Aug 22, 2021

その後のあれこれとリリスの鍵

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モモコは、
たまきにリアルな夢の体験を話し終えた。
それはさあ。
とたまきはいった。

きっと、モモコは郊外で道に迷って、
知らないうちに迷いの森の領域に入り込んで、
小川に流れてた水を飲んだせいで、
夢を見て、あっちの世界に入り込んだんだね。
モモコは、そういう体質みたいだし。
夢見る乙女ってこと?
とナオミがいった。

ジェーンって女性が住んでる別の世界があるって、
前にもいってたじゃない。
わたしも体験からいって、それ信じるわ。
うーん。
戦争が停戦したらしいのはよかったけど、
今度は怪物って、
物騒な世界には変わりないわね。
また行ってみたいけど。
と、たまきは言った。


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ドルフィンのマスターが、
電動スクーターにヘッドライトを
とりつけている。
初めて見るサラは興味深そうに眺めている。


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ヘッドライトが点灯した。
このスクーター、借りられるんですか?
とサラは聞いている。


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ジオラマ写真展が終わり、
ジャンは遊びに来たエトナと二人で、
リリスの家の一階の内装作業をしていた。


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これでずいぶん酒場らしくなったね。
リリス、なにかいいたそうにしてる。
とエトナが言った。


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倉庫で二人で休憩して、
夢見の水を飲んでいると、
ふっと、リリスが姿をあらわした。

今日はこれまでのお礼をかねて、
ちょっとしたサプライズを。
とリリスは言った。


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リリスがさっと左手を差し上げると、
壁際に黒いドアが出現した。
ドアは微妙に壁から浮き立ってみえる。

これはさっき作ってくれた
私の家の酒場に通じてるドアよ。


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リリスが右手を振ると、
金色の鎖のついた鍵が、
リリスの手に握られていた。

これはドアの鍵。
これからは、
いつでも好きなときに使ってね。

そう言って微笑むと、
リリスは鍵をジャンに手渡して、
ドアをあけて出ていった。


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二人はしばらく
あっけにとられていたが、
気をとりなおしたジャンがいった。

なんかすごいことになったね。
とりあえず行ってみよう。

ひとりで大丈夫ですか。

え。君も一緒に。

ええ、もちろん。
と、エトナは嬉しそうに言った。


解説)
別世界の準備が、
ようやく整いつつあるようです。
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