Feb 26, 2005

黄色いネオンと白い皿(1997.9.9)


火を使っていないのに
換気扇が回っている
曇りガラスの向こうには黄色いネオンが
ちかちかして
じれている

わけありの空白

罅のなかに醜のヴィジョンが
ほぼ等間隔で並んでいる

櫂を一突きすると
船は瀞にすーっと動き
細い竹藪に舳先は流れる

わけありの
しとねでは
映画のなかで
わけありの男女は
血を見るが
いま
台所で
換気扇が回って
インスタントコーヒーの粉を
カップに入れている
白い皿に
クリームを一筋流してみる
その皿にネオンがちかちか
またたいて
タバコを夜中にふかす
静物の図柄だ

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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