Feb 26, 2005
砂層(1997.7.15)
砂に満たされた層に
砂の蝉が飛ぶ
夜
歌が終わると
砂嵐になるテレビ
飛ぶ砂の中ににおぼつかなく
蝉がいて
もう幹の形であるかもわからない桜の木に
とまる
真空管のノイズは
寒天のように四角く加工され
砂菓子として
砂の身体を貫き
四角いまま
床に突き刺さる
満たされた層は
変幻する街の内臓で
告げている
いま
砂でできた建物が
地平線にあり
平たい巨きな魚が
潜り込むのを
ただ
傾ぎ
うろたえる砂の中で
フラッシュされるのが
見える
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