Aug 23, 2021
リリスの酒場
ジャンたちがドアを開けると、
リリスの家のふきぬけになっている酒場の
二階の壁際にある廊下のような場所に出た。
ちょっと想像と違ったが、
たしかに、手すり越しに
一階の酒場が見下ろせるので、
リリスが言っていたように、
ドアが酒場に通じていると、
言えないこともなさそうだった。
ともあれ二人は一階を覗き込んでみた。
酒場には米軍兵士とドイツ軍兵士が、
混在して、仲良く酒を飲んでいる。
ジュークボックスから音楽が流れ、
目玉焼きを食べながらビールを飲んでいる、
エルマの姿も見えた。
二人は階段を降りて、
一階の隣室から、酒場に入っていった。
喧噪にまぎれて気がつかないのか、
二人が入室してドアを閉めても、
誰もジャンたちに目をむけなかった。
そのとき、酒場の隅の座席にいたジョーが、
ジャンたちに気がついて、
あー、ようこそ。どうぞこちらへ。
と声をあげた。
店のオーナーのリリスさんから、
先ほどお二人がいらっしゃるかも、
と伺っていました。
とジョー大尉は言った。
最初は信じられませんでしたが、
たしかに別世界は実在するようですね。
先日は、そちらの世界から来たという、
モモコという女性にお会いしました。
ジャンたちはモモコのことは
初耳だったが、ジョーの話を聞いて、
なるほどと納得した。
側に立って聞いていたエルマが、
この酒場の開設について、
ずいぶん骨を折ってくださったとか。
お二人を歓迎します。あかりを。
というと、店内の照明の一部が、
赤くともった。
危機的状況ながら、
せめて気分は明るくいきましょう。
どうぞごゆっくり。と、エルマはいい、
後ろをふりかえりながら、
あ、あのワインと、あの曲お願いね。
それから、目玉焼きも追加。といった。
解説)
ちょうど、ジルの別荘の正面の壁や、
草地のあったスペースに、
リリスの酒場を設置しました。
これでしばらく遊びます(^_^)
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