Feb 26, 2005
鯛焼き(1997.11.18)
やがて地下鉄電車は
渋谷駅に入った
人々は青い椅子や白線のところに
たむろして
ドアが開くのを待っている
僕は人の出入りは気にせずドア付近で
ぼんやりしていた
ちょうど目の前は階段の下だ
OLふうの女性がふたり
鯛焼きを袋から出し
熱いので手の上で跳ねさせている
やがて鯛焼きは同時にふたりの口に入る
「おいしいね」
と言ったのが
唇の動きから
わかる
電車は急行に乗るために待っている人を残し
闇に入っていく
WriteBacks
http://haizara.net/~shimirin/blosxom/blosxom.cgi/poem/poem074.trackback
writeback message: Ready to post a comment.