Feb 26, 2005
ある駅の陰(1997.2.18)
時折り
ある駅前の街が浮かんでくる
黄色と黒の遮断機
質屋のガラスケースの古いギター
額のあたりに木漏れ日をまだらに受けて
歩いている駅前の
街が
噴水が黒い水を夕陽に
すすけた屋根が続いていた
管から噴いていたもの
いつごろから水たまりを作ったのか
右のこめかみ
駅に上る階段の陰が
庇のように連なってくる
見られていたのだろうか
そうは思えない
あの人が現れるのは
まだずっと後だった
小さな響きが始まるのは
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