Feb 26, 2005
夜11時に書く日記(1997.10.21)
薄曇りの日
片目のつぶれた猫が
伸びをしている
夕方には雨が降りだした
でも彼は恵比寿までチャリで行くことにしている
夜のカラスも鳴き
煤けた闇に
コツコツとハイヒールの音が響く
今日は蕪の煮物を食べた
べったら漬けも
犬もあくびをする
そして
妻は眠っている
風呂では湯気がやがて滴になり
お茶は冷え
3日経った回覧板は
通販のカタログの上に放ってある
遠くのビルの先端で
二つのライトが
ゆっくり点滅し
今日の絵の具は
最後の色を
流す
窓ガラスをぬけてぼくが浮遊を始めるまえ
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