Mar 11, 2025
図書館への散歩

ジェニーたちの部屋の遅い午後。
今日は曇りで気温も低い。

暗くならないうちに、
図書館に行ってくるよ。
もう返却日なのね。

文学青年は
高台の休憩所を通過する。
寒いですね。
傘持った?
怪しい天気よ。

曇りの日は紅梅が映えるなあ。

図書館前には椿が咲いていた。

図書館前の日時計のある場所では、
隣の敷地の梅が満開だった。

ここは熊川分水にかかる小さな橋。
漣に木立の影がぼんやりと滲んでいる。
寒寒としていて、
いかにも冬の風情だなあ。

文学青年は帰りがけに
広場に立ち寄った。

いつもお買い上げありがとうございます。
とレイに言われている。

おかえり。
寒かったでしょ。
歩いてるとそうでもないよ。
汗ばむくらいだ。
あ、肉まんは一人二個ずつだよ。
解説)
続きます。
Feb 11, 2025
メイズとの会話など

二人は回廊を歩いていた。
急な提案を受けてくれてありがとう。
あなたにはこの船にも
専用の個室を用意させてもらうから、
自由に使ってね。

ここは会議室の一つ。
みんな酒場エデンに行っちゃうので、
ここを使うことは滅多にないけど。

これは。
この船には地球オタクが多いから、
美術館や博物館のようなエリアもあるの。
もちろん地球から盗んできたものではなく、
全て精巧なレプリカよ。

酒場エデンで映画を上映してたのは見た?
通りすがりにちらっと見ましたが。
地球人の映画の登場人物のコスプレをする連中もいる。
ふーん。

文明の進化で平和と長寿を手に入れて、
平穏な日々をどう過ごすかという
テーマを抱えている惑星もある。
趣味や芸術の創作に没頭したり
仮想世界を構築して冒険したり
転生を楽しんだり。
もちろん彼らにしてもこの宇宙の謎を
全て解き明かしたわけじゃないから、
フロンティアとして宇宙を旅するものもいる。
そんな彼らにとって
異質な惑星文明との出会いは
色んな意味で刺激になるの。
あなたたちの星の観光に
人気があるのにもそれなりの理由がある。

なるほどねー。
子供が積み木遊びでもしてるみたいに
見えるんでしょうか。
それはそれぞれでしょうね。
科学文明の進展の様子を見てるのも楽しいけど、
エレナみたいに芸術文化に興味を持つものもいる。
ルースのように自分たちの起源を
探索する目的で来るものもいれば、
シベールやノヴァのように
魔族の持つ精神的な力に興味を持つものもいる。
そういえば同じ地球人とは言っても、
人間と魔族は別種と言えるかもしれないわね。
数千年前に死んで魔法で蘇生した
フミコという魔族の女性が、
あなたに呪力を授けたって聞いたけど。
ええ。確かに。
ヴィヴィアンに蘇生の呪文を伝えた
お礼だって言ってましたけど、
なぜそこまでしてくれたのか謎なんです。
それは普通の人間だったあなたに、やはり
人間と魔族の調停者になって欲しかったんじゃ
ないかしら。
そうなんでしょうか?
なんとなくそんな気がするだけだけど。
あ、随分引き留めちゃったわね。
カーミラさんも一緒なんでしょう。
そろそろ地球に戻ったほうがいいかも。
きっと彼女の旦那様が心配してるわよ。

アイスがバー・エデンに戻ると
入り口のカウンター席で飲んでいた
鶏そっくりの頭をした男が振り向いた。
お戻りですか。
先ほどはどうも。私はルース。
今あなたの話題で盛り上がってました。
そうなの?
私はアイス、どうぞよろしく。
情報が回るのが早いのね。
この船は地球オタクの巣窟みたいな
所ですからね。
あ、みなさんはまだ奥の席にいらっしゃいますよ。

アイスは奥の席に向かう途中、
映画を上映している一画にさしかかり、
二人組のロボットに挨拶された。
アイスさんですね。
シーサンとアルニです。どうぞよろしく。
こちらこそ。
あなたたち、映画に出てくるロボットにそっくりね。
この宇宙に実在してたの?
地球オタクの映画ファンに作られたんですよ。
似てるのは外見だけです。
と二体のロボットは言った。
結構気に入ってます。
僕らは以前、地球にも行ったことあります。
事故で円盤が墜落して地球人に助けられたんです。
もう17年も前のことなんですけど。
ふーん。
その話、聞いたことがあるような気がする。
とアイスは言った。

アイスはみんなのいる奥の席に戻ってきた。
艦長と話していて遅くなっちゃったわ。
そのようね。
こっちではもっぱら魔法の話で盛り上がってた。
カニの卵のような料理がとても美味しいの。
食べすぎると悪夢を見るわよ。
そろそろホテルに戻りますか。
ハリーが心配してるかも。
たぶんアイスが一緒だっていうことは、
ピピが知ってるし、そうでもないと思うけど、
やっぱりあんまり遅くなってもあれだしね。
解説l)
続きます。
Jan 11, 2025
集落への散歩

散歩してきたばかりのハリーたちに
負担をかけまいと、
サラは夫妻と別れてきたものの、
この辺のことはわからない。
とりあえずフロントにルームキーを預けて
出かけよう。
良い一日を。と言われている。

ホテルを出ると、
ちょうど森から帰ってきたらしいシーザーと
ダリオに出会った。
二人とも去年のハロウィンの時に、
サラたちの部屋を訪れ、
シーザーには猿の惑星の着付けを、
ダリオにはアフリカの民族衣装の着付けをしたので、
サラとは顔見知りだった。

サラさん、泊まりに来てくださったんですね。
そうなの。ホテルは順調みたいね。
これから散歩に行くんだけど、
このへんのこと全く知らないの。
ここはマークの集落の外れですからね。
集落までちょっとだけ離れていますよ。
ジャングルに迷い込むと危険です。
よかったら僕が集落まで案内しましょう。
とダリオが言った。

良い1日を。
とシーザーが叫んでいる。
助かるわ。
ところで、ダリオさんはどうしてホテルへ?
ホテルに食品を卸すアルバイトを始めたんです。
ふーん。逞しいのね。
食品は向こうの世界から借りてくるんですよ。
それってずるくない?

ここは知ってる。ホテルに来る時通ったわ。
フラハの家に抜ける道です。
道に見えないけど。

フラハの家の前にでた。
会うと足止めされそうな予感がするから、
通り過ぎましょう。

ここからは平坦な道が続きます。
集落の中心部までちょっとあるのね。

いよいよ中心部ね。
この道がメインストリートです。

ここはレストラン?
豹変亭っていう飲み屋を兼ねた食堂ですよ。

一応集落に来る目的を達成したので、
二人は休憩していくことにした。
店の奥から出てきたアンドレアが、
いらっしゃいませー。
と言っている。
解説)
続きます。