Jan 23, 2022

春節にむけて そのろく

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今年の春節は2月1日からなのよね。
などと話していると、
訪問客があった。

こんにちわ。
ロボット研究所の者です。


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今日は研究のためお借りしていた
球状磁石をお返しにあがりました。
なにかわかりましたか。
それは口外できない規則なんです。
ただ特に害がないものだということで。
あ、ストーブの傍って
あったかいですね。


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よかったらオレンジでもどうぞ。
すごくすっぱいですが。
あ、私ちょっとすっぱいの苦手で。


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用件をすませると、
研究員はそそくさと帰って行った。

おとうさん、よかったね。
頭蓋骨はまだまどろんでいるようだ。


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このチランジアどうしようか。
えっと、私に考えがあるの。
まずきようさにくまんを食べてから。


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なに工作してるの。
東屋でみた吊り鉢みたいなのを作るのよ。


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吊りザルがあっというまに完成した。
部屋の隅に飾ろう。


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お前はだれだ。
さらさらのサラよ。
おとうさん、目が覚めたみたい。


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照りつける日差しのなか、
風ばかり吹く長い夢を
ずっと見ていたようだ。

チランジア、部屋の隅に
飾っておくから、
またその夢みたくなったら、
いつでもいってね。


解説)
ロボット研究所の職員が
球体磁石を借りていたというのは、
昨年12月11日の「訪問者」
のエピソードからの続きです。

吊りザルは、
ミニチュアのざるのアイテムに
ピンバイスで三箇所穴を空けて
チェーンを通してつくりました。
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