Feb 26, 2005
僕を旅している街(2000.2.8)
「毛細血管がヒトミにまで来ていますね
酸素が足りなかったのでしょう」
小さな旅に出る
「あなたが生成した隠微な花は
でも張り付いていますよ」
旅は地下鉄の七つ目の駅を降りた
路地だ
変哲もない建物の一角にその家はある
たぶん
僕が街を旅しているのではなく
街が
僕を旅しているように思える
でなければ
境もなく どうして自動販売機と
塀とドアとつながっているのか
廊下には
普通の服を着たOLが歩いているし
競馬がテレビで映し出されてさえいる
こののっぺりした路地と建物が
僕を旅している
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