Aug 31, 2022
ジルの別荘へ
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今日もベーカリー前は
そこそこの賑わい。
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露店では品揃えが変わって、
リンゴや葡萄が売られている。
リンゴを一口齧ったアイスが
これ当たりだね。と言っている。
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このカンテラみたいな照明
どこで使うんですか。
ハロウィン向けに、この界隈を、
飾り付けることになったんです。
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そんなわけで、
魔術劇場のハリー一家がジルさんの別荘に
しばらく逗留することになったらしいの。
ハリーがいるから大丈夫とは思うけど、
あなたヴィヴィアンと親しいでしょ。
一応彼女の警護が私たちの任務だからね。
郊外のあのあたりなら、ジムの家も近くだし、
時々様子を見に行くわ。
え、アンジーうちに来るの?
とジムが言った。
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屋台のテーブルでは、
ジャンヌとマリアが話していた。
ハリー叔父さんの留守中に、
魔術劇場は開演するの?
ハリーはやりたければって言ってたけど、
最近魔法使ってないからね。
あなたは猫にしかなれないし。
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その頃、ジルの別荘に、
カーミラとヴィヴィアンが到着した。
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ようこそ。
ハリーさんのご家族の方ですね。
私はここの管理を任されている者で
エドワードといます。
ハリーさんは、先ほど到着されて、
いま、この上の池の方にいらっしゃいます。
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ハリーは池のそばで景色を眺めていた。
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薄緑色の池は周囲の灌木や木立の影を映し、
あたりにはまだ蝉の声が
しきりに響いていた。
解説)
居間のポリ容器を使った情景セットを
もう一度くらい撮影しようと思い、
こういう流れになりました。
水が緑色なのは、入浴剤を使っています(^^)。
Aug 30, 2022
星空を見る そのさん
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翌日のベーカリー前。
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プラネタリウムの鑑賞イベント、
いつまでやるの?
町のみんなが見られるように、
しばらくやろうよ。
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今日も入れ替わり立ち替わり、
住民たちが見にきていた。
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ジルとギルダも
見てきたところのようだ。
綺麗だったね。
と言っている。
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高台の休憩スペースには、
ハリーが散歩に来ていた。
もう虫の音が盛んで、
すっかり秋めいてきましたね。
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そこにプラネタリウム帰りの
二人がやってきた。
あ、ハリーさん。
またここでお目にかかれるとは。
とジルが言った。
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ここから見下ろせる森や郊外の景色が
すっかり気に入ってしまってね。
いい季節になってきたし、
近々妻や娘を連れて
行って見たいなと思っているんだ。
それなら、良かったら、
私の別荘をお使いください。
そこなら、迷いの森も近くですし、
お好きなだけ逗留できますよ。
ふむ。それは有難いな。
お言葉に甘えるとしよう。
ところで、お隣のお嬢さんは、
以前、ジャンさんの倉庫の扉から行った
異世界でお見かけしたことがあるんだが。
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ハリーは、ジルからざっとこれまでの経緯を
聞いて驚いたようだった。
ふうむ。
君はエルマと呼ばれていたように思うが、
ギルダ、と名前を変えたのか。
心機一転というわけだね。
こちらの世界で過ごす時間が多くなると、
本当のエルマさんが御迷惑じゃないかって。
自分そっくりの人が
自分と同じ名前を名乗っているなんて。
それも名前を変えた理由の一つなんです。
とギルダは言った。
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なるほど。とハリーは言った。
どうしてその名前に?
名前思いつかなくて、
ジャンさんが見たっていう
映画のタイトルから取ったの。
とギルダは言った。
解説)
ジルとハリーは、初対面ではなく、
2022年6月22日「ハリーとの対話」で
知り合っていたのでした。
Aug 29, 2022
星空を見る そのに
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8月終わり頃の夜空に設定している。
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夏木さんが、じゃあ始めましょう。
と言って、室内の照明が落とされた。
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ちゃんと見えるのかなあ。
天井がドームじゃないからねー。
などと言っている。
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おお。
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とりあえず星は沢山見えるね。
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ルビーは思わず立ち上がって
いるようだ。
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あれは天の川かな。
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星座の解説が欲しいね。
あそこに円盤が飛んでる。
などと言っている。
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やがて投影が終了した。
雰囲気は楽しめたし、
綺麗だったから、
良かったことにしよう。
首が疲れた。
などと言っている。
解説)
画像処理ソフトで加工したりしてますが、
暗闇での撮影は今一つの結果でした(^ ^)
Aug 28, 2022
星空を見る
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ベーカリーには久しぶりに
イベント好きの夏木さんが来ていた。
五ヶ月ぶりね。と言われている。
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秋といえば、空が綺麗な季節。
それでプラネタリウムで星空を見る
企画を思いついたんだけど。
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楽しそうね。
確か、ドルフィンの倉庫に
古いピンホール式の
投影機があったはず。
映写する場所はどこにするの?
ホテル・ネピアの客室を改装すればいいよ。
あの部屋泊まってる人がいるでしょ。
ああ、ラッセルなら友達だから、
私が掛け合ってみるわ。
とルビーが言った。
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アイスはリタに投影機のことを訊いている。
倉庫の奥で埃被ってるわ。
ずっと使ってなかったら、
メンテが必要かも。
と言われている。
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ルビーは、ホテル・ネピアに
泊まっているラッセルに話に行った。
ラッセルは、写真好きの観光客と
懇談していた。
ここ冷房が効いていて快適なんだ。
でもプラネタリウムだよ。
見たいでしょ?
うん。
ドルフィンにも扇風機あるよ。
説得は成功したようだ。
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やがて投影機が
ドルフィンの倉庫から運び出されてきた。
随分大きいんだね。
この恒星球、正12面体仕様だけど、
大きいほどシャープな星像が得られるんだ。
などと言っている。
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ホテルの部屋の改装も
進んでいるようだ。
話を聞いたヘルミーネや農家の人が
手伝っている。
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部屋の大きなガラス戸には
パネルで覆いが付けられている。
投影機も運び込まれた。
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ようやく準備が整ったのだった。
解説)
雑誌「大人の科学マガジン」の付録だった、
プラネタリウム用ピンポール式投影機。
しばらく楽しんで寝室のタンスの上に
ずっと放置してあったのを出してきました。
10年近く前のものです。
夏木さんの登場するエピソードは、
2022年3月24日「春の目覚め そのろく」
から3回ほど続いています。
Aug 27, 2022
この頃の食事風景
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ジェニーたちの部屋で。
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暑さ疲れで食欲ない時は、
やっぱりソーメンだね。
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たくさん貰ったね。
すぐ食べちゃうよ。
と言っている。
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高台の休憩スペースには、
スーザンが散歩に来ていた。
まだ暑いですねー。
と言っている。
タバコを喫っている人もいる。
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サラたちの部屋でも。
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食欲ない時は、
ざるそばに限るね。
と言っている。
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この手捌き。
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食べ始めると、
ちょっと物足りないので。
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ジェットは天ぷらを
揚げていた。
解説)
今回は夏の終わりかけの
食事風景を撮影しました。
Aug 26, 2022
お昼時のベーカリー前で
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ベーカリー前は
割と閑散としていた。
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こんなに大きいクワガタムシが。
と鈴木すずが言っているが、
ヘルミーネたちは
話に夢中のようだ。
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観光客たちも立ち話をしている。
今日はアンもドラコも
いないのね。
お昼休みなのかな。
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ドラコはドルフィンで
スイカを食べていた。
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ベーカリーの二階のベランダでは、
ヴィヴィアンがイリヤと話していた。
昨日、高台の休憩スペースで、
クワガタムシじっと見ていたら、
急に巨大になっちゃって。
それって魔法じゃないんですか?
何か、きっかけは?
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それがよくわからないの。
じっと、よく見ようって観察していたら。
たとえばこんなふうに。
と言ってヴィヴィアンは、目を凝らして、
テーブルの上のオカメインコを見つめた。
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すると薄い煙が立ち上って、
オカメインコが巨大になった。
あらら。
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そこに散歩中のハリーがやってきた。
おやこれは。
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ハリーは杖を一振りして、
オカメインコを元の姿に戻した。
むやみに魔法は使わない方がいい。
これって魔法なの?
まだ全然よくわからなくて。
ふむ。じっと思いを凝らすと、
魔力が発動してしまうんだろう。
そのうちコツを掴めるようになるさ。
だが練習は屋内で慎重にやる方がいいね。
とハリーは言った。
解説)
小さい方のオカメインコは、
かなり古い食玩のチョコQ
「ペット動物第3弾78
オカメインコ ホワイトフィス」で、
大きい方のオカメインコは、最近、
セリアのガーデニング用品コーナーで見つけた
「リトルフレンド リアルオカメインコ」です。
Aug 25, 2022
魔法の発現とエルマの決心
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ルルが高台で休んでいると、
鈴木すずがやってきた。
昆虫採集用のケースを提げている。
クワガタムシを自然に帰しにきたようだ。
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クワガタムシってかっこいいね。
などと言っていると、
散歩中のヴィヴィアンがやってきた。
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みんなで観察しているとき、
ヴィヴィアンがつい
クワガタムシに思いを集中してしまった。
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薄い煙が立ち上り、
クワガタ虫が変身して巨大化した。
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これで良く観察できるね。
と鈴木すずが言っている。
それはそうだけど。
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クワガタムシはフェンスまで飛び、
やがて迷いの森の方角に、
飛び去って行った。
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その頃、ジャンの倉庫に、
ジルが呼ばれていた。
総統のフィギア、
返してくれたそうですね。
マーリンっていう魔法使いは、
何かよんどころない事情があって
借りただけって言ってたらしいんだけど、
無断で借りたら泥棒だよね。
とジャンが言っている。
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魔法のドアから、
エルマが現れた。
ジルさん、お呼びだてしてごめんなさい。
最初にあなたに伝えたいことがあって。

わたし、名前を変えることにしたの。
ギルダっていう名前にしたから、
これからもどうぞよろしく。
解説)
エルマはどうやら、
二つの世界を行き来して生きる
決心がついたようです。
今回登場したクワガタムシは、

これ本物ではありません。
海洋堂のカプセルトイ、
「日本クワガタムシ大全」の
「4.トカラノコギリクワガタ(黒色)」です。
Aug 24, 2022
屋台のテーブルで

屋台のテーブルでは、
ハリーとマーリンが朝の飲茶を
楽しんでいた。
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チンパンジーが露店のバナナを
差し出している。
見よう見まねで覚えたのかな。
商売熱心ね。と言われている。
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昨夜は楽しかったなあ。
ところで、これから
どうするつもりだね。
好きなだけ劇場で、
ゆっくりしてくれていいんだが。

そうしたいところだが、
とりあえず国に戻って、
連中を喜ばせてやらないとな。
彼らが思い描いている夢の世界に、
新しいリーダーを生み出すことができた。
あとはその異界と行き来できるように
アジトで魔法陣の中に扉をつくってやればいい。
ここにはまた、ハロウィンの頃に戻ってくるよ。
迷いの森の近くのせいか、
この土地は私たち魔族に向いているようだ。
それに魔力に目醒めたヴィヴィアンのこともある。
これまで何もしてやれなかったが。
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やはりあの子は魔法使いになるのかな。
血は争えないね。
などと話しているところに、
ジョー軍曹が肉まんを買いにやってきた。

これはハリーさん。
やあ、君はGIジョー君だったね。
こちらの世界にも慣れたかな。
おかげさまでなんとか。
あ、こちらの人は確か。
どうやら噂になってるらしいな。
私の友人のマーリンだよ。
すると、ジャンさんの倉庫から
総統とエルマのフィギアを盗み出した
怪盗ゼロの黒幕。
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黒幕というのは聞き捨てならないね。
とマーリンが言った。
まあ、依頼したのは私だから、
そういわれても仕方ないのだが。
総統のフィギアは、今お返ししよう。
と言って、
マーリンはスーツケースを差し出した。
さるよんどころない事情で
無断でお借りしただけなんだよ。
フィギアの持ち主には、いずれ
お詫びに伺うと伝えてくれたまえ。
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マーリンの声には、
どこか逆らえないような
魔術的な響きがあった。
よくわかりませんが、
返していただけるなら。
ジャンさんに伝えておきます。
とジョー軍曹は言った。
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君もこの店のファンなのか。
よかったら一緒に肉まん食べよう。
とマーリンは言った。
解説)
どうなることかと思いましたが、
総統のフィギアは、
無事にジャンの元に戻るようです。
Aug 23, 2022
そろそろ夏も

サラとアシュレイは
ジルの別荘から帰ってきた。
お土産にとうもろこしを持ってきたようだ。
新鮮だから生でも食べられるのよ。
と言っている。
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やはりこんがり焼いて
バター醤油で食べたい。
と言っている。
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ベーカリー前には、
ヘルミーネも戻っているようだ。
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鈴木すずが
クワガタムシを観察している。
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よく見えないけど、すごい。
それあげるから、
観察して遊んだら
高台で逃してあげてね。
とヘルミーネは言った。
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ベーカリーのテーブルには、
ヴィヴィアンの警護をしている
CGやMI6の面々が集まっていた。
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ヴィヴィアンは、
魔術劇場に来たマーリンと出会い、
彼が実の父親だと知ったこと、
魔法でフィギアを人間に変えたこと、
彼が過激派組織の首領だという噂が
デマだったことなどを話した。
というわけで、
私を拉致しに来たわけじゃなかったの。
マーリンはハリーと再会して仲良く
お酒飲んで泊まっていったわ。
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これで、当面の懸念事項が、
とりあえず解消したわけね。
ヴァンパイアの過激派組織の件。
他に、ヴィヴィアンを狙いそうな
グループってどこかしら。
とアイスが言った。
CGの本部からは、
まだ名前は上がってきてないよ。
でも警戒は続けるべきだと思う。
とルビーが言った。
ヴィヴィアン。
マーリンが実の父親だとわかったって、
言ったわね。
そのことはあなたの胸にしまっておいて。
本部にも伏せておきましょう。
どうして?
ヴァンパイアたちの間の
噂話ならともかく、
それが確定情報として流れたら、
今度は魔族の関心を惹く恐れがある。
スーザンは、とりあえず、
警護体制が続けられると聞いて、
本部に戻らずに済んでほっとしていた。
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ジムはスーザンから又借りした、
コミック本の表紙を眺めている。
解説)
まだ暑い日が続いていますが、
朝夕秋の気配も感じられるようで
過ごしやすくなりました。
Aug 22, 2022
魔術劇場で そのさん
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やがてエヴァがワインを運んできた。
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ねえ。
フィギアが残っているけど。
このフィギア本体が変身したってわけじゃ
ないのね。
ふむ。そのようだね。
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たぶんこの部屋の魔法陣の影響で、
本体が実体化したまま残存したんだろう。
とハリーが言った。
精霊自身の持つ力、かけられた魔術の力、
それにその場所自体に備わる地霊的な力など、
いろいろな要素が結果に作用するんだよ。
要するに、いろいろあって
よくわかっていなかったってことね。
とヴィヴィアンは思ったが黙っていた。
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ともあれ、案件は片付いたようだね。
再会を祝して、愉快にやろうじゃないか。
とハリーが言った。
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やがて、ささやかな宴が始まり、
ハリーは、しきりに好物の屋台の肉まんを
マーリンに薦めている。
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確かにこれは癖になりそうな味だな。
懐かしいルーマニアのひき肉料理の
風味もある。
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そうそう、そうなんだよ。といいながら
ハリーは嬉しそうに笑っている。
その笑顔、子供の頃と変わらないね。
とマーリンに言われている。
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パペが駆り出されて、オルゴールの
「ある愛のうた」を演奏し始めた。
しかし途中で止まってしまったようだ。
誰かヨシフさんの背中のネジ巻かないと。
と言われている。
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ネジまき要員にゼロが顔を出した。
あ、マーリンさん。
やあ、君はここにいたのか。
友人のイリヤがカーミラさんの知り合いで、
カーミラさんが、ここにいれば安全だって、
薦めてくれたんです。
外出が不自由なら、変身させてあげようか。
あ、それはちょっと考えさせてくだい。
とゼロは、パペを見ながら言った。
解説)
細かいことながらパペのこと。
パペはヨシフがぜんまいじかけの人形に、
変身した姿なのでした。
ヨシフは元はマフィアの一員でしたが、
ヴィヴィアンに吸血されて、病院から脱走して
今では魔術劇場に住んでいます。
彼の登場は、2022年6月20日の「夜会 そのご」
あたりから。
Aug 21, 2022
魔術劇場で そのに
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頼みというのは、これなんだが。
と言ってマーリンは、
スーツケースの中から一体のフィギアを取り出した。
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君に断られた場合を見越して、
このフィギアに精霊を宿して、
連中の首領にしてやろうと用意してきたんだ。
リーダーの出現を望んでいる彼らも喜ぶし、
私も噂から解放されるからね。
ただ、首領にふさわしい精霊を宿すには、
君の魔力が必要なんだ。
そんなこと、私にできるわけが。
子供の頃から透視能力ならあったけど、
魔法なんて使えないし、
教えてもらったこともないのよ。
とヴィヴィアンは言った。
君にも魔族の血が流れているんだよ。
なに簡単なことだ。私が合図するから、
思いを込めてフィギアを見つめて、
心に浮かぶことに集中してくれればいい。
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説得されたヴィヴィアンは、
呪文を唱え始めたマーリンの合図に従って、
フィギアを見つめて深く思いを凝らしてみた。
すると体の奥から不思議な力が発動して
身震いするような感覚を覚えた。
周囲に薄い煙が立ち上った。
カーミラは、あらら、と思っている。
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ハリーには、
そのフィギアは、確かに精妙に作られてはいるが、
これまで誰かに長い間愛玩されたり、
執着されたことのない、ありきたりのものに思えた。
そういうものに籠った想念の痕跡を感じ取って、
精霊を宿すことは極めて困難なはず。
しかし、今起きていることは、
彼のこれまでの経験を超えるものだった。
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薄い煙が消えていくと、
フロアにフィギアによく似た
等身大の男性が立っていた。
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ふむ。ここはどこですかな。
とその男性は言った。
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マーリンが杖をかざすとドアが現れ、
男性はおずおずとそのドアから去っていった。
ほんの僅かな間の出来事だった。
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ヴィヴィアン、うまくいったようだね。
それに、君の魔力も新たに芽生えたようだ。
あの人、どこへ行ったんですか?
ヴァンパイアたちの想像する世界だよ。
彼らが共同で夢見る世界といえばいいか。
この劇場の扉は、そんなふうに
異世界と繋げることができるんだ。
そうだろうハリー。
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確かに。
昔一緒に研究した魔法陣の呪法を、
よく覚えていたものだな。
それもそうだが、今の魔法には驚いた。
好きなものに精霊を宿せるってわけか。
随分上達したものだね。
マーリンは楽しそうに言った。
君が魔術劇場なんて啓蒙活動をやって、
忙しく世界中を巡っている間、
ずっと魔法の研究を重ねていたからね。
いやそれは冗談で、
実を言えば、僕の力だけでは
とてもまだそこまではできない。
実際にはヴィヴィアンの力だよ。
フィギアに宿った精霊はヴィヴィアンの
分身のようなものだ。
予想はしていたが、予想以上だった。
とても俄に信じられない。
とカーミラは思っている。
解説)
総統のフィギアヘッドは、
以前ドールショーで、ミニタリー系のフィギアを
扱っていたブースで入手したものです。
こんなふうに使うことがあろうとは。
Aug 20, 2022
魔術劇場で
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ようこそ、魔術劇場へ。
ハリーさんがお待ちです。
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おおマーリン、久しぶりだね。
ハリー。その顔立ち、昔と変わらないね。
変身するにも程があるぞ。
おや、いつもお美しいカーミラも。
それにこのお嬢さんは。
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変身しているがヴィヴィアンだよ。
この娘に会いにきたんだろう。
今君の噂をしていたところだったんだ。
さあ、ちょっと模様換えをして。
とハリーがいうと、椅子の配置が変わり始めた。
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何年ぶりかな。
カーミラとの結婚式以来だったかな。
久しぶりに君の噂を聞いたと思ったら、
過激派組織の首領だとは驚いたよ。
あれは誤解だよ。彼らがそう喧伝してるだけ。
君たち夫婦は別れたって聞いてたけど。
そっちの噂も誤解だ。
ただずっと別居状態だったのは確かだよ。
私はこの魔術劇場で世界中を巡っていて。
そのようだね。
この建物は我々の若い頃の魔法陣の研究の
成果のようだが見事なものだ。

あなたがマーリン。
不躾ですけど、
あなたが私の実のお父さん、
という噂は本当なんですか。
マーリンは、
質問を予期していたかように、
ヴィヴィアンを見つめて、
うん。それは本当のことだよ。
と言った。
君の母親はD伯爵の親族でね。
君を産んでしばらくして亡くなってしまった。
当時魔族とヴァンパイアの女性との
婚姻は掟で固く禁じられていて、
生まれた子供にも危害が及ぶ恐れがあった。
そこで私たちは夫婦で相談して、
ヴァンパイア族の私生児として、
しばらく孤児院に預けることにしたんだ。
頃合いを見て引き取るつもりでね。
しかし妻は亡くなってしまい。

その役目を偶然、
身寄りのないヴァンパイア族の子供を
引き取ろうと探していた
私たち夫婦が担ったということか。
とハリーが言った。
カーミラは
親密そうな二人の表情を見比べて、
本当に偶然だったのかしら、
と、ふと思ったが黙っていた。
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D伯爵の身内だったなんて、
私の実のお母さんって、
すごいエリート階級だったんだね。
とヴィヴィアンが言った。
あなたの感想、そこなの、と言われてる。
今の話、全て納得したわけじゃないけど、
大まかな事情がわかってすっきりしたわ。
みんなで想像してたみたいに、マーリンさんは、
私を強引に引き取りに来たわけじゃない
みたいだし。
そういう噂も流れていたようだが。
と言って、マーリンがマントの中を
探ると、スーツケースが現れた。
実は頼みがあってね。
君がイギリスで起こした吸血事件を知った
一部のヴァンパイアの過激派組織が、
君が昼間でも活動できる新種のヴァンパイアだと知って、
君を是非グループに迎え入れたいと言い出してる。
その組織、あなたが首謀者だって。
それは私の魔力を利用したい彼らの宣伝なんだ。
私は彼らに同情はしているが、
組織のボスを引き受けるつもりはない。
私は純粋な魔族だし。だが君は。

ヴァンパイアの私には、
その資格があるっていうことね。
でも答えはノー。
人間の血を吸うことを協定で禁じられている
彼らの境遇にはすごく同情してるけど、
ずっと考えた結果、結論を出したの。
私、最近はハリーの調合した薬を飲んで、
血を吸わなくても平気な体になりつつあるのよ。
そういうだろうと思っていたよ。
それで頼み事なんだが、
その前に。
と言って、マーリンは杖をかざした。

薄い煙が立ち上ると、
セリアの外見が消えて、
ヴィヴィアンの本当の姿が現れた。
ハリーと同じ魔法が使えるのね。
とヴィヴィアンが言った。
素顔をみると、
君はお母さんにそっくりだな。
とマーリンは
感に堪えぬ面持ちで言った。
解説)
今年の4月半ば(12日)に、
ハリーの魔術劇場が出現して、
5月半ば(17日)にハリーの妻カーミラと、
養女のヴィヴィアンがやってきて以来、
ヴィヴィアンの実の父親との噂があるマーリンが
会いに来るかも知れない、という
話題が何度か上がっていましたが、
ようやく実現しました。
Aug 19, 2022
夏のたより

ジェニーたちの部屋に、
郵便物が届いたところのようだ。

涼しそうな池。
ちょっと時期遅れの
暑中見舞いのハガキだね。
サラからだよ。

またうたた寝してたのね。
いくつもスマートレターが届いてるよ。
中身はみんな本なの?
多分、そうみたい。
涼しい夜中に本読むから、
つい昼間うとうとしちゃうんだ。
と言い訳している。

その頃、魔術劇場では、
ヴイヴィアンが露店で買った
金魚鉢を飾っていた。
逗留しているゼロとも
知り合ったようだ。

これは、涼しそうだね。
と言いながらハリーが
部屋に入ってきた。

君がゼロ君か。
カーミラから大まかな事情は聞いたよ。
まあ、好きなだけここにいるといい。
それより、高台で、
マーリンと会ったんだって?

ええ。待ち合わせ場所に、
この町の高台の休憩スペースで、
と、マーリンさんから指定が。
マーリンが町に来てるのね。
とヴィヴィアンが言った。

ということは、
今夜あたり会えるかも知れないな。
これは楽しみだ。

夜が更けて、
マーリンが広場に姿を現した。
解説)

暑中見舞い用の葉書を
一枚だけ作りました。
今回の2番目の画像のミニ葉書はボケていて、
何が何だかわかりませんが、
この画像を縮小プリントしたものです。
Aug 18, 2022
水辺の夕食

サラが別荘に戻ると、
アシュレイが釣りを終えて休んでいた。
夕食に鯉こく食べる?
あ、冗談よ。これは逃してあげるの。
夕食に管理人さんがバーベキューでも
どうですかって。

二人がバーベキューの準備を
始めたようだ。

午後遅くになって、
とうもろこしのケースを抱えて
ヘルミーネが遊びにやってきた。
いつもお手伝いしている、
農家の人から頂いたの。
と言っている。

日が暮れて
ささやかなバーベキューパーティが
始まったのだった。
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香ばしい香り混じりの煙が
が立ち上っている。
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クワガタムシ採れたの?
ええ。虫っていえば、
農家の人に聞いたんだけど、
あの森で見かけた蝉、迷いの森の方から
たまに飛んでくるみたいだって、
言ってたわ。
トラ模様の変わった蝉だったね。
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とうもろこし追加。
と言っている。

ソローさんって、
ずっと森林公園の管理のお仕事してるの?
公園が一般に解放される前からね。
元はジルさんの別荘の敷地だったんだ。
広いから管理大変ね。
最近はもう一人、丹後権太って言う
人が管理を手伝ってくれてる。
あ、あの背の高い人ね。
実は狸だって噂がある。
本当みたいだよ。気にしてないけど。
などと雑談が進むうちに。
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やがてほろ酔い気分になった
アシュレイは勢いで池に飛び込んだ。
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ソローさんもおいでよ。
と言っている。
解説)
こう言う水場の撮影では、
偶然最後のショットのような、
光の効果が面白い画像が
とれたりするのが楽しいところです。
Aug 17, 2022
郊外の散歩 そのに
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アシュレイは無心に釣りをしていた。
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サラとヘルミーネは森に分け入っていた。
変わった蝉の声が聞こえる。
と言っている。
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あそこにとまってるよ。
どこどこ。よく見えない。
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腹にミツバチのような模様のある、
風変わりな蝉だ。
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蝉は飛んでいってしまった。
サラは、
これからクワガタムシを探すというヘルミーネに、
私たちこの近くのジルさんの別荘に、
いるから、後で遊びにおいでよ、
と言って別れて、森を抜けてきた。
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草原に小川が流れている。
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迷いの森の方角から
流れてくるようだ。
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これが昨日ジルさんの言っていた、
人工の水路なのかな、
とサラは思った。
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ちょっと草臥れたので、
花陰で一休み。
解説)
謎の蝉は、ゴム製のミツバチの
玩具に細工して作りました(^ ^)。
Aug 16, 2022
郊外の散歩

翌朝、サラが起きて
外に出ると、池で
アシュレイが釣りをしていた。
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今日もいい天気だね。
と言っている。
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早くも収穫があったようだ。
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サラは暑くならないうちに、
散歩に出かけることにした。
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なんと言っても緑がきれい。
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こう言う脇道を見ると、
入って行きたがる人もいる。
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誰かやってくる。
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あれは確かヘルミーネ。
魔術劇場に住んでいる人だ。
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こんにちわ。
あなた、ヘルミーネさんね。
昨日ベーカリー前で
露店のお手伝いしてたでしょう。
私はサラ。サラサラのサラです。
あ、バナナ買ってくれた人ですね。
そうそう。こんなところで出会うなんて、
珍しいね。昆虫採集してるのかな。
そうなんです。
わたし自然が好きで、郊外にはよく来るんですよ。
今日は、露店に来てたランドセルの女の子に
クワガタムシが見たいって言われて、
採ってきてあげることにしたんです。
解説)
久しぶりに午前中に
近くの中央公園まで出かけ、
撮影を兼ねて散歩してきました。
Aug 15, 2022
夏といえば そのはち

私ね。
自分があなたの作ってくれたフィギアに宿った、
精霊だって言うこと、ずっと考えていたの。
それに、私たちの暮らす世界が、
あなたたちの夢が生み出した世界だって言うことも。
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あなたは、あなたたちが現実って呼んでいる
この世界を捨てて、私たちの暮らす世界に住める?
逆に、私が自分の住む世界を捨てて、
こちらの世界で生きることができると思う?
捨てなくてもいいんじゃない?
君はもう僕らの夢の中だけの登場人物じゃなくて、
これからは自由に行き来できるんだから、
住んでる場所が違うだけだよ。
とジルが言った。
そう言うことじゃないの。
とエルマは小さな声で言った。
これまでだって、向こうの世界で
私は自由に楽しく暮らしていた。
ただ本当のことを知ってしまうと、
変わってしまうことがあるのよ。
それがどんなことであれ、
きっと君は上手くやっていけるよ。
そんなふうに僕が願って作ったんだから、
とジルが言った。
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蝉の声が途絶えがちになり、
水音だけがささやくように絶え間なく響いていた。
夜も更けてきたようだね、
ジャンの倉庫まで送るよ。
とジルが言った。
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別荘の部屋ではサラとアシュレイが
くつろいでいた。
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ジルさんたち、お似合いだね。
遅くならないうちに送っていくって
言ってたけど、まだ池のそばにいるのかな。
邪魔しちゃ悪いから見に行かないけど。
あ、アシュレイ、着替え持ってきたんだ。
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うん。用意周到でしょう。
ジェニーからの借り物だけど。
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バスタオルも干さないとね。
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ドアをノックして管理人がやってきた。
ジルさんたちは帰られたようです。
夕食はどうしますか。
ここ、郊外だからアルのビストロの近くよね。
でも今日はなんだか疲れちゃったし。
ビストロからピザ取りましょうか。
そうだね。管理人さんも一緒に
食べましょうよ。
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3人はささやかな
ピザパーティを開いたのだった。
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サラからエルマの身の上話を聞いた
管理人は驚いている。
その顔、驚きすぎでしょ。
と言われている。
解説)
池の周りには、
小さな照明もセットされていて、
夜の風景を少しだけ盛り立てています。
別荘の部屋の小物類は、
どれもこれまでの使い回しで、
今回はバスタオルだけ、
古いタオルを裁断して作りました。
Aug 14, 2022
夏といえば そのなな
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大きな魚が泳いでいる。
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きれいな鯉もいるようだ。
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もう夢中になっちゃって。
とサラが言っている。
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冷たくて気持ちいいよ。
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アシュレイが、
足を引っ張ったので、
サラは池に飛び降りた。
冷たくて気持ちいいでしょ。
と言われている。
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確かに。
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ジルさんたちは泳がないんですか。
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今日はやめとくわ。
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ひとしきり遊んだ後、
体が冷えてきたので、
サラたちは岩棚に上がって
陽を浴びている。
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絶え間ない流水の奏でる水音と
蝉時雨の中、夏の午後が
平穏に暮れようとしていた。
解説)
例によって、ポリ容器の水を
水替えポンプを使って、循環させています。
Aug 13, 2022
夏といえば そのろく
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すてきな場所ね。
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ここにくる前、
町でみんなと話していたんだけど、
ジルさんは、エルマさんのために
いくつものこう言う別荘や
今では森林公園になっている
施設を作ったんですってね。
エルマさん、喜んでくれたでしょう?

だとよかったんだけどね。
見にくる前に別れちゃったから。
とジルは言った。
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その頃、別荘の部屋では
サラたちが着替えを済ませていた。
いざ出陣、と言っている。
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ジルさんとエルマさんが来ているよ。
でもエルマさん、どっか変な感じなんだ。
ドイツ軍士官のコスプレしてるし。
あ、あの人はね。
別人なの。話せば長くなりすぎるから、
今は説明しないけど、双子の片方だと、
おもってたらいいよ。訳は今度話すから。
とサラが言った。
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こんにちはジルさん。
エルマさんも、また会えたわね。
サラと、さっそく遊びに来ました。
やあ。僕たちもさっき着いたところだよ。
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アシュレイは、シュノーケルをつけると、
勢いよく池に飛び降りた。
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ここの水、すごく澄んでいてきれい。
迷いの森の近くで地下水を汲み上げて、
人工の水路で引き込んでるからね。
とジルが言った。
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アシュレイはさっそく
シュノーケリングを始めたようだ。
解説)
ようやく水遊びに。
Aug 12, 2022
夏といえば そのご

ジャンの別荘では。
入り口はこちらです。
と言われている。

アシュレイは、
照明器具を運んでいる
森林公園の管理人のソローに出会った。
この別荘の管理人に声をかけられて、
手伝いに来ていると言う。

二人は別荘の部屋に通された。
ずっと使っていなかったので、
半分物置みたいになってましたが、
ざっと掃除しておきました。

ランプや釣りの道具や毛布、
バーベキュー用の器具なども
保管されているようだ。

缶ビールも用意しましたよ。
至れり尽くせりね。
どうも、お世話様。
ずっと暇だったもんで。

このお花も活けてくれたみたい。
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そうこうしているうちに、
ジルとエルマが到着した。
やあソロー君。
ジルさん、あ、エルマさんも、
ご一緒なんですね。
お久しぶりです。

二人はさっそく池の景観を楽しんでいる。
夏の盛りだが、木陰から、
時おり池の水気を含んだ涼風が通い、
蝉がしきりに鳴いている。

管理人が挨拶をしに来た。
ご連絡いただいていた通り、
サラさんとアシュレイさんがお見えです。
今部屋で休憩されているご様子ですが、
間もなくいらっしゃるかと。

さっき挨拶したけど、
エルマさん、なんか怪訝な顔してたよ。
まるで初対面みたいな感じで。
今年の初めに町で見かけて、
ちょっと立ち話した時は、
気さくな感じだったのに。
とソローが言った。
解説)
管理人もソローも、
別荘に来たエルマが本人ではなく、
フィギアから生まれた精霊だと知らないのでした。
ソローが言っているのは、
2022年1月22日「春節にむけて そのご」
に出てくるワンシーンです。
その前にエルマが登場したのは、
2021年7月25日や、7月26日「映写会まで」で、
写真展を見に来てアルと立ち話するシーン。
本物のエルマは、ごくたまに町に
顔を出していたのでした。
Aug 11, 2022
夏といえば そのよん

ベーカリー前では、
エルマを囲んでの飲茶の会も終わり、
屋台のテーブルでは、
サラたちの部屋から戻ってきたジルが
エルマと話している。

この子、ドラコって言うんだよ。
その名前、誰がつけたの?
ルビー。
肉まん、いくらでも食べるね。
などと言っている。

露店では、チンパンジーが、
店番を手伝っていた。
鈴木すずにバナナを渡そうとしている。

昨日、「ギルダ」っていう映画をみたんだ。
とジャンが言っている。
1948年に作られた有名なアメリカ映画ね。
そういえば、主演の女優さん、
君と同じ名前だったなって、思い出しちゃって。

偶然の一致ね。
とリタは言った。

何読んでるの?
「キャップテン・アメリカ」。
読み終わったら見せてね。
とジムがスーザンに言っている。

これから郊外のジャンの家まで
送っていきますが、
まだ日が高い。もしよかったら、
ちょっと寄り道して、
僕の別荘にでも寄ってみませんか?
小さいけど眺めのいい池があって、
ちょうどサラさんとアシュレイさんが、
遊びに行ってるはずなんです。
とジルが言っている。
ちょっと緊張しているようだ。

楽しそうね。
いいわよ。
とエルマは言った。

ドルフィンでは
車が出借りられなかったので、
二人はペスパを借りて
行くことにしたのだった。
解説)
なんやかやと
寄り道しながら
進んでいます。
Aug 10, 2022
夏といえば そのさん

サラとアシュレイの乗った
オープンカーは、
ジルからもらった地図を確かめながら走り、
郊外の小さな別荘前に到着した。

管理人が椅子を運んでいるようだ。
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やあサラさん、こんにちわ。
ジルさんから、お話は伺っています。
いま準備していたところです。
と管理人は言った。

サラが管理人の後から階段を登ると、
そこには人工の池があった。
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ちょっとした木陰で、
涼しそうね。
とサラが言った。

管理人がどこかで装置のスイッチを入れたらしく、
岩の斜面を水がつたって、
池に注ぎ込み始めた。

二人は椅子に座って
雰囲気を楽しんでいる。

池の中には魚の姿も見えるようだ。
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あの苔むした石は、
水面に浮かんでるみたいですど。
ご存じのように、
この池は、ジルさんが別荘用に作られた
人工の池で、あれも人工の軽石なんです。
ジルさんはいくつも別荘をお持ちですが、
ここはその一つ。
小さなひなびた山小屋のような作りですが、
寝泊まりもできますので、
どうぞごゆっくり。
と管理人は言った。
解説)
今年はどうしたものかと思っていましたが、
結局、居間にポリ容器を持ち込んで、
簡単な情景セットを作ってみました。
Aug 09, 2022
夏といえば そのに

このシュノーケルも持ってくの?
うん。
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バナナを買ったサラが戻ってきた。
あ、サラ、ちょうどよかった。
ジルさんから別荘の鍵借りたんだけど、
姉のメアリー=ケイトが、
急に来られなくなっちゃって。
だから二人でいこう。
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二人はさっそく身支度を整えた。
ケイに、
どこかで見たファッションだね、
と言われている。
ベーカリー前で観光客の人たちが着てたの
涼しそうだったから真似したの。
とアシュレイが言った。
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二人はさっそくベーカリー前まで出かけて、
ドルフィンで、オープンカーを借りた。
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郊外のジルの別荘に遊びに行くというと、
リタが羨ましがっている。
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二人の姿に気がついたジルが、
軽く手を上げている。
農家の人は売物のバナナを食べているようだ。
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やがて車は、一路、
郊外のジャンの別荘に向かった。
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この道でドライブするの久しぶりだね。
掃除したり外でロケするの大変だからね。
と誰かが言った。
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ジルさんに、エルマを誘えばって、
言っといたから、来るかもしれないよ。
ふうん。来るといいね。
解説)
ということで、今年も池で水遊びを。
Aug 08, 2022
夏といえば
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ジルさん。覚えておいでかしら。
去年の夏は、別荘の鍵をお借りして、
姉のメアリー=ケイトと二人で、
別荘近くの池で楽しませてもらいました。
ああ、それはよかったですね。
別荘の鍵はいろんな方に貸したので、
みなさん利用されたようです。
ええ、ええ。池は結構賑やかでしたよ。
今年はどんな様子ですか?
あの仕掛けのついた池のある別荘は工事中なんです。
でも、近くに別の小さな別荘もあります。
そこでよければ、今年もどうぞお使いください。
管理人にも言っておきましょう。
と言ってジルは簡単な地図を書いて、
別荘の鍵と一緒に渡してくれた。
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ありがとうございます。
夏といえば水遊びの季節ですからね。
ジルさんも、エルマさんを誘って、
おいでになればいいのに。
とアシュレイは言った。
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屋台の前のテーブルでは、
相変わらず歓談が続いていた。
エルマって手が白いのね。
ずっと手袋してたからね。
などと言っている。

ここの肉まん美味しいですね。
この前お土産に買って帰って、
すっかりファンになりました。
そうでしょうとも。

アイスはエルマに写真を見せている。
こっちの世界で気がついた時、
近くでこの人たち見なかった?

この二人、すぐ近くにいたわよ。
高台で、突然意識が戻って、
何が起きたんだろうって思っていたら、
ちょうどサラがシャボン玉を吹きにきて、
そばにきたサラと話してたら、
この二人も何か相談してて、
サングラスの人が、私に、
「君、帰りたくなったら自分で倉庫に戻れるよね。」
って尋ねたの。
サラがジャンさんの家の倉庫までなら、
私が案内するって、すぐに言ってくれて。
サングラスの人は、
「じゃ、そういうことでお願いします。」
「すごい魔法をみせてもらいました」
って、老人に言って、立ち去っていったの。
その後、私たちも老人と別れて、
サラの家に行ったの。

やっぱり。
サングラスの青年は、ゼロっていう怪盗で、
マントの老人は、魔法使いのマーリン。
ゼロが、フィギアだった君を盗み出して、
マーリンが魔法で今の姿に変えたんだ。
とジャンは言った。

サラは、ジャンから、
エルマやジョー軍曹の住む異世界と
この世界とのつながりのあらましを
教えてもらって、驚きの連続だったが、
とりあえずエルマにサングラスも返せたし、
部屋に戻ることにした。
このバナナ甘いですよ。
試しに一口、どうですか。
と言われている。

甘いバナナを一房買ってしまった。
このワッペンつけてたら、
いいことが起こるって言ってたけど、
こういうことかな、とサラは思っている。
解説)
サラは旧交を暖めているエルマたちが、
自分に気を使ってくれるのを気にして、
早めに退散したのでした。
サラには、どうもそういうところが
あるようです。
Aug 07, 2022
異世界の話など

アンに、
サラーム。と言われて、
アゼルバイジャンの観光客は、
感動している。
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サラが屋台の方の人だかりを
眺めると。

大きなテーブルが用意されて、
みんなで歓談している。
エルマもいるようだ。

エルマの知り合いが集まっているのだった。
エルマにサングラスを手渡したサラも、
その輪の中に入れてもらった。
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今年はスイカのワンピース着てないの?
あれはね、ちょっと派手だったので。
ところでエルマ、初めてジルさんにあったんでしょう。
実際のところどうだった?
想像してた印象と随分違ったわ。
元恋人のフィギアを自作するなんて、
もっとオタクっぽい人かと思ってたけど。
ジャンさんみたいに?

みんな、うんうん、という感じで納得している。
ジャンだけは、ちょっと固まって聞いていた。
サラは、ここでは自分だけ部外者なんだ。
と思っている。

あ、サラは、
これまでのいきさつを知らなかったんだね。
とアイスがいった。
みんな去年起きたことなんだ。
とジャンは、少し長くなるけど、
と言って解説してくれた。
僕は今もそうだけど、
郊外の倉庫付きのバービーハウスに住んでいた。
フィギア集めとジオラマの撮影が好きで、
庭にジオラマの村を作って遊んでいたんだ。
去年の夏に、フィギアを買った帰り、
ベーカリーで、初めてたまきさんと知り合った。
それからたまきさんとナオミさんが、
うちの庭に遊びに来るようになったんだ。
そんなある日、
倉庫で3人で夢見の水を飲んでいた時、
ドアから突然、ドイツ軍兵士たちと、
エルマがやってきた。
入口のドアが、なぜか異世界と繋がったんだ。
次の時にはにジョー軍曹と米兵がやってきた。
たまきさんは軍曹を追っていったんだけど、
しばらくしたら戻されてしまった。
やがてリリスっていうフィギアの精霊が現れて、
異世界のことを教えてくれた。
異世界は僕のジオラマの村と、
そこに配置したフィギアたちの暮らしが、
みんなの夢見る力で現実になった世界だったんだ。
町で写真展を開催したのもその頃だ。
それは、サラさんも知ってると思う。
僕の庭のジオラマの村は、すっかり有名になって、
いろんな人が見学に来るようになった。
リリスを写真展に連れていったり、
村に彼女の住む家や酒場を作ってあげたことで、
リリスがお礼に倉庫からその酒場に行き来できる
魔法のドアをつけてくれた。

魔法のドアで異世界と行き来できるなんて、
ファンタジー小説みたいなお話なのね。
まだ続きがあるんだよ。
とジャンが言った。
その後、異世界に、怪物が現れたんだ。
モモコさんの夢の世界が異世界に融合したらしく、
一度はモモコさんが退散させたんだけど、
怪物は毒虫を放って再び村を襲ってきた。
結局、助っ人を頼まれたアイスさんが行って
怪物を退治したんだ。
スペクタクルだったのね。
とサラが言った。

その頃、ジルは、
サラたちの部屋に来ていた。
エルマさんのサングラスですか。
サラが届けに行きましたけど。
あ、行き違いだったか。
解説)
ジャンの解説は、
ジャンとたまきが初めて出会った、
去年(2021年)の6月30日「新しい出会い」から、
9月19日の「秋のきざし」まで、
こちらの世界の住人たちと、
ジャンのジオラマから生まれた異世界との
交流を描いた一連のエピソードの要約なのでした。
目次の2021年6月30日「新しい出会い」から続けて見ると、
途中に写真展やら、水遊びなど、
色々別のエピソードも混じっています(^^)。
Aug 06, 2022
エルマのサングラス
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部屋に戻ったサラは、
変わったワッペンつけてるのね、
とアシュレイに言われている。

あ、そのサングラス。
机の上にあったんだ。
エルマが忘れていったみたい。
とケイが言った。

まだ間に合うかもしれない。
私ベーカリー前まで
届けにいってくる。
とサラが言った。
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ベーカリー前では、
エルマ関係の人で賑わっていた。

連絡したらモモコは留守だったけど、
たまきとナオミは、
すぐこっちに来るって言ってたよ。
とリタが言った。
君、サングラスどうしたの?
とジルが訊いている。

あ、サラの部屋に忘れてきたみたい。
じゃあ、僕が戻ってとってこよう。
とジルが言った。
優しいのね。と言われている。

ジョー軍曹が、エルマさーん。
と言った。

この前、お土産に買って帰った肉まん、
この奥の屋台で売ってるんです。
食べませんか。

しばらくして、
サラがベーカリー前に
たどり着いた。
解説)
ジョー軍曹が、この前、と言っているのは、
今年(2022年)の4月末のことで、
4月29日「春たけて そのに」に、ジョー軍曹が、
お土産を買って帰ったことが話題になっています。
ジョー軍曹は、ジャンの倉庫を訪問した
魔法使いハリーによって、
フィギアから人間の姿に変えられて、
こちらの世界にしばらく滞在していたのでした。
4月22日「新緑の頃 そのさん」から
その様子が描かれています。
Aug 05, 2022
懐かしい人たち
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このバナナ、甘いですよ、味見してください。
と言っている。
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このとうもろこしも採れたてで、
生かじりしても美味しいですよ。
と言っている。
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アイスは、エルマの姿に気がついた。

久しぶりだね。
アイスさん!
やっぱりこちらの別世界で、皆さん
お元気に暮らしていらしたんですね。
とエルマが言った。
かって、アイスは異世界で怪物退治をして、
住民たちの危機を救ったことがあったのだった。

ジャンも広場に来てエルマを見つけたようだ。
ジョー軍曹から突然いなくなったって聞いて、
心配してたんだよ。
倉庫の君のフィギアも盗まれててね。
それが原因じゃないかって、
探偵事務所で相談してたんだ。
でも見つかってよかった。

そこにペスパが走り込んできた。

乗っていたのはエトナとジョー軍曹だった。
二人は、エルマが見つかったと連絡を受けて、
急いで倉庫からやってきたのだった。

エトナもエルマと再会するのは
異世界の村を訪問して以来、
久しぶりのことだった。
エトナ、久しぶりね。
ドイツ兵の間では、あなたのプロマイド、
今でも引っ張りだこよ。と言われている。

村のみんなに無事が伝わったようなので、
急いで帰らなくても良くなったみたい。
たまきやナオミにも会ってみたいし、
私、もう少しこの町にいることにするわ。
とエルマは言った。
ジルは、二人でドライブできなくなったのが
ちょっと残念だったが、
そうだね。そうするといいね。
と言った。
解説)
ゆっくり推移している、
といういつもの感じです。
Aug 04, 2022
昆虫のワッペン

ジルとエルマを見送りに出たサラが、
帰りがけに高台に寄ってみると、
ベンチには、まだマーリンが座っていた。
シャボン玉セットをありがとう。
おかげで子供の頃に帰った気分を味わえたよ。
お礼にいいものをあげよう。
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サラは胸に昆虫のワッペンをつけてもらった。
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水やりを済ませてルルが戻ってきた。
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それなんの虫?
太ったミツバチみたいに見えるけど。
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それは、珍しいセミの仲間なんだよ。
つけてると、きっといいことがあるよ。
とマーリンは言った。
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ベーカリー前はいつもの賑わいだった。
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ジルはドルフィンのスタッフのリタと
車を借りる交渉をしている。
二人乗りのしかないけど、いいかな?
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露店では、金魚鉢が売り切れたので、
本業の夏野菜やバナナを売っている。
エルマが早速興味を惹かれているようだ。
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鈴木すずは熱心にケースの蓋の
ガラス窓を覗き込んでいる。
解説)
最初に出てくる昆虫のワッペンの話は、
最近拝見したばかりの、
清水麟造さんの新しい幻想小説「トラセミ・バッジ」
から影響を受けています(^ ^)。
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こういうケーキを貰ったので、
これは使わなくては、と思ったのでした。
Aug 03, 2022
ポニョの妹とエルマとジル
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夏といえば金魚鉢と麦茶ね。
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ベーカリー前で
農家の人が金魚鉢売ってたけど、
これは別物。
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ポニョの妹が住んでいるのだった。
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黒猫のマリアが挨拶している。
クロコ、悪戯しちゃダメよ。
と言われている。
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その頃、サラたちの部屋を
ジルが訪問していた。
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あなたがジルさんね。
元恋人の姿に似せて私のフィギアを作ってくれて、
そこにあなたやみんなの想念が宿って、
異世界で私が実体化したって、以前ジャンさんが言ってた。
それから、ずっと会いたいって思ってたの。
とエルマは言った。
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ギリシャ神話のピュグマリオンの夢が
実現しちゃったみたいな、
ややこしいけど、なんともいえない話だね。
とケイたちが話している。
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ジャンから元気だって聞いてたけど、
元気そうで良かった。
と、ジルは緊張して話している。
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町にいるエルマの住所は僕も知らないんだ。
ずっと会っていないし。
そっか。でもきっと、そのうち会えるよ。
いつでも来られる姿になったんだし。
今日のところは、いったん戻った方がいいんじゃない?
きっと蒸発したって、みんなで探しているでしょ。
じゃあ、ジャンの家の倉庫まで、僕が車で送るよ。
とジルが言った。
解説)
なぜ、ジェニーたちの部屋の、
金魚鉢にポニョの妹がいるのかと言うと、
それには古い歴史があります(^ ^)。
2008年の夏に、たまきとナオミが、
リカちゃんのおばあさんの家に遊びに行った時、
弱っていたポニョの妹を海辺で見つけたのでした。
2008年8月25日の
「おばあちゃんの家 ポニョの妹」
に、最初の出会いが描かれています。
2008年9月14日の
「おばあちゃんの家 帰宅」には、
持ち帰ってきた様子が描かれています。
この番外編も含めた全17回の
「おばあちゃんの家」シリーズは、
目次から見られます。
Aug 02, 2022
8月の金魚鉢売り
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ベーカリー前は
そこそこ賑わっていた。
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「ある愛のうた」聴きたいですか。
背中のゼンマイ巻いてください。
と、パぺはすまなそうにいっている。
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オルゴールの「ある愛のうた」が、
流れている。
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広場でたまに見かける人が露店を出していた。
ヘルミーネが手伝っているようだ。
ヴィヴィアンに、あら珍しいわね。
と言われている。
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私自然がが好きなので、
よく郊外に散歩に出かけてるうちに、
こちらの農家の岸さんと知り合って、
お手伝いすることになったんです。
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金魚掬いではありませんよ。
お好みの金魚を選んでもらって、
金魚鉢ごと売っているんです。
ヘルミーネさんのお友達なら、
お安くしますよ。
金魚はうちの池で育てたんです。
あ、私は岸芳樹と言います。
いつもベーカリーや屋台に
新鮮な野菜や果物を提供しています。
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ふーん。
金魚鉢か。夏らしくていいわね。
とヴィヴィアンは言った。
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鈴木すずが、
ケースの中をを覗き込んでいる。
これはなあに?
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うちの用水池にいたタガメです。
肉食で水生昆虫の王者と言われています。
昔は水田などに普通にいましたが、
今では絶滅危惧種で、
販売目的の捕獲、売買は禁止されているので、
売り物じゃありませんよ。
何食べるの?
カエルやメダカやドジョウ。
すご。
解説)
今回は、ちょっと休憩のような
夏の情景でした。
最後のアイテムは、
ユージンの「たのしい、飼育当番。その3」
の「タガメ」です。
2000年代前半の、
セブンイレブン限定のガチャのアイテム
だったようですが、詳細は忘れてます。
Aug 01, 2022
エルマの去就 そのに
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ゼロは、一旦喫茶店で別れたイリヤたちと
待ち合わせをしていたのだった。
ここ、すぐわかった?
なんとか。とゼロが言っている。
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ゼロさん、仕事終わったんでしょう。
下の広場でドラゴンの子供やロボットでも
見物していけば?
いや、そうもしていられないんだ。
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カーミラさん、さっき喫茶店で話していた時、
フィギアを人間に変える魔法の話をしてたよね。
その現場を見せてもらっちゃった。
え、やはりそのために。そんなことができる人って、
あなたの依頼主って、マーリンだったの?
そうそう。それでね、
マーリンは女性士官のフィギアを人間に変えたんだけど、
嬉しそうにシャボン玉を吹く彼女を見ているうちに、
また元のフィギアに戻す気になれなくて、
人間の姿のまま解放してあげたんだ。
彼女が人間になって郊外の倉庫に戻れば、
持ち主は驚いて何が起きたのか知ろうとするはずだ。
だから、あまりゆっくりはしていられない。
そうか。いいことしたのに残念ね。
いいこと?総統のフィギアは盗んだままだからね。
それにも何か事情があるんでしょう。
そうだ。急いで身を隠すなら、いい場所があるわよ。
絶対安全だし、部屋もいくらでも空いてる。
そんな場所どこにあるの?
魔術劇場の中。
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その頃、サラたちの部屋では、
サラが連れてきたエルマが注目の的だった。
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ゼロがあれこれ想像したのとは違って、
フィギアの盗難とかマーリンの魔法による変身、
といったことは、
サラとエルマにはほとんど関心がなかった。
というよりも、二人とも何が起きたのか
知らなかったのだった。
エルマにとっては、自分はあくまでも
米軍とドイツ軍兵士が協力して暮らす村の住人で、
気がつくと、ジョー軍曹たちから聞かされていた別世界に、
自分が突然出現していたことだけが驚きの現実だった。
サラにとっては、そもそもこの軍服のエルマは、
これまで時々町で見かけていたエルマとは別人で、
噂に聞いていたジャンの倉庫の扉から行けるという
異世界のの住人だったらしいと判った程度なのだった。
二人の話し合った結論は、
異世界にいたエルマが何かの事情で意識を失って、
多分夢遊病状態にでもなって、魔法の扉を開けて
こちらの世界に迷い込み、さまよった挙句、
町の高台にある休憩スペースで気がついたらしい、
ということだった。
いなくなって探してるかもしれないから、
ジャンさんに連絡してみるね。
とサラは言った。
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ジュース飲みますか?
ありがとう。
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ジャンさん、なんだって?
驚いてた。エルマのフィギアがどうとか。
見つかったのはエルマ本人なのにね。
あと、誰に連絡してたの?
ジルさん。
エルマが会ってみたいっていうから。
こっちの世界に住むエルマさんにも
会って見たいって言うんだけど、
私連絡先知らないから。
そういえば、あの人どこに住んでるのか、
みんな知らないね。
エルマは、ジュース美味しい。
と言っている。
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探偵事務所では、
サラからの連絡を受けたジャンが
みんなに話していた。
見つかったのは良かったけど、
エルマのフィギアじゃなくて、
エルマ本人だっていうんだ。
出会った時、側にマーリンっていう
マント姿の老人とサングラスの青年が
いたって言うから、
フィギアがマーリンの魔法によって、
実体化したってことかな。
でもせっかく盗んだフィギアを
人間にしてから解放したってどういうこと?
ミュー君、どう思う?
情報不足で推測不可能です。
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喫茶ペンギンの前では、
散歩中にサラからの連絡を受けたジャンが、
思案げに佇んでいた。
本物じゃなくて、
軍服姿のエルマが僕に会いたいって?
エルマのフィギアだったら、
ジャンのジオラマの異世界で暮らしてる
はずだけど、出てきちゃったのか。
なんか緊張するなあ。
解説)
早くも8月
話が相変わらず混線気味に進んでいます。