Feb 26, 2005

透明なトランク(1999.8.17)


ドラゴンフライは
ボンネットの上でのんびり
これからつるつるの車体は
街を映す

透明なトランクを持って
君が向こうに行くのはいつかな

手をこうして広げて
道をじぐざぐに行くのは
大人のすることじゃない
でも
手を羽にして
そうして
この1丁目から2丁目に入るように
透けた境を行って

それからおもむろに
もう何万年もいないように
たんに
つるつるのボンネットが
246を走るのは
なんか
つーんと
途方に暮れる
木偶が走っているような僕だ
透明なトランクの中身が
透明な荷物であることは
しごくもっともで
途方に暮れる

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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