Feb 26, 2005

夢の陶器(2000.10.10)


家並みが見えるね

キリコは言う
さくさくした
パウンドケーキのような

雲にはトゲの稲妻が光り
皿に載る花火付きのケーキは
二段重ねで足でつぶせる紙みたい

ところで
あんたって
私んちを通りすぎて
すぐに私のことは忘れて

ひとりで水と遊んでいるでしょう

亀甲の一区切りにあんたは
たたずんで
もやもやしてるのかな

お話を吸うスポンジケーキ
それで
そこから小さい小さい鳥が飛ぶ
でも
それはやっぱり霧みたいに見えるのね

キリコは五百円玉を
出窓の貯金箱に落とす

ざらついた夢の陶器

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