噂があるマーリンが
会いに来るかも知れない、という
話題が何度か上がっていましたが、
ようやく実現しました。
Aug 19, 2022
夏のたより
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a1.jpg)
ジェニーたちの部屋に、
郵便物が届いたところのようだ。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a2.jpg)
涼しそうな池。
ちょっと時期遅れの
暑中見舞いのハガキだね。
サラからだよ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a3.jpg)
またうたた寝してたのね。
いくつもスマートレターが届いてるよ。
中身はみんな本なの?
多分、そうみたい。
涼しい夜中に本読むから、
つい昼間うとうとしちゃうんだ。
と言い訳している。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a4.jpg)
その頃、魔術劇場では、
ヴイヴィアンが露店で買った
金魚鉢を飾っていた。
逗留しているゼロとも
知り合ったようだ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a5.jpg)
これは、涼しそうだね。
と言いながらハリーが
部屋に入ってきた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a6.jpg)
君がゼロ君か。
カーミラから大まかな事情は聞いたよ。
まあ、好きなだけここにいるといい。
それより、高台で、
マーリンと会ったんだって?
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a7.jpg)
ええ。待ち合わせ場所に、
この町の高台の休憩スペースで、
と、マーリンさんから指定が。
マーリンが町に来てるのね。
とヴィヴィアンが言った。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a8.jpg)
ということは、
今夜あたり会えるかも知れないな。
これは楽しみだ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/a9.jpg)
夜が更けて、
マーリンが広場に姿を現した。
解説)
![syo](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220819202554.files/syo.jpg)
暑中見舞い用の葉書を
一枚だけ作りました。
今回の2番目の画像のミニ葉書はボケていて、
何が何だかわかりませんが、
この画像を縮小プリントしたものです。
Aug 18, 2022
水辺の夕食
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a1.jpg)
サラが別荘に戻ると、
アシュレイが釣りを終えて休んでいた。
夕食に鯉こく食べる?
あ、冗談よ。これは逃してあげるの。
夕食に管理人さんがバーベキューでも
どうですかって。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a2.jpg)
二人がバーベキューの準備を
始めたようだ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a3.jpg)
午後遅くになって、
とうもろこしのケースを抱えて
ヘルミーネが遊びにやってきた。
いつもお手伝いしている、
農家の人から頂いたの。
と言っている。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a4.jpg)
日が暮れて
ささやかなバーベキューパーティが
始まったのだった。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a5.jpg)
香ばしい香り混じりの煙が
が立ち上っている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a6.jpg)
クワガタムシ採れたの?
ええ。虫っていえば、
農家の人に聞いたんだけど、
あの森で見かけた蝉、迷いの森の方から
たまに飛んでくるみたいだって、
言ってたわ。
トラ模様の変わった蝉だったね。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a7.jpg)
とうもろこし追加。
と言っている。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a8.jpg)
ソローさんって、
ずっと森林公園の管理のお仕事してるの?
公園が一般に解放される前からね。
元はジルさんの別荘の敷地だったんだ。
広いから管理大変ね。
最近はもう一人、丹後権太って言う
人が管理を手伝ってくれてる。
あ、あの背の高い人ね。
実は狸だって噂がある。
本当みたいだよ。気にしてないけど。
などと雑談が進むうちに。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a9.jpg)
やがてほろ酔い気分になった
アシュレイは勢いで池に飛び込んだ。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220818203409.files/a91.jpg)
ソローさんもおいでよ。
と言っている。
解説)
こう言う水場の撮影では、
偶然最後のショットのような、
光の効果が面白い画像が
とれたりするのが楽しいところです。
Aug 17, 2022
郊外の散歩 そのに
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a1.jpg)
アシュレイは無心に釣りをしていた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a2.jpg)
サラとヘルミーネは森に分け入っていた。
変わった蝉の声が聞こえる。
と言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a3.jpg)
あそこにとまってるよ。
どこどこ。よく見えない。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a4.jpg)
腹にミツバチのような模様のある、
風変わりな蝉だ。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a5.jpg)
蝉は飛んでいってしまった。
サラは、
これからクワガタムシを探すというヘルミーネに、
私たちこの近くのジルさんの別荘に、
いるから、後で遊びにおいでよ、
と言って別れて、森を抜けてきた。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a6.jpg)
草原に小川が流れている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a7.jpg)
迷いの森の方角から
流れてくるようだ。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a8.jpg)
これが昨日ジルさんの言っていた、
人工の水路なのかな、
とサラは思った。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220817203218.files/a9.jpg)
ちょっと草臥れたので、
花陰で一休み。
解説)
謎の蝉は、ゴム製のミツバチの
玩具に細工して作りました(^ ^)。
Aug 16, 2022
郊外の散歩
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a1.jpg)
翌朝、サラが起きて
外に出ると、池で
アシュレイが釣りをしていた。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a2.jpg)
今日もいい天気だね。
と言っている。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a3.jpg)
早くも収穫があったようだ。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a4.jpg)
サラは暑くならないうちに、
散歩に出かけることにした。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a5.jpg)
なんと言っても緑がきれい。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a6.jpg)
こう言う脇道を見ると、
入って行きたがる人もいる。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a7.jpg)
誰かやってくる。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a8.jpg)
あれは確かヘルミーネ。
魔術劇場に住んでいる人だ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220816203715.files/a9.jpg)
こんにちわ。
あなた、ヘルミーネさんね。
昨日ベーカリー前で
露店のお手伝いしてたでしょう。
私はサラ。サラサラのサラです。
あ、バナナ買ってくれた人ですね。
そうそう。こんなところで出会うなんて、
珍しいね。昆虫採集してるのかな。
そうなんです。
わたし自然が好きで、郊外にはよく来るんですよ。
今日は、露店に来てたランドセルの女の子に
クワガタムシが見たいって言われて、
採ってきてあげることにしたんです。
解説)
久しぶりに午前中に
近くの中央公園まで出かけ、
撮影を兼ねて散歩してきました。
Aug 15, 2022
夏といえば そのはち
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b1.jpg)
私ね。
自分があなたの作ってくれたフィギアに宿った、
精霊だって言うこと、ずっと考えていたの。
それに、私たちの暮らす世界が、
あなたたちの夢が生み出した世界だって言うことも。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b2.jpg)
あなたは、あなたたちが現実って呼んでいる
この世界を捨てて、私たちの暮らす世界に住める?
逆に、私が自分の住む世界を捨てて、
こちらの世界で生きることができると思う?
捨てなくてもいいんじゃない?
君はもう僕らの夢の中だけの登場人物じゃなくて、
これからは自由に行き来できるんだから、
住んでる場所が違うだけだよ。
とジルが言った。
そう言うことじゃないの。
とエルマは小さな声で言った。
これまでだって、向こうの世界で
私は自由に楽しく暮らしていた。
ただ本当のことを知ってしまうと、
変わってしまうことがあるのよ。
それがどんなことであれ、
きっと君は上手くやっていけるよ。
そんなふうに僕が願って作ったんだから、
とジルが言った。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b3.jpg)
蝉の声が途絶えがちになり、
水音だけがささやくように絶え間なく響いていた。
夜も更けてきたようだね、
ジャンの倉庫まで送るよ。
とジルが言った。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b4.jpg)
別荘の部屋ではサラとアシュレイが
くつろいでいた。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b5.jpg)
ジルさんたち、お似合いだね。
遅くならないうちに送っていくって
言ってたけど、まだ池のそばにいるのかな。
邪魔しちゃ悪いから見に行かないけど。
あ、アシュレイ、着替え持ってきたんだ。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b6.jpg)
うん。用意周到でしょう。
ジェニーからの借り物だけど。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b7.jpg)
バスタオルも干さないとね。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b8.jpg)
ドアをノックして管理人がやってきた。
ジルさんたちは帰られたようです。
夕食はどうしますか。
ここ、郊外だからアルのビストロの近くよね。
でも今日はなんだか疲れちゃったし。
ビストロからピザ取りましょうか。
そうだね。管理人さんも一緒に
食べましょうよ。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b9.jpg)
3人はささやかな
ピザパーティを開いたのだった。
![b91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220815204011.files/b91.jpg)
サラからエルマの身の上話を聞いた
管理人は驚いている。
その顔、驚きすぎでしょ。
と言われている。
解説)
池の周りには、
小さな照明もセットされていて、
夜の風景を少しだけ盛り立てています。
別荘の部屋の小物類は、
どれもこれまでの使い回しで、
今回はバスタオルだけ、
古いタオルを裁断して作りました。
Aug 14, 2022
夏といえば そのなな
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b1.jpg)
大きな魚が泳いでいる。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b2.jpg)
きれいな鯉もいるようだ。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b3.jpg)
もう夢中になっちゃって。
とサラが言っている。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b4.jpg)
冷たくて気持ちいいよ。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b5.jpg)
アシュレイが、
足を引っ張ったので、
サラは池に飛び降りた。
冷たくて気持ちいいでしょ。
と言われている。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b6.jpg)
確かに。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b7.jpg)
ジルさんたちは泳がないんですか。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b8.jpg)
今日はやめとくわ。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b9.jpg)
ひとしきり遊んだ後、
体が冷えてきたので、
サラたちは岩棚に上がって
陽を浴びている。
![b91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220814210159.files/b91.jpg)
絶え間ない流水の奏でる水音と
蝉時雨の中、夏の午後が
平穏に暮れようとしていた。
解説)
例によって、ポリ容器の水を
水替えポンプを使って、循環させています。
Aug 13, 2022
夏といえば そのろく
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a1.jpg)
すてきな場所ね。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a2.jpg)
ここにくる前、
町でみんなと話していたんだけど、
ジルさんは、エルマさんのために
いくつものこう言う別荘や
今では森林公園になっている
施設を作ったんですってね。
エルマさん、喜んでくれたでしょう?
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a3.jpg)
だとよかったんだけどね。
見にくる前に別れちゃったから。
とジルは言った。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a4.jpg)
その頃、別荘の部屋では
サラたちが着替えを済ませていた。
いざ出陣、と言っている。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a5.jpg)
ジルさんとエルマさんが来ているよ。
でもエルマさん、どっか変な感じなんだ。
ドイツ軍士官のコスプレしてるし。
あ、あの人はね。
別人なの。話せば長くなりすぎるから、
今は説明しないけど、双子の片方だと、
おもってたらいいよ。訳は今度話すから。
とサラが言った。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a6.jpg)
こんにちはジルさん。
エルマさんも、また会えたわね。
サラと、さっそく遊びに来ました。
やあ。僕たちもさっき着いたところだよ。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a7.jpg)
アシュレイは、シュノーケルをつけると、
勢いよく池に飛び降りた。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a8.jpg)
ここの水、すごく澄んでいてきれい。
迷いの森の近くで地下水を汲み上げて、
人工の水路で引き込んでるからね。
とジルが言った。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220813203347.files/a9.jpg)
アシュレイはさっそく
シュノーケリングを始めたようだ。
解説)
ようやく水遊びに。
Aug 12, 2022
夏といえば そのご
![c1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c1.jpg)
ジャンの別荘では。
入り口はこちらです。
と言われている。
![c2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c2.jpg)
アシュレイは、
照明器具を運んでいる
森林公園の管理人のソローに出会った。
この別荘の管理人に声をかけられて、
手伝いに来ていると言う。
![c3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c3.jpg)
二人は別荘の部屋に通された。
ずっと使っていなかったので、
半分物置みたいになってましたが、
ざっと掃除しておきました。
![c4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c4.jpg)
ランプや釣りの道具や毛布、
バーベキュー用の器具なども
保管されているようだ。
![c5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c5.jpg)
缶ビールも用意しましたよ。
至れり尽くせりね。
どうも、お世話様。
ずっと暇だったもんで。
![c6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c6.jpg)
このお花も活けてくれたみたい。
![c7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c7.jpg)
そうこうしているうちに、
ジルとエルマが到着した。
やあソロー君。
ジルさん、あ、エルマさんも、
ご一緒なんですね。
お久しぶりです。
![c8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c8.jpg)
二人はさっそく池の景観を楽しんでいる。
夏の盛りだが、木陰から、
時おり池の水気を含んだ涼風が通い、
蝉がしきりに鳴いている。
![c9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c9.jpg)
管理人が挨拶をしに来た。
ご連絡いただいていた通り、
サラさんとアシュレイさんがお見えです。
今部屋で休憩されているご様子ですが、
間もなくいらっしゃるかと。
![c91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220812203038.files/c91.jpg)
さっき挨拶したけど、
エルマさん、なんか怪訝な顔してたよ。
まるで初対面みたいな感じで。
今年の初めに町で見かけて、
ちょっと立ち話した時は、
気さくな感じだったのに。
とソローが言った。
解説)
管理人もソローも、
別荘に来たエルマが本人ではなく、
フィギアから生まれた精霊だと知らないのでした。
ソローが言っているのは、
2022年1月22日「春節にむけて そのご」
に出てくるワンシーンです。
その前にエルマが登場したのは、
2021年7月25日や、7月26日「映写会まで」で、
写真展を見に来てアルと立ち話するシーン。
本物のエルマは、ごくたまに町に
顔を出していたのでした。
Aug 11, 2022
夏といえば そのよん
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b1.jpg)
ベーカリー前では、
エルマを囲んでの飲茶の会も終わり、
屋台のテーブルでは、
サラたちの部屋から戻ってきたジルが
エルマと話している。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b2.jpg)
この子、ドラコって言うんだよ。
その名前、誰がつけたの?
ルビー。
肉まん、いくらでも食べるね。
などと言っている。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b3.jpg)
露店では、チンパンジーが、
店番を手伝っていた。
鈴木すずにバナナを渡そうとしている。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b4.jpg)
昨日、「ギルダ」っていう映画をみたんだ。
とジャンが言っている。
1948年に作られた有名なアメリカ映画ね。
そういえば、主演の女優さん、
君と同じ名前だったなって、思い出しちゃって。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b5.jpg)
偶然の一致ね。
とリタは言った。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b6.jpg)
何読んでるの?
「キャップテン・アメリカ」。
読み終わったら見せてね。
とジムがスーザンに言っている。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b7.jpg)
これから郊外のジャンの家まで
送っていきますが、
まだ日が高い。もしよかったら、
ちょっと寄り道して、
僕の別荘にでも寄ってみませんか?
小さいけど眺めのいい池があって、
ちょうどサラさんとアシュレイさんが、
遊びに行ってるはずなんです。
とジルが言っている。
ちょっと緊張しているようだ。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b8.jpg)
楽しそうね。
いいわよ。
とエルマは言った。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220811203036.files/b9.jpg)
ドルフィンでは
車が出借りられなかったので、
二人はペスパを借りて
行くことにしたのだった。
解説)
なんやかやと
寄り道しながら
進んでいます。
Aug 10, 2022
夏といえば そのさん
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a1.jpg)
サラとアシュレイの乗った
オープンカーは、
ジルからもらった地図を確かめながら走り、
郊外の小さな別荘前に到着した。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a2.jpg)
管理人が椅子を運んでいるようだ。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a3.jpg)
やあサラさん、こんにちわ。
ジルさんから、お話は伺っています。
いま準備していたところです。
と管理人は言った。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a4.jpg)
サラが管理人の後から階段を登ると、
そこには人工の池があった。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a5.jpg)
ちょっとした木陰で、
涼しそうね。
とサラが言った。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a6.jpg)
管理人がどこかで装置のスイッチを入れたらしく、
岩の斜面を水がつたって、
池に注ぎ込み始めた。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a7.jpg)
二人は椅子に座って
雰囲気を楽しんでいる。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a8.jpg)
池の中には魚の姿も見えるようだ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220810204145.files/a9.jpg)
あの苔むした石は、
水面に浮かんでるみたいですど。
ご存じのように、
この池は、ジルさんが別荘用に作られた
人工の池で、あれも人工の軽石なんです。
ジルさんはいくつも別荘をお持ちですが、
ここはその一つ。
小さなひなびた山小屋のような作りですが、
寝泊まりもできますので、
どうぞごゆっくり。
と管理人は言った。
解説)
今年はどうしたものかと思っていましたが、
結局、居間にポリ容器を持ち込んで、
簡単な情景セットを作ってみました。
Aug 09, 2022
夏といえば そのに
![d1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d1.jpg)
このシュノーケルも持ってくの?
うん。
![d2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d2.jpg)
バナナを買ったサラが戻ってきた。
あ、サラ、ちょうどよかった。
ジルさんから別荘の鍵借りたんだけど、
姉のメアリー=ケイトが、
急に来られなくなっちゃって。
だから二人でいこう。
![d3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d3.jpg)
二人はさっそく身支度を整えた。
ケイに、
どこかで見たファッションだね、
と言われている。
ベーカリー前で観光客の人たちが着てたの
涼しそうだったから真似したの。
とアシュレイが言った。
![d4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d4.jpg)
二人はさっそくベーカリー前まで出かけて、
ドルフィンで、オープンカーを借りた。
![d5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d5.jpg)
郊外のジルの別荘に遊びに行くというと、
リタが羨ましがっている。
![d6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d6.jpg)
二人の姿に気がついたジルが、
軽く手を上げている。
農家の人は売物のバナナを食べているようだ。
![d7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d7.jpg)
やがて車は、一路、
郊外のジャンの別荘に向かった。
![d8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d8.jpg)
この道でドライブするの久しぶりだね。
掃除したり外でロケするの大変だからね。
と誰かが言った。
![d9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220809203735.files/d9.jpg)
ジルさんに、エルマを誘えばって、
言っといたから、来るかもしれないよ。
ふうん。来るといいね。
解説)
ということで、今年も池で水遊びを。
Aug 08, 2022
夏といえば
![c1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c1.jpg)
ジルさん。覚えておいでかしら。
去年の夏は、別荘の鍵をお借りして、
姉のメアリー=ケイトと二人で、
別荘近くの池で楽しませてもらいました。
ああ、それはよかったですね。
別荘の鍵はいろんな方に貸したので、
みなさん利用されたようです。
ええ、ええ。池は結構賑やかでしたよ。
今年はどんな様子ですか?
あの仕掛けのついた池のある別荘は工事中なんです。
でも、近くに別の小さな別荘もあります。
そこでよければ、今年もどうぞお使いください。
管理人にも言っておきましょう。
と言ってジルは簡単な地図を書いて、
別荘の鍵と一緒に渡してくれた。
![c2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c2.jpg)
ありがとうございます。
夏といえば水遊びの季節ですからね。
ジルさんも、エルマさんを誘って、
おいでになればいいのに。
とアシュレイは言った。
![c3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c3.jpg)
屋台の前のテーブルでは、
相変わらず歓談が続いていた。
エルマって手が白いのね。
ずっと手袋してたからね。
などと言っている。
![c4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c4.jpg)
ここの肉まん美味しいですね。
この前お土産に買って帰って、
すっかりファンになりました。
そうでしょうとも。
![c5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c5.jpg)
アイスはエルマに写真を見せている。
こっちの世界で気がついた時、
近くでこの人たち見なかった?
![c6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c6.jpg)
この二人、すぐ近くにいたわよ。
高台で、突然意識が戻って、
何が起きたんだろうって思っていたら、
ちょうどサラがシャボン玉を吹きにきて、
そばにきたサラと話してたら、
この二人も何か相談してて、
サングラスの人が、私に、
「君、帰りたくなったら自分で倉庫に戻れるよね。」
って尋ねたの。
サラがジャンさんの家の倉庫までなら、
私が案内するって、すぐに言ってくれて。
サングラスの人は、
「じゃ、そういうことでお願いします。」
「すごい魔法をみせてもらいました」
って、老人に言って、立ち去っていったの。
その後、私たちも老人と別れて、
サラの家に行ったの。
![c7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c7.jpg)
やっぱり。
サングラスの青年は、ゼロっていう怪盗で、
マントの老人は、魔法使いのマーリン。
ゼロが、フィギアだった君を盗み出して、
マーリンが魔法で今の姿に変えたんだ。
とジャンは言った。
![c8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c8.jpg)
サラは、ジャンから、
エルマやジョー軍曹の住む異世界と
この世界とのつながりのあらましを
教えてもらって、驚きの連続だったが、
とりあえずエルマにサングラスも返せたし、
部屋に戻ることにした。
このバナナ甘いですよ。
試しに一口、どうですか。
と言われている。
![c9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220808211546.files/c9.jpg)
甘いバナナを一房買ってしまった。
このワッペンつけてたら、
いいことが起こるって言ってたけど、
こういうことかな、とサラは思っている。
解説)
サラは旧交を暖めているエルマたちが、
自分に気を使ってくれるのを気にして、
早めに退散したのでした。
サラには、どうもそういうところが
あるようです。
Aug 07, 2022
異世界の話など
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b1.jpg)
アンに、
サラーム。と言われて、
アゼルバイジャンの観光客は、
感動している。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b2.jpg)
サラが屋台の方の人だかりを
眺めると。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b3.jpg)
大きなテーブルが用意されて、
みんなで歓談している。
エルマもいるようだ。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b4.jpg)
エルマの知り合いが集まっているのだった。
エルマにサングラスを手渡したサラも、
その輪の中に入れてもらった。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b5.jpg)
今年はスイカのワンピース着てないの?
あれはね、ちょっと派手だったので。
ところでエルマ、初めてジルさんにあったんでしょう。
実際のところどうだった?
想像してた印象と随分違ったわ。
元恋人のフィギアを自作するなんて、
もっとオタクっぽい人かと思ってたけど。
ジャンさんみたいに?
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b6.jpg)
みんな、うんうん、という感じで納得している。
ジャンだけは、ちょっと固まって聞いていた。
サラは、ここでは自分だけ部外者なんだ。
と思っている。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b7.jpg)
あ、サラは、
これまでのいきさつを知らなかったんだね。
とアイスがいった。
みんな去年起きたことなんだ。
とジャンは、少し長くなるけど、
と言って解説してくれた。
僕は今もそうだけど、
郊外の倉庫付きのバービーハウスに住んでいた。
フィギア集めとジオラマの撮影が好きで、
庭にジオラマの村を作って遊んでいたんだ。
去年の夏に、フィギアを買った帰り、
ベーカリーで、初めてたまきさんと知り合った。
それからたまきさんとナオミさんが、
うちの庭に遊びに来るようになったんだ。
そんなある日、
倉庫で3人で夢見の水を飲んでいた時、
ドアから突然、ドイツ軍兵士たちと、
エルマがやってきた。
入口のドアが、なぜか異世界と繋がったんだ。
次の時にはにジョー軍曹と米兵がやってきた。
たまきさんは軍曹を追っていったんだけど、
しばらくしたら戻されてしまった。
やがてリリスっていうフィギアの精霊が現れて、
異世界のことを教えてくれた。
異世界は僕のジオラマの村と、
そこに配置したフィギアたちの暮らしが、
みんなの夢見る力で現実になった世界だったんだ。
町で写真展を開催したのもその頃だ。
それは、サラさんも知ってると思う。
僕の庭のジオラマの村は、すっかり有名になって、
いろんな人が見学に来るようになった。
リリスを写真展に連れていったり、
村に彼女の住む家や酒場を作ってあげたことで、
リリスがお礼に倉庫からその酒場に行き来できる
魔法のドアをつけてくれた。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b8.jpg)
魔法のドアで異世界と行き来できるなんて、
ファンタジー小説みたいなお話なのね。
まだ続きがあるんだよ。
とジャンが言った。
その後、異世界に、怪物が現れたんだ。
モモコさんの夢の世界が異世界に融合したらしく、
一度はモモコさんが退散させたんだけど、
怪物は毒虫を放って再び村を襲ってきた。
結局、助っ人を頼まれたアイスさんが行って
怪物を退治したんだ。
スペクタクルだったのね。
とサラが言った。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220807210451.files/b9.jpg)
その頃、ジルは、
サラたちの部屋に来ていた。
エルマさんのサングラスですか。
サラが届けに行きましたけど。
あ、行き違いだったか。
解説)
ジャンの解説は、
ジャンとたまきが初めて出会った、
去年(2021年)の6月30日「新しい出会い」から、
9月19日の「秋のきざし」まで、
こちらの世界の住人たちと、
ジャンのジオラマから生まれた異世界との
交流を描いた一連のエピソードの要約なのでした。
目次の2021年6月30日「新しい出会い」から続けて見ると、
途中に写真展やら、水遊びなど、
色々別のエピソードも混じっています(^^)。
Aug 06, 2022
エルマのサングラス
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a1.jpg)
部屋に戻ったサラは、
変わったワッペンつけてるのね、
とアシュレイに言われている。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a2.jpg)
あ、そのサングラス。
机の上にあったんだ。
エルマが忘れていったみたい。
とケイが言った。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a3.jpg)
まだ間に合うかもしれない。
私ベーカリー前まで
届けにいってくる。
とサラが言った。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a4.jpg)
ベーカリー前では、
エルマ関係の人で賑わっていた。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a5.jpg)
連絡したらモモコは留守だったけど、
たまきとナオミは、
すぐこっちに来るって言ってたよ。
とリタが言った。
君、サングラスどうしたの?
とジルが訊いている。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a6.jpg)
あ、サラの部屋に忘れてきたみたい。
じゃあ、僕が戻ってとってこよう。
とジルが言った。
優しいのね。と言われている。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a7.jpg)
ジョー軍曹が、エルマさーん。
と言った。
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a8.jpg)
この前、お土産に買って帰った肉まん、
この奥の屋台で売ってるんです。
食べませんか。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220806202436.files/a9.jpg)
しばらくして、
サラがベーカリー前に
たどり着いた。
解説)
ジョー軍曹が、この前、と言っているのは、
今年(2022年)の4月末のことで、
4月29日「春たけて そのに」に、ジョー軍曹が、
お土産を買って帰ったことが話題になっています。
ジョー軍曹は、ジャンの倉庫を訪問した
魔法使いハリーによって、
フィギアから人間の姿に変えられて、
こちらの世界にしばらく滞在していたのでした。
4月22日「新緑の頃 そのさん」から
その様子が描かれています。
Aug 05, 2022
懐かしい人たち
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b1.jpg)
このバナナ、甘いですよ、味見してください。
と言っている。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b2.jpg)
このとうもろこしも採れたてで、
生かじりしても美味しいですよ。
と言っている。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b3.jpg)
アイスは、エルマの姿に気がついた。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b4.jpg)
久しぶりだね。
アイスさん!
やっぱりこちらの別世界で、皆さん
お元気に暮らしていらしたんですね。
とエルマが言った。
かって、アイスは異世界で怪物退治をして、
住民たちの危機を救ったことがあったのだった。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b5.jpg)
ジャンも広場に来てエルマを見つけたようだ。
ジョー軍曹から突然いなくなったって聞いて、
心配してたんだよ。
倉庫の君のフィギアも盗まれててね。
それが原因じゃないかって、
探偵事務所で相談してたんだ。
でも見つかってよかった。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b6.jpg)
そこにペスパが走り込んできた。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b7.jpg)
乗っていたのはエトナとジョー軍曹だった。
二人は、エルマが見つかったと連絡を受けて、
急いで倉庫からやってきたのだった。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b8.jpg)
エトナもエルマと再会するのは
異世界の村を訪問して以来、
久しぶりのことだった。
エトナ、久しぶりね。
ドイツ兵の間では、あなたのプロマイド、
今でも引っ張りだこよ。と言われている。
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220805204219.files/b9.jpg)
村のみんなに無事が伝わったようなので、
急いで帰らなくても良くなったみたい。
たまきやナオミにも会ってみたいし、
私、もう少しこの町にいることにするわ。
とエルマは言った。
ジルは、二人でドライブできなくなったのが
ちょっと残念だったが、
そうだね。そうするといいね。
と言った。
解説)
ゆっくり推移している、
といういつもの感じです。
Aug 04, 2022
昆虫のワッペン
![a1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a1.jpg)
ジルとエルマを見送りに出たサラが、
帰りがけに高台に寄ってみると、
ベンチには、まだマーリンが座っていた。
シャボン玉セットをありがとう。
おかげで子供の頃に帰った気分を味わえたよ。
お礼にいいものをあげよう。
![a2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a2.jpg)
サラは胸に昆虫のワッペンをつけてもらった。
![a3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a3.jpg)
水やりを済ませてルルが戻ってきた。
![a4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a4.jpg)
それなんの虫?
太ったミツバチみたいに見えるけど。
![a5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a5.jpg)
それは、珍しいセミの仲間なんだよ。
つけてると、きっといいことがあるよ。
とマーリンは言った。
![a6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a6.jpg)
ベーカリー前はいつもの賑わいだった。
![a7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a7.jpg)
ジルはドルフィンのスタッフのリタと
車を借りる交渉をしている。
二人乗りのしかないけど、いいかな?
![a8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a8.jpg)
露店では、金魚鉢が売り切れたので、
本業の夏野菜やバナナを売っている。
エルマが早速興味を惹かれているようだ。
![a9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a9.jpg)
鈴木すずは熱心にケースの蓋の
ガラス窓を覗き込んでいる。
解説)
最初に出てくる昆虫のワッペンの話は、
最近拝見したばかりの、
清水麟造さんの新しい幻想小説「トラセミ・バッジ」
から影響を受けています(^ ^)。
![a91](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220804203733.files/a91.jpg)
こういうケーキを貰ったので、
これは使わなくては、と思ったのでした。
Aug 03, 2022
ポニョの妹とエルマとジル
![c1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c1.jpg)
夏といえば金魚鉢と麦茶ね。
![c2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c2.jpg)
ベーカリー前で
農家の人が金魚鉢売ってたけど、
これは別物。
![c3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c3.jpg)
ポニョの妹が住んでいるのだった。
![c4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c4.jpg)
黒猫のマリアが挨拶している。
クロコ、悪戯しちゃダメよ。
と言われている。
![c5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c5.jpg)
その頃、サラたちの部屋を
ジルが訪問していた。
![c6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c6.jpg)
あなたがジルさんね。
元恋人の姿に似せて私のフィギアを作ってくれて、
そこにあなたやみんなの想念が宿って、
異世界で私が実体化したって、以前ジャンさんが言ってた。
それから、ずっと会いたいって思ってたの。
とエルマは言った。
![c7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c7.jpg)
ギリシャ神話のピュグマリオンの夢が
実現しちゃったみたいな、
ややこしいけど、なんともいえない話だね。
とケイたちが話している。
![c8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c8.jpg)
ジャンから元気だって聞いてたけど、
元気そうで良かった。
と、ジルは緊張して話している。
![c9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220803203528.files/c9.jpg)
町にいるエルマの住所は僕も知らないんだ。
ずっと会っていないし。
そっか。でもきっと、そのうち会えるよ。
いつでも来られる姿になったんだし。
今日のところは、いったん戻った方がいいんじゃない?
きっと蒸発したって、みんなで探しているでしょ。
じゃあ、ジャンの家の倉庫まで、僕が車で送るよ。
とジルが言った。
解説)
なぜ、ジェニーたちの部屋の、
金魚鉢にポニョの妹がいるのかと言うと、
それには古い歴史があります(^ ^)。
2008年の夏に、たまきとナオミが、
リカちゃんのおばあさんの家に遊びに行った時、
弱っていたポニョの妹を海辺で見つけたのでした。
2008年8月25日の
「おばあちゃんの家 ポニョの妹」
に、最初の出会いが描かれています。
2008年9月14日の
「おばあちゃんの家 帰宅」には、
持ち帰ってきた様子が描かれています。
この番外編も含めた全17回の
「おばあちゃんの家」シリーズは、
目次から見られます。
Aug 02, 2022
8月の金魚鉢売り
![b1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b1.jpg)
ベーカリー前は
そこそこ賑わっていた。
![b2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b2.jpg)
「ある愛のうた」聴きたいですか。
背中のゼンマイ巻いてください。
と、パぺはすまなそうにいっている。
![b3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b3.jpg)
オルゴールの「ある愛のうた」が、
流れている。
![b4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b4.jpg)
広場でたまに見かける人が露店を出していた。
ヘルミーネが手伝っているようだ。
ヴィヴィアンに、あら珍しいわね。
と言われている。
![b5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b5.jpg)
私自然がが好きなので、
よく郊外に散歩に出かけてるうちに、
こちらの農家の岸さんと知り合って、
お手伝いすることになったんです。
![b6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b6.jpg)
金魚掬いではありませんよ。
お好みの金魚を選んでもらって、
金魚鉢ごと売っているんです。
ヘルミーネさんのお友達なら、
お安くしますよ。
金魚はうちの池で育てたんです。
あ、私は岸芳樹と言います。
いつもベーカリーや屋台に
新鮮な野菜や果物を提供しています。
![b7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b7.jpg)
ふーん。
金魚鉢か。夏らしくていいわね。
とヴィヴィアンは言った。
![b8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b8.jpg)
鈴木すずが、
ケースの中をを覗き込んでいる。
これはなあに?
![b9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220802202759.files/b9.jpg)
うちの用水池にいたタガメです。
肉食で水生昆虫の王者と言われています。
昔は水田などに普通にいましたが、
今では絶滅危惧種で、
販売目的の捕獲、売買は禁止されているので、
売り物じゃありませんよ。
何食べるの?
カエルやメダカやドジョウ。
すご。
解説)
今回は、ちょっと休憩のような
夏の情景でした。
最後のアイテムは、
ユージンの「たのしい、飼育当番。その3」
の「タガメ」です。
2000年代前半の、
セブンイレブン限定のガチャのアイテム
だったようですが、詳細は忘れてます。
Aug 01, 2022
エルマの去就 そのに
![d1](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d1.jpg)
ゼロは、一旦喫茶店で別れたイリヤたちと
待ち合わせをしていたのだった。
ここ、すぐわかった?
なんとか。とゼロが言っている。
![d2](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d2.jpg)
ゼロさん、仕事終わったんでしょう。
下の広場でドラゴンの子供やロボットでも
見物していけば?
いや、そうもしていられないんだ。
![d3](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d3.jpg)
カーミラさん、さっき喫茶店で話していた時、
フィギアを人間に変える魔法の話をしてたよね。
その現場を見せてもらっちゃった。
え、やはりそのために。そんなことができる人って、
あなたの依頼主って、マーリンだったの?
そうそう。それでね、
マーリンは女性士官のフィギアを人間に変えたんだけど、
嬉しそうにシャボン玉を吹く彼女を見ているうちに、
また元のフィギアに戻す気になれなくて、
人間の姿のまま解放してあげたんだ。
彼女が人間になって郊外の倉庫に戻れば、
持ち主は驚いて何が起きたのか知ろうとするはずだ。
だから、あまりゆっくりはしていられない。
そうか。いいことしたのに残念ね。
いいこと?総統のフィギアは盗んだままだからね。
それにも何か事情があるんでしょう。
そうだ。急いで身を隠すなら、いい場所があるわよ。
絶対安全だし、部屋もいくらでも空いてる。
そんな場所どこにあるの?
魔術劇場の中。
![d4](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d4.jpg)
その頃、サラたちの部屋では、
サラが連れてきたエルマが注目の的だった。
![d5](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d5.jpg)
ゼロがあれこれ想像したのとは違って、
フィギアの盗難とかマーリンの魔法による変身、
といったことは、
サラとエルマにはほとんど関心がなかった。
というよりも、二人とも何が起きたのか
知らなかったのだった。
エルマにとっては、自分はあくまでも
米軍とドイツ軍兵士が協力して暮らす村の住人で、
気がつくと、ジョー軍曹たちから聞かされていた別世界に、
自分が突然出現していたことだけが驚きの現実だった。
サラにとっては、そもそもこの軍服のエルマは、
これまで時々町で見かけていたエルマとは別人で、
噂に聞いていたジャンの倉庫の扉から行けるという
異世界のの住人だったらしいと判った程度なのだった。
二人の話し合った結論は、
異世界にいたエルマが何かの事情で意識を失って、
多分夢遊病状態にでもなって、魔法の扉を開けて
こちらの世界に迷い込み、さまよった挙句、
町の高台にある休憩スペースで気がついたらしい、
ということだった。
いなくなって探してるかもしれないから、
ジャンさんに連絡してみるね。
とサラは言った。
![d6](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d6.jpg)
ジュース飲みますか?
ありがとう。
![d7](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d7.jpg)
ジャンさん、なんだって?
驚いてた。エルマのフィギアがどうとか。
見つかったのはエルマ本人なのにね。
あと、誰に連絡してたの?
ジルさん。
エルマが会ってみたいっていうから。
こっちの世界に住むエルマさんにも
会って見たいって言うんだけど、
私連絡先知らないから。
そういえば、あの人どこに住んでるのか、
みんな知らないね。
エルマは、ジュース美味しい。
と言っている。
![d8](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d8.jpg)
探偵事務所では、
サラからの連絡を受けたジャンが
みんなに話していた。
見つかったのは良かったけど、
エルマのフィギアじゃなくて、
エルマ本人だっていうんだ。
出会った時、側にマーリンっていう
マント姿の老人とサングラスの青年が
いたって言うから、
フィギアがマーリンの魔法によって、
実体化したってことかな。
でもせっかく盗んだフィギアを
人間にしてから解放したってどういうこと?
ミュー君、どう思う?
情報不足で推測不可能です。
![d9](/~shimirin/blog/kirita/entries//20220801202807.files/d9.jpg)
喫茶ペンギンの前では、
散歩中にサラからの連絡を受けたジャンが、
思案げに佇んでいた。
本物じゃなくて、
軍服姿のエルマが僕に会いたいって?
エルマのフィギアだったら、
ジャンのジオラマの異世界で暮らしてる
はずだけど、出てきちゃったのか。
なんか緊張するなあ。
解説)
早くも8月
話が相変わらず混線気味に進んでいます。