Feb 26, 2005

傷(1998.11.10)


もし頬に傷がないのなら
あなたは僕を好めない
なぜなら
けっしてあなたは
あなたの傷を見る僕の目を
見ることができないから

傷がどのへんにあるのかを
探したりはしないけれど
流星のような傷が
あなたの外の
森のなかに落ちていることもない

耳たぶに触る
でもその柔らかい肉の完璧な造りは
予兆にはならない

予兆はただ
夕闇の
白い横顔の頬に
針のように流れる
見えない傷だけだから

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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