Feb 26, 2005

銀色の迷走(1998.4.14)


ある飛行機が
制御不能になったという
計器盤は全部狂ったという
パイロットは
あまりおかしいので
腹を抱えて笑っていたという

町角から町角へ
それぞれ獣たちが
奇態な風習により
ぼこぼこ皮膚をたたいている
希塩酸や
血の霧が
ぼうぼう街に満ちる

お眠りなさい
虹の風よ
君の好きな人があつらえた
ラベンダーオイルの匂いのする
枕に虹を拡散させましょう

巨大な耳を持つ
僕たちの街から
それぞれの角を曲がると
また優しい夏や冬の実が
ぶら下がっているかもしれない

すべての街の窓ガラスは
銀の飛行体が躍っているのを
映していたという

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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